Day 1 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2007年 9月 1日

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

  • Blog - 7:49 p.m.: Round 7 : 三原 槙仁(千葉) vs. 大澤 拓也(神奈川)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 5:53 p.m.: Round 6 : 高橋 優太(東京) vs. 森田 雅彦(大阪)
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 5:35 p.m.: Round 6:中村 修平(大阪) vs. 小室 修(東京)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 4:27 p.m.: Round 5 : 斎藤 友晴(東京) vs. 樽 元気(神奈川)
    by Naoki Kubouchi
  • Blog - 3:45 p.m.: Round 5 : 射場本 正巳(東京) vs.中村 修平(大阪)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 1:38 p.m.: Round 4 : 安藤 玲二(東京) vs. 栗原 伸豪(東京)
    by Keita Mori
  • Blog - 1:12 p.m.: 1st Draft Report : 彌永 淳也
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 1:01 p.m.: Round 3 : 渡辺 雄也(神奈川) vs. 高橋 優太(東京)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 12:22 p.m.: Round 2 : 小室 修(東京) vs. 津村 健志 (広島)
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 11:36 a.m.: Round 1: 石田 格(東京) vs. 大澤 拓也(神奈川)
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 11:22 a.m.: Round 1 : 中村 修平(大阪) vs. 遠藤 亮太(埼玉)
    by Naoki Kubouchi
  • Blog - 10:31 a.m.: Preview : 日本選手権今昔物語
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 10:14 a.m.: Feature: 直前予選からスタンダードを読み解く
    by Naoaki Umesaki
  • Blog - 10:13 a.m.: Grinders Decklists
    by Staff

BLOG

Friday, Aug 31: 10:13 a.m. - Grinders Decklists

by Staff

Hassaku Jinpei

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Kimura Takuto

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Matsuo Yoshiyuki

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ソーサリー (8)
4 Rift Bolt 4 Call of the Herd
インスタント (6)
4 Char 2 Fatal Frenzy
エンチャント (4)
4 Seal of Fire
60 カード
 

Endo Ryota

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エンチャント (4)
4 Moldervine Cloak
土地 (21)
2 Pendelhaven 4 Treetop Village 15 Forest
60 カード
 

Konno Kosei

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クリーチャー (12)
4 Aeon Chronicler 4 Court Hussar 4 Lightning Angel
ソーサリー (6)
2 Wrath of God 4 Foresee
インスタント (8)
4 Remand 4 Lightning Helix
アーティファクト (7)
3 Azorius Signet 2 Boros Signet 2 Loxodon Warhammer
エンチャント (4)
4 Seal of Fire
60 カード
 

Mitsui Hideo

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ソーサリー (4)
4 Call of the Herd
インスタント (6)
2 Char 4 Incinerate
アーティファクト (2)
2 Loxodon Warhammer
エンチャント (4)
4 Seal of Fire
60 カード
 

Hasegawa Gaku

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ソーサリー (4)
4 Call of the Herd
インスタント (8)
4 Char 4 Incinerate
エンチャント (4)
4 Seal of Fire
60 カード
 

Ishibashi Kazuma

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Kataoka Asami

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ソーサリー (4)
4 Rift Bolt
インスタント (8)
4 Char 4 Incinerate
エンチャント (4)
4 Seal of Fire
60 カード
 

Mori Yuya

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クリーチャー (15)
4 Augur of Skulls 4 Dark Confidant 3 Ravenous Rats 4 Tarmogoyf
ソーサリー (11)
4 Cry of Contrition 4 Smallpox 3 Call of the Herd
インスタント (8)
4 Funeral Charm 2 Slaughter Pact 2 Putrefy
アーティファクト (4)
4 The Rack
61 カード
サイドボード (15)
2 Damnation 3 Extirpate 3 Stupor 3 Terror 4 Darkheart Sliver
 

Inoguchi Hironobu

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Friday, Aug 31: 10:14 a.m. - Feature: 直前予選からスタンダードを読み解く

by Naoaki Umesaki
 

今日から3日間で開催される日本選手権2007。はたして今年は一体どんなデッキが勝利をおさめるのか、今から楽しみです。戦いがはじまる前に、現在のスタンダード環境が一体どうなっているのか、直前予選(Last Chance Qualifier)を勝ち上がってきたデッキの情報なども交えながら確認していきたいと思います。

■予選シーズン

Tarmogoyf

まず、時期がすこし前に戻りますが全国で開催された今年の日本選手権予選シーズンの頃の環境(第9版環境)は一体どうだったのでしょうか?

まずは予選突破デッキの統計をご覧下さい。

16人 黒白青ソーラーフレア
11人 赤緑ビートダウン
9人 青赤ドラゴンストーム
9人 白赤緑ビートダウン
8人 白青赤トリコロールコントロール
8人 メガハンデス系
8人 ウルザトロン系
6人 発掘デッキ
6人 緑白ビートダウン
4人 白緑黒プロジェクトX
9人 その他のデッキ

予選シーズンがはじまる前は「ウルザトロンが強すぎる」「ウルザトロンという存在がある以上、中途半端なデッキは生き残れないからデッキの選択肢が少ない」などといった意見も聞かれましたが、そういった中で自然とウルザトロン系のデッキが対策される風潮になったり、新しいデッキタイプが台頭してきたり、と、結果的には様々なタイプのデッキが予選を突破したのが今年の日本選手権予選シーズンでした。

そして、『日本選手権予選シーズンで台頭してきた新しいデッキ』の中で注目すべきなのが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》といったカードを軸とした『赤緑ビートダウン』デッキです。

『未来予知』発売当初は一般的には微妙だと評価されていた《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を『未来予知』のトップレアだと言わせるようになる程にこのデッキは活躍・流行し、この予選シーズンで一気に有力なデッキタイプとして認知されるようになりました。

Treetop Village

さらに、9版のフォーマット落ちにより弱体化したり、『ドラゴンストーム』や『ウルザトロン系デッキ』のようにメインパーツを失ってしまい…デッキ自体が無くなってしまうようなデッキもある中、『赤緑ビートダウン』は9版落ちによるデメリットをほぼ受けることなく、10版では《モグの狂信者/Mogg Fanatic》《火葬/Incinerate》《樹上の村/Treetop Village》《トロールの苦行者/Troll Ascetic》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》といった非常に強力なカード達を新たに得ることになります。

恵まれすぎなくらいに10版により強化された『赤緑ビートダウン』デッキ、本選でも要注目な存在となることは間違いないでしょう。

■前日最終予選

そんな注目の『赤緑ビートダウン』と、『赤緑ビートダウン』と相性が良い『白青赤トリコロールコントロール』を使用する人数が多いだろう、という大半の予想の中で行われた日本選手権開幕前日に開催された最終予選。結果は一体どうなったのでしょうか?

予選突破デッキの統計をご覧ください。

4人 白青赤トリコロールコントロール
4人 赤緑ビートダウン
1人 緑単ビートダウン
1人 黒緑メガハンデス
1人 白緑黒プロジェクトX

Lightning Angel

戦前の予想どおり、直前予選の会場内には『トリコロール』と『赤緑ビートダウン』を使用するプレイヤーが多く、そして期待されたデッキパワー通りに多くの予選通過者を出す結果となりました。

日本選手権予選シーズン(9版環境)では最多の予選通過者を出した『ソーラーフレア』ですが、環境の変化からでしょうか、直前予選ではその姿をほとんど見ることはなく予選通過者を出すこともありませんでした。

『トリコロール』と《印鑑/Signet》《強迫的な研究/Compulsive Research》《差し戻し/Remand》といったデッキの軸となるパーツは同じでも、《稲妻のらせん/Lightning Helix》《稲妻の天使/Lightning Angel》といった『赤緑ビートダウン』に強いカードの差で『トリコロール』を選択するプレイヤーが多かったようです。

■日本選手権スタート!

現在、日本選手権の第1回戦が開始され、参加者182名による長い3日間が始まりました。全国の予選を勝ち抜いてきた選手達の熱い戦いぶりに期待が膨らみます。

会場を軽く見渡す限り、直前予選同様に『赤緑ビートダウン』『トリコロール』といったデッキが多く、それに続き『発掘デッキ』『プロジェクトX』といったコンボデッキが多いように見受けられます。

これから毎ラウンド、試合の模様を記事でお届けしていくのでご期待ください。

Friday, Aug 31: 10:31 a.m. - Preview : 日本選手権今昔物語

by Daisuke Kawasaki
 

ひとつの夢であった

本場アメリカで、日本を代表して各国の強豪と競い合うことは、"マジック"のファンならば、誰しも夢見ることだ。

(RPGマガジン1996年9月号 朱鷺田 祐介: 日本代表決定戦観戦記より引用)

The Skull

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ソーサリー (10)
3 Drain Life 3 Icequake 4 Hymn to Tourach
インスタント (6)
2 Demonic Consultation 4 Dark Ritual
アーティファクト (6)
1 Ivory Tower 1 Zuran Orb 4 Nevinyrral's Disk
エンチャント (3)
3 Necropotence
土地 (24)
16 Swamp 4 Strip Mine 4 Mishra's Factory
60 カード
 
Necropotence

このデックリストを見て、これがなんのデックであるかを即座に当てる事ができた人は、相当なマジックマニアである事を自慢に思っていいだろう。

ネクロディスク? 

それは、半分正解で半分間違いだ。これは、ただのネクロディスクではない。

第一回の日本選手権は、1996年の6月13日から16日の4日間をかけて、東京渋谷のPARCOパート3で行われた。当時はまだ、現代のように、日本では公認大会が一般的なものではなく、したがって、レーティングによる招待という枠も無かった。たしかに、シードとして、8名の枠はあった。だが、この年の選手権の参加者は62名いたのである。

では、この残る54名はどのように選出されたのだろうか?

おそらく、多くの読者が想像する通り、彼らは、予選をくぐり抜ける事によって参加資格を得たプレイヤー達である。だが、その予選の行われ方は、想像とちょっと違うのかもしれない。現在では数ヶ月にわたって日本各地で行われている日本選手権予選だが、当時はただ一箇所、東京でしか行われなかった。

そして、その日程は、日本選手権の一部に組み込まれていた。つまり、現在でいう直前予選のみが行われたという事だ。あらかじめ行われた予選参加募集に申し込んだのは500名弱の世界を目指すデュエリストたち。その驚くべき参加人数によって、第4版スターター2個を使用したスイスドロー6回戦は3回、つまり3日間にわたって行われたのだった。したがって、4日間の全日程のうち、本戦は16日のみに、スタンダード(当時はタイプ2という呼び名だった)のスイスドロー6回戦のみで行われる事となったのだ。当時は、シングルエリミネーションさえ行われなかったのだ。

選手権のスタイルが整備された現在からは想像もつかない環境で行われた日本選手権。

今年で、その偉大なる記録を12へと伸ばすこととなった藤田 憲一(東京)は当時を振り返ってこう語る。

「カオスだったね」

日本選手権についてたずねると、藤田はまず最初に、こういった。

Tempest Efreet

「デック登録すらなしの、リアルアンティのシールドだったからね。《嵐のイフリート/Tempest Efreet》が面白かった記憶があるなぁ…効果もう覚えていないけど」

古のマジックにおいては、アンティというルールがあった。デュエルを始める前に、ライブラリーのトップをめくり、そして、敗者は勝者にそのカードを「永続的に」渡すというルールがあったのだ。ルール用語としての永続的ではなく、我々が日常に使う意味での永続的に、なのだ。

「1回戦ごとにデッキの内容も変化するから、デッキリストなんて登録しようが無いよ。もう、上位なんて《火の玉/Fireball》とか《稲妻/Lightning Bolt》が何枚も飛び交ってたね。チャネルボール(注:《チャネル/Channel》と《火の玉/Fireball》による最古の瞬殺コンボ)もいたんじゃねーかな。オレ?《トリスケリオン/Triskelion》と《動く死体/Animate Dead》が2枚とかがすげー強かったから、なんとか抜けられたよ」

実際に経験してきた人間の体験談は、我々の想像以上の情報を与えてくれるものだ。

また、連続記録こそ無いものの、当時の選手権を経験した貴重なもうひとりの証人である射場本 正巳(東京)も、また、同じように語る。

射場本 正巳

「もうね、上位とか、《火の玉/Fireball》2枚と《稲妻/Lightning Bolt》4枚とかね。むりむりむり」

といいつつも、予選を突破しているのは、やはりさすがの一言。

そんな射場本には、本戦での様子も語ってもらった。

「そのころはタックスエッジ(注:《土地税/Land Tax》と《大地の刃/Land's Edge》による、これまた最古のコンボのひとつ)使ってたんだけど…枚数70枚だったんだよね。で、緒戦に鶴田さん(注:鶴田 慶之:導師の二つ名で知られる、黎明期の日本マジックを文字通り導いたプレイヤー。この選手権で見事権利を獲得している)のネクロディスクにあたって負けたね」

このころの日本マジックの特徴として、射場本は、情報格差を挙げる。そう、今のように、誰もがインターネットにアクセスできるような時代ではなかったのだ。

「ネクロディスク? 知ってるわけ無いじゃん。《冬の宝珠/Winter Orb》を使ったデック?知らないよ(注:この時、鶴田をはじめとしたグループの中では、ネクロディスクとタイムディストラクションと呼ばれた《冬の宝珠/Winter Orb》多色アーティファクトデックがメタの中心となっていた)。だって、《ほくちの壁/Tinder Wall》と《オークのこり/Orcish Lumberjack》でマナ加速して《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》だして喜んでたんだよ、こっちは」

情報を制したものがメタゲームを制する。今では当たり前となったこの考えだが、当時はまだまだ一般的なものではなかった。そして、それにいち早く気がついた鶴田たちのグループが、ネクロディスクという当時の最強デックにたどり着き、日本を制したのだった。

冒頭のデックリスト。このデックは、ただのネクロディスクではなく、ただのデックリストでもない。最初の日本選手権を制した記念すべきデックリストなのだ。

この選手権を制したプレイヤーの名前は、現在でも多くのプレイヤーがご存知だろう。塚本 俊樹(東京)、海外でも「ジャパニーズレジェンド」の二つ名で知られる、伝説的な強豪である。

塚本は、選手権後に書かれたこのデックの解説記事の最後を以下のような言葉で締めている。

プロツアーに参加した経験から言って、世界のTOPプレイヤーと肩をならべる日本人はまだいません。残念ながらデッキ構築、プレイング、精神力、どれをとっても頭2つ分日本は遅れをとっているのです。

当時の日本は圧倒的なマジック後進国であり、世界は圧倒的に広すぎる舞台であり、海外のプレイヤー達は圧倒的に強すぎたのだ。

世界という舞台は、まさに「夢」でしかなかったのだ。

時は戻って、現在。

この日本選手権直前に、満を持して日本語に訳された記事がある。

http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070821/index.html

今、この日本に「レジェンド」伝説の名を冠するプレイヤーが再びあらわれ、この記事には「いまや、フィンケルやブッディと比較される日本人が存在するのです」というキャプションがつけられた。

そうなのだ。頭2つ遅れをとっていた日本人が、この12年間で、世界のTOPと、それもTOP中のTOPと肩を並べるようになったのだ。

世界最強を意味する二つの称号。世界王者とPlayer of the Year。この二年間、その称号はどちらも日本人プレイヤーに与えられてきた。

今年になってから、新たなプロツアーチャンピオンは誕生していないものの、今シーズンのすべてのプロツアーの決勝戦の席は日本人プレイヤーが獲得してきた。

そして、今年のPlayer of the Yearレース。ここで上位を独走するふたりのプレイヤーもまた、日本人プレイヤーなのである。そのうちのひとりである津村 健志(広島)が、いまや、Jon Finkel(アメリカ)・Kai Budde(ドイツ)というマジックの歴史を代表する二大巨頭と比肩する評価をうけているのである。

さらに、今年、また、別のプレイヤーが別の意味で「伝説」として評価され、Jon Finkel・Kai Buddeと肩を並べることとなる。

そのプレイヤーとは、2004年日本王者でもある藤田 剛史(大阪)。

津村に対する評価が「事実上の伝説」であるとするならば、藤田に対する評価は「事実としての伝説」である。

藤田 剛史と津村 健志

今年の世界選手権で行われるHall of Fame、いわゆるマジック殿堂入り。

すでに第一回の殿堂入りを果たしているJon Finkelに遅れて、Kai Buddeとともに、藤田もすでに前評判の時点でその受賞を有力視されているのである。藤田の持つ実力が、デック構築能力が、そしてそのキャリアが作り上げたコミュニティリーダーとしての功績が、マジックの歴史として大きく評価されているのだ。

なにより、後進国であった日本にとっての一番大きな壁、プロツアーの日曜日の壁をはじめて破ってみせ、日本勢躍進のきっかけを作ったのが、藤田 剛史その人なのである。

12年間の歴史は、日本のマジックを大きく変えていった。

後進国であった日本は、今や、世界のマジックを牽引する最先端をひた走っている。

たった三日の直前予選しかない狭き門であった日本選手権も、公認大会によるレーティング招待と、各地で行われる選手権予選によって、そのシステムがずいぶん整備された。

日本代表も、一日のみのスタンダード6回戦ではなく、二日間にわたるスタンダード6回戦とリミテッド6回戦を戦い抜いた8人によるシングルエリミネーションによって選出されるようになった。

だが、変わっていくものがある一方で、変わらない価値もある。

日本を代表して各国の強豪と競い合うことは、マジックのファンならば、誰しも夢見ることだ。

この言葉の持つ意味は、今もなお、色あせない。

Friday, Aug 31: 11:22 a.m. - Round 1 : 中村 修平(大阪) vs. 遠藤 亮太(埼玉)

by Naoki Kubouchi

中村 修平

昨日行われた日本選手権オープン予選。スタンダードトーナメントで13人、シールドトーナメントからは2人の権利獲得者が本日の本戦に駒を進めることになりました。

遠藤 亮太(埼玉)はそのオープン予選突破者のうちの1人。前日の勢いをそのままに、本戦でもその力を発揮できるか、注目したいところです。

対する中村 修平(大阪)は、みなさんもご存知の世界的国際派プレイヤー。先週末は、アメリカで行われていたグランプリ・サンフランシスコからの連戦となる。今シーズン、特に、時のらせん限定構築環境では苦戦を強いられており、今年の世界選手権に向けて、是が非でも日本代表チームとして出場したいところです。

マジックプレイヤー的世界の歩き方
By 中村 修平(外部リンク)

両者が選んだデッキは、遠藤がマジック・オンラインでも人気のある緑単ビートダウン。そして中村はトリコロールという、今の環境を象徴するような組み合わせとなりました。

Game 1

ダイスロールで先手は中村、お互い納得したようにキープを宣言します。後手の遠藤は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》スタートから、《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》と順調にマナを伸ばし、中村は《蒸気孔/Steam Vents》、《イゼットの煮沸場/Izzet Boilerworks》、3ターン目には少し間を置いて《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》をプレイ、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をアンタップで場に出して、《差し戻し/Remand》を匂わせるプレイングを見せます。

ここで遠藤も少し考えた後に《トロールの苦行者/Troll Ascetic》プレイを選択。中村の出方を伺うことに。そして、中村は予定調和的に《溶鉄の災難/Molten Disaster》X=2で場を一掃。

遠藤は2枚目の《トロールの苦行者/Troll Ascetic》を場に送り出し、中村は待機=1で《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》と応戦の構え。返すターン、遠藤の手札にあった《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》の出番がようやくやってきて、6/2となった《トロールの苦行者/Troll Ascetic》の戦闘ダメージで、中村のライフは7になります。

第6ターン目、手札が6枚になった中村は、ここで強烈な対抗策を展開。《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》をプレイ、《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》を8/5の化け物へと変貌させ遠藤に襲いかかります。

中村のライフは15、遠藤のライフは10、とあっという間に中村が詰めにかかり、2枚目の《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》を纏った9/8の《トロールの苦行者/Troll Ascetic》で応戦するも、中村は《強迫的な研究/Compulsive Research》から《軍の要塞、サンホーム/Sunhome, Fortress of the Legion》を引き当て、マナをキッチリ使い切って中村が先勝。

中村 1-0 遠藤

Game 2

遠藤 亮太

先手と後手が入れ替わったGame2。遠藤が《森/Forest》から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、中村《蒸気孔/Steam Vents》とGame1と全く同じ立ち上がり。

ここでGame1のようにはいかないぞとばかりに、遠藤は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》でアタックした後、《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》をプレイします。しかし、この順調な立ち上がりを見せた遠藤に対して中村は、序盤の立ち上がりを見事に打ち砕く《紅蓮地獄/Pyroclasm》が遠藤の場に突き刺さります。

返す第3ターン目、遠藤の送り出した《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をターンエンドに《稲妻のらせん/Lightning Helix》で除去した中村は、続くターンに《稲妻の天使/Lightning Angel》をプレイ、遠藤に対して反撃させる隙を全く与えません。

その後、《トロールの苦行者/Troll Ascetic》を場に展開し、反撃の糸口を必死に手繰りよせる遠藤。対する中村は《強迫的な研究/Compulsive Research》で2枚目の《稲妻の天使/Lightning Angel》と《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を引き当てており、後続の準備も万端のようです。

第6ターン目、なかなか攻め手を用意することができない遠藤は、少し考えた後にフルタップで《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》を送り出し攻撃を宣言。中村のライフは13。なんとかこの状況を打開できないものかと奮闘するものの、ここで中村は2枚目の《紅蓮地獄/Pyroclasm》を今引くほどの大波に乗っており、この後の遠藤はなす術もなく、中村の貫禄勝ちといったマッチになりました。

遠藤 「《神の怒り/Wrath of God》型でなければ、結構いけるんですけどね…」

この言葉の通り、《溶鉄の災難/Molten Disaster》や《紅蓮地獄/Pyroclasm》といったダメージで場を一掃するヴァージョンのトリコロールに対しては、《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》《トロールの苦行者/Troll Ascetic》《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》といった布陣が有効的な働きを見せてくれます。実際に、遠藤は昨日のオープン予選の全5回戦のうちトリコロールに3度当たっており、これを見事に打ち払って今日の本戦参加権利をものにしているのです。

そして、試合後の中村は筆者に、こう語ってくれました。

中村 「雰囲気勝ちしてしまいましたね」

遠藤がミス一つなくプレイし、デッキ相性に関しても決して良いという訳ではありませんが、中村のワンサイドゲームになった結果をこう振り返っています。

世界中を飛び回るレベル6魔法使いともなると、ゲーム中の雰囲気、言い換えれば「流れ」というものを巧みに操れるものだと。まさしく、魔法使いそのものではないでしょうか?

スタンダードのデッキリストは、ジグザグフォーマットの関係上、イベント2日目以降の公開となります。

中村 2-0 遠藤

Friday, Aug 31: 11:36 a.m. - Round 1: 石田 格(東京) vs. 大澤 拓也(神奈川)

by Daisuke Kawasaki

石田 格 vs. 大澤 拓也

Preview記事で、最初の日本選手権と今年の日本選手権の両方に参加しているふたりのプレイヤーのインタビューを載せさせてもらったが、実は、当時の会場にいて、今日のこの会場にいるプレイヤーは実はこのふたり(藤田 憲一と射場本 正巳)だけではない。

「だいたいね、平日に予選やって、18歳以下は参加禁止って、どれだけオレを参加させたくないのかって話ですよ。で、まぁ、参加できないならなんでもやりますよっていったら、ガンスリンガーの話がきたんで、会場でガンスリンガーやってましたよ…遅刻しちゃいましたけどね…」

と、失敗談を怒りに任せてついでのように語ったのは、当時「日本最強の高校生」と呼ばれていた男、石田 格(東京)である。

12年という月日は、「日本最強の高校生」を「関東の巨匠」にし、そして、12年間マジック漬けの生活を送ってきた石田もまた、今やマジックから離れた生活を送っている。

「構築は…世界選手権以来だから…9ヶ月やってないですね…」

中島 主税(神奈川)に足りないカードを借りようとしたら、それがすでに10版に収録されていなかったというエピソードを明かし、「ね? どれだけマジックから離れてるかわかるでしょ?」と語る石田には、時には般若の面をかぶり、時にはドラフト脳をフル回転させた、マジックを生活としていた時の面影は、ない。

すでに、生活が、マジックから離れている石田。それでも、スケジュールを調整し、参加してしまうほどに、石田にとっても日本選手権は、そしてマジックというゲームは特別なものなのだろう。

対するのは、大澤 拓也(神奈川)。

いまや世界屈指のリミテッダーであり、石田のチームメイトであり、そして愛弟子である。使用するデックは、本大会のコンボデックの中では大本命といっていいナルコブリッジ。

石田のデックは「謎」デック。

Game 1

先攻は石田。

《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》を置きつつの《睡蓮の花/Lotus Bloom》待機という順調そうなスタート。一方の大澤は、《草むした墓/Overgrown Tomb》セットからの《ラノワールの共感者/Llanowar Empath》キャスト、続くアップキープに《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》をディスカードし、発掘。この発掘が、《ナルコメーバ/Narcomoeba》と《黄泉からの橋/Bridge from Below》を墓地に落とすという絶好のスタート。

2ターンにわたり《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機した石田だったが、《強迫的な研究/Compulsive Research》によって発掘のサイクルが続き、墓地の《戦慄の復活/Dread Return》がフラッシュバックされると、静かに土地を片付けたのだった。

大澤 1 - 0 石田

Game 2

続いて先手は石田。

互いがお帰りランドをセットする立ち上がりから、石田は《連合の秘宝/Coalition Relic》でマナを伸ばし、一方で後手の大澤は、お帰りランドで手札が増えるのを利用して《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》をディスカードしエンジンを回し始める。

《結ばれた奪い取り/Bonded Fetch》によって、エンジンを加速させようとする大澤だったが、これにはさすがに《稲妻のらせん/Lightning Helix》を打ち込み、容易に大澤のペースにさせない。

大澤は《強迫的な研究/Compulsive Research》による3連続発掘で、墓地に2枚の橋と《戦慄の復活/Dread Return》を落とすものの、フラッシュバックに必要な3体目の《ナルコメーバ》がめくれなかったため、一度ターンを渡す。

ここで長考に入る石田。大澤にターンを返し、マナを復活させてしまっては、敗北はほぼ決定的である。

《刃の翼タロックス/Tarox Bladewing》をキャストし、アタックする石田。何かしらのブラフである可能性も否定できないものの、壮大能力と火力による瞬殺の可能性を考えたわけではないだろうが、とりあえず、墓地の2枚の《黄泉からの橋》によって3体クリーチャーを確保できるのをよしとしたのか、この《刃の翼タロックス》をブロックする。

Riddle of Lightning

ダメージスタック後に、《刃の翼タロックス》へ《火葬/Incinerate》を打ち込み、大澤の目論見を崩す石田だったが、続くターンの大澤の通常ドローによる発掘と、再びキャストされた《結ばれた奪い取り》のディスカードで、またも《黄泉からの橋》が墓地に2枚落とされると、「あぁ、足りてるね」と冷静に。

大澤 2-0 石田

「どうせ負けるなら、うっとけばよかったー!」

試合終了後に、石田が見せたカードは《稲妻の謎/Riddle of Lightning》。

石田のデックは、"教祖"長岡 崇之(京都)作のフルバーン+ドラゴンストームに《稲妻の謎/Riddle of Lightning》を組み合わせた、文字通りの「謎」デック。

「今日の目標は、マッチポイント何点とかじゃなくて、このカードで何点与えるか、ですから」

そして、英語取材班のBrian David-Marshalの"Rogue Deck?"という質問に笑顔でこう答えた。

"No. This is Fun deck. Enjoy today!"

Friday, Aug 31: 12:22 p.m. - Round 2 : 小室 修(東京) vs. 津村 健志 (広島)

by Naoaki Umesaki

小室 修

小室 修(東京)
『プロツアー名古屋』優勝、『グランプリ横浜』優勝など今までに輝かしい戦績を残しているプレイヤーである。

今回の使用デッキは、先立って行われた『南アフリカ選手権』で優秀な成績を収めたという『白緑青《一瞬の瞬き/Momentary Blink》デッキ』のほぼ完全コピーデッキ(本人談)とのこと。

津村 健志(広島)
2005年度のプレイヤーオブザイヤー(年間最優秀選手)のタイトルに輝くなど、小室同様に今までに輝かしい戦績を残しているプレイヤーである。今期もその勢いは止まるところを知らず、シーズン半ばにしてプロポイントでのプロプレイヤークラブのLv6(最高位)を確定させている。
今回の使用デッキは、青白赤のストームデッキ。

そんな二人だが、不思議と今まで大きな大会で勝負する機会がなかったという。

小室 「俺らってプレミアイベントでゲームやるのは初めてだよね」
津村 「そうだね、意外な感じだけど今までやってなかったね」
津村 「そんな小室さんとの初対決ですが、さっきのラウンドでゲームしたのがこのデッキの初回しなんだよね(笑)」

津村のストームコンボが炸裂するか、小室のデッキがそれを防ぎ攻めきれるのか、熱戦を期待したい。

Game 1

ダイスロールの結果、小室が先攻。津村が1マリガンで、ゲームがスタート。

小室が2ターン目に《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》を待機するのみの序盤に対して、津村は序盤からストームコンボに向けて積極的に動きを見せる。

1ターン目《睡蓮の花/Lotus Bloom》待機、2ターン目《孵化計画/Hatching Plans》と展開。さらに、3ターン目には《ギックスのかぎ爪/Claws of Gix》プレイから能力で《孵化計画》を生け贄にささげて3枚ドローカード、《睡蓮の花》2・3号を待機とコンボに向けて良い立ち上がりだ。

小室も簡単にはコンボを決めさせはしまいと、《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》や、待機からあけた《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》の能力で津村の土地を戻してマナボードを攻め、さらに《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》をX=1で待機してダメージの面でも津村にプレッシャーをかける。

しかし、返しの津村のターン、津村はなんと土地をセットするのみで何もせずにエンドを宣言する。手札が悪いのか、何かを狙っているのか、大量にドローを進めた直後にノーアクションでのエンドは不気味である。

小室の第6ターン目、アップキープに《永劫の年代史家》が待機からあけてプレイされるが津村はリアクション無し。《差し戻し/Remand》くらい飛んできそうなものであるが、ますますもって不気味である。《永劫の年代史家》《造物の学者、ヴェンセール》《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》のアタックにより、津村のライフは17→8に。

津村の第6ターン目、《睡蓮の花》2・3号が待機から明けて場に出るだけで、先のターンに引き続きまたもやノーアクションでエンドを宣言。

小室は先ほどのターン同様に、3体でアタック。

津村は、9点のダメージスタックを乗せた後に《ギックスのかぎ爪》の能力で土地を2枚生け贄に捧げてライフを10としてダメージを解決。残りライフは1となる。

そして迎えた津村の第7ターン。ついに津村がアクションをおこす。《睡蓮の花/Lotus Bloom》3枚からによるマナから《炎の儀式》《撤廃》《ギックスのかぎ爪》《孵化計画》《危険な研究》《ギックスのかぎ爪》と繋ぎ、《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath》から致死量には十分な数であるストーム=8の《ぶどう弾/Grapeshot》を小室に打ち込んだのである。小室の手札には対抗手段はなく、投了。

津村が、限界まで溜めて華麗にコンボを決めてみせた。

小室 0-1 津村

Game 2

津村 健志

小室が先攻、お互いにマリガン無しでゲーム開始。

津村は1ターン目《睡蓮の花/Lotus Bloom》待機→2ターン目《孵化計画/Hatching Plans》とプレイ。小室が2ターン目に《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を待機という先ほどのゲームと同じような展開の立ち上がりだ。

津村はそこから《危険な研究/Perilous Research》で《孵化計画/Hatching Plans》を生け贄に捧げて合計5枚のカードをドローしてコンボへと順調な展開を見せるが、小室は先ほどとは違い3ターン目・4ターン目と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を2体連続で展開し、先ほどよりも早い段階でダメージクロックを場に用意することに成功する。

タップアウトとなっている小室の隙をついて津村が《睡蓮の花》を使用して自身のメインで《ザルファーの魔道士、テフェリー》を場に送りだすも、小室は次のターンのアップキープに《造物の学者、ヴェンセール》プレイで《ザルファーの魔道士、テフェリー》を戻して、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》【現在4/5】2体と《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》がアタック。

津村は一縷の望みをかけて《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》→《孵化計画》と展開するも、小室は返しのターンで《造物の学者、ヴェンセール》2号。能力で《アウグスティン四世大判事》を戻し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》2体と《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》で津村のライフを削りきった。

小室 1-1 津村

Game 3

先攻の津村、
《睡蓮の花/