第7回戦:電術師さん抱きしめて
Reid Duke(アメリカ) vs. Denniz Rachid(スウェーデン)

更新日 Event Coverage on 2012年 10月 19日

By Tim Willoughby

 レイド・デューク/Reid Dukeとの対戦のために席に着いたデニス・ラシド/Denniz Rachidは、デュークの最も幸運なチームメイトがやっていたことについて尋ねざるを得ない気分だった。

「フィンケル/Finkelは構築部分で5−0だったのは知っているけど、ドラフトはどうだったのか知らないんだ。彼がトップ8に入って、僕が入れないようだったら気分良くないね」

 フィンケルの2012年の活躍は目をみはるものだったが、ラシドも同じように印象に残る結果を残しており、2012年の勝率は7割以上、トップ8入賞も2回達成している。レイド・デュークは、簡単な相手ではない。デュークは今年の前半に行われたマジック・プレイヤー選手権でこそ成績を残せなかったものの、彼の勝率も安定した数字である。プレミア・プレイでレイド以上に連勝を重ねたプレイヤーは、この部屋にも4人しか存在しない。しかし同時に彼はプロツアー「ラヴニカへの回帰」に参加している中で最長の連敗記録をも打ち立てているのだ(プレイヤー選手権において)。

第1ゲーム

 ラシドは先攻を選んだが、行く手を阻むマリガンに足を止められる。《ラクドスの切り刻み教徒》はデュークの《ゴブリンの電術師》と相打ちになる前に一撃を加えていた。そこから流れはラシドに向かず、土地を2枚以上伸ばすことができない。デュークのほうはそうではなく、トラブルに遭うこともなく5枚の土地を並べると《ルーン翼》を唱え、《思考閃光》をラシドのターン終了時、ラシドが手札を捨てる前に唱えた。

マナ不足の渦中のデニス・ラシド

 《臣下の魂》と解鎖された《流血の家の鎖歩き》が第1ゲームにさっさとけりを付けた。

レイド・デューク 1-0 デニス・ラシド

 デュークは楽しそうにイゼットの旗の下に翔けた。構築デッキとドラフト・デッキのどちらにも《ゴブリンの電術師》が4枚ずつ入っていて、ストームで、そして引き続いてドラフトでもいい働きを見せていた。彼の卓で青をドラフトしているのは2人で、そのもう1人を前のラウンドで倒しているので、彼は卓内でいい位置に付けると確信していた。

第2ゲーム

 この第2ゲームはデュークがマリガンする番で、ラシドは手札をキープした。デュークは、自身の心につけ込もうとするラクドスと対戦しているとわかっている。非常に攻撃的な引きでうちのめされる可能性があることを踏まえると、受動的な手札は非常に悪いものに見えた。

レイド・デュークはその強力なイゼット・デッキで邁進する

 《ゴブリンの電術師》がこのゲームの初手で、このゲーム、ラシドは土地ばかりを持っているように見えた。それについで出てきたのはラシドの《闇の帰還者》。デュークは素早くラシドを攻撃してライフを14点にすると、4マナを立てた状態でターンを渡す。《リックス・マーディの落とし子》に対応してデュークは《思考閃光》を使い、マリガンの分を取り戻したが、相手の5マナ・クリーチャーを止める手は残っていなかった。《灰の盲信者》がデュークの攻撃を押しとどめ、《リックス・マーディの落とし子》が《ゴブリンの電術師》をブロックすると、5/3クリーチャーに最後の1点を与えるべく《イゼットの静電術師》が現れる。

気紛れな薬術師

 ラシドは追い詰められていた。ライフはすでに半減し、強力なブロック・クリーチャーを出すかダメージ・レースに挑むかしなければならない。《飛行術の探求》のついた《闇の帰還者》があり、《刺し傷》でデュークの《ゴブリンの電術師》を除去することもできるので、ダメージ・レースは不可能な夢ではない。デュークの攻撃の後、ライフは8対14でデュークが有利。ラシドにとってさらに不利なことに、デュークには《気紛れな薬術師》という強力な爆弾があり、ゲームの流れを一気に決めてしまえるのだ。

 ラシドは手を進め、デュークに攻撃してライフを10点にすると《死の歓楽者》を唱える。ダメージ・レースは最適の選択であり、彼はさらなるダメージを生み出すことができる。《気紛れな薬術師》には別の計画があった。彼は《思考閃光》を《闇の帰還者》に投げつけ、ラシドの攻撃力を劇的に削った。デュークの《門衛》と《ゴブリンの電術師》の存在が、攻撃そのものを不可能にした。

 ラシドは手札を見たが、この窮地から抜け出す手は存在しなかった。ただ一つできたのは、戻った《闇の帰還者》をもう一度引くこと。ここでできる手といえば、差し出してデュークを祝福することだけだった。

レイド・デューク 2-0 デニス・ラシド


(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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