Day 2 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2005年 11月 6日

By Wizards of the Coast

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地元勢として奮闘する安川

二日目の開幕戦となるこの第8ラウンドでの注目の対戦(Feature Match)に選び出された二人のプレイヤーは、見事に土曜日の予選序盤を全勝で折り返した猛者たちだ。

地元福岡勢として奮闘している安川 和秀は、今大会の最大勢力となった"Boros Deck Wins"を使用してここまでを勝ち上がってきた。初日のデッキ分布記事を見ていただければ一目瞭然のことだが、赤いデッキが跋扈するメタゲームを読みきっての《銀騎士/Silver Knight》や《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》メインボード投入という慧眼を見せてくれている。

そんな安川がマッチアップする相手が、青黒の"Reanimate"デッキの片山 貴裕(岡山)だ。片山はプロツアーロサンゼルスで予選初日を突破しているプレイヤーであり、世界のトップとエクステンデッド・フォーマットを二日間にわたって戦い抜いてきたことは大きな財産となっているはずだ。すばやく墓地へ送り込んだ《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》や《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》をスレッショルドでの《縫合/Stitch Together》や《生+死/Life+Death》で釣り上げるというストラテジーのデッキである。

Game 1

第1ゲーム、安川に与えられたノルマは「9点のライフを削りきること」だった。

《汚染された三角州/Polluted Delta》フェッチでの《湿った墓/Watery Grave》アンタップインからの《不運な研究者/Hapless Researcher》召喚でゲームを始めた片山が、2ターン目に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》をリアニメートするにあたって《生+死/Life+Death》を使用したからだ。

アクローマ嬢をエスコートするためにかかる費用はだから、片山はここでさらに8点のライフを失う。

20-(8+3)=9

すばやいリアニメートによって《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》以下のクリーチャー陣は早々にシャットアウトされてしまうことになったが、3発の《炎の稲妻/Firebolt》と《稲妻のらせん/Lightning Helix》だけで9点のダメージには十分なのであった。

安川 1-0 片山

全勝街道を突き進むことになったリアニメイターの片山

Game 2 and 3

しかしながら、片山は第2・第3ゲームではライフゲイン・ファッティである《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》をすばやくリアニメートし、ダメージを与えながらライフを回復するという大技で安川を圧倒した。

決まってしまうときのリアニメートとは、かくも単純明快なものなのである。

片山 2-1 安川


Sunday, Nov 6: 12:22 p.m. - Round 8: 森田 雅彦(大阪) vs. 石田 格(東京)

by Koichiro Maki
森田 雅彦

共に日本を代表するプレイヤーである二人が、初日全勝という成績を引っさげて激突した。

森田が使用するのは、森 勝洋(東京)がデザインしたセプターチャント。石田が使用するのは、自身がデザインした発掘型サイカトグのアップデート版だ。

Game 1

先手を取った森田は、初手を確認してしばし止まった。もしこれが、中盤以降に構える手札ならよいのだが、決して序盤用ではない。マリガンを選択し、2枚の土地と《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》を含んだ6枚の初手をキープ。石田はマリガン無し。

最初の接触は、石田の《けちな贈り物/Gifts Ungiven》に対する森田の《魔力の乱れ/Force Spike》。

次の接触は、森田の《知識の渇望/Thirst for Knowledge》に対する石田の《魔力の乱れ/Force Spike》。

ここまでは互角。だが、石田の《壌土からの生命/Life from the Loam》によって少しずつ天秤は傾き始めたようだ。フェッチとサイクリングランドの組み合わせが、毎ターン確実なセットランドを約束してくれる。森田の墓地にも《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》があるのだが、土地が5枚しか並ばない状態では、フルタップで回収するわけにもいかない。しばしの後、石田の場に《破滅的な行為/Pernicious Deed》が設置された。

なんとか反撃のきっかけを模索する森田だが、土地が伸びずになかなかそのとっかかりを作ることが出来ない。逆に石田は2枚のサイクリングランドに加え、《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》が墓地に揃い、《壌土からの生命/Life from the Loam》祭に突入。単純な土地の枚数だけ見ても、森田の6枚に対して、石田は10枚を確保している。

更に、《悪夢の虚空/Nightmare Void》が森田を襲う。なんとかこれを《吸収/Absorb》する森田だが、発掘がある限り、この悪夢は終わらない。

手が無くなった森田は《賛美されし天使/Exalted Angel》を変異で召喚。石田は、《悪夢の虚空/Nightmare Void》を発掘する。

石田が、《破滅的な行為/Pernicious Deed》を0起動。森田は、残りの全マナを使用して、《賛美されし天使/Exalted Angel》を表に。だが、その報酬は《チェイナーの布告/Chainer's Edict》で、更に《悪夢の虚空/Nightmare Void》が手札に突き刺さる。

しかし、一方的に見えるゲームも、別の観点から見ると少し趣が異なる。この時、既に石田のライブラリーは8枚まで減っていたのだ。度重なる《壌土からの生命/Life from the Loam》の使用は石田に溢れんばかりの手札を供給してはいたが、代わりに容赦なく積み重ねられたカードの厚みを奪っていった。

しかも、そこまでしてまだ《サイカトグ/Psychatog》は場に出ていないのだ。

石田は森田のターンエンドに《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》を起動する。ライブラリーは4枚。アンタップ、ドロー。ライブラリーは3枚。ここでようやく《サイカトグ/Psychatog》を召喚した。既に手札が壊滅状態の森田はどうする術もない。石田は、容赦なく、サイクリングランドから《悪夢の虚空/Nightmare Void》を発掘。森田の手札から、《火+氷/Fire/Ice》を奪い取る。残された手札は、《神の怒り/Wrath of God》のみ。
だが、その代償に、ライブラリーはただ1枚を残すのみ。

しかし、場には《サイカトグ/Psychatog》出た。ライブラリーが無いということは、墓地が爆発している裏返し。

森田は、最後に残された《神の怒り/Wrath of God》で確認程度だが最後の抵抗を試みる。

が、

森田 0 – 1 石田

石田 格

Game 2

3ターン目にセットされた石田の土地を見て、森田は苦笑した。する他なかった。

《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All

スタンダードでも青の魔法使い達を苦しめ続けているこの土地があっけなくセットされてしまったのだ。

だが、

《けちな贈り物/Gifts Ungiven

めくられたカードは、サイクリングランド2枚、《壌土からの生命/Life from the Loam》、そして、《起源/Genesis》。そう、今回の石田のデッキには、墓地をドローエンジンとして活用する為のギミックが満載されているのだ。この《けちな贈り物/Gifts Ungiven》で、石田には《壌土からの生命/Life from the Loam》と《起源/Genesis》という二つのエンジンが一度に確保されたことになる。

だが、その隙に森田も《嘘か真か/Fact or Fiction》を使用。手札を拡充させていく。

サイクリングランドが揃った墓地を見て、森田は一回目の《壌土からの生命/Life from the Loam》を《対抗呪文/Counterspell》する。

だが、次のターンに唱えた二回目の《壌土からの生命/Life from the Loam》は見守るしかなかった。《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》によるマナが使われたからだ。

Game 1 同様に、石田の手に土地が補充されていく。石田の場には、《サイカトグ/Psychatog》が登場した。

森田の目と頭は、この時、場ではなく違うリソースを見つめていた。石田のライフだ。フェッチ、ダメージランド、《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》の組み合わせは、安定してマナベースと、特殊能力を石田から13点のライフを奪っていた。

隙、大いにあり。

エンドに、《正義の命令/Decree of Justice》をサイクリングし、5体の兵士を作り出すと、既に攻撃を終えていた《サイカトグ/Psychatog》の横をすり抜けて、石田の本丸を攻撃する。

これで圏内。

サイクリングの使用でマナを失った石田の前で、《狡猾な願い/Cunning Wish》を唱える。石田は通すしかない。そこでサイドボードから選ばれたカードは…

《ウルザの激怒/Urza's Rage

Urza's Rage

ぐさり。

森田 1 – 1 石田

Game 3

残り時間、1分40秒。

どうも、こうも。

森田 1- 1 石田

補足。

昨日の記事の中で、森田とテリー・ソーが完全に同じデッキで二つのグランプリに参戦!なんて文章を書きました。その続報を少し。

筆者 「そういうえば、どうやってテリーにモリカツのデッキリスト渡したの?」

森田 「え、渡してないっすよ。」

え。

嘘でした。心持ち疑ってお読み下さい。心持ち心を込めてお詫びいたします。


Sunday, Nov 6: 1:09 p.m. - Day 1 Undefeated Decks

by Event Coverage Staff

Itaru Ishida

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Takahiro Katayama

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インスタント (5)
4 Mental Note 1 Peer Through Depths
アーティファクト (4)
4 Chrome Mox
60 カード
サイドボード (15)
2 Duress 3 Defense Grid 4 Ghastly Demise 2 Sundering Titan 2 Smother 2 Pétradon
 

Masahiko Morita

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Toshifumi Hanaoka

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クリーチャー (15)
4 Psychatog 4 Wild Mongrel 1 Wonder 1 Brawn 4 Golgari Grave-Troll 1 Génesis
ソーサリー (9)
3 Life from the Loam 4 Deep Analysis 2 Cabal Therapy
インスタント (10)
3 Darkblast 4 Circular Logic 3 Putrefy
エンチャント (3)
3 Zombie Infestation
60 カード
 

Kazuhide Yasukawa

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Sunday, Nov 6: 2:18 p.m. - Round 9: 池田 剛(福岡) vs. 浅原 晃(神奈川)

by Keita Mori
Fireball のオーナーでもある池田 剛は、試合の合間に販売ブースにも姿を見せる

コンボデッキ対決をお届けしよう。ここで登場するのは、昨日も注目の対戦として何度か記事に登場した浅原 晃(神奈川)の《平等化/Balancing Act》デッキと、ここ北九州にも支店を構えているShop Fireballフランチャイズのオーナーでもある池田 剛(福岡)の"Heartbeat Desire"デッキだ。

池田は九州のマジック・コミュニティを文字通りに代表する強豪で、二度のプロツアー決勝ラウンド進出を果たしている第一人者だ。また、往時のAlex Shvartsman(アメリカ)よろしくTCGを扱う専門店を経営して成功をおさめており、そういう意味でも日本を代表する人物の一人である。

ちなみに、池田オーナーが教えてくれた今大会の売れ筋シングルカードは、

・《銀騎士/Silver Knight
・《暗黒破/Darkblast
・《血染めの月/Blood Moon

といったカードだとか。

《銀騎士/Silver Knight》や《血染めの月/Blood Moon》というラインナップからは"Boros Deck Wins"も隆盛がうかがえよう。

Game 1

さて、試合開始。

前フリの部分では池田が主役だったが、試合のほうは浅原が完璧に主導権を握っていた。

池田が3枚の《一瞬の平和/Moment's Peace》をはじめとしたマッチアップ的に無駄なカードばかりを引いていく中、浅原は淡々と土地を並べてからエンドステップに《オアリムの詠唱/Orim's Chant》をプレイした上での《枯渇/Mana Short》で池田をタップアウトさせる。

そして、後手6ターン目に浅原は3マナを浮かせながらの《平等化/Balancing Act》をプレイし、場には10/10というサイズの《土を食うもの/Terravore》を呼び出した。

浅原 1-0 池田

Game 2

Iwamori of the Open Fist

池田はアグレッシブな変形サイドボード戦略を採用し、2ターン目の《不屈の自然/Rampant Growth》経由で3ターン目に5/5のレジェンドである《素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist》を呼び出してのビートダウンを仕掛けた。

しかし、浅原は《燃え立つ願い/Burning Wish》でウィッシュボードから《無垢の血/Innocent Blood》をサーチしておいた上で、《平等化/Balancing Act》でボードコントロールを果たし、池田の進撃を阻む。

悪いことにリセット後のマナ復旧で立ち遅れてしまった池田を、浅原の《土を食うもの/Terravore》が襲った。

そういえば、池田の手札には一枚も《春の儀式/Rites of Spring》は来なかったような気がする一戦だった。

浅原 2-0 池田


Sunday, Nov 6: 2:44 p.m. - Round 9: 津村 健志(広島) vs. 三原 槙仁(大分)

by Koichiro Maki
CALのデザイナーとして注目の三原

「ロス行けば良かった!」

デッキはどう? と尋ねると、三原はこう答えた。よほど今回のデッキに自信があるのだろう。CAL(※《独房監禁/Solitary Confinement》《突撃の地鳴り/Seismic Assault》《壌土からの生命/Life from the Loam》の頭文字)と呼ぶこのデッキは、《壌土からの生命/Life from the Loam》によって得た土地で、《独房監禁/Solitary Confinement》を維持したり、《突撃の地鳴り/Seismic Assault》で障害を撃破する仕掛けを持つ。グランプリ松山の優勝者である志岐や、現日本王者の諸藤もこのデッキを提供され、揃って二日目に進出している。

一方、津村が使用するのは、森 勝洋(東京)がデザインしたセプターチャント。目下、Player of the Year レースを争っている Oliver Ruel がコペンハーゲンで初日を全勝中。現在首位の津村も、かなり鞭いれて頑張らなければならないところだ。

Game 1

「このマッチでライフいらんやろ。」

 フェッチからギルドランドを出し景気よく3点のライフを失った後手の三原は、《極楽鳥/Birds of Paradise》を召喚。これが通る。

が、ここで異変が。なんと、ドローした直後に津村の台詞が。

「エンド。」

土地置けてない!

戦前に、「公開処刑でしょー!」とぼやいていた三原だが、俄然これでやる気満々、勇気千万、頭の中ではファンファーレがパパラッパッパパーン。《永遠の証人/Eternal Witness》から《突撃の地鳴り/Seismic Assault》と繋ぎ、優位を確固たるものに。

なんとか、2体の《永遠の証人/Eternal Witness》を《火+氷/Fire/Ice》する津村だが、さすがに無理。

津村 0 – 1 三原

Game 2

今回は、互いに順調か。津村は淡々と土地を並べ、三原は2ターン目の《極楽鳥/Birds of Paradise》から《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と繋げ、《魔力の乱れ/Force Spike》を意識して回避しつつマナベースを展開させる。

まずは、三原が動いた。《突撃の地鳴り/Seismic Assault》で相手のカウンターを燻りだしにかかる。津村は、これを通す。

三原は、少し考えた後に、《燃え立つ願い/Burning Wish》を。これには、出番を待っていた《魔力の乱れ/Force Spike》が刺さった。

津村は、《狡猾な願い/Cunning Wish》から《解呪/Disenchant》を調達。《突撃の地鳴り/Seismic Assault》を破壊する。が、その代償に、マナが厳しめ。

 そこを突かれた。三原が意気揚々と《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を唱え、津村は苦い表情でこれを受け入れた。津村のライブラリーから、デッキ名の一部でもある《等時の王笏/Isochron Scepter》が全て消え去る。

三原 「これで突然死は無くなった!」
津村 「…」

呪文の効果によって、隠されていた津村の手札も公開された。残されていたのは、《賛美されし天使/Exalted Angel》と《オアリムの詠唱/Orim's Chant》だ。

三原は、《燃え立つ願い/Burning Wish》から《壌土からの生命/Life from the Loam》を調達。これで弾薬の手配は終わった。後は、砲台を探すだけだ。

津村はコントロールを捨て、ビートダウンに移行。《賛美されし天使/Exalted Angel》を変異で召喚。そして、三原の《永遠の証人/Eternal Witness》には、引いたばかりの《吸収/Absorb》を。

更に津村のドローは加速する。三原が《燃え立つ願い/Burning Wish》で調達した《チェイナーの布告/Chainer's Edict》にも《対抗呪文/Counterspell》を。

「引きすぎじゃん!」

思わず三原の口から、ぼやきが。《賛美されし天使/Exalted Angel》の攻撃により、三原のライフが9から5へ減ったところで、津村は三原のドロー後に《オアリムの詠唱/Orim's Chant》を唱えた。ここで何もなければ、次の天使の攻撃で三原のライフは1になるわけで、その間にもう一枚《オアリムの詠唱/Orim's Chant》やドロー呪文を引けば、任務完了。

世界の『レベル6』津村 健志

三原もそれを理解し、動き始めた。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を起動し、サイクリングを《壌土からの生命/Life from the Loam》の発掘に使用し、ライブラリーの上を墓地に落としつつ、更に《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を起動する。

最後の3枚の中に、《化膿/Putrefy》が。

《賛美されし天使/Exalted Angel》、ついに墜ちる。

だが、Player of the year レーストップは伊達じゃない。津村は、直ぐさま次の天使を引き当てる! 

が、三原の場に《突撃の地鳴り/Seismic Assault》が。《壌土からの生命/Life from the Loam》という無限の弾倉を備えたアサルトライフルだ。

ババババン。今度はあっけなく天使が吹き飛ぶ。

そして、すぐに津村も。

津村 0 – 2 三原


Sunday, Nov 6: 3:37 p.m. - Top 64 デッキ分布一覧

by Daisuke Kawasaki
Rank Player Points Deck Archtype Deck Designer
1 Ishida, Itaru 21 Dredge-A-Tog Ishida, Itaru/Kids station
2 Katayama, Takahiro 21 Reanimate  
3 Morita, Masahiko 21 No Stick/Scepter Chant Kaji, Tomohiro/Mori, Katsuhiro
4 Hanaoka, Toshifumi 21 Golgari Madness Hanaoka, Toshifumi
5 Yasukawa, Kazuhide 21 BDW Yasukawa, Kazuhide
6 Taniguchi, Manabu 19 UB Psychatog Taniguchi, Manabu
7 Arita, Ryuichi 18 UB Psychatog Antoine Ruel
8 Okamoto, Jin 18 UB Psychatog  
9 Takamatsu, Hiroomi 18 BDW  
10 Asahara, Akira 18 Balancing Act(G.o.D.) Asahara, Akira
11 Ishii, Taisuke 18 UB Braids Ishi, Taisuke
12 Iwai, Tsuyoshi 18 Reanimate  
13 Saitou, Kotatsu 18 Golgari Madness Hanaoka, Toshifumi
14 Ibamoto, Masami 18 WR Enduring Ideal(?-Express) Ibamoto, Masami
15 Shiki, Kazumasa 18 Confine Assault Life(CAL) Mihara, Makihito
16 Kai, Tsubasa 18 WR Enduring Ideal(?-Express) Ibamoto, Masami
17 Tsumura, Kenji 18 No Stick/Scepter Chant Mori, Katsuhiro
18 Bandou, Jun'ichirou 18 Madness 'Tog Ootsuka, Kotaro/Bandou, Jun'ichirou
19 Mihara, Makihito 18 Confine Assault Life(CAL) Mihara, Makihito
20 Taniguchi, Hidehisa 18 Mercy Rock(Levy Type) Nonaka, Kentaro
21 Nakamura, Satoshi 18 RGW Steroid Nakamura, Satoshi
22 Wachi, Shin'ya 18 Mercy Rock(Levy Type) Raphael, Levy
23 Ikeda, Tsuyoshi 18 Heartbeat Desire Ikeda, Tsuyoshi
24 Hayashi, Hiroki 16 Burning Tron  
25 Morofuji, Takuma 16 Confine Assault Life(CAL) Mihara, Makihito
26 Fujita, Tsuyoshi 16 BDW  
27 Koyama, Kenta 16 Heartbeat Desire  
28 Oiso, Masashi 16 No Stick/Scepter Chant Kaji, Tomohiro/Mori, Katsuhiro
29 Kaji, Tomohiro 16 No Stick/Scepter Chant Kaji, Tomohiro/Mori, Katsuhiro
30 Shinozuka, Takaaki 16 Balancing Act Shinozuka, Takaaki
31 Ogura, Ryou 16 Dredge-A-Tog Ishida, Itaru
32 Kawamura, Akihiro 16 Affinity Kawamura, Akihiro
33 Kudou, Kouichi 16 Golgari Threshold Kudou, Kouichi
34 Takagi, Takeshi 16 UB Psychatog Takagi, Takeshi
35 Nakano, Yoshitaka 16 Heartbeat Desire  
36 Hirabayashi, Kazuya 16 UB Psychatog Hirabayashi, Kazuya
37 Nakamura, Takahiro 16 Turbo Fog  
38 Chih Chun, Tsai 16 Heartbeat Desire Suita, Takumi
39 Oks, Oliver 16 UB Psychatog  
40 Murata, Shouta 16 Dredge-A-Tog  
41 Imagawa, Hiromasa 16 BDW  
42 Kinoshita, Tomoya 16 Heartbeat Desire Kinoshita, Tomoya
43 Matsumoto, Masataka 16 BR Beatdown Matsumoto, Masataka
44 Yun, Suhan 15 UB Psychatog Antonie Ruel
45 Katou, Takahiko 15 BDW Katou, Takahiko
46 Azuma, Motokiyo 15 Cycling Azuma, Motokiyo/Shinohara, Naoyuki
47 Sugiki, Takafumi 15 Heartbeat Desire Sugiki, Takafumi
48 Motoyama, Kazuhiko 15 BDW Mihara, Makihito
49 Mori, Katsuhiro 15 No Stick/Scepter Chant Kaji, Tomohiro Mori, Katsuhiro
50 Ikawa, Yoshihiko 15 BDW Ikawa, Yoshihiko
51 Kawakami, Hiroshi 15 Steroid  
52 Suzuki, Yuuji 15 Dredge-A-Tog  
53 Takayama, Kenta 15 Mercy Rock Azuma, Motokiyo/Takayama, Kenta /Yamada, Chiaki
54 Shirouzono, Kenshi 15 RW Burn Shirouzono, Kenshi
55 Kawamura, Kazushi 15 Reanimate  
56 Sutou, Takuo 15 Seething Goblins  
57 Oosawa, Takuya 15 Dredge-A-Tog Ishida, Itaru/Kids station
58 Yamane, Masahiro 15 Affinity  
59 Shiozu, Ryouma 15 Heartbeat Desire  
60 Katayose, Shingo 15 Affinity Black Generation
61 Satou, Kenji 15 White Weenie Satou, Kenji
62 Sasagawa, Tomohide 15 BDW  
63 Nakagawa, Yukihiro 15 Mercy Rock(Levy Type)  
64 Katou, kazuki 15 No Stick/Scepter Chant

7回戦にわたる激戦の末、2日目に進むTop 64が確定した。

昨日掲載された全デッキ分布と比較検討する事で、今回の環境のメタゲームについて考えてみたい。

■赤系ビートダウン 67→10

BDW     47 → 8
バーン    7 → 1
歌ゴブリン  5 → 1

初日最大勢力を誇った、BDWを擁する赤系のビートダウン軍団だが、やはり目立ちすぎてメタの中心に行き過ぎてしまったせいか徹底的に対策され、大きくその数を減らすこととなった。

生き残ったBDWを見ると、初日全勝の《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》入りBDWのように、ミラーマッチを意識した同系対策にシフトしたものが多い。

また、後述する三原 槙仁のCALや射場本 正巳のΔ-Expressのようなデッキは、メインからの《独房監禁/Solitary Confinement》を初めとする対策カードを中心に構築されたデッキがいくつか出てきている事もBDWにとっては逆風だ。比較的優位なマッチアップであるはずのサイカトグも、Antoine Ruelの二色サイカトグを元に除去を多めに採用したバージョンが主流となっており非常に厳しい戦いを強いられそうだ。

だが、元祖BDWの藤田 剛史をはじめ、多くの強豪が残っているのもこのデッキタイプである。もともとのポテンシャルは非常に高いデッキだけに油断はできない。

■サイカトグ 35→12

2色サイカトグ 20 → 7
dredge-a-tog  15 → 5

PTLAを代表するデッキのひとつであるDredge-A-Togと、PTLA王者であるUB Psychatogをという二つのデッキを擁するサイカトグ系のデッキが、結果として二日目の最大勢力となった。サイカトグは昨日も述べたようにマッドネス系のデッキのほとんどにも採用されているため、数字の上ではGP北九州の初日の勝ち組はサイカトグというデッキ…というより《サイカトグ/Psychatog》というカードであったと言ってしまってもよいのではないだろうか。

ちなみに、筆者が大会開始前に何名かのトッププレイヤーを対象に「この環境を支配する1枚を挙げてください」とアンケートをとったところ、石田や中村(修平)、大礒といったメンバーを中心にほとんどのプレイヤーが「環境にマッチしすぎている」という理由で、この3マナ1/2クリーチャーの名前を挙げていた。

もはや、名実共に環境最強クリーチャーの名を手に入れた《サイカトグ/Psychatog》が、LAに続いてこの北九州の地をも制覇するのか。

■マッドネス 26→4

madness 'tog  12 → 1
golgari madness 12 → 3(含むスレッショルド)

《サイカトグ/Psychatog》を使用したデッキの両輪のもう片輪であるマッドネス系のデッキであるが、こちらは非常に残念な結果となった。一人Madness 'Togで気を吐いている「人類の英知」板東 潤一郎のデッキも一枚の《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を採用している、いわばハイブリッドタイプであり、発掘にほとんど頼らないタイプのマッドネスは完全に駆逐されてしまったといってもよいだろう。

そんなマッドネス系受難の中、昨日のデッキ分布では一応にGolgari Madnessとして分類されてしまっていたが、工藤のデッキが異彩を放っている。工藤のデッキは、《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》や《尊大なワーム/Arrogant Wurm》といったマッドネスクリーチャーを一切使用せず、かわりに《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》や《熊人間/Werebear》といったスレッショルドクリーチャーを採用した、いわばGolgari Thresholdとでも言うべき全く別のアーキタイプだからだ。

発掘能力で落ちる土地に目をつけて、《土を食うもの/Terravore》まで採用したこのデッキがどこまで行くのかにも注目したい。石田の《消えないこだま/Haunting Echoes》に象徴されるように墓地活用とそれの逆利用はこの大会の大きなテーマのひとつになっているのだから。

■Mercy Rock 23→4

純正    13 → 1
Levyタイプ 10 → 3

マッドネス同様、ある意味今回の負け組といえそうなのが「京都迷宮案内」ことMercy Rockである。

三原のCAL(《壌土からの生命/Life from the Loam》+《突撃の地鳴り/Seismic Assault》)、射場本のΔ-Express(《不朽の理想/Enduring Ideal》)、浅原のG.o.D.(《平等化/Balancing Act》+《土を食うもの/Terravore》)とRogueコンボを中心としたデッキやお馴染みのHeartbeat Desireが大躍進を遂げた今回のGPなだけに、手札破壊を中心としたLevyタイプなどもう少し成績を残せてもよかったのではないかと思うのだが…根本的なデッキパワーで他のデッキに僅かに劣るのが響いたか。

とはいえ、まだまだ今後の研究とメタ次第では大化けの可能性もあるデッキタイプではある。

■親和 15→3

サイカトグの所で話題にあげたインタビューで志村や平林は《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》の名前を挙げている。理由は「このカードの存在が潜在的に親和を押さえつけ、メタゲームをまったく別のものとしている」。

つまり、《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》を採用したBDWが台頭している事により、親和を選択するプレイヤーが減り、結果としてサイカトグ有利なメタゲームとなっているという事だ。現に平林や有田はサイカ中心のメタゲームになると予想し、親和の使用をギリギリまで検討したが、最終的に会場最大勢力になるだろうBDWへの相性の悪さを考慮して結局サイカトグを使用している。二人の分析が的確であった事は、初日の勝ち組がサイカトグであった事からも明らかであろう。

BDWが減り、サイカトグが蔓延する二日目のGP北九州。僅かながら生き残った親和がダークホースとして大躍進する可能性もそんなに低いものでもないのかもしれない。

■The Rock/マルカデス 12→0

残念ながらコメントは控えさせてもらいたい。
一言だけ言うならば、いつだってマルカデスはそういうデッキだと言うことだ。

■No Stick/セプターチャント 11→6

絶対的な人数ではなく、相対的な生存率で見た場合、50%を超える人数が初日を抜けるという驚くべきパフォーマンスを見せたデッキがセプターチャントだ。とはいえ、使用しているプレイヤーを見ると、大礒・津村の広島コンビを始め、森・森田・鍛冶・加藤とそうそうたる顔ぶれである。GP制覇かPTトップ8の経歴をもつプレイヤーばかりである。

こうなってくると、デッキが強いのではなく、プレイヤーが強かっただけではないか、などと言う考えも首をもたげてきてしまうが、プレイングに長けたプレイヤー達がそのプレイングスキルをもっとも生かせるデッキとして選択してきたデッキ、という見方も可能なのではないか。

なんにせよ、GP北九州での森田、海の向こうのGPメルボルンでのTerry Sohと二人を同時に初日全勝に押し上げたデッキタイプが弱いわけがないではないか。

■Heartbeat Desire 11→7

そんなセプターチャントを超える2日目進出率を見せたのが、Heartbeat Desireである。

もっとも苦手であり、また多くの強豪がこのデッキを選択する時を躊躇させた手札破壊を中心としたデッキ、具体的にはLevyタイプのMercy Rockが今ひとつの成績であった事も追い風となっているのではないだろうか。また、《一瞬の平和/Moment's Peace》が初日最大勢力であったBDWに突き刺さったであろう事も想像に難しくない。

デッキのポテンシャル自体も高く、池田や塩津といった実力に定評のあるプレイヤーが使用しているHeartbeat DesireがPTLAに続いてトップ8に名前を連ねる事になるのか。

■その他ビートダウン 16→3

ステロイド     4 → 1
白ウィニータッチ青 2 → 1
RBビートダウン   2 → 1

今回最大勢力だったBDWのあおりを受ける形になってしまったのがその他のビートダウンたちである。やはり、セプターチャントの《神の怒り/Wrath of God》やDredge-A-Togの《破滅的な行為/Pernicious Deed》の荒波は険しかったようである。

■Rogue 31→13

リアニメイト     7→3
CAL         4→3
平等化        4→2
トロン        3→1
歴伝         2→2
UBブレイズ     2→1
ターボフォグ     1→1

そんななか、隠れた勝ち組と言えるのがこれらのRogueデッキたちではないか?

まずは、初日全勝を送り出しているリアニメイト。過去に何度もエクステンデッドのメタゲームをにぎわせてきたこのデッキタイプも、ブロックのローテーションにより名前の通り《再活性/Reanimate》をはじめとする強力カードを数多く失い、もはや環境を支配するに足らないと考えられていたが、青黒のいわゆるドイツ型のリアニメイトとして蘇ってきた。そのポテンシャルは初日のRound 3や本日のRound 8のフィーチャリング記事を見ていただいても明らかであろう。

初日一番の話題となったデッキは三原作CALだ。PTLAで話題となった《壌土からの生命/Life from the Loam》+サイクリングランドというエンジンをさらに一歩掘り進めて完成度の高いデッキを作り上げてきた(ちなみに三原がCALの名前を冠したデッキをシェアしたのは諸藤・志岐の二人だけである。同様のコンセプトのデッキを便宜上CALとして分類したが、三原純正のCALを使用しているのは3人のみであり、3人全員初日抜けを記録している)三原のデッキ構築技術は素直に賞賛されてよいものではないだろうか。そういえば、諸藤を日本チャンピオンに導いたトロンも三原調整によるものだった。CALの動きについては、初日Round 6のフィーチャー記事で詳しく触れられているので参照されたい。

「《サルカトグ/Sarcatog》」「テラサイカ」と茶番かどうかすら判断しかねる発言を繰り返す浅原のG.o.D.こと《平等化/Balancing Act》デッキも高いポテンシャルを発揮している。「飾りを実用化した」となお理解に苦しむ発言を繰り返す浅原の必殺サイドボードが炸裂する日は来るのか。

昨日の分析記事では触れなかったのだが、コンボを作らせたら日本一と評判の宇宙忍者射場本 正巳作の「Δ-Express」と呼ばれる《不朽の理想/Enduring Ideal》デッキもまた、突破率100%を記録するという快挙を成し遂げている。こちらのデッキについては、Round 4でフィーチャリングされている。

これらのデッキが躍進を遂げた影にもBDWによる支配的なメタゲームがあったことは想像に難しくない。あまりにも多いBDWに対処する為に、セプターチャントやサイカトグはクリーチャー対策にシフトするしかなく、それによって薄くなったカウンターやパーマネント対策の隙を縫って勝利してきたと考えられるからだ。

また、(Heartbeat Desireを含む)これらのデッキ自体も、前述したように《独房監禁/Solitary Confinement》や《一瞬の平和/Moment's Peace》といったBDWに対して強いカードをメインから多く採用しているため。自らもBDWへのメタデッキとして機能していたのも勝因だろう。

いわゆる「お客さん」だったBDWが大幅に減った2日目、本当のデッキポテンシャルが試されるのは今日なのかもしれない。

全体を通してみると、結果として負け組の一員となってしまったが、BDWが中心として支配していたメタゲームだったと結論付けても問題ないのではないだろうか?

前評判では、PTLAから大きな変化は無いだろうと予想されていたメタゲームをひっくり返すように様々なデッキが台頭してきた2日目の今日。様々な技と思惑が交差するGP北九州を制覇するデッキはいったいどれになるのか。


Sunday, Nov 6: 5:01 p.m. - Round 10: 塩津 龍馬(愛知) vs. 河村 旭浩(岐阜)

by Daisuke Kawasaki
愛知の塩津

2日目デック分布の記事でも触れたが、結論としてGP北九州初日のメタゲームはBDWを中心に動いていたと断定してもよいだろう。

通常、健全なメタゲームは神の見えざる手と言ったら言い過ぎだろうが、ある程度の三角形の構造を持って均衡と傾きを繰り返して安定する。三角形の3つの頂点に位置するのは、ビートダウン・コントロール、そしてコンボデックだ。

今回のBDWというビートダウンの氾濫(もしくはそうなるであろうという予測)はメタゲームの三角形に傾きをもたらせた。安定状態(支配状態)ではビートダウンへのボードコントロールと、コンボへのパーミッションを両立させているコントロールデックが、BDWに対処するべくボードコントロールへとシフトしたのである。

このことがどのような結果をもたらすかは想像に難しくないだろう。ボードコントロールにシフトした分、手薄になったパーミッションの網をすり抜けてコンボデックが台頭するのだ。さらにコンボデック自体がボードコントロールの要素を加味していれば完璧だ。もう、完全なビートダウン包囲網の完成だ。こうして、初日最大勢力を誇ったBDWは駆逐されていったのである。

ちなみに、今後のメタゲームの予想として、ビートダウンの衰退とコンボデックの台頭をうけて、今度はコントロールデックがパーミッションよりにシフトする事になる。コントロールがパーミッションに完全にシフトすると並みのコンボデックは手も足も出せなくなる(ここで手も足も出せまくるようなデックは健全なメタゲームには存在しないのだから無視して欲しい)。

そうして、今度は(パーミッションよりの)コントロールの天下となるのだが、コンボデック・コントロールデックのボードコントロール能力の低下の隙を逃さず、今度はビートダウンがメタゲームを制覇してふりだしに戻るのである。

まぁ、こんな予想なんてちょっとしたエニグマデックの登場で一気に崩壊しうる楽観的な予想なのだが、とりあえず、現状のメタゲームはまぁまぁ健全であるといえるのではないだろうか。

さて、そういうわけで今回のメタゲームの勝者となったコンボデックの中でも最大勢力であるHeartbeat Desireを池田 剛(福岡)からシェアされ使用している塩津 龍馬(愛知)なわけだが、なぜかフィーチャリング席につくその顔は不満げだ。

塩津 「またどうせ、古豪が新世代に倒されたとかそういうシナリオの為にフィーチャリングしたんですよね」

そんなことは無い!

と大きな声で否定したいのだが、確かに対戦相手の河村 旭浩(岐阜)はPTLAで大活躍した若干15歳の今もっとも注目を浴びている若手の一人だ。塩津がそう考えてしまうのも仕方ないだろう。

だが、自ら「古豪」というのならば、その古豪の意地というやつを見せてくれると期待したい。

さて、その河村だが、使用しているデックは親和である。

親和は、確かにデック自体のデックパワーは非常に高く、純粋なデックパワーだけで見ればBDWをも凌駕するポテンシャルを持っているデックなのだが、たった一枚のカード、BDWに搭載される《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》の為に表舞台に出る事ができなくなってしまったデックだ。いわば今回のメタゲームの一番の被害者であり、「メタゲームに不戦敗している」とまで言われている。

メタゲームの勝者と敗者、古豪と超新鋭と非常に対照的になったこの対戦を制するのは若さと勢いの河村か? それとも塩津が古豪の意地を見せるか。

Game 1

先攻はダイスロールで河村。

河村は爆発力に欠ける手札をマリガンする。どちらのデックも初手のリソースの爆発力が即勝利に影響するデックなだけに、マリガンの吟味も重要な要素となる。

続く手札も攻め手にかける手札ではあったが、河村は泣く泣くキープ。塩津のキープの声を聞き、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》から《彩色の宝球/Chromatic Sphere》キャスト。続くターンに《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《電結の働き手/Arcbound Worker》と展開する。その間に塩津にできたのは森を2枚置く事だけだ。

そんな塩津が動いたのは第3ターン。河村の手札の枚数を確認すると、《島/Island》セットからの《春の鼓動/Heartbeat of Spring》キャスト。コンボ展開への布石を敷いた。カウントダウンスタートだ。

もちろん河村だってそれはわかっている。《頭蓋囲い/Cranial Plating》キャストから即装備で大量ダメージをたたき出す。塩津のライフは危険領域だ。

だが塩津は動じない。これが古豪の威厳という奴か。

《春の鼓動/Heartbeat of Spring》によって増幅されたマナは、《一瞬の平和/Moment's Peace》をうって相手の攻撃をかわしながらの《嘘か真か/Fact or Fiction》によるドロー加速を可能とする。マナ加速からのドロー加速といえばコンボの王道だ。そうして塩津はゆっくりと、一枚、また一枚と《嘘か真か/Fact or Fiction》をキャストする。そして塩津はおもむろに河村に声をかける。

「サイコロ、借りていい?」

それはストームカウントの合図。その為のダイス。

そして、2枚のコマがライブラリーのトップと場を文字どおりくるくると周りながらストームを稼ぎ、塩津が手札から《思考停止/Brain Freeze》を見せたところで河村は投了を宣言した。

塩津 1-0 河村

Heartbeat of Spring

Game 2

塩津の華麗な美技に酔いしれた1戦目ではあったが、親和の環境最強という肩書きは伊達ではなく、河村のPTLAでの成績も伊達ではない。「頭が締め付けられて考えられなくなる」とつけていた猫耳を外す。

猫耳?

そう、河村は猫耳をつけてデュエルしていたのである。比喩でもなんでもなく事実として。理由は怖いのであえて聞かない事にした。

さて、そんなこんなで猫耳をはずし本気モードを出した河村が今度は華麗な美技を披露することとなる。

マリガンに悩みつつもキープをした塩津に対して、《電結の働き手/Arcbound Worker》《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》《頭蓋囲い/Cranial Plating》と連続で展開し、3回のアタックで15点のダメージをたたき出す。次のドローを見た塩津に出来ることは大人しく投了する事だけだ。

これが親和だ。まさにThis is Affinity。

塩津 「初手が土地5枚と《早摘み/Early Harvest》と《不屈の自然/Rampant Growth》で悩んだんですけど、マリガンして土地4枚と《早摘み/Early Harvest》と《不屈の自然/Rampant Growth》ならやるから同じかなって思ってマリガンしなかったんですよね」

塩津はあくまでも冷静に自分のプレイを反芻している。

塩津 1-1河村

岐阜の新鋭、河村15歳

Game 3

お互いがお互いに全力を尽くして迎えた3戦目。先手は塩津。

河村は黒マナが無いが《彩色の宝球/Chromatic Sphere》はあるという手札で、《電結の働き手/Arcbound Worker》と《闇の腹心/Dark Confidant》の2拓で後者を出すというプランを選択した。端的に言えば《彩色の宝球/Chromatic Sphere》をキャストした。

返しのターンで塩津は《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》。

そこで手札に《真髄の針/Pithing Needle》を持っていた河村は急遽プランを変更した。《真髄の針/Pithing Needle》をキャストして今度は塩津に選択を迫る。

塩津は少し考えた後、《真髄の針/Pithing Needle》が場に出る前に《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》をサクリファイス。《真髄の針/Pithing Needle》が場に出ると塩津は「指定はコマ?」と一言。河村は「そうですね。」と《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を宣言。余ったマナで《電結の働き手/Arcbound Worker》をキャスト。

塩津が《不屈の自然/Rampant Growth》《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》とキャストしてターンを返すと、河村は《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》からの《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を連続召喚。これぞ親和の醍醐味。一方の塩津はスペルを駆使して土地を黙々と並べるのみ。土地の枚数は10枚。河村の2枚とは対照的だ。いったいどこまで好対照が続く対戦なのか。

《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》で土地を増やしながらチャンプブロックを繰り返しなんとか生き延びた塩津だったが、次のターンのアタックで負けるというターンのエンドに動く。2枚の手札のうち1枚をキャストすると、それは《けちな贈り物/Gifts Ungiven》。

《喚起/Recollect
《生き返り/Revive
《郷愁的な夢/Nostalgic Dreams
《精神の願望/Mind's Desire

Pithing Needle

の4枚から上2枚を手に入れた塩津は、自分のターンに《春の鼓動/Heartbeat of Spring》から《早摘み/Early Harvest》のおもわずProsbloomの《資源の浪費/Squandered Resources》と《自然の均衡/Natural Balance》コンボを思いださせるマナ増幅コンボで一気にマナを増やして、《喚起/Recollect》と《生き返り/Revive》を何度も入れ替えてストームを稼ぐと満を持しての《精神の願望/Mind's Desire》。

ストーム中に《狡猾な願い/Cunning Wish》がめくれたところでスタックで《思考停止/Brain Freeze》を持ってきてゲームを終わらせた。

塩津 2-1 河村

ゲーム終了後に河村が一言。

河村:《真髄の針/Pithing Needle》で《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》指定してれば勝ってたかもか…

その時河村が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を指定したのは、塩津の言葉に誘導されて…というのは考えすぎかもしれないが、それでも塩津が促してなければもう少し検討する時間はあったかもしれない。

塩津は期待通り古豪の意地を見せつけてくれたのだ。


Sunday, Nov 6: 5:34p.m. - Round 11: 岡本 尋(愛知) vs. 石井 泰介(神奈川)

by Koichiro Maki
ラストエンペラーこと岡本

最後のアジア選手権優勝、ドイツでの世界選手権準優勝。この二つの成績で強烈なイメージを残している「ラストエンペラー」岡本 尋だが、ここ最近はあまり結果に恵まれていない。今後の方向性を決める上でも、そろそろ大きな花火が欲しい所だ。

一方の石井は、働く傍らで着実に成績を残し続けているプレイヤー。ビッグタイトルは無いものの、独自のセンスと嗅覚で、隙間を突くようなデッキチョイスをすることで定評がある。今回も、らしいデッキを使用しているようだ。

Game 1

先手を取ったのは岡本。石井のターンエンドに、《選択/Opt》を唱え、いつものゆったりと構えたペースでゲームを進めていく。

石井は、まずその構えに、《闇の腹心/Dark Confidant》から。これは、《燻し/Smother》で退場するが、続けて《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》。

ん? 《闇の腹心/Dark Confidant》に《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》?

そう、石井のデッキは、Finkula を思い出させるような2種類のインビテーショナルカードを採用したゴージャス構成になっているのだ! ちなみに、Fincula とはChris Pikulaが作った《翻弄する魔道士/Meddling Mage》とFinkel が作った《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》を使うデッキということに由来している。

だが、この《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》も、軽く《対抗呪文/Counterspell》でいなされてしまった。

いるだけでアドバンテージを得る《闇の腹心/Dark Confidant》に、殴るだけでアドバンテージを得る《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》。だが、場に出ていなければ何も始まらない。更に、反撃の祈りを込めた《陰謀団式療法/Cabal Therapy》も外してしまう結果となり、明るい未来が五里霧中。

序盤が勝負のデッキタイプだけに、そこで波に乗れないと厳しいところ。

あ、《サイカトグ/Psychatog》。

岡本 1- 0 石井

石井 泰介

Game 2

1マリガンしてしまった石井だが、先手から《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を唱え、勢いよく《燻し/Smother》と宣言。

受ける岡本の手札には…

驚くことに2枚の《燻し/Smother》が! マリガン分を一気に取り返す見事な先制攻撃だ。岡本も思わず苦笑。ただし、次のターンに石井は置く土地がない。今度は岡本、微笑。これでは、せっかくのミラクルを活かしようがない。

その後も石井の土地は伸びず、逆に、岡本は《選択/Opt》《知識の渇望/Thirst for Knowledge》と続け手札を拡充させていく。そして、《サイカトグ/Psychatog》。

石井も、2枚目の《陰謀団式療法/Cabal Therapy》や《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》の連打で抵抗を試みるのだが、ことごとくカウンター網に阻まれてしまい。

あ、足りた。

岡本 2 – 0 石井


Sunday, Nov 6: 6:16 p.m. - Round 12: 谷口 学(福岡) vs. 大礒 正嗣 (広島)

by Keita Mori
大礒はウィッシュボードからのキッカー《ウルザの激怒/Urza's Rage》であざやかな勝利をおさめる。

『世界のISO』が操るモリカツ式セプターチャントに地元勢谷口の《サイカトグ/Psychatog》デッキが挑むという対戦が実現した。この週末、とくに日曜になってからはしょっちゅう見かけるマッチアップである。

Game 1

さて、青いマッチアップながら序盤から火花の散る攻防が展開される一本目となった。これは先手を取ったサイカ谷口がアグレッシッブに第2ターンに大礒の《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》へと《ブーメラン/Boomerang》を使用したためだ。こうなると、3ターン目に《サイカトグ/Psychatog》を置かれてはかなわない大礒は、先手谷口のアップキープに《オアリムの詠唱/Orim's Chant》をプレイして見せることになる。

しかし、せっかくの好勝負への期待もどこへやら。谷口は3枚目の土地を6ターン目までセットできないというマナトラブルに陥ってしまった。今さらながら、青いマッチアップにおけるマナ差というのは特に大きな意味を持つことを蛇足したい。

谷口とは対照的に、大礒は順調にマナを伸ばし、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》に《嘘か真か/Fact or Fiction》にと、手札を強化しながらゲームを支配していった。そして、《正義の命令/Decree of Justice》をサイクリングして4体のトークンを生み出し、時限爆弾のタイマーを押す。

他方、遅ればせながらも、6ターン目から少しずつマナを伸ばしていったサイカ谷口。トークンのうちの1体に《燻し/Smother》を使用し、さらに《知識の渇望/Thirst for Knowledge》や《嘘か真か/Fact or Fiction》を使って必死に大礒へ追いすがる。そして、《隠れ石/Stalking Stones》を起動してなんとか1体ずつアタッカーを減らしていき、残りライフ僅かとはなってしまったものの、盤上に静寂を取り戻しかけることになった。

しかし、ここで11マナまでマナ域をのばした大礒が谷口のエンドステップに仕掛ける。《オアリムの詠唱/Orim's Chant》プレイ。これをめぐって熾烈なカウンター合戦が展開されることになり、谷口は2枚の《対抗呪文/Counterspell》で応戦。しかし、大礒はそれを《吸収/Absorb》と《対抗呪文》でいなし、《オアリムの詠唱》の庇護の下で《狡猾な願い/Cunning Wish》を使用する。ちなみに、大礒が一つ前のターンに《等時の王笏/Isochron Scepter》で《対抗呪文》を一枚「使わせている」ことも付け加えよう。

さて。モリカツ型セプターチャントの特徴についてはすでに何度も触れられてきたわけだが、とにかくその重厚なウィッシュボードが印象的である。

そして、大礒は続くターンに12枚目の土地を置いて、キッカーでそのインスタント呪文を使用した。

《ウルザの激怒/Urza's Rage》だ。

大礒 1-0 谷口

Game 2

なんとか巻き返したい先手サイカ谷口だが、大礒は後手2ターン目に《金属モックス/Chrome Mox》経由で《賛美されし天使/Exalted Angel》を裏向きで召喚し、これが通る。というか、カウンターも除去もできないハンドの谷口なのだった。

地元九州から谷口が大礒に挑戦した。

谷口は苦々しい表情で3ターン目に《強迫/Duress》をプレイし、大礒の手札をのぞく。すると、そこには《神の怒り/Wrath of God》、2枚目の《賛美されし天使》、《嘘か真か/Fact or Fiction》、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》というカードがちりばめられていた。

谷口は大礒の手札に4枚目のマナソースがなかったことに着目し、当然のように《知識の渇望》を叩き落す。たしかに大礒は3ターン目に3枚目の土地を置けなかったわけだが、ここで「変異」状態の2匹目の天使が召喚される。そして、続くターンにはマナを引き当てられてしまい、片方が表替えってしまうことになった。

みるみるうちに4/5天使と2/2「変異」クリーチャーに殴られ、6ターン目を迎えた谷口の残りライフはたったの3点。泣く泣くフェッチランドを起動して6枚目の土地を場に出しての《激動/Upheaval》を使用してリセットを試みる。

…が、

《金属モックス/Chrome Mox》を持っている大礒のリカバースピードに追いつけず、《賛美されし天使/Exalted Angel》が裏向きに召喚された瞬間に投了となった。

大礒 2-0 谷口


Sunday, Nov 6: 7:21p.m. - 世界は《独房監禁/

by Daisuke Kawasaki

さて、今回のGP北九州のトピックのひとつとして、Heartbeat Desireに代表されるコンボデックの躍進があることはすでに何回か記事の中で触れてきてると思う。

母数が10人を超えるデックの中で最高の2日目進出率を叩き出したHeartbeat Desireや、すでにPTLAでも高い勝率を誇り、今回もすでにトップ8入りを決めている浅原のG.o.D.こと《平等化/Balancing Act》デックが順調に勝ち星を重ねていく中、新しいデックタイプとして注目を集めている二つのデックタイプがある。

射場本 正巳(東京)デザインの《不朽の理想/Enduring Ideal》デックと三原 槙仁(福岡)デザインのCAL(Confine AssaultLife)の二つだ。

共に《独房監禁/Solitary Confinement》をデックの中核にすえ、会場最大勢力であったBDWへ強い耐性を持ち、その上で強力なパワーカードによって勝負を決めるこの二つのデック。

PTLAからあまりにも日が短く、新しいデックタイプが登場する可能性は低いだろうと噂されていた今回のGPに高い完成度を誇る独自デックを用意してきた二人のデックデザイナーにインタビューする事ができたので、皆様に紹介したいと思う。

■射場本 正巳の《不朽の理想/Enduring Ideal》デック

「エンチャントは対策されていない」

Delta-express

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――さて、まずは、月並みですがなぜこのデックを使う事にしたのかを聞かせていただけますか?

射場本:デック自体はPTLA前から作っていたんですけど、完成が間にあわなくて別のデックをつかったんですよね。なんで、GPまでには完成させてでようと。

――なるほど。メタゲーム的な選択ではなかったんですか?

射場本:まぁ約束しちゃってましたから。でも、メタられて無いっていうのは大きいと思ってましたよ。環境でエンチャントを対策しているデックもほとんどなかったですしね。

言われて見れば、今回のエクステンデッドの環境で、エンチャントをキーとしているデックはほとんど無い。

環境を代表するエンチャントと言えば名前が挙がるのは《破滅的な行為/Pernicious Deed》では無いかと思うのだが、このエンチャントに限って言えばエンチャント破壊は根本的な解決にならない。

あとは、《銀騎士/Silver Knight》を採用しているBDWがサイドボードに《崇拝/Worship》を入れていることがあるくらいだろうか。なるほど、環境にエンチャントが少ない以上、エンチャント対策も少ないのだから、エンチャントをキーとしたデックででればその時点で優位だ。

射場本:あと、絶対最大勢力になるだろうサイカトグとBDWに強いっていうのが大きいですね。

――サイカトグにはどれくらい戦えるんですか?

射場本:緑入ってて、あと《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》があれば、まぁサイカにはかなり楽に戦えるよね。あとは《オアリムの詠唱/Orim's Chant》かな。まぁ基本的に優位に戦えるよ。

――BDWはやっぱりお客さん?

射場本:えぇ、もちろん。一回土地破壊が刺さりまくって負けたくらいかな。5回あたって4回勝ってるね。

《独房監禁/Solitary Confinement》と《ドラゴン変化/Form of the Dragon》を踏み越えて殴っていけるクリーチャーデックなどそうそうない。《煮えたぎる歌/Seething Song》からの高速《ドラゴン変化/Form of the Dragon》はもちろん、昔ながらのクリーチャーコントロールである《神の怒り/Wrath of God》だって搭載済みだ。

――ということは初日は予定通りですか?

射場本:そうですね。2日目はきつかったですね。とにかくデザイア(Heartbeat Desire)がキツイ。

コンボ系のデックが会場の2割弱を占める事になった2日目はうってかわって中々厳しい戦いを強いられたようだ。

撃った瞬間に勝ちが決まるわけではない《不朽の理想/Enduring Ideal》に比べて、コンボ開始→成功で即勝ちが決まるHeartbeat Desireの方が、基本ターンがほぼ同じだとしてもやはり不利なのだろうか。

仮に《独房監禁/Solitary Confinement》を先に張ったとしても、最近のHeartbeat Desireではサイドに対象を取らない《金言/Words of Wisdom》を採用している事も少なくない為、厳しい。

――GPに向けてどのような調整をしましたか?

射場本:一時期は完全に赤白の2色にして最速2ターン目に決まるように調整していたときもあったんだけど、最終的には遅くしてでも安定させましたね。

デックの動きを不安定にすると、その隙をせっかく食い物に出来るBDWにつかれてしまったりしてしまう。そういう意味で安定した動きをさせるというのも今回のキーではないか。これについては次の三原も触れている。

――特に役に立ったり、象徴的だったカードはありますか?

射場本:《信仰の足枷/Faith's Fetters》かな。《不朽の理想/Enduring Ideal》の歴伝が周りはじめているときに、相手がこっちのエンチャントを流そうと《破滅的な行為/Pernicious Deed》を貼ってくる事とか多いじゃない。そんな時に、相手が《不朽の理想/Enduring Ideal》の解決にレスポンスしないと、そのまま《破滅的な行為/Pernicious Deed》を防げちゃうんだよね。逆にこっちは危なくなったら《破滅的な行為/Pernicious Deed(AP)》だせるのにね。全体的にマナコスト重いから相手だけ壊滅させられる。

なるほど。《補充/Replenish》や《アカデミーの学長/Academy Rector》などでもおなじみのテクニックだが、対戦相手もまさか《不朽の理想/Enduring Ideal》から《破滅的な行為/Pernicious Deed》が禁止されるとは考えない事が多かったのだろう。つくづく知られていないデックを使用するというアドバンテージの強さを思い知らされる。

射場本:あとはやっぱり《独房監禁/Solitary Confinement》かな。ドローを飛ばせるのが強かった。デックの中にエンチャントがあんまり入ってないから、引かないのが大事なのよ。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》とかでも出来るだけ引かないように頑張るわけだけど、もともとドロー無いわけだから。色々かみあってるよ。

――ありがとうございました。

■三原 槙仁のCAL(Confine AssaultLife)

「《壌土からの生命/Life from the Loam》は手札あふれすぎるんですよ」

Confine AssaultLife(CAL)
Mihara Makihito / Designed by Mihara Makihito

Confine Assault Life(CAL)

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――さて、今回もっとも注目の三原さんのシークレットテクだったわけですが。

三原:内容知られたらおしまいですからね。今日も白マナなんてでてないのにいきなり《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で《独房監禁/Solitary Confinement》宣言されましたよ(前日の森の取材記事で三原のデックの全貌が明らかにされている)。まぁ、あのデュエルはまわしすぎちゃいましたからね。

――PTLAでも注目だった《壌土からの生命/Life from the Loam》エンジンを別のアプローチで発展させたデックとして非常に興味深いデックだと思うのですが。

三原:《壌土からの生命/Life from the Loam》とサイクリングランドのエンジンはPTLAの前から発見していました。最初はパーミッションに傾いたサイカトグに組み込んでいたんですけど、さすがに青青マナがでないんですよ。で、カウンターっていうアプローチはないなぁと。

――で、ボードコントロールに移行したわけですか?

三原:最初は、まぁサイクリングランド回しまくるわけですから、普通にサイクリングデックを構築したわけです。白赤青緑で、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》からもってきて、《霊体の地滑り/Astral Slide》と《稲妻の裂け目/Lightning Rift》でコントロールするっていう。そのうち《けちな贈り物/Gifts Ungiven》じゃなくて《燃え立つ願い/Burning Wish》でいいじゃんって事になって青が抜けましたね。

なお、この《壌土からの生命/Life from the Loam》とサイクリング誘発効果のシナジーに目をつけたデックを東 太陽(大阪)が使用している。

三原:回しているうちに気がついたんですけど、《壌土からの生命/Life from the Loam》のエンジンって手札が余りまくるじゃないですか。Dredge-A-Togだってサイカトグひかないと手札を捨てまくる事になる。で、手札を処理しようにも…《稲妻の裂け目/Lightning Rift》、重いんですよね。

――手札を消費しきれないと。

三原:マナの方が足りなくなるんですね。で、他にマナがかからない勝ち手段が無いかリストを眺めていたら見つけたんですよね、《突撃の地鳴り/Seismic Assault》を。で、ちょっとマナベースをいじってためしに入れてみたら、出せるんですよね、これが普通に。

大会前の「この環境の象徴的なカードは?」という質問に即座に「ギルドランド」と答えていた三原。なるほど、ギルドランドの力もあってかこの赤赤赤という途方も無いマナコストのエンチャントメントを場に出す事も可能になったわけだ。

三原:で、やっぱマナがあればあるほど回るから、《極楽鳥/Birds of Paradise》いれてマナベース強化して。あとは青いデックにだけは絶対に負けたくないから妨害手段として《陰謀団式療法/Cabal Therapy》入れる為に黒を足したわけです。

ちなみに、三原のデックには《突撃の地鳴り/Seismic Assault》以外の勝ち手段として《ゾンビの横行/Zombie Infestation》が入っている。墓地循環によるハンドアドバンテージエンジンと《ゾンビの横行/Zombie Infestation》といえば、どうしてもBenzoが脳裏に浮かんでしまう筆者なのであるが、そのへんを意識していたのか聞いてみた。

三原:意識していましたね。《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》で《突撃の地鳴り/Seismic Assault》抜かれるとまったく勝てなくなってしまうんで、追加の勝ち手段をいれようと思ったときに、Benzoを思い出しましたね。そういえばマナかからないじゃん、ってね。

――このデックを使ってみようと思う人になにかアドバイスはありますか?

三原:マリガンしたくない人にオススメですよ。マナソースは一杯入ってるし、ほとんどがサイクリングランドだから、余分な土地はどんどん掘り進められる。とにかく動きが安定してるんですよ。

射場本同様、デックの動きの安定の重要さを主張する三原。

さて、そんな三原がトップ8進出を決める事となった。

準々決勝の相手は浅原 晃(神奈川)。

共に一流デックビルダーとして独自のデックを完成させてきた2人が合間見える。

この2人の対戦といえば…そう一昨年のFinalsの決勝である。

あの時は浅原が勝利したが、今回勝利の女神はどちらに微笑むのか?
お互いの構築屋としての意地がぶつかり合う対戦が今始まろうとしている。

また、最後に注目のアーキタイプを一つご紹介したい。
デッキリストの掲載のみだが、ご参考あれ。

Three Daze

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ソーサリー (4)
4 Careful Study
インスタント (10)
4 Mental Note 3 Putrefy 3 Circular Logic
60 カード
サイドボード (15)
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