準々決勝: 石川 錬 vs. 浅原 晃

更新日 Event Coverage on 2004年 11月 21日

By 吉川 祐輔

「ここはLoM?」と誰かがつぶやいた。

そういえば、彼らはともに地元、神奈川在住のプレイヤーで、先月に行われた関東のフラグシップ的なイベント"Load of Magic 2004"にも参加している。

そして石川は、強豪集うそのイベントで準優勝の戦績を勝ち取った。そしてこのグランプリでもTop8に残る活躍を見せている。勢いという点ではメンバー随一だろう。

対して浅原は、もはや説明不要のトッププレイヤーだ。デッキビルダーとして知られ、「マナバーン」誌でも構築系の記事を担当する彼だが、思えば2003年のGP京都で初戴冠したときもリミテッドが舞台であった。

新鋭vsベテラン。GP覇者への挑戦権を賭けて、神奈川代表を決める戦いが始まる。浅原が飛行でまとめた白青、石川が真っ直ぐな白緑のビートダウンである。

Game 1

ダイスロールで浅原先攻。初動は石川の《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》から。浅原も《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》で応える。

石川が《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》でマナベースの拡張を図ると、浅原は《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》を追加して石川の手の届かないビートダウン態勢を作る。
これに対し石川は少々考える。土地を置いて、ここは《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》をプレイして《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》は攻撃せず。浅原は飛行2体で攻撃し、ダメージで先行すると、さらに《川の海神/River Kaijin》を配備。《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》には効かないが、後への備えを。

残した《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》のマナで《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を回した石川は、《野太刀/No-Dachi》を《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》に装備させて攻撃することを選択した。真っ直ぐなビートダウンにしか道はない、と。

これに対して浅原は、《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》を残して2体で攻撃し、そのまま5マナオープンでターンを返す。

これには訝しむ表情の石川だが、さりとて手札に対抗策はなく、愚直な攻撃を続行する。待ちうける浅原は《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》で4/1先制攻撃をブロックし、その先制攻撃ダメージをスタックに乗せた後に《祝福の息吹/Blessed Breath》。これは石川も覚悟していたものだったが、さらに《消耗の渦/Consuming Vortex》が連繋され《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》までもが戻されると、石川は「きちー」とうめき声を漏らす。

石川は《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》と《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を再配備して逆転の機をうかがう。浅原は飛行2体でのビートダウンを続行し、そのままエンド宣言。石川は《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》起動の後の《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》で逆転策を求める。

そこで見つけたか、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をドローに換えた後に《樫族の肉裂き/Kashi-Tribe Reaver》と《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》を加える。
だが浅原は非情とも思える冷静さで《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》に《秘教の抑制/Mystic Restraints》をエンチャント。攻撃の後《伝承の語り部/Teller of Tales》を追加し、石川に隙を与えない。

石川は《樫族の肉裂き/Kashi-Tribe Reaver》で攻撃をしてはみるが、浅原は動じるはずもなく《川の海神/River Kaijin》でブロック。何事もなく、ただそれが横になるだけ。

粘ろうとする石川は《百爪の神/Hundred-Talon Kami》をプレイしブロッカーとするが、浅原の「クチ」こと《伝承の語り部/Teller of Tales》が吼える。アンタップ後に先ほど見せた《消耗の渦/Consuming Vortex》でこれを戻すとともに《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》をタップさせ、さらに《川の海神/River Kaijin》を《祝福の息吹/Blessed Breath》で起こすと、ライフ7点の石川を一瞬で介錯した。

「へたくそー」と、石川が自らに向けて、ため息混じりにつぶやいた。

石川 0-1 浅原

Game 2

「先で」と毅然とした声の石川。しかし、初手を見るなりマリガン宣言、覗いたライブラリの上には《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》。首をかしげる。

さらに見た6枚にも大きくうめき、苦渋のマリガンを宣言せざるを得ない石川。祈るようにライブラリをシャッフルする。5枚に何とか納得し、一方浅原は冷静に7枚をキープ。
いきなり大きなビハインドを背負ってしまった格好だが、諦めない石川は《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》《樫族の肉裂き/Kashi-Tribe Reaver》で先行する

すると、《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》を2連打した浅原が土地3枚、しかも《島/Island》ばかりで止まってしまう。ギャラリーが、おそらく本人もが感じていたであろう圧勝の予感に、暗雲が漂い始める。

《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》こそ相討ちに取るが、石川は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を引き当て、さらに《薄青幕の侍/Samurai of the Pale Curtain》を追加する。浅原は《川の海神/River Kaijin》で防御の体制を。

決意した石川の猛攻にさらされ、浅原は苦しそうな、だが冷静な表情。なんとか4枚目の《島/Island》を引くと《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》。これは《薄青幕の侍/Samurai of the Pale Curtain》と相討ちに。

石川は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》で未来を手繰り寄せると、《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》を2連打してたたみかける。

《樫族の肉裂き/Kashi-Tribe Reaver》はサイズ上《川の海神/River Kaijin》で止まるはずなのだが、その能力のおかげで1ターンごとに休ませられ、思うように対処ができない。何より、白いカードが手札でうなっている。

5枚目の土地も非情の《島/Island》。《伝承の語り部/Teller of Tales》も《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》の一方と相討ちとせざるを得ないようでは、苦しい。

石川は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》の加護で噛み合ったドローを続け、消えかけた夢を追いかける。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》の能力を使い《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》を手繰り寄せ、もうこのゲームの勝利は離さないと。

もうライフも残りわずかの浅原のドローは、《狐の易者/Kitsune Diviner》。もちろん《平地/Plains》はない、さらに相手にスピリットはいない。

何も噛み合っていないドローが象徴する、浅原の痛恨のゲームだった。

石川 1-1 浅原

Game 3

先ほどの印象か、いつもより更に慎重に手札を見定める浅原。静かな逡巡の後、無言でライブラリに手をかけ、マリガン宣言とした。6枚はキープ。

一方の石川は上げ潮ムード。表情にも生き生きとしてものが感じ取れる。「やります」と一言。

《灯籠の神/Lantern Kami》で先行する石川に、浅原は《金之尾師範/Sensei Golden-Tail》で応える。石川は《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》を加え、ここまでは互角の形勢だ。

しかし、シールドで吼えたあの伝説が、今蘇る。《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》がプレイグラウンドに現われる。石川も《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》で対抗するのだが、両者のクロックは急激に差がついてしまった。

お互い攻撃を1度仕掛けあった後、土地5枚をオープンにしたままターンを返す浅原。今度は《平地/Plains》4枚に、《島/Island》1枚がある。大丈夫だ。

さてこれを挽回したい石川のターン。少し苦しそうな表情で、石川はわずかの考慮時間を取ると、《灯籠の神/Lantern Kami》《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》で攻撃し、《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》の2体目を追加して、残した《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》と守りを固めた。土地は《平地/Plains》《森/Forest》がアンタップである。

少し「くさい」ものが感じられるが、浅原はここで止まる理由もなく伝説2体で攻撃。これに対し石川は、もろもろの修正込みで4/3となる《金之尾師範/Sensei Golden-Tail》を《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》でブロックし、これに《木霊の力/Kodama's Might》を使う。

わずかの沈黙が、盤上に訪れる。浅原はここでたっぷりと時間を使い、《祝福の息吹/Blessed Breath》で《金之尾師範/Sensei Golden-Tail》を救うことを選択した。

戦闘終了後、《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》をプレイして即能力を起動すると、そこには《狐の易者/Kitsune Diviner》がいた。現状、石川のコントロールにスピリットはいない上に、《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》がいる。他方、手札には出番を待ちわびる《伝承の語り部/Teller of Tales》と《嵐の種父/Sire of the Storm》がいる。戻した《平地/Plains》を加え、選択肢は4枚だ。

ここで浅原は、《嵐の種父/Sire of the Storm》をあきらめ、《狐の易者/Kitsune Diviner》をプレイすることを選んだ。

ターンが返ってきた石川だが、時間はもう残されてはいない。それでも、手は止められないと《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》で《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》を「挑発」して退け、同時に《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》《灯籠の神/Lantern Kami》で攻撃をしていく石川だが、いかんせんクロックが細い。加えて、その手には土地しか残されていない。

次なる侍の太刀を《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》1体を捨て駒にして耐え忍ぶ石川だったが、続くターンもドローは土地で、残したブロッカーを《消耗の渦/Consuming Vortex》で排除されたのを見届けると、敗北を認めたのだった。

石川 1-2 浅原

「ランド引きすぎたー」と悔しがる石川。しかし、その粘り、経験はきっと後に活かされることになろう。勢いのあるプレイヤーにこれが加われば、ブレイクも遠くないはずだ。

そして浅原は、「頑張ってください」と言い残した石川の想いを乗せて、準決勝へと駒を進める。

Result: GP Kyoto 2003 Champ is Winner! Advance to Semifinals.

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る