Day 1 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2006年 4月 8日

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

BLOG

Team John Elder、左から景山 ジョン 太郎、笹沼希予志、岡田 耕

さて、すでに公式フォーマットとしてリミテッドも含めれば、チーム戦というレギュレーションはすでに定着しているといえる。多くのプロプレイヤー達も重要なフォーマットと位置付けて考えており、そこではシリアスなゲームが展開されている。

だが、その一方で、チーム戦にはお祭り的なニュアンスがある事も否定できない。

例えば、普段切磋琢磨しているライバルと、共に手をとり勝利を目指す…そんな少年漫画の基本のようなシチュエーションだけでもワクワクさせられるのではないだろうか。

また、しばらくトーナメントから離れていた仲間を誘って、「昔なつかしのチーム」で参加してみるのも面白いかもしれない。今回のチームスタンダードから、対戦中の助言もルール上リーガルになった為、多少のブランクがあっても、仲間と力をあわせてそれを埋め合わせられるかもしれない。

フィーチャーマッチの無かった第1ラウンドでは、そんな「昔なつかしのチーム」の対戦からトピックを。

皆さんはチームジョンというチームをご存知だろうか?

今年の世界選手権での日本勢の活躍は皆さんも記憶に新しいと思われる。現在、世界のマジックシーンにおいて日本という国の占める割合は非常に大きい。だが、20世紀末、まだ新世紀を迎えていない時、日本はまだ世界に対する挑戦者であった。今でこそプロツアーで日本人がトップ8に入るなんて日常茶飯事のように目にする光景だが、当時はまだ、PT東京での藤田 剛史(大阪)による、メタゲームを読みきった快挙を唯一の例外として、日本人にトップ8の壁は非常に厚く、そして高かった。

そんな日本のマジックコミュニティを、文字通りリードしていたのが、チームジョンと呼ばれるコミュニティであった。APAC二連覇の森 雅也(東京)をはじめ、当時のプレミアイベントで成果を出していた関東のプレイヤーはすべからくチームジョンのメンバーだったといっても過言ではないだろう。

だが、時は経ち、新世紀。チームジョンは自然的に消滅していき、ある者は新しいコミュニティへと移り、ある者はマジックのトーナメントシーンからも離れていった。それはチームジョンのリーダーである景山 "ジョン" 太郎ですら例外ではなかった。事実上チームジョンと言うチームは過去の遺物として伝説の中でだけ語られる存在となっていったのである。

しかし、この浜松の地に、景山は、もともとのチームジョン結成のきっかけとなったオリジナルのチーム、笹沼 希予志(ささぬま・きよし)と岡田 耕(おかだ・こう)を引き連れて舞い戻ってきたのである。

まさに、チーム戦の「もう1つの側面」を体現したエピソードであると言えるだろう。

と、これだけなら、昔なつかしのチームの紹介、で終わるのだが、さすがはチームジョン、といえるエピソードまで用意してくれた。

第1ラウンドでチームジョン(Team John Elder)が対戦したのは、日本代表経験もある田中 久也(東京)擁するZenigata 6 No.1。

オルゾフを使用する景山が勝利し、マガシューを使用する岡田が田中にビートされチームは1勝1敗。チーム全体の勝敗は笹沼の対戦に委ねられる事になった。

さて、最近はじめたプレイヤーには笹沼と言う名前はなじみが無いかもしれないが、笹沼は「地雷王」という2つ名で知られた名デックビルダーであり、1999年度世界選手権で日本勢を逆の意味で震撼させた「おにぎりシュート」のデザイナーとして知られている。最近で言うと、Final'sでの局地的大旋風を巻き起こした「バベル」の国内における第一人者であり、バベルと言うデック名の名付け親でもある。

そんな笹沼が使用するのは、PTホノルルで大爆発したオウリングマイン。この辺のデックチョイスが笹沼らしいセンスであるとも言えるだろう。

前述のように、残り2組の対戦が終了した時、笹沼の場は丁度2枚目の《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を撃たれたところだった。宣言は《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》。すでに1枚目の《頭蓋の摘出》で《突然の衝撃/Sudden Impact》を抜かれている。

つまり、笹沼のライブラリーの中に残されたダメージソースは《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》のみなのである。このクリーチャーだけで20ダメージをたたき出すのは、《さまようもの/Wandering Ones》だけで殴り勝つのと同じくらいに難しい。ライブラリーアウトさせようにも、《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を撃たれている分、笹沼の方がライブラリーが少ないのである。

誰もが、笹沼の、ひいてはチームの敗北を意識したかもしれない。

だが、ここで、笹沼が古豪の、そして元祖「地雷王」の意地を見せる。

Cranial Extraction

《三日月の神》によるドローを、《脱出/Evacuation》を対戦相手のターンに使用することで、調整し、対戦相手の方が多くカードを引く状況を作りつつ、《疲労困憊/Exhaustion》や《万の眠り/Gigadrowse》で時間を稼ぐ。

そして、大量の《吠えたける鉱山/Howling Mine》が並び、笹沼のライブラリーが3枚、対戦相手の安富のライブラリーが10枚となったターン。まずは安富が6枚ドローしてライブラリーが4枚に。場にはクリーチャーがいないので一応展開をしてからターンエンド宣言。

ここで、笹沼が手札に温存していた3枚のブーメランを自分の《吠えたける鉱山/Howling Mine》に対してプレイ。これによって笹沼の次のターンのドローは3枚。ギリギリライブラリーアウトしない。

笹沼が自分のターンになってから、再度《吠えたける鉱山/Howling Mine》を展開すると、安富は自分のライブラリーを数え直した上で投了を宣言した。

この笹沼の大逆転劇によってTeam John Elderは第1ラウンドを勝利することとなったのだ。

伝説となるチームには伝説になるだけの理由がある。


Saturday, April 8: 1:23 p.m. - Round 2 : Kenya vs. Team Sebasu-chan

by Koichiro Maki
日本王者諸藤(左)とチーム・セバスチャンの井上

Kenya
Player A : 諸藤 拓馬
Player B : 甲斐 翼
Player C : 平林 和哉

Team Sebasu-chan
Player A: 井上 裕
Player B: 岡田 淳
Player C: 井上 啓

ラウンド2にして日本王者対決が実現した! Kenya のA席に陣取るのは現日本王者である「豪腕」諸藤。でも、それだけだと王者が一人しかいないから対決にならないって? ご安心召されい。相手チームにも日本王者がいるのだ。ミラクル・オブ・ザ・ゾーンの。既に発売終了しているゲームなのでピンとこないかもしれないが、なにしろ日本王者だ。おそらくマジックの手腕も相当なものに違いない。要注目だ。

それでは、「マジックの」日本王者、諸藤の試合に注目してみよう。

Seat A: 諸藤 拓馬 vs. 井上 裕

Game 1

世界選手権までは、戦前に日本選手権はフロックじゃないの?等と不安を囁かれた諸藤だったが、始まってみればなんのなんの。そんな雑音など遙かなる宇宙の彼方に吹き飛ばすほどの大活躍で日本チームの優勝に大貢献。さすがは日本王者だと世界を唸らせた諸藤。その諸藤が、孤高のデッキビルダー平林を作戦参謀に、甲斐 翼をムードメーカーに迎え入れたのがこの Kenyaだ。

シャッフルを終えて時計を確認すると、「あ、もうスタートから4分も経過してるじゃないですか。デッキ遅いから急がないと!」とゲームが始まる前にいきなり自爆気味の情報漏から始める諸藤。もっとも、これが完全に天然かは分からない。天然の中に計算を織り交ぜる。それが諸藤流だ。

後手の諸藤は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》から《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》へ。《よりよい品物/Greater Good》デッキとしては悪くないスタートと言える。

一方、相手は《霊光の略奪者/Ghost-Lit Raider》というちょっと変化球。しかもそれに続くのが《焼尽の瞑想/Searing Meditation》。ライフ回復を弾薬にするエンチャント。色的に考えると《炎まといの天使/Firemane Angel》あたりを墓地に落としてというデッキなのだろうか? 

だが、諸藤は意に介さず《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を唱えると、必要パーツを揃える。《回収/Reclaim》を経由して手札に《よりよい品物/Greater Good》と《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が揃った。

諸藤 「これ、何するやつ?」(《焼尽の瞑想/Searing Meditation》を指さしながら)
甲斐 「一発では死なんけど、天使があると毎ターンくらうよ。」

このチーム・スタンダードでは、このようなチームメイト同士での会話が認められているのが大きな特徴だ。既に他の記事や、タカラ公式サイトに掲載された黒田の記事 でも大きくまとめてあるので併せて参照して欲しい。

しかし、何しろフォーマット自体がまだまだ新規キャンペーン中。これまでマジックでは試合中のアドバイスが厳禁だっただけに、身体に染み付いた癖のせいもあって聞けるけど聞くプレイヤーが少ないのが実情だ。だが、諸藤はその壁をなんなく乗り越える。聞きたいから聞く。それが正解。

《よりよい品物/Greater Good》の前に出てきた《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を《稲妻のらせん/Lightning Helix》と《焼尽の瞑想/Searing Meditation》で仕留めた井上だが、その行動は《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》によって縛られる。その間に、諸藤は「あ、ミスった」などと言いながらも《よりよい品物/Greater Good》をセットしてから《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》による《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》の一本釣り。勿論、白龍は攻撃の後に《よりよい品物/Greater Good》に捧げられ、新たなるカードへと変わる。しかも、陽星が死んでいるので相手はアンタップができず…

日本王者、一本目を快勝。

諸藤 1 – 0  井上

さて、ここで他の席を確認すると、中央では甲斐のハウリングオウルが岡田のイゼットコントロールと、その隣では平林のゴーストダディがもう一人の井上が使用するオルゾフ・アグロと闘っている。

Searing Meditation

Game 2

このゲームでも《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》から《遥か見/Farseek》と順調に展開する諸藤だが、そこに井上の《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》が飛び込む。だが、諸藤は慌てずに《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》でライフを回復しつつ相打ちに。

と、早くもここで井上の足が止まる。どうやら、諸藤の豪腕は今回「諸藤が引く」ことではなく、「相手が引かない」ことで機能しているのだろうか。諸藤はもう一発《遥か見/Farseek》を唱え、更に土地を肥やしていく。

ようやく井上が《炎まといの天使/Firemane Angel》を召還。そして、一度攻撃をした後に《焼尽の瞑想/Searing Meditation》を設置。取りあえずデッキとしてやりたかったことは実行するが… なにしろ諸藤のデッキはパーマネント対処能力が高い。《神の怒り/Wrath of God》で《炎まといの天使/Firemane Angel》を墓地送りにすると、連繋で《焼尽の瞑想/Searing Meditation》を破壊。じりじりと優位を固めていく。更に攻撃した《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》に変え、相手の《炎まといの天使/Firemane Angel》まで拝借。好き放題のやりたい放題。

無念。

諸藤 2-0 井上

ほぼ時を同じくして、他の席でもKenyaに軍配が。

Results: Kenya 3 – 0 Team Sebasu-chan


Saturday, April 8: 2:36 p.m. - Round 3 : The Fireball vs. Limit Break

by Koichiro Maki
Limit BreakとThe Fireball

The Fireball
Player A : 岡本 尋
Player B : 池田 剛
Player C : 信下 淳

Limit Break
Player A: 大澤 拓也
Player B: 小倉 凌
Player C: 石田 格

さて、ラウンド1のトピックとして伝説のチーム復活と銘打ってTeam John Elderを紹介したわけだが、この浜松の地で復活した伝説はチームジョンに限らない。

世界選手権において引退宣言をした「ラストエンペラー」岡本 尋(愛知)が、盟友池田 剛(福岡)と信下 淳(岐阜)と共にトーナメントシーンに顔を出しにきたのである。

岡本 「まぁ、もともとチームを組んででるつもりは無かったけど、どうせ遊びに来るつもりだったし、この二人に誘われたんならでようかなと」

日本にチーム戦というレギュレーションが上陸して以来、常にトーナメントシーンの中心を担っていたFireball Pro系列チームの総決算のようなドリームチームが、その名も「The Fireball」として実現した。

さて、対するのは、関東若手筆頭チームである「浅原連合」と名古屋若手筆頭チームである「なごやん」から大澤 拓也(神奈川)と小倉 凌(愛知)というそれぞれの注目株プレイヤーを、「チームリミテッドの魔術師」石田 格(東京)がまとめ上げると言う、これまた現在の関東圏のドリームチームと言ってもよい「Limit Break」。

ちなみに、この対戦、昨年度のGP大阪の最終ラウンドでのFireball Pro(池田・岡本・石田)VS Asayan(大澤・小倉・高桑)の対戦とほぼメンバーが同じと言う、ちょっとデジャブを疑ってしまうかのようなリベンジゲームとなっている。

対戦前の両チームの会話も、やはりその話で持ちきりであった。
そんな対戦前の1コマ。

石田 「しかし、プレミアイベントになると池田さんかローリーさん(藤田 剛史(大阪))のどちらかに絶対あたるんだよなー」
池田 「そうやね」
信下 「俺とはあんまあたらんよね」
石田 「いつ当たったっけ?」
信下 「あれじゃない?ニューヨーク(PTNY)」
――いつのニューヨークですか?
池田・信下 「1999年!」

さすがは伝説のプレイヤー達の話は違う。

Seat C : 石田 格 vs. 信下 淳

それでは、99年PTNY以来(本人たちの話によると、更にもう一度対戦があったそうだが)の邂逅となったこのマッチを中心に対戦をみていこうと思う。

さて、試合前に過去の対戦成績やジュニアプロツアーの話ばかりしていたわけではなく、すでに石田と池田の間ではお互いのデックに対する意見交換が行なわれていた様子で、各人の使用するデックはほとんど筒抜け状態であるようだ。

池田 「(岡本の対戦相手である大澤を指差して)ここがZooやろ。で、お前が(小倉を指差して)オルゾフだ」
信下 「俺の相手は」
池田 「わからん、謎デックや。デックXや」

ちなみに、The Fireballは、岡本がマガシュー、池田がZoo、信下がオルゾフアグロといういわゆるWBX戦略をとっている。

同様に、Limit Breakも、大澤がZoo、小倉がオルゾフ系であるわけで、石田のデックは必然的にマガシューかイゼット系という事になる。そういう意味ではどちらもチームスタンダードの基本戦略に忠実なデックチョイスであると言えるだろう。

試合前に石田は筆者に、「イゼット系ですよ」と語ってくれた。

イゼット系といっても、メジャーどころではイゼットロンとオウリングマインが、またマイナーなタイプも含めればアネックスファイアやランデスボア(土地破壊やバウンスでマナを縛って《猛烈に食うもの/Magnivore》で大ダメージを叩き込むデック)と、これまたオルゾフ系に負けず劣らず豊富なデック選択の幅があるが、いったい石田はどのタイプのデックを用意してきたのだろうか。

PTホノルルでの日本勢の使用したオウリングマイン「梟」のオリジナルビルダーでもある石田だけにイゼット系のデックに対する理解も深いだろう。その辺にも注目したい。

石田vs.信下

Game 1

先手は信下。

試合前に「先手さえ取れれば負けませんよ」と言っていた石田だけにこれは手痛いスタート。ちなみにこのコメントから察するにデックは先手に強いオウリングマインかランデスボアではないかと推測される。

そして、ただでさえ不利な後手である石田が痛恨のマリガン。ちなみにマリガン前の手札には《燎原の火/Wildfire》を中心とした重いスペルばかりでマナがでないという手札。

《燎原の火/Wildfire》?

少なくとも、オウリングマインには《燎原の火/Wildfire》は基本的に入っていないので、石田のデックはほぼランデスボアだろう。

と、まぁ、裏から手札を見ている筆者はそれなりにデックタイプが推測できたが、まだゲームがスタートもしていない状況。事前情報からイゼット系とはわかっているが、結局石田のデックはわからないまま、信下のセット《平地/Plains》からゲームスタート。

石田が《島/Island》からの《手練/Sleight of Hand》。信下はパーマネントを展開しないままブーメランドをセットし、マナベースを着実に構築し、石田も二枚目の《島/Island》を置くに留める静かなスタート。

信下のファーストアクションである《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》を石田が《マナ漏出/Mana Leak》した次のターンの石田のアクションが《石の雨/Stone Rain》。

信下 「あー、これ、ソーサリーと赤ゴイフ(《猛烈に食うもの/Magnivore》)のアレやね」

と、懸念していた相手のデックタイプが判明した信下。確かにブーメランドを破壊されたのはテンポの大きな損失ではあったが、一番不明だった情報が明確になった安心感は大きい。

ほっと一安心しつつ信下は《闇の腹心/Dark Confidant》を場に出し石田にターンを返した。

そして、石田のターンにキャストされたアーティファクトを見て、信下は声を上げる。

そのアーティファクトとは《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》。

もしや、ハウリングオウル?一度安心した信下を更なる混乱に導いた石田の一枚。

そして、石田の精神的な攻撃は続く。

イゼットロンよろしく《連絡/Tidings》で手札を補充すると、アネックスファイアよろしく《併合/Annex》で信下のブーメランドを奪う。

通常、デュエルが進めば進むほど対戦相手のデックタイプは明確になっていくものだが、石田のデックは更なる混乱しか呼ばない。

石田のデックを把握しきれないまま、信下はバウンスと土地破壊と《差し戻し/Remand》によって手札を拘束され《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》のダメージを受け続けることとなった。

石田 1-0 信下

この時点で、オルゾフ小倉とZoo池田の対決もZoo大澤とマガシュー岡本の対戦は決着がついていないが、状況を見る限りではそれぞれ小倉と岡本が優勢である。デック相性差から考えても最終的にこの2つの対戦が1勝1敗になるのが想像される。つまり、この石田vs信下の勝敗が最終的なチームの明暗を分けるといっても過言ではない。

サイドボード中に信下が池田に「わからなかったら聞くから」と宣言。この辺が今回のGP浜松からいままでのトーナメントと大きく変わった点であり、またブランクのある信下や岡本が積極的にトーナメントに出場する原動力となった部分であろう。

そんな2人を尻目に黙々とサイドボーディングをする石田。こちらのチームは逆にあまり会話が無い。チームメイト同士の強い信頼感がそうさせるのか、それとも、石田が2人と無関係を装いたいだけか。その鍵は小倉の背中にプリントされた某アイドルにあると思うがどうか。

閑話休題

デックX中のデックX、夢のイゼット大集合デックに対して必死に推理を働かせる信下。

信下 「まぁ、《吠えたける鉱山/Howling Mine》はないやろ」

そんな信下の独り言とも思えない呟きを無視する為か、隣のチームメイトを無視する為かはわからないが、石田は黙々とシャッフルをする。

Howling Mine

Game 2

続いて先手は信下。

石田はGame 1よろしく《手練/Sleight of Hand》でライブラリーを操作。信下が《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》を出すと《猛烈に食うもの/Magnivore》をディスカード。
その返しの石田のターン。このゲーム2回目の石田のビックリドッキリアーティファクト。

それは、《吠えたける鉱山/Howling Mine》。

信下 「《吠えたける鉱山/Howling Mine》やと!?」

信下の声がフィーチャーエリアに響き渡る。隣の池田も思わず手を止め石田の場を見る。
信下の反応も当然だ。まさかそこまで入れてないだろうと思ったカードがやすやすと目の前に登場したのだから。《天羅至の掌握/Terashi's Grasp》で《吠えたける鉱山/Howling Mine》を破壊し、続いて2枚目を張られた返しのターン。

信下のキャストしたスペルは《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》。

だが、宣言で迷う。これまで見てきたカードを総合してもデックの中心的な動きが未だつかめない状態なのだ。ここでライフラインを使用し、信下は池田に意見を求める。

池田 「勝ち手段を削りたいなら、《突然の衝撃/Sudden Impact》じゃない?」
信下 「はいってるのかなぁ?」
池田 「入ってないなら《吠えたける鉱山/Howling Mine》まで入れる意味が無いでしょう」

このやり取りを聞いている石田は相変わらずの無表情。

いや、違う。

これは無表情なのではない、笑いを必死にこらえているのだ。

相談の結果、信下が《突然の衝撃/Sudden Impact》を宣言すると、石田は遂にこらえきれず思わずニヤリと笑みを漏らしながらライブラリーを信下に手渡す。

その表情から卓の全てのプレイヤーに石田のライブラリーの《突然の衝撃/Sudden Impact》の枚数が伝わった事は言うまでもない。信下はせめて残りのデュエルを有利に進めるべく必死にライブラリーの中を確認し、結局1枚のカードもリムーブできないままライブラリーを石田に返す。

過去のGP仙台において荒堀 和明(東京)が未知のデックのアドバンテージを活かしてゾンビプリズンで優勝した時から言われている事ではあるが、やはり対戦相手にデックがばれていないというアドバンテージは相当大きい。

しかし、信下もまた、熟練のプレイヤーである。相手が未知のデックだからと言って、そうやすやすと勝利させるわけにも行かない。

2枚目の《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》によってしっかりと《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》を抜くと、すでに場に出ていた《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》も《天羅至の掌握/Terashi's Grasp》で破壊。石田の勝ち手段を《猛烈に食うもの/Magnivore》のみにすると、猛烈なビートダウンを仕掛ける。

石田も、なんとか対応しようと、バウンスや《電解/Electrolyze》を駆使するのだが、プロテクション赤を持つ《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》がどうにもならない。そして、《吠えたける鉱山/Howling Mine》の効果でじわじわと戦線を構築した信下によって、石田のライフは8にまで削られる。

そして、信下のターン。

まず、《闇の腹心/Dark Confidant》の効果で《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》がめくられ4点ダメージ。《闇の腹心/Dark Confidant》と《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》でアタックして石田のライフは残り4。《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》とキャストするが、《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》には《差し戻し/Remand》。残りマナが5マナの信下は《マナ漏出/Mana Leak》を嫌ってか、キャストせずにターン終了を宣言。これで、石田の残りターンは早ければ1、遅くとも2ターンとなる。

だが、ここで石田がターン終了時に《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》を対象に《ブーメラン/Boomerang》を宣言すると、信下がボソリと一言。

信下 「あ、まけたかも…」

ちょうど、このタイミングで小倉に敗戦していた池田がその言葉に反応する。何せ、信下が敗北すればチームの負けが決まるのだ。

池田 「なんでまけるのよ?」
信下 「ほら、あれ…なんだっけ…マグ…」
池田 「マグニート?」
信下 「《猛烈に食うもの/Magnivore》な」

だが、石田の手札には《猛烈に食うもの/Magnivore》は無かった。

《吠えたける鉱山/Howling Mine》での2枚のドローは土地と《手練/Sleight of Hand》。

まだ、ワンチャンスある。

《手練/Sleight of Hand》をキャストし、ゆっくりとめくったライブラリーの1枚目は…土地。

石田が力を込めてめくった最後のチャンスは…赤い大口を開けたクリーチャーのカードだった。

石田 2-0 信下

池田・信下 「わけわからんデックやね」

石田格の渾身のスーパーハイブリッドデック、題して「ハウリングオウリングアネックスファイアボア」、長い名前。

石田 「最初は《疲労困憊/Exhaustion》の弱さにげんなりして《石の雨/Stone Rain》の方が強いだろって話だったんですが、マナ加速に《併合/Annex》、シナジーを考慮して《燎原の火/Wildfire》《猛烈に食うもの/Magnivore》と入れているうちにこんな夢のデッキが出来上がりましたね」

後はトロンを入れるだけと石田は笑いながら語った。

さて、この時点で、石田・小倉の勝ち星でLimit Breakのチームとしての勝利は確定した。

おかえりなさい、ジンさん!

ここで、残った対戦である岡本・大澤対決を見てみよう。

場を見ると、大澤の《番狼/Watchwolf》に《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》がついて岡本をビートダウンしている最中だった。

大澤の場には他に5枚の土地と《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》が並び、岡本の場にも《森/Forest》4枚《島/Island》1枚《山/Mountain》1枚と並んでいる。どうやら試合開始からは随分と時間がたっているようだ。

そろそろ岡本のコンボが発動してもおかしくないタイミングではあるし、大澤もそれなりに岡本のライフを削っているのだろうと思ってライフ記録シートを見ると、岡本のライフはなんと17。墓地には3枚の《木彫りの女人像/Carven Caryatid》。

それを見ている筆者に気がついたのか、大澤は非常にいい笑顔。圧倒的なデック相性差と、チームの勝利ですでに悟りの境地に達したのか。

結果、次のターンには岡本のコンボが決まり、チーム成績は2-1となった。

Results:Limit Break 2 - 1 The Fireball

岡本 「いい練習になったよ、ありがとう」

ここでも、大澤は最高の笑顔を。



Saturday, April 8: 4:20 p.m. - Round 4 : ABEC vs. O-den A

by Koichiro Maki
大阪選抜ともいうべきABEC(あべしと読む)

ABEC
Player A : 藤田剛史
Player B : 黒田正城
Player C : 藤田修

O-den A
Player A: 山内 翔
Player B: 福谷 ゆうしょう
Player C: 鍋田 真

Game 1

ゲームは物凄い勢いで展開する。

山内の《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》に藤田は《ショック/Shock》。次のターンの《番狼/Watchwolf》を《差し戻し/Remand》。当然のように更に次のターンに、この《番狼/Watchwolf》がまた召還されるわけだが、それも《差し戻し/Remand》。で、もっかい喚ぶと、またまた《差し戻し/Remand》。差し戻し祭り絶賛開催中だ。
 
だが、その戻し防衛網を突き抜けた山内の《密林の猿人/Kird Ape》は着々とダメージを重ねる。山内も自分で出した3枚のギルドランドから6点のダメージを被っているのだが、藤田の側にダメージソースがないのであまり気にならない。それが活きてくるのは、藤田が何かしら確固たる攻撃拠点を築いてからだ。

問題は、それをどう築くか。藤田の手札には《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》があり、場には既に7マナ。青マナもたっぷりとあるので何かしらのカウンター呪文が1枚でもあればそれで十分なのだが、手札に残るは土地土地土地。目の前には《密林の猿人/Kird Ape》がいるので、いつまでも手をこまねいて見ているわけにもいかない。

しゃーない。藤田は覚悟して、《山/Mountain》2枚を余して《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を召還。だが、これには《稲妻のらせん/Lightning Helix》と《ショック/S hock》の合わせ技が。覚悟はしていたが、やっぱりがっかりだ。

結局、その後も土地しか引けない藤田は、そそくさと投了。

藤田(剛史) 0 – 1 山内

Game 2

後手の山内は、《山/Mountain》を立てて待ち構える藤田を見ながら、《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》から《密林の猿人/Kird Ape》を。これなら藤田が《ショック/Shock》を構えていても焼かれはしない。

実情をばらすと、このとき藤田の手札は大ピンチ。土地はあるのだが、痛くない青マナソースがないのである。《シヴの浅瀬/Shivan Reef》があるので青マナ自体は出せるが、毎ターン自分の土地からダメージを受けてしまっては、ズーに勝つのは不可能。

藤田は続くターンに、山内の《番狼/Watchwolf》を《差し戻し/Remand》して引くカードにかける。もうこれ以上手札にドローカードは無い。手札には《不忠の糸/Threads of Disloyalty》があるので、《番狼/Watchwolf》自体はそれほど怖くはないが、その際のダメージが…

引いたカードは、2枚目の《シヴの浅瀬/Shivan Reef》だった。激痛確定。

仕方なく、2点をくらいながら《不忠の糸/Threads of Disloyalty》で《番狼/Watchwolf》を奪う藤田。しかし、山内はそこに容赦なく《火山の鎚/Volcanic Hammer》を飛ばし、《密林の猿人/Kird Ape》でゴツン。更に《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》が追加される。

更なる2点をくらいながら《不忠の糸/Threads of Disloyalty》を使う藤田だが、山内の手札は完璧だった。《古の法の神/Kami of Ancient Law》と《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》。

見事な金星をフューチャーマッチで飾ったOden-A

それを跳ね返すだけの時間はもう残されていなかった。藤田、無念の投了。

藤田(剛史) 0 – 2 山内

この時点で、B席では黒田が一本先取。C席では1-1のタイに。ちらりと見たところ、フジシュー(藤田修)が《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》で相手の《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》を全てリムーブし、気配的には有利な体勢にみえる。

が、そうは問屋が。藤田がマナと攻め手を引けず停滞しているうちに、鍋田はするするとマナを延ばし、《絶望の天使/Angel of Despair》に。4枚しかなかった藤田の土地を破壊する。

そして、これが決め手となった。手札に《信仰の足枷/Faith's Fetters》を抱えながら、藤田はそれを使うマナが揃わないのだ。引けども引けども呪文ばかり。更には、そこに鍋田の《迫害/Persecute》が。

宣言は白。残された《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》では、どうすることもできず。

藤田(修) 1 – 2 鍋田

Results: O-den A 2 – 1 ABEC


Saturday, April 8: 5:37 p.m. - Round 5 : Neck Cut Cycle vs. One Spin

by Keita Mori
三原 槙仁(左)と対峙する斉藤 友晴

Neck Cut Cycle
Player A : 三原 槙仁(大分)
Player B : 曽我部 一平(福岡)
Player C : 中村 聡(大分)

One Spin
Player A: 斉藤 友晴(東京)
Player B: 鍛冶 友浩(埼玉)
Player C: 津村 健志(広島)

大分からやってきたNeck Cut Cycleはエクステンデッドにおける「CAL」デッキのデザインで一気に世界的な知名度を誇るデッキビルダーへとなりおおせた三原 槙仁の率いるチームである。福岡県在住とクレジットされている曽我部 一平もマジック的な下地を形成してきた場所という意味では大分勢。もう一人のメンバーである中村 聡は往年の「業師」をほうふつとさせる漢字の綴りだが、読みが「なかむら・そう」である。

そして、そんな首狩族たちが狙うのが文字通りの賞金首、プロツアー・アトランタにてベスト4入賞を果たしているOne Spinだ。

昨年度の「世界ナンバーワンプロプレイヤー」Player of The Yearの津村 健志(広島)を擁する今大会屈指の注目チームで、世界レベルでも有数の名コンビである斉藤 友晴(東京)と鍛冶 友浩(埼玉)が支える磐石の布陣。津村の構築フォーマットでの活躍ぶりは言わずもがなとしても、鍛冶も世界選手権ベスト4入賞、グランプリ北九州優勝といった経歴を持っており、斉藤 友晴も構築王者決定戦たるThe Finalsに戴冠したことのあるプレイヤーだ。

つまり、あなたがディープインパクトの単勝を買うタイプなら、浜松ではOne Spinで決まりである。

マッチアップ

さて、人それぞれの観戦方法がチーム戦ではあるだろうが、私はまず対戦エリアを歩き回ってマッチアップの全体像を把握しにかかる。

Seat C:

スーパースター津村 健志(One Spin)と中村 聡(首狩)はともに第一ターンに《神無き祭殿/Godless Shrine》をタップインするというスタートで、いわゆるオルゾフ系の対決であることが判明。

Seat B:

鍛冶 友浩(One Spin)が《ブーメラン/Boomerang》で曽我部 一平(首狩)の《蒸気孔/Steam Vents》をバウンス。曽我部の手札にはいわゆる「梟」や「鉱山」が満載。青赤のオウリング・マインのミラーマッチという風情。

Seat A:

斉藤 友晴(One Spin)が《番狼/Watchwolf》でのビートダウンをスタートし、三原 槙仁が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をおきながら《木霊の手の内/Kodama's Reach》のうちをプレイ。斉藤の手札には《黒焦げ/Char》が、三原の手札には《よりよい品物/Greater Good》があることから、ぱっと見でZooとグレーター・ギフトのマッチアップという風だ。

つまるところ、二つのミラーマッチが実現し、残る一箇所でビートダウン対コントロールという戦い。そんな構図の対戦となっているようだ。

Seat C Match

津村 健志(手前)の騎士たちが疾風のごとく勝利を掴んだ

ようやっとマッチアップの全体像が掴めてきたその頃、早くもC席の中村からうめき声があがった。

中村 「白騎士も黒騎士もいて、どうやって十手にカウンターのせろっていうんだ…」

白騎士に黒騎士。すなわち、《残虐の手/Hand of Cruelty》と《名誉の手/Hand of Honor》。そこに《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》までをも加えた「プロテクション軍団」を擁するシフトのビートダウンに仕上げてきたのが津村なのだ。大昔の白単色ないし黒騎士のナイトデッキを思わせるラインナップである。

そして、対する中村は《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》や《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》といったコツコツとアドバンテージを稼いでいくという広く知られたかたちのデザイン。ファジーな表現を使うなら、尖った津村と丸いと中村といったコントラストであろうか。

ともかく、津村はしっかりとオルゾフ系の隆盛を受けての黒シフトのフォーメーションをしいている。そこに、泣きっ面に蜂とばかりに中村が痛恨のダブルマリガン。追い風を背に津村騎士団が電撃的な勝利を掴み取った一幕。

津村 「まあ、サイド後はプロテクション15枚体制ですからね」

と、《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》をチラリとこちらに見せてくれた津村だった。

津村 健志 2-0 中村 聡

Seat B Match

射抜くような視線。そして、まるでリズムをとるかのような、きびきびとした手さばき。

今となっては世界的な名手が実に多くなった日本勢だが、その一挙手一投足の仕草で魅せてくれるプレイヤーというと鍛冶 友浩くらいのものであろう。もちろん、筆者の主観100%の話であるわけだが、機会があれば是非ともそのプレイスタイルをフューチャーマッチなどでご観戦いただきたいと思う次第。とにかく、個人的に観戦オススメ度ナンバーワンプレイヤーである。

鍛冶 友浩

そして、このラウンド対戦のチームの勝敗を決定づけたのが…その鍛冶だった。

一戦目は対戦相手の「仕掛け」を逆手に取る形で鮮やかな一閃。すなわち、曽我部 一平が《枯渇/Mana Short》よろしく《万の眠り/Gigadrowse》の複製モードで鍛冶のマナベースをタップアウトしにかかったところで、すかさず《突然の衝撃/Sudden Impact》を《双つ術/Twincast》。いわゆるカウンターパンチで討ち取ってみせた。

二戦目も、鍛冶は素晴らしかった。サイドボードから投入した《破壊放題/Shattering Spree》によって曽我部の重要な装置を圧倒的なカードアドバンテージとともに叩き割ったかと思えば…飛び掛ってきた《疲労困憊/Exhaustion》を《双つ術/Twincast》して対戦相手を逆にしばりつけ、さらに《差し戻し/Remand》によって自身への影響のみ打ち消すという鮮やかなプレイ。今度は巧みにガードをこじあけての《突然の衝撃》+《双つ術》だった。

こうして、格で勝るOne Spinは二つのミラーマッチで快勝。チームメイトたちの結果を受け、三戦目を戦っていた斉藤 友晴がアッサリと投了を宣言して試合は終了した。

鍛冶 友浩 2-0 曽我部 一平

Results: One Spin 2-1 Neck Cut Cycle


Saturday, April 8: 5:58 p.m. - Round 6 : Fantasista vs. Kiosk

by Koichiro Maki
Fantasista

Fantasista
Player A : 志村 一郎
Player B : 小室 修
Player C : 中村 修平

Kiosk
Player A: 石原 隆志
Player B: 伊東 周平
Player C: 斎藤 大輔

Game 1

《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》の攻撃でダメージを与えると、志村は狂喜した《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》と順調な展開。

一方、石原は1ターン目に《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》を出しているので、おそらく《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》に繋げるのだろう、と思いきや。

何もせず、ターンエンド。なんと2枚目の土地が無い。となるともう志村の攻撃を止められない。なにしろ続く3、4ターン目にそれぞれ《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》を装着。ダメージは1点、7点、10点。

あ、死んだ。僅か2分の電撃戦だ。勿論、石原の手札には《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》《木霊の手の内/Kodama's Reach》とあったので、2回のチャンスで土地を引けていれば全てが違っていたのだが…

志村 1 – 0 石原

ちなみに、他のマッチアップは以下の通りだ。

B:マガシュー vs 《呪師の弟子/Jushi Apprentice》コン
C:オルゾフ・ビートのミラーマッチ

Game 2

「さっきから酷い」

このゲームでも手札がぴりっとしない石原は1マリガン。志村はキープ。

志村が《山/Mountain》から《密林の猿人/Kird Ape》を召還すると、今度こそ石原は1ゲーム遅れの《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を。ここで志村は当然のように《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》を置いてアタック。長老が命と引き替えに土地をもたらす。志村は《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》を。

《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》。3ターン目にして石原が召還した4/4を見ながら、志村は作戦を練る。手札には、《黒焦げ/Char》があるので、燃やすこともできるが、相手に何もないならば《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》で殴った方が効率がいい。だが、できれば《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》は相手の特殊地形を確認してから《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》につけた方が。もし相手が手札に《よりよい品物/Greater Good》を持っているなら、場にクリーチャーは残っていない方がいいが、《神の怒り/Wrath of God》の場合は違う。ぐるぐるぐるぐる、頭の中で思考がまわる。

しばしの後、志村は《密林の猿人/Kird Ape》への装着を選択。石原はこれを通し、ライフを19とすると、《よりよい品物/Greater Good》を設置してターンを戻した。

志村、この教主に《黒焦げ/Char》をプレイ。解決されては手札に変換できないので石原は直ぐさま《よりよい品物/Greater Good》を起動。7点が入り、石原12。

だが、《よりよい品物/Greater Good》デッキは一旦モードに入ると強い。素出しの《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》で1度。《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》で2度。更に《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》同士の連繋と、志村のターンを実質的に奪い、星をイーブンに。

志村 1 – 1石原

ちなみに他の卓だが。

小室 1 – 0 伊東
斎藤 0 – 1 中村
完全にイーブン。

Game 3

Yosei, the Morning Star

ごついけれども融通性の無い初手にちょっと悩む志村だが、結局キープ。今回は、石原も素直にキープ。

《密林の猿人/Kird Ape》から始める志村だが、《森/Forest》が無い。《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》に続けてダメージを増やしにかかるが、石原は《遥か見/Farseek》からの《神の怒り/Wrath of God》。ならばと志村が《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》を出すと、それには《屈辱/Mortify》をしながら《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を追加。

まだまだ! 志村もここから手札の全てを振り絞り《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》と山場を再々度作り上げる。

が、《神の怒り/Wrath of God》でじょじょー。

襲いかかる《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》に抵抗する手段はなかった。

志村 1 – 2 石原

ここで、中村 vs 斎藤の3本目が佳境に。既にKiosk はリーチをかけているので、斎藤が勝てばチームの勝利が決まる大事な試合だ。逆に Fantasita はこれを勝った上で、小室も勝たねばならない。

互いに白と黒を使ったオルゾフのミラーマッチ。その場で圧倒的な存在感を持つのが、斎藤の召還した《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》だ。

Kiosk

なにしろ、死なない。並べているクリーチャーは互いに2体。斎藤が《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》と《ボロスの速太刀/Boros Swiftblade》、中村が《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》と《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》。場にあるカードに書かれたダメージ量は一緒だが、プロテクション(白)がある限り、中村の攻撃は斎藤には届かない。

しかも、ダメージレースを先攻しているのは斎藤。更に手札には2枚の《黒焦げ/Char》。盤石である。

中村も、なんとか自分の《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》を探し出し伝説ルールによる相打ちには持ち込み、更に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を追加し逆転を試みたが…

斎藤の手札に隠された《照らす光/Bathe in Light》が全てに決着を。

斎藤 2 – 1 中村

Results: Kiosk 2 – 1 Fantasista


Saturday, April 8: 6:22 p.m. - Round 6 : Stardust Crusaders vs. Wiz

by Daisuke Kawasaki
Stardust Crusaders

Stardust Crusaders
Player A : 浅原 晃(神奈川)
Player B : 北山 雅也(神奈川)
Player C : 八十岡 翔太(神奈川)

Wiz
Player A: 小西 英明(岡山)
Player B: 守屋 純(岡山)
Player C: 小林 正典(岡山)

今回はチームスタンダードだが、チームリミテッドを含めて、チームの構成のされ方にはいくつかのパターンがある。

まずは、3人メンバー固定のチーム。伝説のチームであるPhenix Foundnationがその代表格であり、日本でもPanzar HunterやOne Spinのようにこのタイプのチームが少なくない。

続いて、2名が固定メンツで残りが時々によって入れ替わるタイプのチーム。古の名チーム、AlphaBetaUnlimited.comがその代表格であり、日本では池田率いるFireballがかなり近い。

最後が、それぞれバラバラの3名が、友情や努力や勝利の為に集うチームである。「華麗なる天才」小室 修が「ピン芸人を3人集めてみました」というFantasista等は、そのいい例であろう。

そんな中で、いわゆる「傭兵」と呼ばれるプレイヤーも数少ないがいる。例えばチームメイトの都合が悪くて参加できない、もしくはチーム分裂の危機が、またまた、絶対に勝ちたい大会がある、などの場合にピンチヒッターとして呼ばれるのが「傭兵」プレイヤーである。

少々古い例になってしまうが、いまや世界王者となった森 勝洋(東京)に日本人初のRookie of the Yearをたらせるべく、藤田 修(大阪)と石田 格(東京)が手を組んで結成されたAnchansなどが、傭兵プレイヤーの概念をもっとも良く体現していると思われる。

そして、浅原 晃(神奈川)もまた、「傭兵」として広く知られるプレイヤーである。

例えば、八王子コミュニティのチームであったAll time \6000に浅原が加わってP-tasoに。
例えば、広島コミュニティのチームであったHato Beamに浅原が加わってAA Beamに。

こんなかんじで、様々なコミュニティのチームへと傭兵として出張することの多かった浅原であったが、今回のGP浜松では、いわゆる浅原連合のメンバーと、しかもかなりコアに神奈川・橋本土着のプレイヤーとのチームを組んできた。

まずは、八十岡 翔太(神奈川)。関東圏のプレイヤーにはかなり知名度の高い、個性派デックビルダーであり、毎年大型エキスパンション発売直後に行なわれるLoMという、関東圏随一の招待制のイベントでデビューする八十岡のデックは、「ヤソコン」と呼ばれ、その後しばらくの国内のメタゲームを左右するとも言われる。その共通点は青いデックであるところと、着眼点が独特である所を除いてまったくなく、「かわり続けること」を宿命づけられたデックである。

そういう意味で、このチームは浅原・八十岡という関東を代表する「個性派デックビルダー」が手を組んだ形のチームと見ることも可能であり、ギルド的にはシミックとイゼットが手を組んだ感じと言えばその異端さが伝わるのではないだろうか。なかなか仲間に入りたいとも思わない組み合わせだ。

浅原 「エジプトに向かおうとしたら、間違えて浜松の砂丘についてしまいました」

と、チーム名の由来を聞かれて応えた浅原。デックに関しても

浅原 「拾った預言書に書いてあった通りにデックを作っただけです。基本的には《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》で殴るビートダウンですね」

との事だが、きっとただのマガシューである。そうそう毎回浅原の茶番に付き合ってられない。

全く正体の不明な八十岡に比べると、今一つパンチも弱い。そんなオーバージーニアスな2人の事はこの際無視して、もっとも、まともな対決となるであろう、Seat Bの北山 VS 守屋を中心に対戦を見ていこう。

Wiz

Seat B : 北山 雅也(神奈川)vs 守屋 純(岡山)

Game 1

さて、対戦相手であるWiZであるが、もともと、地元岡山のカードショップで共に遊んでいる仲間同士であり、チーム名であるWiZはそのショップの名前だという事だ。

それなりにプレミアイベントにもで続けていた彼らは、いつかチーム戦にも出たいと考えており、チームスタンダードと言うレギュレーションなら面白そうだという事で、店内で仲間を集って浜松の地に向かったとの事。このレギュレーションの潜在的な人気の高さを示すエピソードではないだろうか。

さて、シミック・イゼットにはさまれて少々影の薄い北山であるが、実は北山、高校選手権本戦に二年連続で出場しているという実績の持ち主である。そして、その高校選手権というのが(カードの枚数制限が無いという違いはあるとはいえ)チームスタンダードと言うレギュレーションも含めて行なわれており、そこで北山は二年間合わせて1敗しかしていないと言う成績を残しているのである。

いわば、チームスタンダードの先駆者といっても過言ではないだろう。

というわけで、非常に健全な2人の戦うSeat Bの対戦。まずは北山の先手でスタート。

土地が5枚という初手に、《残虐の手/Hand of Cruelty》《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》という手札に悩んだ北山、隣の八十岡に意見を求めると、八十岡はチラッと見るなり即決で「やってもいいんじゃん」。さすがヤソ。

2ターン目に《残虐の手/Hand of Cruelty》キャストから3ターン目に《酷評/Castigate》と順調に展開しているかに見える北山だが、いかんせん相手の1ターン目のセットは《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》。そう、オルゾフアグロを使用する北山にとって天敵と言ってもいいデックタイプであるイゼットロンを守屋は使用しているのだ。

途中《差し戻し/Remand》を使用されて、時間を稼がれつつも、《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》《名誉の手/Hand of Honor》となんとか順調にクリーチャーを展開する北山だったが、しかし、《差し戻し/Remand》によって、ターンとドローを稼がれてしまったのが痛かった。

《酷評/Castigate》で手札を見たときにはまだ無かったはずの《ウルザの鉱山/Urza's Mine》が。続いて《ウルザの塔/Urza's Tower》が。

北山 「うへぇ、そろってるぅ」

と、北山節全開で思わず顔を伏せる。

この時点で、すでにそれぞれ浅原と小林が勝利しており、チームとしては1-1にリーチという状況にお互いなっている。このままだと、北山の勝敗がチームの勝敗に大きく影響する事になる。

なんとか気を取り直し、ビートダウンを繰り返しつつ、《酷評/Castigate》をキャストする北山。

守屋の手札は

《火想者の発動/Invoke the Firemind
《猛火/Blaze
《紅蓮地獄/Pyroclasm

の3枚。ここから《火想者の発動/Invoke the Firemind》をリムーブする。守屋の場のマナは15マナ。北山のライフは十手の力もあって、ランドからダメージを食らっていても、まだ20。

この返しのターンに守屋がキャストしたスペルが《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》。

Meloku the Clouded Mirror

北山 「メロクでてきとるぅ…」

と、またも北山節が炸裂。その《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》は《最後の喘ぎ/Last Gasp》2枚で対処したものの、そこでメロクの置き土産で出されたトークンがアタックし、《ウルザの塔/Urza's Tower》を置かれてしまうと、次のターンには北山のライフはX火力で削りきられてしまうこととなる。

北山は気合を入れてライブラリーからカードを引き、カードを見ると、首をうなだれてため息を1つつき投了を宣言した。

北山 0-1 守屋

さて、この時点でチームの成績はどうなっているのだろうか。
全てのマッチの成績を見えると

浅原 1-0 小西
北山 0-1守屋
八十岡 0-1 小林

と、WiZが一歩リードした形となっていたが、丁度北山が守屋に投了を宣言したのとほとんど同じタイミングで、八十岡が《神の怒り/Wrath of God》や秘儀連携を駆使して意地の一勝を上げていた。

秘儀連携?

またも八十岡はオリジナリティ溢れ過ぎるデックチョイスのようだ。まさにリアル火想者。そんな八十岡のデュエルをちょっと寄り道がてら覗いてみよう。

Seat C : 八十岡 翔太(神奈川)vs 小林 正典(岡山)

Game 3

さて、八十岡の赤白コントロールバーンと思われるデックをチェックするべくレポートする事にしたこのマッチだったが、しかし、目の前で繰り広げられたのは一方的な殺戮劇であった。

なんと、小林のランドが《平地/Plains》二枚でとまってしまったのである。オルゾフである小林にとってこの事故はあまりにもいたい。枚数の事故も痛いが、色の事故も痛い。まさに八方塞り。

そんな小林に容赦なく八十岡がたたきつける《稲妻のらせん/Lightning Helix》と2体の《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》。

なんとか《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》をキャストし、《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》の一体を《輝く群れ/Shining Shoal》で除去した小林だったが、そこへ無常に突き刺さる《稲妻のらせん/Lightning Helix》、そして《黒焦げ/Char》。

結局、八十岡のデックはわからないままだった。明日の八十岡の活躍にご期待ください。

八十岡 2-1 小林

Seat B : 北山 雅也(神奈川)vs 守屋 純(岡山)

Game 2

さて、予想外に八十岡のデュエルが早く終わってしまったので、再度北山と守屋の対決に視点を戻してみよう。

北山の場には《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》。守屋が《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》をキャストして、《真髄の針/Pithing Needle》で《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を禁止したところからスタート。

まず、返しのターンに、初手から手札にあった《ネクラタル/Nekrataal》をキャストして《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を除去。

順調なビートダウンを続けるかと思いきや、今度は《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》が出てきて完全に北山の軍勢がストップ。そして、《屈辱/Mortify》待ちだった北山に対して、守屋は《真髄の針/Pithing Needle》で《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》を禁止する。

かなりきつい状況になった北山に対して、駄目押しとばかりに守屋はまず《紅蓮地獄/Pyroclasm》でお供の小型クリーチャー達を、続いて《電解/Electrolyze》を《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》に。こうして、ずっと守屋の身を護っていた《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》がはじめて北山へと攻撃をはじめる。

Pithing Needle

だが、攻撃の機会をうかがっていたのは守屋の《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》だけではなかった。自身のクリーチャーが奪われてしまうのを防ぐ為、ちょうど2枚目の《真髄の針/Pithing Needle》の直後にドローした《屈辱/Mortify》を《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》に。ここでカウンターが《マナ漏出/Mana Leak》しかなかった守屋はカウンターしきれない。

なんとか《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》の加護で手札に溜め込んでいたクリーチャー達を並べ出し、ビートダウンをはじめる北山。だが、押しているのに、北山は浮かぬ顔。というのも、手札の中にはすでに禁止された《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》が3枚あるのだ。

いつ、北山節が炸裂するかとワクワクしながら見守っていたが、最終的に対抗策を引けずに投了を宣言したのは、今度は守屋の方であった。

北山 1-1 守屋

この時点で、浅原が、歴伝 vs. マガシュー(ハートビート)のコンボ対決で小西を下し、チームとして2勝していたため、残り時間が数分であったことも踏まえ、守屋は北山に投了した。

いつの間にやらの浅原の勝利。

浅原 「ゴゴゴゴゴゴ」

北山 2-1 守屋

Results: Stardust Crusaders 3 - 0 WiZ


Saturday, April 8: 6:54 p.m. - Round 7 : Limit Break vs. You can do it!

by Koichiro Maki
You can do it!の初日全勝を賭けて戦う野中

Limit Break
Player A : 石田 格(東京) 
Player B : 小倉 陵(愛知)
Player C : 大澤 拓也(神奈川)

You can do it !
Player A: 西村 徳仁(大阪)
Player B: 野中 健太郎(大阪)
Player C: 横井 正樹(神奈川) 

Seat C: 大澤 vs. 横井

Game 1

先手を取った大澤は、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》から《番狼/Watchwolf》という絶好の流れ。その返しで横井も《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》を。

《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》が《番狼/Watchwolf》をブロックして土地に変わる。これで並んだ土地は白マナソース2枚を含む3枚。次のターンに《神の怒り/Wrath of God》されるかもしれないことを考えると、意外に難しい場だが、大澤は悩まず《番狼/Watchwolf》2匹目を。ただし、土地は置けていない。

横井は、《ウッド・エルフ/Wood Elves》から《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》を。つまり、《神の怒り/Wrath of God》は持ってない。

こうなると大澤のブンブンは止まらない。とにかく全軍攻撃。残りライフが8となったところで、横井も《夜明けの集会/Congregation at Dawn》から《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》三連打を狙うものの、時既に遅し。

《黒焦げ/Char》2連打+総攻撃で全てを削りきられた。ここまでで、8分。

大澤 1 – 0 横井

ほぼ、時を同じくしてステロイドを使用する西村が石田から一本先勝。チーム同士の勝ち星はイーブンに。

Game 2

と、ここでサイドボード&シャッフルの間に、西村 vs. 石田戦が電撃終了。You can do it ! が一勝先取。

と、更にそれを書いている横で、横井が壮絶な事故。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を出したものの、それを付けるクリーチャーを召還するマナに到達しないのだ。

その隙に大澤の《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》《番狼/Watchwolf》《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》が、ぶぶんぶんぶん。

大澤 2 – 1 横井

全ては中央の一戦に。ちなみに、一本目は小倉が先勝している。

Seat B : 小倉 vs. 野中

Game 2

小倉が放った2枚の《酷評/Castigate》 によって《電解/Electrolyze》《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》とリムーブされた横井。その手札には2枚の《紅蓮地獄/Pyroclasm》と《猛火/Blaze》が残された。

だが、小倉も《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を置いたものの、肝心のクリーチャーが絵でない。火力では除去できない《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》をプレイしてみるものの、それには《巻き直し/Rewind》が。仕方なく《闇の腹心/Dark Confidant》を続けるが、これには勿論《紅蓮地獄/Pyroclasm》。これでは、せっかくの《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》も使いようがない。

だが、小倉の置いた《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》が少しずつ天秤を傾けていく。なにしろ、引いてる枚数が違うのだから、1対1で対応を続けては野中に未来は無い。ついには、《猛火/Blaze》までも使い果たした。

だが、ピンチの裏にチャンス有り。小倉が、二枚目の《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》をセットした返しで、野中がなにげなく引いたカードに全ての答えがあった。

《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror

ここまで土地だらけだった野中の目の前には7枚の土地。そして、気付けば《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》によって蝕まれた小倉のライフは13。

あれ、届いてる? 小倉も必死に計算したが、解決策無し。

小倉 1 – 1 野中

Game 3

全てがこの試合に。勝った方だけが輝かしい初日全勝の名誉を得て、今夜の甘美な乾杯を堪能できる。負けた方だって決して悪い成績ではないが、やはり全勝とは嬉しさが違う。

先手の小倉は、2ターン目に《困窮/Distress》を。野中の手札が暴露される。

見事に初日全勝を果たしたLimit Break(左から)の大澤、小倉、石田

《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》《マナ漏出/Mana Leak》《差し戻し/Remand》《巻き直し/Rewind》《呪師の弟子/Jushi Apprentice》《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》ウルザ地形。

あれ、もしかして無くね?

そう、野中が1ターン目にセットしたのもウルザ地形。つまり、小倉は《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》をセットしなければ青マナにアクセスできないのだ。ならばと、小倉は勿論《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》を選択する。

返しのターンで野中はカードを引くが、出てきたのはウルザ地形。これではせっかくの《マナ漏出/Mana Leak》や《差し戻し/Remand》も使いようがない。その隙に小倉は《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》を設置。

2ドロー vs. 青マナ欠乏症。さすがにこの差は大きすぎた。

小倉 2- 1 野中
Results: Limit Break 2 – 1 Kiosk

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る