準々決勝:ブラック対モノ・ブラック
Sam Black(アメリカ) vs. 山本 賢太郎(日本)

更新日 Event Coverage on 2013年 10月 13日

By Tobi Henke

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サム・ブラック/Sam Black(世界ランキング25位、青単信心) vs. 山本 賢太郎(黒単信心)

 前日までの2日間、スタンダードと『テーロス』ブースタードラフトの合計16回戦を経て420人のプレイヤーが敗れ去り、今や8人のみがシングル・エリミネーションによるプレイオフ・ラウンドに臨んでいた。彼らは再びスタンダードのデッキを手にして、プロツアー王者の称号を争う。この準々決勝は、アメリカのサム・ブラックと日本の山本賢太郎の顔合わせとなった。

 山本は昨日ツイッターで「日本が隠し持つ次世代の大物」として呼ばれていたが、実際はかなり長い間活躍しており、プロツアー・サンディエゴ2007では決勝まで勝ち残っている。ブラックも同様にプロツアートップ8を1度、2年前のプロツアー・フィラデルフィアで記録しており、その後も何度もプロツアーやグランプリで好成績を残し、トップ・プロ・ランキングで25位につけている。

 この対戦では2個の信心デッキが対決することになるが、その2つは実に異なるものだ。ブラックのデッキが《海の神、タッサ》と《波使い》でビートダウンすることを狙っているのに対し、山本のデッキはクリーチャー除去で対抗し、最終的には《冒涜の悪魔》や《アスフォデルの灰色商人》といった重量打線でゲームを締めくくることが目的になるだろう。

世界ランキング25位のサム・ブラック、プロツアー・サンディエゴ2007準優勝の山本賢太郎。ともに信心デッキを使用しているもののその色は異なる。ブラックは青へ信心を捧げ、山本は黒マナへの信心で成功を狙う。

ゲーム展開

 第1ゲームは、ブラックは《審判官の使い魔》、《前兆語り》、そして《思考を築く者、ジェイス》でスタートを切ったが、山本の《肉貪り》により2体のクリーチャーを、《変わり谷》の攻撃によりプレインズウォーカーを失った。ブラックは2枚目の《審判官の使い魔》と《波使い》で再編成するも、また別の除去呪文《破滅の刃》で同様に除去された。ここまで山本は自軍の戦線に何も追加できておらず、ブラックが《潮縛りの魔道士》と2枚目の《波使い》を唱えるころには、深い困難にいることが明らかとなった。今回は《波使い》が戦場に残り、2回の攻撃によってブラックがゲームを先取した。

ブラックは波に乗って主導権を先取する

 第2ゲームはブラックの第2ターン《潮縛りの魔道士》が初動となり、そこに山本の《強迫》が続き、《波使い》《凍結燃焼の奇魔》、2枚目の《潮縛りの魔道士》、《海の神、タッサ》そして2枚の《タッサの二叉槍》が公開された。この手札には土地がない。山本は片方の《タッサの二叉槍》を落としてターンを返す。ブラックは《》をトップ・デッキすると《海の神、タッサ》を唱えた。山本はそれ以上のプレイをできずにいると、神がゲームを支配することになった。その占術能力によりブラックは初期のマナ・トラブルから永遠に解放されるのみならず、2枚目の《潮縛りの魔道士》によって神は定命の者に立ち塞がる存在となり、ターンあたり5点の確実なダメージは山本の命がただ風前の灯であることを示していた。

 続くターンの《タッサの二叉槍》は青への信心のより確かな供給源となり、なおかつ追加のカードを確実にもたらした。山本はそれ以上呪文を唱えることはなかった。

 2ゲームを失い、今や山本は背水の陣を敷くことになった。準決勝に進むためには3連勝が必要で、事ここに至って失敗は許されない。一方のブラックは素早く2-0のリードを奪って、いわく「ええ、巧く行ってますねえ。」

 第3ゲームは、山本の《思考囲い》で《急速混成》《潮縛りの魔道士》《波使い》《雲ヒレの猛禽》と3枚の《》が公開されて始まった。山本は《急速混成》を抜いた。ブラックは《雲ヒレの猛禽》から入り、第2ターンに《潮縛りの魔道士》を出した。そこで山本は《群れネズミ》を唱えた。もはやブラックは《急速混成》を持っておらず、試合はレースに持ち込まれた。第3ターンに《夜帷の死霊》を出せたことで、まずブラックがリードしたが、すぐに2体の3/3ネズミが突入してきた。ブラックの《波使い》がゲームを五分に引き戻したが、それも《破滅の刃》で落ちた。これで山本には2マナしか残らず、《群れネズミ》で新たなトークンを出せなかったが、しかし山本は手札からもう1枚を唱えてみせた。突如ネズミが4体に増え、うち3体が12点の攻撃を加えた。

山本は「第2ターン《群れネズミ》」に対面した者がどんな気分になるかを思い出させてみせた。

 ターンの開始時点ではブラックがダメージレースで優位に立っていたはずが、今や彼のライフは2に落ちた。彼の手札にも、ドローにも、いくら考えてみても解答はなく、スコアは2-1となった。それでもまだブラックがリードしている。

 第4ゲームはいくつかの交換で始まった。ブラックは《潮縛りの魔道士》を《ファリカの療法》で、《夜帷の死霊》を《肉貪り》で、《タッサの二叉槍》を《思考囲い》で、もう1枚の《夜帷の死霊》を《英雄の破滅》で失った。2体の《凍結燃焼の奇魔》は生き残ったが、ブラックの《波使い》は即座に《ファリカの療法》で死に、さらなる《波使い》もまた《ファリカの療法》で対処された。しかしここまで、《凍結燃焼の奇魔》はゆっくりと山本のライフを削りきっており、とうとうブラックの大きな脅威が品切れになってしまっても、それにかかっていたマナが使えるようになり、《凍結燃焼の奇魔》の働きはいよいよ増し、さらなる《変わり谷》が続いた。山本のライフはすぐに7となり、次の攻撃では片方の《凍結燃焼の奇魔》を《英雄の破滅》で除去せざるを得なくなり、これでライフは2、そして、0になった。

「このマッチがここまでうまくいくとは思わなかったよ」と、3-1で勝利した直後にブラックは言った。「第1ゲームは勝てるだろうけど、サイドボード後は厳しい時間が続くと思っていた。彼のサイドボードの選択にはいくつか驚くところがあった。それと、実は《群れネズミ》がどれだけ強いのかにも驚いたよ。」

サム・ブラックが3-1で勝利し、準決勝に進出!


(Tr. Yusuke Yoshikawa)

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