準決勝:Michael Turian vs. Nicolai Herzog

更新日 Event Coverage on 2004年 5月 16日

By 平林和哉

リミテッドの分野では世界最高峰に数えられる二人。Turian は今シーズン限りの引退というタイムリミットから今まで以上に結果を残しつつあるし、Herzog は何しろプロツアーシカゴ準優勝から 1 年越しのプロツアーアムステルダム優勝を成し遂げたばかりだ。その二人がプロツアー 2 勝目を賭けて準決勝で対決する。

しかし、それにしても順当ともいえるメンバーが勝ち残ったこのプロツアー。前回のアムステルダムで決勝ラウンドに残った中で 3 人が再びこの日曜日に姿を現すことになった。そのうち二人がこのマッチアップで、もう一人の Anton Jonsson も片方のテーブルで Antoine Ruel と対峙している。他にも大礒正嗣と Ben Stark にしても今期 2 回目のトップ 8 というわけで、これはミラディンブロックは順当に実力者が勝ちあがることの出来るセットである、ということの証明になるのではないだろうか。

実は今回のプロツアーサンディエゴではブースタードラフト初の試みが行われている。ベスト 4 が決まったあと、いわゆる「トップ 8 ランチ」の最中にデッキリストが配られた。リミテッドでデッキレシピ?と思うかもしれないが、これは準々決勝の観戦記事にアクセスできたプレイヤーだけが利を得ることを防ぐ目的らしい。ただ何しろ各カードがほぼ 1 枚ずつのドラフトデッキ、相手のデッキの中身を知ることが必ずしも好材料になるとは限らない。いわゆる深読みし過ぎるというやつだ。その点も含めて世界最高レベルのプレイングが問われることになるだろう。

Game 1

先手を取りたい Turian だがダイスロールは 1 。初手も土地が 4 枚といまいちパッとしない。

ファーストアクションは Herzog の《鉄のマイア/Iron Myr》から。先手ということもありいきなりマナ格差が広がる。そして《花崗岩の破片/Granite Shard》。まずは盤面のコントロールを Herzog が。しかし Turian は 3 ターン目に《死霊の埋葬布/Specter's Shroud》をドローし、《空狩人の若人/Skyhunter Cub》に装備させて襲い掛かった(ディスカードは《ダークスティールのガーゴイル/Darksteel Gargoyle》)。テンポのいい展開とは言えないものの、悪からぬスタートになった Turian 。一方で Herzog は前のターンに《マイアのマトリックス/Myr Matrix》を展開しているものの、遅い展開に付き合っては結局押されてしまう。

ここを Herzog は除去の大振る舞いで乗り切った。《残響する破滅/Echoing Ruin》を《死霊の埋葬布》に、《残響する衰微/Echoing Decay》を《空狩人の若人》に。さらには手札を空にしつつも《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》を展開し、《マイアのマトリックス》がものを言う展開まで引きずり込もうとする。 Turian は必殺の《手綱取り/Grab the Reins》を持ってはいるが、土地があまり伸びていかない。《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》《レオニンの高僧/Leonin Abunas》《ロクソドンの神秘家/Loxodon Mystic》と並べて機をうかがう。その間ただ土地を並べ続ける Herzog だが、《マイアのマトリックス》環境下の土地はそう馬鹿に出来ないものだ。もはや 9 マナ生成できる状況で、 2 体ずつマイアトークンが登場するターンも近い。

手札の差は 1 対 5 と圧倒的だが、マイアはどんどん増え続け、まずは《薄黒爪のコウモリ》がアタック。当然《空狩人の巡回兵》に殴り返されるものの、《花崗岩の破片》も含めて同量のダメージレースでマイアアタックへの布石を。そして Turian が《手綱取り》のマナにたどり着いたのと時を同じくして、いよいよ Herzogがマイアトークンでの進撃を開始する。《薄黒爪のコウモリ》と 4 体のマイアで攻めかかる Herzog 、それを《レオニンの高僧》《ロクソドンの神秘家》で受け止める Turian 。《ロクソドンの神秘家》にとどめを刺そうとする《花崗岩の破片》を《剃刀の障壁/Razor Barrier》でかわすと、そこには《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》の追撃が。

明らかにマイアトークンに圧倒されつつある Turian だが、負けじと《レオニンの高僧》《空狩人の巡回兵》で攻め返し、《上昇スリス/Slith Ascendant》を追加。一応手札には《手綱取り》《王の咆哮/Roar of the Kha》がある。そうして《王の咆哮》双呪でマイアトークンを迎え撃つのだが・・・・

Herzog は冷静に《花崗岩の破片》で《上昇スリス》を狙撃し、《恐怖/Terror》を《空狩人の巡回兵》に。凶暴なマイアの軍勢が Turian の元に殺到した。

Turian 0-1 Herzog

Turian は《エイトグ/Atog》《精神嵐の冠/Mindstorm Crown》をサイドイン、《王の咆哮》《鋳潰し/Unforge》をサイドアウト。

Game 2

ようやく先手を取った Turian は《上昇スリス》がいるものの《平地/Plains》が 1 枚《山/Mountain》 3 枚というちょっぴり不安な手札をキープ。その嫌な予感は的中してしまい、引いてきた土地は《山》。おまけにドローしてくるスペルも《精神嵐の冠》《空狩人の巡回兵》と噛み合わないことこの上ない。

Herzog はまたまた《鉄のマイア》スタートで、 3 ターン目こそ《衝動のタリスマン/Talisman of Impulse》を出すのみに留まるが、 4 ターン目は必殺兵器《一望の鏡/Panoptic Mirror》!これに触れることの出来ない Turian は《本質の吸収/Essence Drain》を連打されることになってしまう。

それから Herzog が《オーガの爆走者/Ogre Leadfoot》を出した後にようやく Turian が《平地》をドローするものの、遅すぎるのは誰の目にも明らかだった。まあそうはいっても順調に《平地》を引けていたと仮定しても、 Turian の手札では根本的に《一望の鏡》に対処できなかったりもするのだが。

Turian は《レオニンの居衛/Leonin Den-Guard》に《ニューロックの滑空翼/Neurok Hoversail》を装備させてひたすら攻撃を繰り返し、 Herzog の攻撃を《急報/Raise the Alarm》《畏敬の一撃/Awe Strike》でさばくものの、その間もただただ《一望の鏡》が《本質の吸収》を撃ち続ける。

やや遅れながらも手札をダンプし始め、《精神嵐の冠》の可能性に賭けたいTurian だが、さすがにここまでを《一望の鏡》《本質の吸収》だけで凌いできた Herzog の手札は万全の態勢。《花崗岩の破片》《血のやりとり/Barter in Blood》がかろうじて《本質の吸収》から生き延びていた《レオニンの居衛》《レオニンの高僧》を連れ去ってしまい、結局《精神嵐の冠》でドローする前に Turian は諦めざるを得なくなってしまった。

Turian 0-2 Herzog

Game 3

今度こそ《上昇スリス》スタートが出来そうな手札。きちんと白白赤と揃っており、おまけに《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》と想定しうるベストな手札だ。

しかし Turian は 2 ターン目に《オーリオックの貫通者/Auriok Transfixer》をプレイした後に《山》を置かず、おかげで《鉄のマイア》が生き残ってしまう。それとも最初からマイアに《黄鉄の呪文爆弾》を使うつもりは無いということなのだろうか。それでもプレイの可能性は残したほうがいいと思うのだが。

おまけに《上昇スリス》を先に出そうとしてから《オーリオックの貫通者》をアタックさせたため、 Herzog の《鉄のマイア》と相打ってしまう。追い込まれたせいかややプレイに精彩を欠く Turian 。

だが手札が勢いに乗る Turian は《ヴァルショクの狂戦士》を突撃させ、遅れて出てきた Herzog の《オーガの爆走者》と相打たせた上で《囁き絹の外套》を展開。Herzog は《上昇スリス》を《恐怖》することだけは出来たのだが、続く《炎歩スリス/Slith Firewalker》を除去することが出来ない。《鏡のゴーレム/Mirror Golem》を呼ぶものの、明らかに赤黒の Herzog にとっては《囁き絹の外套》つきの《炎歩スリス》はまずすぎる。

そこから両者《電結スリス/Arcbound Slith》、《大いなる収穫者/Greater Harvester》と追加するのだが、ここで Turian の引きが光った。ただでさえ《急報/Raise the Alarm》があるため《大いなる収穫者》は軽くいなせるところで引いてきたのは《手綱取り》!双呪するマナが無いものの、《大いなる収穫者》を奪うと湧き上がるギャラリー。これによって Herzog はブロック不能、対象にならない、育つ、という悪魔的なクリーチャーの脅威にさらされているだけでなくマナベースまでずたずたに・・・・

Herzog は返ってきた《大いなる収穫者》を墓地に送ると、一応《血のやりとり》が無いかドローしてみてから投了を宣言。

Turian 1-2 Herzog

Game 4

Turian の手札には三度《上昇スリス》が。そして《レオニンの高僧》《手綱取り》、勢いはやはり Turian にある?と思いきや土地が《平地》 1 枚だけ。一応《急報》《上昇スリス》とあるもののこのリスキーな手札を Turian はキープ。

かたや Herzog はいつものごとく《鉄のマイア》より開始。 Turian は 2 回目のドローで《平地》を引き当て、《急報》で《ヴァルショクの狂戦士》を迎え撃つものの 2 マナで 1 ターン止まってしまう。

そして土地が止まった Turian を尻目に Herzog は文字通りぶん回る。先手 4 ターン目には何と《大いなる収穫者》。土地が無い Turian にとっては致命的どころの騒ぎではない。一応《畏敬の一撃》でかわすものの、次ターンには《磁石マイア/Lodestone Myr》まで登場。こうなっては Turian の生き残る目は少ないか。

必死に耐える Turian 。次なる《大いなる収穫者》の攻撃は《エイトグ/Atog》に《剃刀の障壁》で耐え、《炎歩スリス》《上昇スリス》と防御網を構築。こうしてみると Turian は 2 マナで一度止まったものの土地を引き続けているわけだ。逆に Herzog はマナがあまり無く、《磁石マイア》はさっそく生贄に捧げられてしまうほど。

だがそれでも《大いなる収穫者》が毎回チャンプさせているわけで、押しているのは Herzong 。《恐怖》が《上昇スリス》を吹き飛ばし、《花崗岩の破片》が《炎歩スリス》を。《エイトグ》を《大いなる収穫者》に差し出して耐える Turian 。それでも手札には《手綱取り》がある。 7 マナ出せさえすれば!

しかし《レオニンの高僧》までチャンプブロックに使った Turian に 7 マナ目は来なかった。運命のドローは《囁き絹の外套》・・・・もはや《手綱取り》は《大いなる収穫者》の攻撃を一度止める《濃霧/Fog》でしかない。

それから Herzog が《ヴァルショクの狂戦士》を《恐怖》で吹き飛ばすと Turian のリソースはほぼ壊滅。もはや Turian が選ぶことの出来る戦略はクリーチャーを引き続け、チャンプブロックを繰り返して Herzog が土地を全く引かない可能性に賭けるしか無くなってしまった。

とはいえそんなギャンブルに勝つことはさすがの Turian にも無理だったわけで。

Turian 1-3 Herzog

Final Result:Herzog defeats Turian,advance to Final.

Nicolai Herzog

Download Arena Decklist

Michael Turian

Download Arena Decklist

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る