第13回戦:殿堂の決戦
津村 健志(日本) vs. パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ(ブラジル)

更新日 Event Coverage on 2012年 10月 20日

By Tim Willoughby

津村健志(赤青緑) vs. パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa(ジャンド)

 第13回戦に入っても、われわれはフィーチャーマッチ・エリアに殿堂顕彰者の対戦を迎えることができた。私の担当はというと、最高のものだ。片や津村健志、2010年アムステルダム以来のプロツアー参戦となる日本の「リトル・マスター」。片やパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa、昨年の100戦近いプレミア・レベルの試合で66%を超える勝率を残してきた選手だ。

 津村は青赤緑のコントロールデッキを手にして、歴代最高のひとりが操るパワーカードの集合体、ジャンドに対峙していた。ジョン・フィンケル/Jon Finkel(このフィーチャーマッチ・エリアにいるもうひとりの殿堂顕彰者でもある)はダモ・ダ・ロサについて、彼のトップ8率がキャリア通算で25〜30%ほどにもなることから、自身のプロツアー・トップ8回数の記録への真の脅威だと表現した。

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサと津村健志、新しいプロツアー殿堂顕彰者にしてマジックの達人ふたりが、
トップ8を懸けて激突する。

ゲーム1

 このマッチでは津村が先攻となった。ともに4敗のため、トップ8に滑りこむためには最後の一戦になる可能性があった。記録という点では、スイスラウンドの最後の4回戦はダモ・ダ・ロサにとって最もいい時間帯だ。最後の4回戦での彼の勝率は、80%を超えるレベルに達するのだ。

 津村の《血清の幻視》によって勝負の幕が切って落とされ、彼のデッキの上にあった有効とはいえないカードが除かれた。《》が続き、ここからの《稲妻》がダモ・ダ・ロサのジャンドデッキの2ターン目《闇の腹心》に撃ち込まれた。《ヴェールのリリアナ》は《マナ漏出》を受け、津村は2枚目の《血清の幻視》で順調にデッキを走らせる。《闇の腹心》2号機は初号機と同じ運命をたどり、ダモ・ダ・ロサは4枚目の土地を置けなかった。ジャンドはスタンダードにあったころから、もっともありがちな負けパターンはマナの問題であった。ダモ・ダ・ロサの色マナの比率は良いものであったにしろ、彼はあと数枚の土地を出せるまで我慢しなければならないだろう。

津村は長期戦の準備をする。ダモ・ダ・ロサのジャンド・デッキは重い一撃を与えうるのだ。

 津村は《タルモゴイフ》をキャストし、ダモ・ダ・ロサは《ヴェールのリリアナ》で応じた。彼女の[-2]能力が起動され、津村は《ヴェンディリオン三人衆》で対応した。ダモ・ダ・ロサはこれを《稲妻》で撃ち落とし、その後《ヴェンディリオン三人衆》の能力で《ゲラルフの伝書使》を失った。最終的に《ヴェールのリリアナ》の能力が解決され、《タルモゴイフ》が戦場から除かれた。

 早いターンに非常に多くの動きがあり、それが終息してみると、ダモ・ダ・ロサはこの時点で最高のもの、戦線でアクティブなプレインズウォーカーを保持しているようだった。彼はこの状況を《ゲラルフの伝書使》で固めようとしたが、《瞬唱の魔道士》からの《マナ漏出》で失った。《瞬唱の魔道士》は《ヴェールのリリアナ》を殺したが、結局はこのプレインズウォーカーのお代わりが魔道士を除去した。

 ダモ・ダ・ロサのジャンド・デッキは、伝統的にカード・アドバンテージと最も直結した色を含んでいないものの、それを得るに十分な仕事を果たした。《血編み髪のエルフ》をキャストすると、《ゲラルフの伝書使》を引き当てたのだ。今やダモ・ダ・ロサが戦場の主導権を握り、対して津村はやや息切れしているようだった。《瞬唱の魔道士》が《血清の幻視》の再使用を可能にしたが、この時点では非常に劣勢というよりない。

 《終止》が道を開き、ダモ・ダ・ロサは津村を攻撃してライフ9にすると十分なサイズの《タルモゴイフ》をキャストした。津村にはそれで十分であり、焦点はゲーム2に移った。

津村健志 0-1 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

ゲーム2

 双方のプレイヤーがゲーム2のためのサイドボードを行った。すでに津村がダモ・ダ・ロサのチームメイトであるジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leytonと試合をしていることを考えれば、双方にとってゲーム1で見たもの以上の情報を得られるチャンスがあるといえる。津村はアター=レイトンのデッキで見たものを参考に、ダモ・ダ・ロサはアター=レイトンから聞いたであろう津村についてのフィードバックに基づいて決定できる。

 カードを引くと、ダモ・ダ・ロサは最初の7枚をマリガンすることを選択し、よりよい6枚を願いつつ再度シャッフルした。ダモ・ダ・ロサの第1ターン《死儀礼のシャーマン》は確かにいいスタートで、津村が第1ターンにフェッチランドを使用したことを考えると特にそう言えた(このことは《死儀礼のシャーマン》が合法的に行動を加速できるということを意味している)。この幸運は津村の最初の行動が《タルモゴイフ》であったという事実によりさらに強調された。《死儀礼のシャーマン》が仕事をするのに合わせて、積極的にサイズを落とすことができるのだ。《死儀礼のシャーマン》から《稲妻》が放たれ、《コジレックの審問》が続いた。これによって公開されたのは3枚の土地と《謎めいた命令》。空振りに終わったが、ダモ・ダ・ロサはこれから仕事を進めるためのより多くの情報を手にした。

コジレックの審問》で何も捨てさせられなくても悲しむことはない、何ターンかは何も起きないとわかるのだから。

 続くターン、ダモ・ダ・ロサの《思考囲い》で、津村にはほとんど変化がないことが明らかになった。彼は抜き去ることができる唯一のカード、《謎めいた命令》を落とし、津村の土地ばかり詰まっている手札が残された。

 ダモ・ダ・ロサ自身も、特に攻撃的なクロックを突きつけることはできなかった。彼は土地3枚のままで、《死儀礼のシャーマン》が唯一のクリーチャーで、それもすぐに《稲妻》で落とされた。通常、ドロー・ゴーが行われるゲームはコントロールデッキ側に有利だと考えるだろうが、しかしこのマッチアップにおいてはよりパワフルなカードを引きこむことができるジャンドに優位があるとみられるため、このことはすべてにおいて真実とは言えないだろう。

 この膠着状態はダモ・ダ・ロサの《オリヴィア・ヴォルダーレン》によって打ち崩された。津村は《ヴィダルケンの枷》を試みたが、ダモ・ダ・ロサは《突然の衰微》を持っていた。彼が邪魔なしに攻撃していき、津村のライフを一桁に落とすと、ダモ・ダ・ロサのトーナメント後半での優れた力がまたも示されたように思えた。彼が《タルモゴイフ》をキャストすると、それは終わりの前兆であるようだった。津村は《ヴェンディリオン三人衆》で回答を求めたが、そこには何もなかった。間もなく、津村はプロツアー殿堂の同期であるダモ・ダ・ロサへ握手のための手を差し出した。

津村健志 0-2 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ


(Tr. Yusuke Yoshikawa)


Paulo Vitor Damo da Rosaのジャンド

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津村健志の赤青緑

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ソーサリー (4)
4 血清の幻視
インスタント (15)
4 稲妻 4 呪文嵌め 4 マナ漏出 1 撤廃 2 謎めいた命令
アーティファクト (3)
3 ヴィダルケンの枷
エンチャント (4)
4 血染めの月
60 カード

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