準決勝

更新日 Event Coverage on 2003年 11月 2日

By Keita Mori

大礒 正嗣 vs. Gabriel Nassif

昨シーズン新人王の大礒にとって、これは二度目のプロツアー準決勝戦ということになる。今大会の成功によって大礒は構築とリミテッドの双方に勝利したプレイヤーとして国際的に認められることとなった。ちなみに大礒が以前に経験した準決勝はプロツアー横浜における対池田剛戦であり、そのとき大礒は快勝している。

ここで大礒が対峙するのはフランスの”(Yellow) Hatman”ことGabriel Nassif。発音は「ゲイブリェル・ナシフ」。今回はトレードマークの防帽子をかぶってはいないが、イメージカラーのイエローをパーカーに背負っている。彼はエクステンデッドのマスターズでエンチャントレスデッキをプレイして準優勝したこともある人物で、最近は構築屋としてかなりの評価をえているようだ。

大礒は《修繕/Tinker》のオーソドックスなデザインで、Nassifは今大会のコンボ・ブームを象徴する《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》+《マナ切り離し/Mana Severance》デッキである。正直なところ、戦前の前評判ではNassif有利という声が大きい。

Game 1

先手Nassifは《古えの墳墓/Ancient Tomb》セットから《発展のタリスマン/Talisman of Progress》という開幕ターン。対する大礒はマリガンスタートでセット《リシャーダの港/Rishadan Port》。Nassifは大礒のターン終了ステップに《発展のタリスマン/Talisman of Progress》からの青マナで《渦巻く知識/Brainstorm》。

続く2ターン目。Nassifは《汚染された三角州/Polluted Delta》から《島/Island》をフェッチして、《発展のタリスマン/Talisman of Progress》から無色マナをうかせて《修繕/Tinker》。ここで《金粉の水蓮/Gilded Lotus》を場にもたらし、4マナで《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を場に設置してターンエンド。

Nassifがおどけたような表情でハンドから《マナ切り離し/Mana Severance》を公開すると、大磯正嗣は投了を宣言した。

このデッキの3ターン・キルはかなり安定感があることで評判なのだ。

Gabriel Nassif-1, 大礒正嗣-0

Game 2

大礒、緒戦に続いてテイクマリガン。
...それどころか、ダブルマリガンである。

5枚とさびしくなったものの、《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《通電式キー/Voltaic Key》、《教議会の聖域/Synod Sanctum》、《修繕/Tinker》、《金属細工師/Metalworker》というハンドをキープ。

大礒 正嗣

Nassifは《汚染された三角州/Polluted Delta》から《島/Island》。

大礒ドロー《金属細工師/Metalworker》。ゴー。

《裏切り者の都/City of Traitors》セットから《厳かなモノリス/Grim Monolith》。そこからのマナで《発展のタリスマン/Talisman of Progress》をプレイし、あまったマナと青マナをあわせて《マナ切り離し/Mana Severance》。

大礒、ドロー《もみ消し/Stifle》。ゴー。

Nassif、キーで《厳かなモノリス/Grim Monolith》をアンタップし、さらなる《通電式キー/Voltaic Key》を設置してエンド。

大礒ドロー《スランの発電機/Thran Dynamo》、ゴー。

Nassif、《渦巻く知識/Brainstorm》から《マナ切り離し/Mana Severance》を空うち。

大礒ドローゴー。

Nassif《修繕/Tinker》で《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》。

...大礒1ランドのままなぶり殺し風味に投了。

Gabriel Nassif-2, 大礒-0

Game 3

勝利の近づいたNassifはここでパーカーを脱ぎ捨てて薄着に。もっとも、スポットライト の下はかなり高温となって額が汗ばむくらいであったりもする。

正念場の大礒はここで3度目の正直とばかりに初手7枚をKeep。
すると、Nassifはつまらなさそうな顔をしてからにやにやと笑む。

Nassif

開幕ターン、大礒は《裏切り者の都/City of Traitors》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《金属細工師/Metalworker》。Nassifはセット《島/Island》、ゴー。

大礒2ターン目のドローでハンドが《教議会の聖域/Synod Sanctum》、《からみつく鉄線/Tangle Wire》、《天才のひらめき/Stroke of Genius》、《修繕/Tinker》、《もみ消し/Stifle》となり、何もせずにゴー。このエンドステップにNassifは《渦巻く知識/Brainstorm》。

Nassifは《汚染された三角州/Polluted Delta》で2枚目の《島/Island》を場に調達し、ライブラリーをシャッフルしなおしてから《発展のタリスマン/Talisman of Progress》をプレイ。大礒はエンドステップに《金属細工師/Metalworker》で2枚公開してアンタップ《厳かなモノリス/Grim Monolith》。

大礒の第3ターンのドローは2枚目の《修繕/Tinker》。《金属細工師/Metalworker》から4マナ、《裏切り者の都/City of Traitors》から2マナ、セット《教議会の聖域/Synod Sanctum》から青マナ、《厳かなモノリス/Grim Monolith》から3マナ。ここで1マナ残して《天才のひらめき/Stroke of Genius》。X=6。

1マナうかせているのを見てNassifはにやり。

「...《魔力の乱れ/Force Spike》やっぱり怖いよね(笑)」

大礒はドローした6枚に含まれていた《通電式キー/Voltaic Key》を浮かせた1マナでプレイし、それをNassifは《魔力の乱れ/Force Spike》でカウンターしてみせたのだった。大礒はディスカード《もみ消し/Stifle》と《島/Island》。

Nassifは3ターン目のメインステップにまず《渦巻く知識/Brainstorm》。セット《リシャーダの港/Rishadan Port》。《発展のタリスマン/Talisman of Progress》と《リシャーダの港/Rishadan Port》からのマナで《厳かなモノリス/Grim Monolith》。この《厳かなモノリス/Grim Monolith》から《発展のタリスマン/Talisman of Progress》をプレイして、《マナ切り離し/Mana Severance》をキャストしてターンを終えた。

大礒4ターン目。《金属細工師/Metalworker》で《金属細工師/Metalworker》と《通電式キー/Voltaic Key》と《からみつく鉄線/Tangle Wire》を公開して6マナ。セット《島/Island》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》をコストに《修繕/Tinker》で《精神隷属器/Mindslaver》。これを即座に起動した。Nassifはここで《神秘の教示者/Mystical Tutor》をプレイし、《マナ切り離し/Mana Severance》をライブラリーにつみこむ。

大礒がコントロールするNassif 4ターン目。大礒はNassifのハンドの《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《マナ切り離し/Mana Severance》をキャストしてハンドを空にさせてターンエンド。もちろん《発展のタリスマン/Talisman of Progress》は色マナを供給して地味にダメージを。

大礒5ターン目。先ほど公開したカードと《精神隷属器/Mindslaver》を公開して8マナ。ここで《通電式キー/Voltaic Key》を置いて7マナ。《金属細工師/Metalworker》をここでアンタップして再度起動。ここで合計12マナ。《精神隷属器/Mindslaver》。ここで青マナを出して《修繕/Tinker》。《教議会の聖域/Synod Sanctum》をサクって《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》ペイ15ライフ。なぜなら現在のNassifは15ライフ。浮いた4マナでトークンを即座にプレイした。

Nassifはドローが《マナ切り離し/Mana Severance》だったのを確認して投了。

大礒正嗣-1, Gabriel Nassif-2

Game 4

流れが変わったか? 先手Nassifここに来てテイクマリガン。

...が、後手大礒も《教議会の聖域/Synod Sanctum》2枚、《島/Island》、《リシャーダの港/Rishadan Port》、《裏切り者の都/City of Traitors》、《もみ消し/Stifle》、《激動/Upheaval》というハンドをマリガン。

大礒は《裏切り者の都/City of Traitors》、《島/Island》2枚、《通電式キー/Voltaic Key》、《金属細工師/Metalworker》、《天才のひらめき/Stroke of Genius》というハンドをキープ。

開幕ターンはNassifセット《島/Island》ゴー。大礒も鏡打ち。

Nassifは2ターン目に《古えの墳墓/Ancient Tomb》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》。大礒もセット《裏切り者の都/City of Traitors》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》。この《厳かなモノリス/Grim Monolith》から《通電式キー/Voltaic Key》を経由して《金属細工師/Metalworker》と軽快にパーマネントを展開。ちなみに大礒がドローしたのは二枚目の「G」こと《天才のひらめき/Stroke of Genius》。このエンドステップにNassifは《神秘の教示者/Mystical Tutor》。調達してきたのは《修繕/Tinker》だ。

Nassifは3ターン目に《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《島/Island》をタップして無色1マナをうかせて《金粉の水蓮/Gilded Lotus》。この《金粉の水蓮/Gilded Lotus》もタップして《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を展開してターンエンドとなった。

大礒の3ターン目。《金属細工師/Metalworker》以外フルタップで《天才のひらめき/Stroke of Genius》X=5。ここで大礒のハンドは以下の通りとなる

《ミシュラのらせん/Mishra’s Helix
《島/Island
《リシャーダの港/Rishadan Port
《からみつく鉄線/Tangle Wire
《金属細工師/Metalworker》2枚
《激動/Upheaval
《天才のひらめき/Stroke of Genius

大礒はキャスト《からみつく鉄線/Tangle Wire》からセット《島/Island》でターンエンド。

Nassifの3ターン目は《からみつく鉄線/Tangle Wire》にはばまれドローゴー。

大礒4ターン目。アップキープにタップしたのは《からみつく鉄線/Tangle Wire》と《通電式キー/Voltaic Key》と《島/Island》。ドローした《裏切り者の都/City of Traitors》をセットしてゴー。

Nassif 5ターン目。特に何も出来ずゴー。大礒はこのエンドステップにX=7の《天才のひらめき/Stroke of Genius》。《魔力の乱れ/Force Spike》されなかったため1点マナバーン。

大礒の5ターン目にはドロー《スランの発電機/Thran Dynamo》。ここで全力でマナを生産して43マナ浮かせて《激動/Upheaval》。Nassif投了。

これは逆転ムードということだろうか?

大礒正嗣-2, Gabriel Nassif-2

<閑話休題>

...実は。

大礒第2ターンに「2マナ」で《金属細工師/Metalworker》をプレイしてしまっている。
これをNassifもテーブルジャッジの新藤氏も、もちろん大礒本人も気が付かなかったためにそのままプレイが続いてしまったのである。

ちなみに、巻きもどすことが不可能になってしまってからテーブルジャッジも見落としを指摘されたという次第であるようだ。

<閑話休題 2>

4本目のことなのだが、実はNassifは大礒の2ターン目エンドステップに《マナ切り離し/Mana Severance》をチューターしてあれば、3ターン目にハンドの《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を展開しつつ《マナ切り離し/Mana Severance》でコンボを完成させる事が出来たはずなのだ。

Nassif自身が実際に積み込んだ《修繕/Tinker》をドローしてから苦笑いしていたので、どうも一瞬パニクっていた模様である。

Game 5

Nassif、テイクダブルマリガン。《マナ切り離し/Mana Severance》4枚のはいった初手を公開して苦笑しながらデッキをシャッフルした。

一方の大礒もつきあいで?マリガン。なんとこのマッチで5回目である。

大礒の初手:
《島/Island
《リシャーダの港/Rishadan Port
《裏切り者の都/City of Traitors
《次元の門/Planar Portal
《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor

Nassifの初手
《裏切り者の都/City of Traitors
《厳かなモノリス/Grim Monolith
《金粉の水蓮/Gilded Lotus
《汚染された三角州/Polluted Delta
《発展のタリスマン/Talisman of Progress

Nassifはセット《裏切り者の都/City of Traitors》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》というスタートとなった。対する大礒はセット《島/Island》でターンエンド。

Nassifの2ターン目は百点満点のドロー《マナ切り離し/Mana Severance》!《裏切り者の都/City of Traitors》と《厳かなモノリス/Grim Monolith》から《金粉の水蓮/Gilded Lotus》をプレイし、1マナ浮かせて《発展のタリスマン/Talisman of Progress》を設置し《マナ切り離し/Mana Severance》をプレイ! まさしく完璧だ。

苦い表情ながら大礒も叩きつけるようにしてライブラリーをドロー。念願の《金属細工師/Metalworker》! ここで《裏切り者の都/City of Traitors》から《金属細工師/Metalworker》を召喚してターンを返す。

Nassif の3ターン目は嵐の前の静けさそのもの。アンタップ、ドロー、ゴー。

大礒の3ターン目はドロー《天才のひらめき/Stroke of Genius》からスタート。ここで《金属細工師/Metalworker》から4マナを捻出し、《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》を展開。大礒はペイ19ライフでトークンを降臨させた。《金属細工師/Metalworker》とあわせて一撃必殺の構えだ。

そして、《厳かなモノリス/Grim Monolith》をアンタップさせてからNassifは第4ターンを迎える。ここでGabriel Nassifは《金粉の水蓮/Gilded Lotus》のマナから《渦巻く知識/Brainstorm》をプレイし...《修繕/Tinker》を公開。

...大礒正嗣は右手を差し出すほかなかったのだった。

Final Result:Gabriel Nassif-3, 大礒正嗣-2

Pro Tour New Orleans: Tinker

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クリーチャー (8)
4 Masticore 4 Metalworker
ソーサリー (6)
4 Tinker 2 Upheaval
インスタント (3)
3 Stroke of Genius
60 カード

Pro Tour New Orleans: Mana Severance/Charbelcher

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