1st Rochester Analysis:Pod 2

更新日 Event Coverage on 2003年 6月 20日

By 百瀬和之

 ロチェスタードラフト。恐らく、一般的に、もっとも接することの少ないゲームで
あり、日本選手権出場クラスの選手でもそれは同じことだろう。その上、まだスタンダードにも使用されていないスカージ入りのロチェスターなのだ。ほとんど戦術が確立されていないこの環境で、選手たちはどういう戦いを見せてくれるのだろうか。

 そして、スタンダード環境の前半戦において全勝の選手たちをあつめたのがこの二番卓。この環境で最も重要とされる各人のデックの色の分布を、それぞれが取ったカードのなかでも主要なもの、色、種族を主張するものなどを挙げて実況しようと思う。

◆Pod 2

① 北山雅也(関東地区代表)
② 黒田正城(DCI日本ランキング上位75名)
③ 鹿田暢亮(DCI日本ランキング上位75名)
④ 菅原秀将(東北地区代表)
⑤斉藤隆寛(DCI日本ランキング上位75名)
⑥塩津竜馬(DCI日本ランキング上位75名)
⑦馬場康典(北陸地区代表)
⑧ 高桑祥広(DCI日本ランキング上位75名)

オンスロート

 1パック
①《エルフの戦士/Elvish Warrior
>②《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier
>③《切り刻まれた軍勢/Severed Legion
>④《カタパルト兵団/Catapult Squad

エルフ>兵士>ゾンビと、各色を代表する種族をそれぞれピック。それほど強力なカードも無く、性能差というより、各人好きな種族を選んで取っているといった感じ。

2パック
②《猛士の襲撃/Commando Raid
>③《暴食するゾンビ/Gluttonous Zombie
>④《忘れられた洞窟/Forgotten Cave
>⑤《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna

②の黒田が開けたパックからはまともな白カードが無く、高性能カードが黒、緑のみだったが、ここで緑を主張するのも、下が主張している黒に割り込んでいくのも賢明でないと、若干弱いものの赤を主張。白赤へ。③は文句無しに《暴食するゾンビ》をとり、④は《毒吐きゴルナ》をパスして赤を主張。こちらも白赤へ。

3パック
③《蔓延/Infest
>④《プラズマの連鎖/Chain of Plasma
>⑤《霧衣の夢幻/Mistform Dreamer
>⑥《陰謀団の執政官/Cabal Archon
>⑦《幸運を祈る者/Wellwisher

黒をやっている③のパックから《蔓延》が。文句無しにゲット。その他もカードも非常に優良で、下の④も火力入手。⑤は《幸運を祈る者》をスルーして《霧衣の夢幻》。除去お断り、マニア臭漂う青緑へ。

4パック
④《ダールの槍騎兵/Daru Lancer
>⑤《クローサの大牙獣/Krosan Tusker
>⑥《戦争の言葉/Words of War
>⑦《共生する獣/Symbiotic Beast

パックから《戦争の言葉》が。白赤の④がゲットかと思うと、これをパスして《ダールの槍騎兵》。優良なソルジャーを確保することを優先した。⑤は強力なビースト2つから《クローサの大牙獣》を選択。⑥が《戦争の言葉》を確保し、上の⑤が青緑を主張していることもあり、赤黒開始。

5パック ⑤《締めつける綱/Choking Tethers

>⑥《残酷な蘇生/Cruel Revival
>⑦《ショック/Shock
>⑧《激浪の多相の戦士/Riptide Shapeshifter

優良なクリーチャー除去に恵まれたパック。しかし開封者の⑤は青緑で全く関係なし。
わが道を行き、自分のクリーチャーの道を切り開くために《締めつける綱》を。⑥⑦にとって非常に美味しいパックとなる。

6パック
⑥《沈黙の死霊/Silent Specter
>⑦《クローサの大牙獣/Krosan Tusker
>⑧《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer
>①《無頓着の波/Wave of Indifference

ついに来た。初のゴッド級レア。黒赤の⑥は大喜びでゲット。⑦も優良ビーストを確保し、ビースト寄りの赤緑が確定気味。①は緑以外をそれほど主張していなかったのが、ここで《無頓着の波》を取り、赤緑を主張。②の黒田に1色かぶせていく形になる。

7パック
⑦《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage
>⑧《平和な心/Pacifism
>①《幸運を祈る者》
>②《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder
>③《虫つぶし/Swat

ビースト路線の⑦は喜んで《ワイアウッドの野人》を。⑧はそろそろ白青の飛行クリーチャー主体のデックに確定。上に黒が少ないおかげで③は5手目に《虫つぶし》を確保。

8パック
⑧《締めつける綱》
>①《活力の魔除け/Vitality Charm
>②《スカークの猛士/Skirk Commando
>③《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk

特に、卓を騒がすようなカードも出ず、各自淡々と、自分のデッキにほしいカードを確保。
③の鹿田が着々と力を蓄えている感じ。手番の割に高性能なカードを入手できている。

さて。ここで各プレイヤーの色分布を見てみよう。

➀北山雅也 赤緑(ビースト)
②黒田正城 赤白(兵士)
③鹿田暢亮 黒緑(ゾンビ)
④菅原秀将 赤白(兵士)
⑤斉藤隆寛 青緑(ビースト)
⑥塩津竜馬 黒赤(《沈黙の死霊》)
⑦馬場康典 赤緑(ビースト)
⑧高桑祥広 白青(兵士・鳥)

スカージが入った環境において、赤は弱い。赤は終わったなどと各所で言われていて、赤と黒の地位が入れ替わったかと思えば、まだまだ人気の赤。実に5人が赤を早い段階より主張し、それほど多く火力が出たわけでも、オンスロート赤お得意の《火花鍛冶/Sparksmith》が降臨したわけでも…そして、《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》や《星の嵐/Starstorm》に代表された、いわゆるゴッドレアが出たわけでもないのに、主張した人全員がその主張を貫いている状態。赤に限らず、色主張をした人が全員その主張を貫いている形で、いうならば卓全体が協調を主としたドラフトだったといえる。

そして、全員がすでに色主張をすませていて、それを変えていないということは、恐らくレギオンのドラフトは非常に淡々としたものとなるだろう。ただし、現在、2名しかやっていなくて、割とおいしい目を見ている黒に、新規参加者があった場合は若干展開が面白いものとなるかもしれない。

⑦の馬場や、⑧の高桑が、突如黒で割り込みをかけた場合、ポジション、レギオンというセットの、コモンが強いという特性上、案外いい思いができるかもしれない。無論。⑥の塩津は発狂するだろうが。

まぁそれもこれも全てはパックしだい。このまま淡々と進むか、何からの急展開があるか。

レギオン 

1パック
⑧《皮を剥ぐ者/Skinthinner
>⑦《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn
>⑥《死体の収穫者/Corpse Harvester
>⑤《野生の守護人/Patron of the Wild
>④《狩人スリヴァー/Hunter Sliver
>③《墓所スリヴァー/Crypt Sliver
>②《熱狂の猛禽/Frenetic Raptor

2パック
⑦《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf
>⑥《煙吐く発動者/Smokespew Invoker
>⑤《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift
>④《宝石の手の報復者/Gempalm Avenger

②黒田、7手目で、望外の《熱狂の猛禽》をゲット。④の菅原が徹底してこのカードを
嫌ったため、2パック目においても6手目で確保。決め手不足だった黒田に光明が。

3パック
⑥《スカークの匪賊/Skirk Marauder
>⑤《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven
>④《宝石の手の徘徊者》
>③《クローサのむさぼり獣/Krosan Vorine

4パック
⑤《残響の追跡者/Echo Tracer
>④《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon
>③《墓所スリヴァー》
>②《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator

非常にレギオンらしいパックが続く。各自割り振られた色のカードを淡々と取っていく展開。ゴッドレアが少なく、コモンが安定して強いレギオンはえてしてこうなりやすい。オンスロートのように、突然自分のパックで《賛美されし天使/Exalted Angel》や《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》が出て、色変更を迫られるようなことが起きにくいのだ。

5パック
④《羽ばたく戦士/Wingbeat Warrior
>③《野生の守護人》
>②《金属殻のカニ/Chromeshell Crab

ここで②黒田が、《金属殻のカニ》を取り、青タッチに転向。スカージ屈指の協力なコモンである《流れ込む知識/Rush of Knowledge》を意識してのことかもしれない。

6パック
③《死体の収穫者/Corpse Harvester
>②《スカークの匪賊》
>①《炎波の発動者/Flamewave Invoker

7パック
②《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator
>①《森林守りのエルフ》
>⑧《羽ばたく戦士》
>⑦《クローサのむさぼり獣》

パックを開封、並べているカードの中に《森林守りのエルフ》を確認した①北山がいい笑顔。念願の、レギオン最強コモンをゲット。

8パック
①《冠毛の岩角獣》
>⑧《白騎士/White Knight
>⑦《宝石の手の焼却者》
>⑥《皮を剥ぐ者》
>⑤《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler
>④《ダールのとげ刺し/Daru Stinger

強力なパックで全体が潤った感じ。何より最終パックにして、
ついに《ダールのとげ刺し》が初出。レギオンは全体的に兵士が不足気味であった。

大方の予想通り淡々としたドラフトとなり、全員が、全員、欲しいカードを補充したといった感じ。ただし、兵士カードがあまり出なかった上、その数少ない兵士も④菅原に抑えられていた②黒田が、唯一タッチ青に走った。

この選択は吉とでるか、凶とでるか。
そしてこれから先タッチでの3色参入者はいるのか。

スカージ 

1パック
①《忘れられた古霊/Forgotten Ancient
>②《気高き院僧/Noble Templar
>③《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination
>④《促成の突然変異/Accelerated Mutation

2パック
②《海辺のレインジャー/Shoreline Ranger
>③《凶暴の命令/Decree of Savagery
>④《追加武装/Extra Arms
>⑤《よじれた嫌悪者》

《忘れられた古霊》は、多めにでていた《クローサのむさぼり獣》と非常に相性がいいため、大喜びでゲット。②の黒田は青タッチ御用達の島サイクリングを。
この時点ですでに土地サイクリングクリーチャーが多めに出ていて、特に黒などはかなり良い順目で取れている。

3パック
③《ドラゴンの影/Dragon Shadow
>④《怒髪天/Enrage
>⑤《沿岸の見張り/Coast Watcher
>⑥《追加武装》

4パック
④《エイヴンの解放者/Aven Liberator
>⑤《流れ込む知識》
>⑥《長引く死/Lingering Death
>⑦《乱射/Scattershot

5パック
⑤《クローサの戦長/Krosan Warchief
>⑥《よじれた嫌悪者》
>⑦《凶暴の命令》

6パック
⑥《ドラゴンの影》
>⑦《ワイアウッドのかぎ爪/Claws of Wirewood

基本的に、カードの出が良かったのもあってか、クリーチャー以外のカードが優先して取られている。特に、《ドラゴンの影》に関しては、卓に2名しか黒がいないことから、非常に強力なカードとして、初手で迷わず取られている。また、《凶暴の命令》は2枚目。このテーブルだけで、3マッチ中、何回撃たれることがあるか楽しみである。

また、決め手というか、デッキの「売り」に欠けていた⑤斉藤が、スペル、クリーチャーともに良質なものをゲット。デッキの性能を格段にアップ。

7パック
⑦《火炎流/Torrent of Fire
>⑧《銀騎士/Silver Knight
>①《よじれた嫌悪者》

8パック
⑧《悪戯なクェイナー/Mischievous Quanar
>①《ワイアウッドのかぎ爪》
>②《火炎流》

終盤になってとうとう《火炎流》が。それも2枚。また、⑧高桑は銀、白と、両騎士をそろえるものの、デッキの天敵ともいえる《ワイアウッドのかぎ爪》が連続してでたことにより、赤緑デックの両名に対して若干つらくなったか。

結果としては、卓全体で、あまり「壊れた」カードが乱発されなかったため、各自が、自分のやりたい色、デッキタイプを主張し、そして相互にそれを協調。

デッキの全体的な質としてはそれほど高くないものの、各自自分の作りたいアーキタイプのデッキをうまく制作し、また、ロチェスタードラフト特有の「この卓だからこそ強い」とか、「あの人のデックに勝つために必要」というようなカードを、優先して取るような配慮もなされていて、全勝卓にふさわしい非常にハイレベルなロチェスターだったと思う。

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