第14回戦:投資の利益は無し
Pat Cox(アメリカ) vs. 渡辺 雄也(日本)

更新日 Event Coverage on 2013年 2月 16日

By Nate Price

A longtime member of the Pro Tour and Grand Prix coverage staff, Nate Price now works making beautiful words for all of you lovely people as the community manager for organized play. When not covering events, he lords over the @MagicProTour Twitter account, ruling with an iron fist.

原文はこちら

パット・コックス/Pat Cox(ジャンド・ミッドレンジ) vs. 渡辺雄也(青白赤ギデオン)

 両プレイヤーとも8-5とトップ8争いからは離れてしまったものの、ここにマジック世界王者がフィーチャー・マッチ・エリアに君臨する最初の機会が来た。渡辺雄也はこの週末、最高のスタートが切れたとは言い難いが、本日のスタンダード・ラウンド5回戦を2-0でスタートしていることも含め、激しい戦いの中で調子を取り戻している。彼の対戦相手であるパット・コックスも同じような状況にあり、しっかりしたスタンダードの成績で勝ち星の少なかったドラフト・ラウンドを補ってきた。

「ドラフトがうまくいきませんでしたよ」と、コックスが渡辺に話しかける。「初戦が不戦勝で、そのあと2-3。もうガッカリ」そう言うと、彼は渡辺と一緒に笑った。両者ともこの週末でうまくスタートを決めることができなかったが、今は力強く走り、プロ・ポイントの獲得のため高い順位を目指しているのだ。

パット・コックスと渡辺雄也はドラフト・ラウンドでは厳しい道をたどってきた。
しかし今回は、彼らの構築デッキが力を与えてくれる。

ゲーム1

 コックスがダイスに勝ち、先手を取った。

 両プレイヤーとも、最初の数ターンを色を揃えることから始めた。先手の利点を活かし、コックスが3ターン目《ヴェールのリリアナ》を着地させる。渡辺は《熟慮》を唱えてから覚悟を決め、土地を捨てることにした。渡辺がもう1枚土地を捨てるのに対して、コックスは強力な脅威を次々と捨てていく。何せ《ラクドスの復活》に続き《オリヴィア・ヴォルダーレン》だ。それでもなお、彼は《高原の狩りの達人》を自軍に加え、ボード・アドバンテージを増すことができた。渡辺は《高原の狩りの達人》に《灼熱の槍》を当て、それを《瞬唱の魔道士》でフラッシュバックして《ヴェールのリリアナ》の忠誠度を3減らした。

 コックスは攻撃を始めた。渡辺は《瞬唱の魔道士》を交換には出さず、2点のダメージを受けてライフが18になった。2枚目の《高原の狩りの達人》が再びコックスの戦線を埋めると、渡辺はターニング・ポイントが急速に近づいていることを感じ取った。それは《正義の勇者ギデオン》という形でやって来た。第1の能力を起動するなり、《正義の勇者ギデオン》はその忠誠度を8まで引き上げた。ギデオンが奥義を準備するにはまだ数ターンが必要だ。渡辺はそれを実現する道を見出さなければならなかった。

マジック世界王者渡辺雄也は、《正義の勇者ギデオン》と同盟を結んだ。

 コックスは落ち着いてアンタップし、その後渡辺を一気に攻め立てて巻き返しの希望を打ち砕いた。まず《死の重み》が唯一渡辺を守る《瞬唱の魔道士》を除去した。それからコックスの軍団が攻撃して《正義の勇者ギデオン》の忠誠度を2まで落とす。とどめに、コックスは手札の最後のカード、《ラクドスの復活》を渡辺へ差し向けた。渡辺は全ての手札を捨てさせられ、ダメージは《正義の勇者ギデオン》を倒すために移し替えられた。防御に使える《修復の天使》をトップデッキした渡辺だったが、それは《夜の犠牲》で落とされ、コックスがゲームを終わらせる道を開いたのだった。

コックス 1-0 渡辺

ゲーム2

 渡辺が素早く初手を受け入れたのに対して、コックスはわずかに確信が持てないようだった。最終的にキープすることに落ち着き、彼は後手ながら盤面へ先手を打った。彼の《死儀礼のシャーマン》は、渡辺のデッキに潜む《瞬唱の魔道士》との戦いにぴったりで、自軍のクロックを上げるのにもうってつけだ。渡辺は、2ターン目に《ボーラスの占い師》が惜しくもカードを持ってくるのに失敗すると、フーッと息を吐いた。コックスはマナ加速にターンを費やし、《遥か見》2枚で土地を増やしたが、手札から土地を置けず、土地の枚数は通常と同じだった。彼の《強迫》が次のような手札を見せる。

神聖なる泉
聖なる鋳造所

 コックスは唯一の対象である《至高の評決》を抜き、渡辺にターンを渡した。だが、この日本の一流選手が優位を取るためにできることは多くなく、ドローしてエンド、さらに次のターンも繰り返しだった。コックスは5枚目の土地を引き込み、最初の大型攻撃手、《スラーグ牙》をプレイした。渡辺は《熟慮》で少しライブラリーを掘り進めるが、それをフラッシュバックするだけだった。そこで彼は6枚目の土地である2枚目の《聖なる鋳造所》を引き込み、それをアンタップ・インしてターンを返すと、コックスの注意を引いた。

 コックスは攻撃に出る。渡辺が土地を4枚倒して《修復の天使》を唱えたそのとき、渡辺は2マナのインスタントを構えていたのだと明らかになった。渡辺は明滅した《ボーラスの占い師》の能力を再び失敗し、それから《修復の天使》を《スラーグ牙》の前に突き出した。ダメージが解決される前に、コックスはそれを《夜の犠牲》で除去した。渡辺はそれを通す前に考えた。戦闘後コックスが《ヴェールのリリアナ》を繰り出すが、渡辺は《否認》でそれを退けた。依然としてダメージは与えられ続けた。渡辺のライフは11になり、毎ターンさらに失う危険があった。渡辺は彼のターンに《ボーラスの占い師》と、肝となる《ボロスの反攻者》で盤面を補充した。守りはしっかりしてきたところで、《修復の天使》で攻撃し、コックスにターンを返した。

コックスは彼のジャンド・デッキに何ができるのかを見せた。

 コックスは《ボロスの反攻者》に向かって攻撃するのは避けた。ましてや渡辺は《ボロスの反攻者》に先制攻撃を付与するのにマナは十分ある。そこで、彼は渡辺に《ラクドスの復活》をX=3で撃ち込み、渡辺のライフを8にした。続く数ターンにわたって、最初のターンに出した《死儀礼のシャーマン》がソーサリーからインスタントも食べて大活躍し、1回につき2点のダメージで渡辺のライフを0にした。

 渡辺は声を出して笑い、この最終ゲームでことごとく失敗した《ボーラスの占い師》たちを指差した。

「わかります」と、コックスが共感する。「私もしばらくそのデッキを使っていましたけど、半分は失敗していました」

 渡辺は笑顔で肩をすくめた。カードがときどきそんな風に失敗することは理解している。彼はコックスに「グッドラック」と告げると、フィーチャー・マッチ・エリアを後にした。

コックス 2-0 渡辺

 

(Tr. Tetsuya Yabuki)

Pat Cox

Download Arena Decklist
 

渡辺 雄也

Download Arena Decklist

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る