準々決勝

更新日 Event Coverage on 2004年 3月 21日

By 百瀬 和之

Antonie Ruel(以後文中Ruel)。我々日本人から主にマネードラフト(パック代程度の少額の賭けを伴う、4-6人程度でのドラフト)の相手として慣れ親しまれている「ルエル兄弟」の兄である。最も日本人と仲の良いフランス人(そう。フランス人。パリに住んでます)の1人であり、今回の仙台GPに何故いるかというと、

2月末:プロツアー神戸
3月6、7:GP香港
3月20、21:GP仙台

と、兄弟揃って、述べ3週間の間ずっとアジア圏にいたから。

いたから。と軽くいったが、いまだかつてここまでの強行軍をやった人たちはいないだろう。プロツアーから香港に言った人はかなり多かったが、その後2週間をはさんでのGPにまで来た人は間違いなく彼らだけである。

そんなマジック大好きなRuel兄弟だが、実力の方も折り紙付きで、それぞれ、最高成績はというと、

兄:世界選手権3位
弟:プロツアー2位

といった感じで文句なし。そしてGP仙台のために2週間もアジア圏に滞在していたのだ。旅費も相当の物だろう。彼らは勝ちたい気持ちでは会場で1位、2位かもしれない。

そんなルエル兄に対する曽我部は、PTQ上位常連だそうだが、失礼ながら今のところさしたる経歴の持ち主ではない。しかし、デッキパワーでは卓全体で比較しても決して劣った物ではないし、すごい使い回された言い方だが、だれでも最初は経歴なぞないのだ。曽我部の金星はなるのか。

Game 1

ダイスロールにより先行曽我部。1ランドの手札をマリガン後、《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》>《銅のマイア/Copper Myr》>《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》を出し、即矛槍装備と軽快な立ち上がり。《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》、《テル=ジラードに選ばれし者/Tel-Jilad Chosen》で応えるruelに対し、4ターン目に《絡み森のゴーレム/Tangle Golem》《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》と、何と全手札を使い切る。

それに対し《屍賊の模造品/Nim Replica》で対応しながらも《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》で殴るRuel。曽我部は、相手側に《テル=ジラードに選ばれし者》が居て、せっかく早出しした5/4が止まっているため、あまり有利とは言えない場を打開するべく《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》を《屍賊の模造品/Nim Replica》に撃ち込み、矛槍付きの《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》の攻撃で3点をいれるも、返しのターンに《モリオックのゴミあさり/Moriok Scavenger》で即回収され、あまり芳しくない。

その後《解体/Deconstruct》《テル=ジラードの先導/Tel-Jilad Outrider》とトップデッキする曽我部だが、再度出てきた《屍賊の模造品/Nim Replica》の前に今ひとつ攻めきれず、かといって先ほどのこともあり、あまり《屍賊の模造品》を除去してまで攻撃する気にもなれず。Ruel側は《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》で攻撃する余裕も、それをパンプする余裕すらもある状態。

業を煮やした曽我部の全攻撃も、先導VSゴミあさり、社交家VS模造品との図式からの《戦闘の成長/Battlegrowth》(対象《モリオックのゴミあさり》)により、あまり得でない取引となる。さらに《ファングレンの狩人/Fangren Hunter》を追加するが、それでも構わず攻撃してくるRuelの成長済み《モリオックのゴミあさり》は、クリーチャー強化系スペルの気配を感じたのかスルー。

そして返しのターン。目の前には《薄黒爪のコウモリ》と黒4マナが。相打ち覚悟か《骨断ちの矛槍》を携えて突撃する《ファングレンの狩人》も、コウモリが3点パンプした後のトランプルのダメージを、コウモリと本体に分割したところで《残響する勇気/Echoing Courage》といなされっぱなし。挙げ句、《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》を追加し、《骨断ちの矛槍》を装備させたところで、なんとRuel《残忍な戦利品/Murderous Spoils》。奪われた戦利品こと《骨断ちの矛槍》はそのまま《薄黒爪のコウモリ》に装備され、その時点で、長い間コウモリに削られ続けていた曽我部のライフは6。曽我部軍に対空防衛能力無し。当然Ruelに、《薄黒爪のコウモリ》を増強するマナも十分に残されているわけで・・・合掌。

Ruel -1

Game 2

再度《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》スタートの曽我部。しかし今回の2ターン目は《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》と、先ほどとは対照的にマナは増えないが、殴りは安定という状況に。そしてこれまた先ほどとは全く対照的に《銅のマイア/Copper Myr》を出してマナを増やすRuelに対し、もう1枚の《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》を追加し、3ターン目に5点を叩き込む曽我部。これにはRuelもたまらず、返しのターンに即《忍び寄るカビ/Creeping Mold》をとげ刺しに。

その後、曽我部《鉛のマイア/Leaden Myr》Ruel《テル=ジラードの先導/Tel-Jilad Outrider》とお互い展開し、そして曽我部は次ターン、マイアのマナも使い、待望の航空戦力《ゴブリンの飛行艇/Goblin Dirigible》。ターンを渡されたRuelは何もせずにターンを返し、とりあえず盤面だけなら曽我部8点叩き込むチャンス。目の前に6マナさえなければ。

少考の後、そんなわきゃないと、《骨断ちの矛槍》を装備させずに《ゴブリンの飛行艇》突撃。そして案の定《残忍な戦利品》が。しかし曽我部は次の攻撃要因を用意していた。《オーリオックの包囲そり/Auriok Siege Sled》。ルエルはとりあえず、《テル=ジラードの先導/Tel-Jilad Outrider》で攻撃を加え、《屍賊の模造品/Nim Replica》を追加し、4マナを立ててターンを返すが、曽我部はもう《残忍な戦利品》は無いぞと、《骨断ちの矛槍》2枚を包囲そりに装備。

マイア、模造品、それぞれにブロックに使えない方の能力が使われ、7点が本体に突き刺さりRuelライフ8。Ruelとりあえず《戦闘の成長》で《テル=ジラードの先導》を強化し、ダメージクロックを強化した後、ここで謎の作戦タイム。ジャッジを呼んで《オーリオックの包囲そり》のルールの確認にかかる。

作戦会議終了後、成長済み《テル=ジラードの先導/Tel-Jilad Outrider》5点が抜け曽我部ライフ5。もし包囲そりが再度本体を殴りつけてもRuelのライフは1残る。そして、適切なブロッカーを用意できなければ死んでしまうのだが・・・ここで曽我部ドロー《白金の天使/Platinum Angel》!そして、何もできずにターンを返すRuelに対し、トップデッキ《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》!小考の後、《骨断ちの矛槍》2枚を天使に装備、そして《囁き絹の外套》を出し、天使に装備・・・

「8/4飛行、ターゲットにならない、ブロックされない、こいつがいるとゲームに負けない」

よくわからない生き物誕生。曽我部小喜び。見守っていたRuel弟何故か大喜び。もちろんその瞬間Ruelはカードを片づけ。曽我部大喜び。Ruel弟やはり大喜び。

それはそうと弟は兄貴負けたのに喜びすぎ。

Ruel-1 曽我部-1

Game 3

先手Ruel。ゲームは相変わらず曽我部の《骨断ちの矛槍》からスタート。しかし、《テル=ジラードに選ばれし者》>《騒がしいネズミ/Chittering Rats》と軽快な滑り出しのRuelに対し、最初のクリーチャーが3ターン目の《テル=ジラードの狼/Tel-Jilad Wolf》とあまり芳しくない曽我部。その後、Ruelが追加した《テル=ジラードの狼》と曽我部の狼。曽我部が送り込んだ《テル=ジラードの先導》が《テル=ジラードに選ばれし者》と相打ちと、似たものどうしをぶつけ合う二人。しかし、ここでRuelが5ターン目に出したのは《腐食ナメクジ/Molder Slug》!

呆然とする曽我部だが、それに対して《ファングレンの狩人/Fangren Hunter》。緑。5マナ。パワー4。能力1個持ち。いろいろ似てるようですがその実、全然似ていません。これがコモンとレアの格差ですね。ついさっきまでは《骨断ちの矛槍》があったから対抗できたのだが、もちろん曽我部の唯一のアーティファクトである《骨断ちの矛槍》はアップキープにパリン。《腐食ナメクジ》の攻撃を受け、今までクリーチャー同志相打つ課程において、毎回攻撃していた《騒がしいネズミ》に削られていたライフが12>8次のターン、《腐食ナメクジ》は《ファングレンの狩人》でブロック後《とげの稲妻/Barbed Lightning》で始末するが、その次のターン、Ruelは7マナを倒し、キャスト《ワーム皮の鍛冶工/Wurmskin Forger》!

突如5/5にまで巨大化したネズミを曽我部はどうすることもできず、結局20ライフのうち10点以上をもネズミに殴られるという結果に終わってしまった。

Ruel -2 曽我部-1

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