準々決勝: 津村 健志 vs. 横須賀 智裕

更新日 Event Coverage on 2004年 6月 12日

By 小堺 透雄

日本選手権もいよいよ最終日。決勝ラウンドを残すのみとなった。
津村と横須賀は、前日のスイスラウンドはリミテッドでの対戦があり、ここでは横須賀が勝利を挙げている。津村としてはここで借りを返しておきたいところだろう。

しかし、両者のデッキは津村の親和に対して横須賀は、自ら「狂った26歳」と名付け、白緑青のユーティリティースペルを大量に詰めこんだ、親和ガンメタのコントロールデッキ。

昨日のベスト8が確定した時点で、関東勢唯一の生き残りとなった横須賀の有利が囁かれているが、結果はどうなるか。

津村「仲間から、必勝法を聞いてきましたよ」
横須賀「どんなの?」
津村「初手で《金属ガエル/Frogmite》4枚並べれば勝てるって。それを3回」

Game 1

ダイスロールで先手は横須賀。

《銀騎士/Silver Knight》《帰化/Naturalize》《新たな信仰/Renewed Faith》と土地4枚のハンドで少考。

相手は親和とわかっている。若干不安が残るが、結局このハンドをキープしてスタートした。対する津村もマリガン無しで、《電結の働き手/Arcbound Worker》からスタートし、続くターンには《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》《金属ガエル/Frogmite》と連続召喚して畳み掛ける。

対する横須賀は《金属ガエル/Frogmite》の召喚にスタックで《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を《帰化/Naturalize》で破壊するが、津村は追加の《金属ガエル/Frogmite》をプレイして鬼回りの気配が漂う。

横須賀の手札に今のところアーティファクト破壊や《神の怒り/Wrath of God》は無い。
とりあえず《銀騎士/Silver Knight》をプレイしてターンを返すが、津村は構わず《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を《電結の働き手/Arcbound Worker》→《金属ガエル/Frogmite》と装備して手札を補充しつつカエル2匹をレッドゾーンへ。

しぶしぶ通す横須賀。
手札には追加の《銀騎士/Silver Knight》と《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》《新たな信仰/Renewed Faith》がある。瞬殺される危険は無いと判断して、《銀騎士/Silver Knight》を陣営に加えてターンを返し、《新たな信仰/Renewed Faith》を構える。

「《頭蓋骨絞め/Skullclamp》が生き残る」という状況は、両者にとって全く逆の意味で「誤算」だ。

津村はすぐに代わりの《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を調達し、手札と親和を稼いで攻め続ける。だが、横須賀がプレイした《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》で青マナが並ぶと、津村がプレイスタイルを変える。

横須賀のデッキにある3枚の《機械の行進/March of the Machines》の存在を知っているからだ。

まず、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》を召喚。さらに《金属ガエル/Frogmite》を絞めてドローを重ね《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を2体プレイ。

残ライフ13の横須賀は、津村の場に並ぶ9枚のアーティファクトにじっと目を凝らし、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》の攻撃を《銀騎士/Silver Knight》でチャンプブロックすると、津村は更に《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》を加えて横須賀にターンを返す。

ここで何も無ければ横須賀は後が無い。

だが、プレイ出来たのは《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》のみで、まずは津村が先勝する。

津村 1 – 0 横須賀

Game 2

《粛清/Purge》《翼の破片/Wing Shards》《神の怒り/Wrath of God》と土地4枚。アーティファクト破壊は無いものの、最低限必要な除去は揃っている。
横須賀はまたも考え込むが、このハンドをキープ。先程の《頭蓋骨絞め/Skullclamp》大暴れの記憶が鮮明な横須賀は、またしても不安を抱えての開幕となってしまう。

対する津村はマリガンを選択。両者とも、オープニングハンドが持つ意味を十分に理解している。

津村の《彩色の宝球/Chromatic Sphere》経由の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》でゲームが始まり、続いて《金属ガエル/Frogmite》もプレイ。手札に後続が控えるが、一気に展開はせずに横須賀の出方をうかがう。

《頭蓋骨絞め/Skullclamp》が津村の場に加わり、アーティファクト破壊を引き込めない横須賀は《金属ガエル/Frogmite》に装備されそうになる度に《粛清/Purge》で《金属ガエル/Frogmite》を始末することを繰り返す。

ようやく横須賀が《酸化/Oxidize》を引き込んで来たのは、津村の場に2枚目の《頭蓋骨絞め/Skullclamp》が加わった後のこと。《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》が横須賀に次々と襲い掛かる。

横須賀は《原野の脈動/Pulse of the Fields》でのライフ回復で活路を見出そうとするが、津村が《爆片破/Shrapnel Blast》を自身に撃ち込んで回避。たまらず《神の怒り/Wrath of God》を放つ横須賀。

アドヴァンテージが取れずに苦しい戦いが続く横須賀だが、《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》のサイクリングで《島/Island》を引き込み、《機械の行進/March of the Machines》を匂わせる。

津村も当然、場と手札と相談して「そうなった後」の計算を始めていた。

しかし、現実には横須賀は何も引けなかったのだった。

津村 2 – 0 横須賀

Game 3

先手を取るべきか、後手を取るべきか。

横須賀 「引き悪い……」

この言葉が全てだろう。とにかく、ここまでの横須賀の流れは悪すぎる。
しかし、自分のデッキなら間に合う。カードさえ引ければ負けないと信じて横須賀は後攻を選択した。

だが、この横須賀の悲壮な決意に反してこのオープニングハンドにもアーティファクト破壊が見当たらない。対する津村は常に高速展開からの《頭蓋骨絞め/Skullclamp》という、3戦続けてリプレイを見ているかのような、親和のベストの回りを続ける。

《頭蓋骨絞め/Skullclamp》は《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を呼び、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》の協力でどんどん横須賀のライフを削いでいく。土地は2枚でストップしてはいるが、《頭蓋骨絞め/Skullclamp》があれば時間の問題だろう。実際に追加の土地を用意するのに時間はかからなかった。

一方の横須賀。
サイクリングすれども土地しか見えず、手札には一応《神の怒り/Wrath of God》が2枚と《翼の破片/Wing Shards》があるものの、残りの3枚は全て土地。

場にはすでに7枚の土地が並んでいるにもかかわらず、である。

《神の怒り/Wrath of God》の対応で《爆片破/Shrapnel Blast》を浴びた横須賀のライフは6しかない。津村の側には《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を装着済みの《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》がゴーサインを待ちわびている。
処理されれば今度は《マイアの処罰者/Myr Enforcer》、《金属ガエル/Frogmite》……

やられてもやられても、津村の補充は十分だ。

ついに、横須賀の除去が底をつく。

津村の手札には《爆片破/Shrapnel Blast》。
場には十分なダメージクロック。

横須賀のデッキに大量投入されているはずの《機械の行進/March of the Machines》を、このマッチで手札を含めて1度も見ないまま、不完全燃焼のデュエルで横須賀の日本選手権は幕を降ろす事となってしまった。

不利を跳ね返した津村は、準決勝で中村との親和対決に。お互いにメタデッキを下しての準決勝進出に、《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を含めて「親和強し」を印象付けるひとときだった。

津村 3 – 0 横須賀

Final Results : 津村 健志 Win

Tomohiro Yokosuka

Download Arena Decklist
ソーサリー (4)
4 Wrath of God
インスタント (12)
3 Renewed Faith 4 Oxidize 3 Naturalize 2 Pulse of the Fields
アーティファクト (1)
1 Mycosynth Lattice
エンチャント (3)
3 March of the Machines
60 カード

Tsumura Kenji

Download Arena Decklist
ソーサリー (4)
4 Thoughtcast
インスタント (3)
3 Shrapnel Blast
アーティファクト (15)
4 Welding Jar 4 Chromatic Sphere 4 Skullclamp 3 Pyrite Spellbomb
60 カード

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