さて、先ほどピックとデッキ構築を見た大礒の試合を続けて見ていこう。
対するはKim Cynic。韓国から来たプレイヤーだが、彼はとても精力的なプレイヤーで、日本のグランプリをはじめとして数々のグランプリに遠征しているし、プロツアーにも数多く出場している。
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Kim Cynic |
デッキはお互いにボロスのようだ。ピック記事でも記載した通りこの卓のボロスはかなり苦しいピックを余儀なくされており、Kimのデッキも《ブリキ通りの市場》が入っていたりとかなり苦しいようだ。とはいえ大礒も良くはないデッキ。貴重な1勝をどちらがもぎ取るのか。
ゲーム1
とてもテンポ良く展開できそうな手札をキープした大礒。それに対して即マリガンとなってしまったKim。
大礒の《従順なスラル》からゲームはスタート。さらに《ウォジェクの矛槍兵》を続ける。後手のKimは動けない。いや、動けない。
攻撃を加え《皮印のゴブリン》も追加して大隊の条件を揃える大礒に対して、3ターン目でも動けないKim。マリガン後とはいえ厳しすぎる展開にさらに《突撃するグリフィン》が追加される。
Kimはようやく《ヴィーアシーノの軸尾》で守りを固めようとするものの、《オルゾヴァの贈り物》が《皮印のゴブリン》に付けられたうえでの全軍突撃で万事休す。
マリガンしたうえに土地ばかり引いてしまったKimにはどうしようもない展開となってしまった。
Kim 0-1 大礒
ゲーム2
Kimが土地1枚しか無い手札をマリガンすることになったのに対して、大礒は《ウォジェクの矛槍兵》、《徴税理事》といった軽いクリーチャーを揃えたかなりの手札。このゲームも大礒が《徴税理事》を出すところからゲームはスタートし、それに対してKimの《強盗》が飛ぶ。
大礒の《装甲輸送機》が展開されたのに対して、Kimは《ザリーチ虎》。大礒はさらに《突撃するグリフィン》を続ける。
次の攻撃で《装甲輸送機》に対して《皮印のゴブリン》を湧血、しかしそれには流石にKimの《正義の矢》が。だが大礒の手は止まらない。《ウォジェクの矛槍兵》を追加する。
攻撃時に《ウォジェクの矛槍兵》を《ザリーチ虎》が受け止め、そしてKimの《ボロスの魔除け》と《軍部の栄光》が交換されクリーチャーは生き残る。しかしダメージ自体は《軍部の栄光》により3点水増しされているのでまだ大礒攻勢か。
次のターンの攻撃でようやく《ウォジェクの矛槍兵》と《ザリーチ虎》が相打ち。攻めてはいるもののKimのライフはまだ15点。大礒のリソースも尽きている現状、《突撃するグリフィン》だけでは厳しいかとおもいきや、Kimの後続も今更の《鋳造所通りの住人》のみと苦しさが垣間見える。それに対して大礒のドローは《航行隊の猛士》と好調。Kimも《向こう見ずな技術》と《反逆の行動》で反撃してみるも、後続が続かない。
結局土地ばかり引いてしまい、守りに入らざるをえないボロスになってしまったKimに、勝利への道は残されていなかった。
Kim 0-2 大礒
苦しいドラフトになってしまったかと思われたが、貴重な1勝をもぎ取った大礒。Top8への道を進んでいく。殿堂の意地、見せつけられるか。