準決勝: 射場本 正巳 vs. 橋本 恵介

更新日 Event Coverage on 2004年 8月 29日

By 小堺 透雄

アマチュアプレイヤー4名が決勝ラウンドに残るという、大下克上劇が発生したGP名古屋。準決勝にコマを進めた橋本もアマチュアプレイヤーであり、初の大舞台で準々決勝の同キャラ対戦を制して勝ち上がってきた。

一方の射場本は説明不要の古豪であり、新進気鋭の若手を迎え撃つ立場である。
いよいよ残すラウンドはあと2つとなった。

デッキは射場本がデスクラウド、橋本が親和。デッキタイプだけを見れば親和が有利なように見えるが、その親和の嵐を駆け抜けてスイスラウンドをトップで通過した射場本の構築力は、やはり際立っている。

射場本の《死の雲/Death Cloud》が火を噴くか、橋本が親和最強を実証するか。現環境スタンダードの最終局面は、2つの親和とデスクラウド、それから赤緑ゴブリンの4つに絞られた。

決勝へ勝ち進むのは、漆黒の雲を味方に付けた古豪か。
それとも、王道デッキで突き進んできた若武者か。

Game 1

ダイスロールで、先攻は射場本。
ノータイムで両者はキープを宣言し、橋本は後手ながら親和の完璧なスタートダッシュを見せて《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《金属ガエル/Frogmite》《頭蓋囲い/Cranial Plating》と連打して射場本にプレッシャーをかけるが、これは《血のやりとり/Barter in Blood》でキレイに除去される。

しかし、依然として橋本の場には《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》があり、さらに2枚の《物読み/Thoughtcast》でハンドを補充して、射場本に息をつく暇を与えない。射場本は変異の《首を狩る者/Headhunter》でブロックを繰り返すが、根本的解決には至らない。

橋本の場には、2枚目の《頭蓋囲い/Cranial Plating》と《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、そして《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》。射場本も負けじと《トリスケリオン/Triskelion》で構えて何とか致命傷を免れようと試みる。

《トリスケリオン/Triskelion》のロケットパンチを嫌って警戒を強める橋本。結局、これによって時間を稼ぐ事の出来た射場本が、再び《血のやりとり/Barter in Blood》を橋本に突き刺して、開戦以来騒がしかった場にようやく静寂が取り戻された。お互いの《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》がにらみ合う展開が続く。

だが、やはりというか《頭蓋囲い/Cranial Plating》がどうしても射場本にはガンである。
しかも、橋本が追加の戦力としては最高級の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を戦線に加えたのだから尚更だ。

《騒がしいネズミ/Chittering Rats》で橋本のドローを束縛し、チャンプブロック要因を確保した射場本だったが、3枚目の《血のやりとり/Barter in Blood》を使わざるを得ず苦しい展開に。

……《死の雲/Death Cloud》はまだか。

しかし、切り札は十分に相手を引き付けてから叩き込むのが勝利への鉄則。
果たして、満を持して射場本の《死の雲/Death Cloud》はX=4で放たれたのだった。

橋本の場には《頭蓋囲い/Cranial Plating》が残るのみ。切り札に続いて、必殺技の《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》まで繰り出し、橋本のドローを《騒がしいネズミ/Chittering Rats》で止め出すと、橋本には敗北以外の選択肢は残されていなかった。

射場本、見事な逆転劇である。

射場本 1 – 0 橋本 

Game 2

今度は橋本の先攻。

2ターン目には、《電結の働き手/Arcbound Worker》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》と展開された橋本の陣営。対する射場本は、《金属モックス/Chrome Mox》経由の《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》を一応場に出すが、橋本は《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》《物読み/Thoughtcast》と、先手の優位を存分に生かして一気に攻め立てる。

射場本も《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》で返すが、橋本は《頭蓋囲い/Cranial Plating》まで加えて磐石の態勢に。早くも射場本のライフは8まで落ち込んでおり、橋本が1本目に続いて成功したロケットスタートは、射場本に反撃の糸口すら与えない徹底したものだった。

《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》を纏った《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》が一応バンザイアタックを敢行し、《機械の行進/March of the Machines》で《頭蓋囲い/Cranial Plating》の戦闘力を削いだ所で、既に場はどうしようもない親和の天下。

ピッタリ射場本のライフを削り切った橋本は、これで星を五分に戻した。

これぞ親和の強さ。
王道デッキのパワーを見せ付けた橋本は、表情一つ変えずにデッキのシャッフルを始めた。

射場本 1-1 橋本

Game 3

先攻が返ってきた射場本としては、どうしても1本目の再現と行きたいところ。熟考の末にキープを宣言した射場本、ノータイムでキープした橋本。

橋本の《電結の働き手/Arcbound Worker》を《残響する衰微/Echoing Decay》する射場本の立ち上がり。《夜の囁き/Night's Whisper》を打ち込んでハンドを蓄え、更なる脅威に備える。

ところが、今回は橋本にロケットスタートの気配が無い。
橋本は射場本の《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を《マナ漏出/Mana Leak》するなど、場には《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》しか見受けられず、このゲームは射場本のペースで進むのかと思われた。確かに、この瞬間を「場だけ」見ていたギャラリーはそう思ったに違いない。

だが、デスクラウドデッキの礎である《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を弾いた価値は計り知れない。マナが伸びてブロッカーを調達され、あまつさえチャンプブロックの上にドローまでされる事がどれだけ驚異かという事を、橋本は1本目で熟知していた。
それと同時に、1本目に散々見せ付けられた《血のやりとり/Barter in Blood》に対するプレイングを強く意識し、手札に豊富な弾丸を溜め込んでいた。

弾丸は込められた。あとは、その引鉄に手をかけるのみだ。

橋本は、《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》《金属ガエル/Frogmite》と切り返し、加えて《頭蓋囲い/Cranial Plating》を投下。
射場本の《機械の行進/March of the Machines》による妨害に遭うが、意に介さず《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》で射場本の唯一のブロッカーの《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を除去して、一気に勝負を決めた。

射場本が展開に恵まれないという不利もあったが、そういった相手に無情なまでの勝利を飾る展開力を持っている事が、親和を最強たらしめる最大の所以である。だからこそ、どんなにメタられていても親和は戦えるのだ。

最強のデッキを手に、橋本は決勝のステージへと向かう。

橋本 2-1 射場本

Final Results : 橋本 恵介 Win

Masami Ibamoto

Download Arena Decklist
ソーサリー (9)
4 Night's Whisper 3 Barter in Blood 2 Death Cloud
インスタント (4)
4 Echoing Decay
アーティファクト (9)
4 Chrome Mox 3 Talisman of Dominance 2 Sword of Light and Shadow
土地 (22)
17 Swamp 4 Blinkmoth Nexus 1 Island
60 カード

Keisuke Hashimoto

Download Arena Decklist
ソーサリー (4)
4 Thoughtcast
インスタント (3)
3 Shrapnel Blast
アーティファクト (15)
4 Welding Jar 4 Chromatic Sphere 3 Pyrite Spellbomb 4 Cranial Plating
60 カード
サイドボード (15)
4 Mana Leak 2 Moriok Rigger 4 Pyroclasm 3 Seething Song 2 Furnace Dragon

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る