Day 2 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2006年 12月 1日

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

  • Blog - 9:20 p.m.: 日本勢、二日目総括
    by Keita Mori
  • Blog - 7:31 p.m.: Round 12 : Tiago Chan(ポルトガル) vs. 藤田 剛史(大阪)
    by Keita Mori
  • Blog - 6:02 p.m.: Round 11 : Quentin Martin(イングランド) vs. 森 勝洋(東京)
    by Keita Mori
  • Blog - 4:51 p.m.: Draft 2 Report ―Gary Wise(カナダ)
    by Keita Mori
  • Blog - 12:35 a.m.: Rookie of the Year Race に異変
    by Keita Mori
  • Blog - 10:32 a.m.: Draft 1 Report ―齋藤 友晴(東京)
    by Keita Mori

BLOG

齋藤 友晴

個人戦2日目を迎え、プレイヤーたちは「時のらせん」ドラフト6回戦に挑戦することとなった。ここでは、初日5勝1敗ラインで勝ち上がってきた強豪がひしめく2番卓より、齋藤 友晴(東京)のドラフティングを取り上げたい。

彼は今シーズンのPlayer of The Yearレースで暫定3位につけているプレイヤーで、現実的なラインからこのタイトルを狙っている5人の日本人プレイヤーの中ではもっとも良い成績で世界選手権2日目に臨んでいる。

また、彼は今期のプロツアー・チャールストンで栄冠を掴み取っている名手だが、単なるプレイスキルや強さというのではなく、「プロフェッショナル」としての意識レベルの高さで尊敬を集めている人物でもある。

齋藤は「時のらせん」ドラフトを得意種目としており、先日のプロツアー神戸でのベスト8入賞も記憶に新しいところ。そんな齋藤がここでドラフトをともにするメンバーには、射場本 正巳(東京)、Yann Hamon(フランス)、Tiago Chan(ポルトガル)といった注目すべき顔ぶれもラインナップされている。

本稿では齋藤を中心に、齋藤の対角線上に配置した射場本のピックを交えながらお伝えしたい。

■Pack 1

齋藤のドラフティングスタイルについては神戸でも言及しているが、「流れを大事にしながらとにかく協調する」というポリシーによって一貫されている。

そんな齋藤が開封したのは強力なパックだった。真っ先に目に付くのが赤い2枚の高級なカードで、タイムシフトが《分解/Disintegrate》、レアが《巻物の大魔術師/Magus of the Scroll》だ。枚数で言うなら青いカードが《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》、《水深の予見者/Fathom Seer》と3枚ある。緑は《古きクローサの力/Might of Old Krosa》、黒はせいぜい《ゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse》、白くて特筆すべきカードはない。

齋藤は「3枚ある青いカードのうち、《水深の予見者/Fathom Seer》あたりが帰ってくる流れになる可能性をイメージ」しながら、X火力である《分解/Disintegrate》をピックしたという。

2手目のパックはあまり強力なものではなく、「どんなデッキでも1マナの待機クリーチャーは強い」ということから《肥満死体/Corpulent Corpse》をピック。《巣穴からの総出/Empty the Warrens》、《明日への探索/Search for Tomorrow》、《幻影のワーム/Phantom Wurm》といったカードを下に流した。

「本来なら初手でもおかしくない」《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》が3手目に流れてきたことを受け、齋藤はこれをピック。先ほども書いたが、ファーストピックのときに流した3枚の青いカードのうち、《水深の予見者/Fathom Seer》あたりが戻ってくるのではないかというイメージをもっていたこともこのピックを後押しした。

以下、4手目ではとくに他候補がない中で黒い《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage》をとっているが、6手目から8手目までを青いピックでまとめ、一周してきた9手目で期待通りの《水深の予見者/Fathom Seer》を受け取り、メインカラー青というイメージを確定させて第1パックを終えた。

Pack 1 齊藤友晴 射場本正巳
1 Disintegrate Errant Ephemeron
2 Corpulent Corpse Nightshade Assassin
3 Riftwing Cloudskate Deathspore Thallid
4 Urborg Syphon-Mage Tendrils of Corruption
5 Wipe Away Looter il-Kor
6 Snapback Empty the Warrens
7 Coral Trickster Deathspore Thallid
8 Dream Stalker Eternity Snare
9 Fathom Seer Mindstab
10 Watcher Sliver Jedit's Dragoons
11 Jedit's Dragoons Skittering Monstrosity
12 Plunder Think Twice
13 Thrill of the Hunt D'Avenant Healer
14 Screeching Sliver Ophidian Eye
15   Paradise Plume

■Pack 2

1色目の青を決めた齋藤は揺らぐことなく協調路線をまい進。実際のところ齋藤のアンテナに狂いはなく、上下ともに青にはまったく手を出していない状態で逆周りの2パック目を迎えることになった。

2パック目初手では《城の猛禽/Castle Raptors》や《突然の死/Sudden Death》を流して青い航空戦力の中核をなす《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》をピック。齋藤はこのクリーチャーをこの逆周りで3枚確保することになる。

ただ、「2色目はこれだ!」という決め手になるピックがなかなか出来ない。ここまでは青赤なのか青黒なのか定まっていない感じだったが、9手目で《城の猛禽/Castle Raptors》が一周してきたのを拾い、白を意識していくことになった。

Pack 2 齊藤友晴 射場本正巳
1 Spiketail Drakeling Vhati il-Dal
2 Snapback Lim-Dul the Necromancer
3 Looter il-Kor Sarpadian Empires, Vol. VII
4 Coral Trickster Crookclaw Transmuter
5 Spiketail Drakeling Cockatrice
6 Spiketail Drakeling Wormwood Dryad
7 Flowstone Channeler Search for Tomorrow
8 Drudge Reavers Yavimaya Dryad
9 Castle Raptors Fallen Ideal
10 Dream Stalker Assembly-Worker
11 Cancel Viscid Lemures
12 Ivory Giant Molder
13 Swarmyard Volcanic Awakening
14   Clockspinning
15   Ground Rift

■Pack 3

青いカードがまったく出なかったのが3パック目初手。そんな中、《突然の俗化/Sudden Spoiling》を流して《コーの先導/Outrider en-Kor》をピック。白へとさらに一歩踏み込んで見せた。

2手目は齋藤を悩ませたが、すでにの《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を3体確保しているため、ここでの《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》には手を出さず、マナベース整備のために《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》をとった。

結局、青白という路線がそのまま継続され、赤いX火力がタッチされるという内容にしあがった。

Pack 3 齊藤友晴 射場本正巳
1 Outrider en-Kor Psionic Blast
2 Terramorphic Expanse Prismatic Lens
3 Looter il-Kor Nightshade Assassin
4 Outrider en-Kor Stuffy Doll
5 Crookclaw Transmuter Assassinate
6 Quilled Sliver Urborg Syphon-Mage
7 Momentary Blink Deathspore Thallid
8 Snapback Primal Forcemage
9 Temporal Eddy Thrill of the Hunt
10 Flickering Spirit Urborg Syphon-Mage
11 Voidmage Husher Pit Keeper
12 Foriysian Interceptor Haunting Hymn
13 Ophidian Eye Molder
14   Chameleon Blur
15   Truth or Tale

齋藤コメント:

「まぁまぁ、としか言いようがないですね。がんばりますが、線が細いことも事実です。1パック目の初手で流した《水深の予見者/Fathom Seer》が一周してきたあたりは読みどおりで、実際に青はかなりとれたとは思うんですけれど」

「勝率は…2-1を狙いたいところですね」

Tomoharu Saito

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Masami Ibamoto

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射場本 正巳とTiago Chan

射場本コメント:

「青の流れが良くなくて、途中から緑に変えようと思ったんですけど、結局そこまで強くもなくて、もったいなかったですね。《コカトリス/Cockatrice》のところも、別のカード(《流水の海蛇/Slipstream Serpent》)を取っておければよかったんですけど。あと、3パック目の初手は、《心霊破/Psionic Blast》よりも一緒に入ってた《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》のほうが100%強いんですけど(笑)、使ったことないし、直接的な除去もほしかったし、ってことで」

「勝算は……2-1くらいじゃないですか? デッキ普通だし。タフネス1が多いから、マイナス1とかでかいのばっかりとかに当たると死にます」


Thursday, Nov 30: 12:35 p.m. - Rookie of the Year Race に異変

by Keita Mori

筆者が取材していた第8回戦Feature Match、鈴木 貴大(東京) vs. Gary Wise(カナダ)のマッチの最中に、鈴木選手に【受賞資格も失う失格】裁定がくだされた。詳細については、全容が明らかに出来る状態になってから追記したい。

なお、筆者も事情聴取に協力することになったため、しばらく更新が滞ってしまうことを予めお詫びしておきたい。


Thursday, Nov 30: 4:51 p.m. - Draft 2 Report ―Gary Wise(カナダ)

by Keita Mori
殿堂入りしたGary Wise

かつては世界屈指のドラフターとして知られ、このゲームを代表するライターとしても活躍していたカナダの古豪Gary Wise。彼はコミュニティへの大いなる貢献が認められて第二期殿堂入りを果たし、その祝賀セレモニーに参加するために世界選手権パリ大会へとやってきた。

「オレは肌の白い日本人みたいなものだ」というのが、彼がよく口にしていたジョークで、実際、彼ほど日本のコミュニティを応援してくれた海外プレイヤーはいなかった。Wiseは、知られざる存在だった日本という極東の島国を世界のマジックファンに紹介し、プロツアーの舞台でも出場選手や裏方を温かくサポートしてくれた。また、彼自身は日本語が読めないにもかかわらず、日本人のための書き下ろし記事をWEBや雑誌に寄稿してくれていた。そして、彼は現在の日本勢の躍進ぶりを心から祝福してくれてもいる。

Wise 「カツヒロがいつかプロツアーを獲ると最初に言ったのは、たぶんオレだよ(笑) 本当におめでとうと言いたいね。去年の世界選手権での日本人たちの快挙は、ゲームの歴史に残る偉大な出来事だったと思う」

しかし、ここでWiseを取り上げるのは、単に彼がタイムシフトしてきたビッグネームの親日家だからというわけではない。久々に最前線に顔を見せた彼は、第1ドラフトを見事に3連勝しているのだ!

卓をともにするのはプロツアー・ロサンゼルス王者のAntoine Ruel(フランス)、今年度日本代表の片山 英典(大阪)といった面々だ。Wiseと対角線上に着席していた片山のピックをあわせてご参照いただくことにしよう。

■Pack 1

Wiseが開封したパックには《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》、《水深の予見者/Fathom Seer》、《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra》、《獣群のナール/Herd Gnarr》といったカードが入っていた。

ドラフト後に「フォーマットを問わず、いまだかつてリミテッドでルーター(物あさり)が弱かったためしなんてない」とコメントしてくれているとおり、Wiseは迷わずこれをピックした。

そんなWiseを悩ませたのが第2パックだ。強力なコモンソーティングとして有名な《絞殺の煤/Strangling Soot》と《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》が並んでいた上に、さらに《祖先の幻視/Ancestral Vision》、《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》、《オークの連続砲撃/Orcish Cannonade》といった強力なカードが含まれている。

「隣が《絞殺の煤/Strangling Soot》をとって、たぶんその下が《祖先の幻視》をとって青くなってしまうかもしれないが、《物あさり》を生かすにはこれしかないだろう」ということで、Wiseは4/4飛行《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》をピックする。

そこからWiseは3手目で《イクシドロン/Ixidron》、4手目で《取り消し/Cancel》という具合に青単色状態へと突入し、「スパイシー!」とつぶやきながら5手目で《魔力の篭手/Gauntlet of Power》を手にしている。

結局、ほとんど青単色というピックの中、9手目で《ゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse》を拾うという具合にして一巡目を終えた。「マッドネスへの布石だった」と本人も述懐する。

Pack 1 片山 英典 Gary Wise
1 Strangling Soot Looter il-Kor
2 Sporesower Thallid Errant Ephemeron
3 Premature Burial Ixidron
4 Pirate Ship Cancel
5 Wormwood Dryad Gauntlet of Power
6 Deathspore Thallid Drifter il-Dal
7 Subterranean Shambler Stormscape Familiar
8 Bonesplitter Sliver Dream Stalker
9 Skulking Knight Gorgon Recluse
10 Basal Sliver Mystical Teachings
11 Pit Keeper Urza's Factory
12 Drudge Reavers Darkness
13 Aspect of Mongoose Dreadship Reef
14 Smallpox Sage of Epityr
15 Divine Congregation  

■Pack 2

第2パックの初手でWiseが遭遇したのは二者択一問題。Wise本人も制限時間いっぱいまで悩みぬいて、《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》をピックして《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》を流した。

決断の理由については、「まず、このフォーマットは相当にアグレッシブであるから、迷ったら軽いほうという原則が大抵の場合適用される。また、オレはこの段階までに《取り消し/Cancel》をピックしているので、《トゲ尾の仔ドレイク》の抑止力によって相手が貴重なカードを出し惜しみしがちになることで、より《取り消し》が強くなるだろうと判断したんだ」とのことである。

3手目に2枚目の《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》をピックしたWiseは4手目の《顔なしの解体者/Faceless Butcher》を見たときに「黒に進んでいいというシグナルをもらった」と解釈し、青黒路線へ。もちろん、めざすはマッドネスだ。

Pack 2 片山 英典 Gary Wise
1 Stronghold Overseer Spiketail Drakeling
2 Feebleness Looter il-Kor
3 Trespasser il-Vec Faceless Butcher
4 Dark Withering Sudden Death
5 Phantom Wurm Assassinate
6 Scryb Ranger Fledgling Mawcor
7 Gemhide Sliver Undead Warchief
8 Thallid Shell-Dweller Pit Keeper
9 AEther Web Slipstream Serpent
10 Wormwood Dryad Gorgon Recluse
11 Dread Return Call to the Netherworld
12 Sprout The Rack
13 D'Avenant Healer Dream Stalker
14 Sage of Epityr  
15    

■Pack 3

色のかみ合わなかった爆弾カードである《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》をあきらめ、《ベラドンナの暗殺者/Nightshade Assassin》から3パック目をスタートしたWise。「これだけハイスピードなフォーマットで1マナ域のカードがないデッキというのは避けるべきだ」ということで、待機の《肥満死体/Corpulent Corpse》や《精神攪乱/Mindstab》を集めていく展開となった。

青いカードの流れが悪くなってしまったものの、ここからWiseは黒いカードを中心に淡々とピックし、とくに大きな波乱もなく「2-1は堅いところだと思う」という出来の青黒デッキを仕上げることになった。

Pack 3 片山 英典 Gary Wise
1 Spectral Force Nightshade Assassin
2 Sudden Spoiling Mindstab
3 Thallid Germinator Mindstab
4 Greenseeker Corpulent Corpse
5 Viscid Lemures Cancel
6 Grapeshot Pit Keeper
7 Might of Old Krosa Skulking Knight
8 Thrill of the Hunt Mindstab
9 Thallid Germinator Ophidian Eye
10 Greenseeker Fool's Demise
11 Chronatog Totem Ophidian Eye
12 Plunder Traitor's Clutch
13 Might of Old Krosa Traitor's Clutch
14 Basal Sliver Jhoira's Timebug
15 Shadow Sliver Brass Gnat

Gary Wise

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ソーサリー (3)
1 Assassinate 1 Call to the Netherworld 1 Mindstab
インスタント (3)
2 Cancel 1 Sudden Death
アーティファクト (1)
1 Gauntlet of Power
エンチャント (1)
1 Ophidian Eye
土地 (17)
1 Dreadship Reef 8 Island 8 Swamp
40 カード
 

Hidenori Katayama

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片山英典コメント:

・ドラフトについて
「カード取りすぎました。もっとカットすればよかった……。サイドボードがかなりもったいない感じになってます」

・デッキについて
「この環境、黒が強いし好きなんで、1割増しの点数になってます。なのでちょっと偏ったピックになってます。初手も《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》から始めればもっときれいなデッキになったんでしょうが……」

「軽めを意識してピックしたので、マナ事故を起こさなければけっこういけると思います。ただ、《死胞子のサリッド/Deathspore Thallid》が1枚しか流れてこなかったのは痛いですね」


Thursday, Nov 30: 6:02 p.m. - Round 11 : Quentin Martin(イングランド) vs. 森 勝洋(東京)

by Keita Mori
森 勝洋

ここまでを8勝2敗というパフォーマンスで代表チームを牽引している日本チャンピオン、森 勝洋(東京)が特設エリアに招待された。対するはイングランドの強豪Quentin Martin

森が2体の《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》をはじめとした飛行軍団の印象的な青黒。一方でMartinは《オーグ/Orgg》、《憤怒スリヴァー/Fury Sliver》、《ヘイヴンウッドのワーム/Havenwood Wurm》といった重戦車によって地上戦を制圧しにかかる赤緑である。まさしく好対照ともいえるマッチアップだ。

森 勝洋:青黒
Quentin Martin:赤緑

Game 1

後手Martinが《針刺スリヴァー/Spined Sliver》、《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver》とスリヴァー軍団を展開する立ち上がりで、対して先手の森は3ターン目に変異をプレイし、土地を置いたのみで4ターン目を終えた。

これを受けてMartinは2/2《針刺スリヴァー》のみを戦闘に送り出し、《ナントゥーコのシャーマン/Nantuko Shaman》を待機してターンをパスしようとすると、エンドステップに森がX=3の《堕落の触手/Tendrils of Corruption》を2/2《スリヴァー》へとプレイした。さらに森は「待機」明けの《シャーマン》が出てこようとしたところで変異を表返し、その《珊瑚のペテン師/Coral Trickster》の能力によってMartinの土地一枚をタップして追加のドローを阻止した。

「そういう正しいプレイは本当に大好きだ、巧いね」と苦笑しながら、Martinは3/2《シャーマン》を戦闘に送り込む。森の2/1《ペテン師》と相打ちということになった。

ここからMartinが3/5《スカーウッドのツリーフォーク/Scarwood Treefolk》をタップイン召喚すれば、森は2匹目の変異と《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を呼び出すという流れ。

そして、続くアクションとして、森は6マナフルタップで《精神攪乱/Mindstab》をプレイ。これが効いた。この段階で手札が4枚のMartinは、せめて《稲妻の斧/Lightning Axe》で《ドレイク》を殺すことにこそ成功するが、《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager》と《ヘイヴンウッドのワーム/Havenwood Wurm》という「瞬速」もちのハードパンチャーたちを失ってしまうのである。

それでも2/4飛行《コカトリス/Cockatrice》をなんとか引き当てて踏みとどまりたいMartinだったが、2体の4/4飛行《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を呼び出した森が制空権を掌握しにかかる。

結局、コンバットトリックとして《応じ返し/Snapback》を使用して森がそのまま快勝することになった。

森 勝洋 1-0 Quentin Martin

Quentin Martin

Game 2

この第2ゲームで最初の動きがあったのが第3ターン目のことで、先手Martinが《ウェザーシードのトーテム像/Weatherseed Totem》を置き、森は《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を召喚した。

続くMartinの《石炭焚き/Coal Stoker》を《ドレイク》を生贄にしてカウンターし、変異を置く森。しかし、続くターンにMartinの場に《オーグ/Orgg》が登場してしまう。太古から蘇った脅威は5マナ6/6トランプルというのは破格のサイズのモンスターだ。

これに対して森は2匹目の変異を置くのみでターンを返し、《オーグ》からの6点のダメージを食らった。戦闘後にMartinは後続として《コカトリス/Cockatrice》を送り込む。

すると、森はかわるがわる変異を《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》と《流水の海蛇/Slipstream Serpent》へとフリップアップした。敵陣のクリーチャーサイズによって動きを封じられてしまうというデメリットを持っている《オーグ/Orgg》を無力化してみせたわけだ。そして、殴りかかってきた《コカトリス》を《暗殺/Assassinate》でしとめ、敵陣の滞空防御を無力化した。

それでもQuentin Martinは3/3二段攻撃の《憤怒スリヴァー/Fury Sliver》を呼び出して地上戦線にプレッシャーをかけ続けるが、地上にチャンプブロック要員を配置しながら大空にダメージクロックを追加していくという「青い勝利の方程式」を見せつけたのが森 勝洋だった。

一匹目の《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》こそMartinの《稲妻の斧/Lightning Axe》で除去されてしまうものの、森は《アトランティスの王/Lord of Atlantis》と《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》を召喚し、《巣立つ大口獣》でアタック。二段攻撃スリヴァーを《王》のチャンプブロックで対応し、さらに変異を呼び出して《水深の予見者/Fathom Seer》へと変身させる。その2枚のドローから2/2飛行の《マナを間引くもの/Mana Skimmer》を空軍に追加した。なんとかMartinも《ヘイヴンウッドのワーム/Havenwood Wurm》を呼び出してみせるが、森は《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を呼び出してトドメをさしにかかった。

森 勝洋 2-0 Quentin Martin


Thursday, Nov 30: 7:31 p.m. - Round 12 : Tiago Chan(ポルトガル) vs. 藤田 剛史(大阪)

by Keita Mori
レッドゾーンへと突撃する藤田 剛史

ここまでを9勝2敗という成績でまとめている藤田 剛史(大阪)が、ポルトガルのTiago Chanと2日目最終戦を戦うことになった。

Tiago Chan : 青黒青
藤田 剛史 : 青赤

筆者が特設エリアに到着すると、ちょうどChanが第1ゲームを勝利したところだった。2体の《ヴェク追われの侵入者/Trespasser il-Vec》の回避能力と、《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage》のドレイン能力が決め手となったようだ。

Game 2

1、2ターンに連続して《ケルドの矛槍兵/Keldon Halberdier》を待機させるという藤田の立ち上がり。対して《珊瑚のペテン師/Coral Trickster》を2/1でプレイするChanだったが、3ターン目に藤田は《スークアタの槍騎兵/Suq'Ata Lancer》を呼び出してアタック宣言。これを返す刀の《暗殺/Assassinate》でChanが討ち取るという、きびきびとした展開となった。

ここで藤田は《時間の渦/Temporal Eddy》をChanの土地へとプレイし、待機したアタッカーたちが出てくるための時間を稼ぐ。そして、待機あけに登場する4/1先制攻撃《矛槍兵》を《虚弱/Feebleness》で迎え撃つChan。だが、この攻防によってストームを稼いだ《巣穴からの総出/Empty the Warrens》を藤田が詠唱し、一挙に6体ものトークンを展開することになった。

Chanは続く2体目の《矛槍兵》も《虚弱》で退け、変異クリーチャーをプレイ。藤田は多少の犠牲を省みずアタックを敢行し、盤面に《ゴブリンの空切り/Goblin Skycutter》を追加する。しかし、Chanが《大火口のカヴー/Firemaw Kavu》を呼び出してカードアドバンテージを堪能することになる。

藤田はトークンをブロックしにきた変異を殺すべく、瞬速の《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager》を使用。これを受けてChanはエコー支払い済みの《カヴー》を《時間の渦/Temporal Eddy》でライブラリーへと戻し、3/4《憤怒獣》を除去した。《ヴェク追われの侵入者/Trespasser il-Vec》を呼び出し、続くターンにカヴー再召喚。

ふたたび藤田は《ゴブリンの空切り》を呼び、これがアタックすると3/1《ヴェク追われの侵入者》と相打ち。藤田は《エピティアの賢者/Sage of Epityr》でライブラリー上段を確認し、Chanも《嵐景学院の使い魔/Stormscape Familiar》と《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage》を呼び出した。

そして、ここで藤田は《イクシドロン/Ixidron》をプレイする。これにて敵陣3体と自陣の《賢者》を裏向きにし、さらに《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》待機させる。

《イクシドロン/Ixidron》が襲い掛かり、Chanはじりじりと消耗していくことになる。ここぞと藤田は自分の土地をすべて生贄にささげ、《大いなるガルガドン》を陣容に追加。このモンスターが決定打となった。

藤田 剛史 1-1 Tiago Chan

Tiago Chan

Game 3

Chanが《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》を、藤田も《ケルドの矛槍兵/Keldon Halberdier》を、と待機しあう立ち上がりから、後手2ターン目に藤田が《ゴブリンの空切り/Goblin Skycutter》を呼び出す。

Chanは2,3ターン目に何も出来ず、一方の藤田はトップデッキしてきた《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》を待機させ、さらに《エピティアの賢者/Sage of Epityr》を呼び出してライブラリーを調整する。

4ターン目にもChanはクリーチャーを呼び出せず、《入念な考慮/Careful Consideration》を使用して手札を充実させることを選択。一方の藤田は《流動石の媒介者/Flowstone Channeler》を盤面に追加して数的優位を築きあげることに専念した。

双方、《ヴィセリッドの深み歩き》と《ケルドの矛槍兵》の待機があけ、Chanは変異を呼び、藤田は4/1《ケルドの矛槍兵/Keldon Halberdier》でアタックを宣言する。

Greater Gargadon

Chanは悩む。なぜなら、先ほどはこの展開で《虚弱/Feebleness》を使用したところへ《巣穴からの総出/Empty the Warrens》を決められてしまったからだ。

結局、Chanは「巣穴はないといいな…」と呟きながら《虚弱/Feebleness》をプレイ。今度は藤田の側に《巣穴からの総出》はなく、胸をなでおろすことになった。

…もっとも、ここで《巣穴からの総出》されてしまうことこそなかったものの、まもなく《パーディック山のドラゴン/Pardic Dragon》と《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》という赤いトップレアの競演を見せ付けられてしまうことになるTiago Chanなのだった。

藤田 剛史 2-1 Tiago Chan

藤田 剛史、10勝2敗で個人戦エクステンデッドへ


Thursday, Nov 30: 9:20 p.m. - 日本勢、二日目総括

by Keita Mori

二日目の6回戦終え、個人戦も3分の2を消化したことになる。順位表を見てみよう。

Standing Pts Day 2 Day 1 Name Invitation Source
3 30 15 15 射場本 正巳 PPC Level 3+
4 30 12 18 藤田 剛史 PPC Level 3+
6 30 15 15 森 勝洋 2005年世界チャンピオン
9 28 18 10 小倉 陵 PPC Level 3+
12 27 9 18 石田 格 PPC Level 3+
21 27 15 12 三原 槙仁 PPC Level 3+
23 27 18 9 大礒 正嗣 PPC Level 3+
26 25 12 13 有田 隆一 PPC Level 3+
27 25 13 12 加藤 英宝 Top 50 Rating - APAC
29 24 9 15 山本 昇平 2006年日本代表
34 24 9 15 齋藤 友晴 PPC Level 3+
41 24 12 12 浅原 晃 2005年世界選手権ベスト8
52 24 12 12 塩津 龍馬 PPC Level 3+
60 24 18 6 八十岡 翔太 PPC Level 3+
61 24 15 9 片山 英典 2006年日本代表
64 23 13 10 池田 剛 PPC Level 3+
67 22 10 12 森田 雅彦 PPC Level 3+
83 21 9 12 津村 健志 2005年Player of the Year
86 21 9 12 中村 修平 2005年世界選手権ベスト8
99 21 12 9 藤田 修 PPC Level 3+
100 21 12 9 大澤 拓也 PPC Level 3+
120 21 12 9 小室 修 PPC Level 3+
134 19 9 10 鍛冶 友浩 2005年度世界選手権ベスト8
144 18 6 12 笹川 知秀 PPC Level 3+
183 18 9 9 石丸 健 2006年日本代表補欠
189 18 9 9 三田村 和弥 PPC Level 3+
202 18 15 3 諸藤 拓馬 Top 50 Rating - APAC
239 15 3 12 清水 直樹 Top 50 Rating - APAC
240 15 9 6 中島 主税 PPC Level 3+
246 15 6 9 板東 潤一郎 PPC Level 3+
290 12 0 12 栗原 伸豪 PPC Level 3+
307 12 9 3 平林 和哉 Top 50 Rating - APAC

いくらか上位の顔ぶれこそ変わったものの、3位に射場本 正巳(東京)、4位に藤田 剛史(大阪)、6位に森 勝洋(東京)、9位に小倉 陵(愛知)、12位に石田 格(東京)、とベスト16圏内に5名のプレイヤーが名前を連ねているという意味では昨日同様に好調といえるだろう。

ナショナルチームに関しても、国別対抗団体戦での暫定首位を守っている。二日続けて5勝1敗という力強いパフォーマンスを見せたチャンピオンの森だけでなく、昨日は3勝3敗だった片山 英典(大阪)も5勝1敗と結果を出しており、3勝3敗だった山本 昇平(広島)も含め、日本代表は選手全員が通算成績で勝ち越しているのだ。明日のエクステンデッドに大きな期待がかかる展開である。

また、初日スタンダードを2勝4敗してしまった八十岡 翔太(神奈川)が本日全勝を果たしており、総合順位を295位から60位まで大きく追い上げた。Player of the Yearをめぐる戦いも目を離せない展開だが、齋藤 友晴(東京)たちは明日のエクステンデッドで大きく勝ち越すことが必須条件となりそうだ。

なお、新人王争いについては、情勢が大きく異なってしまった。暫定首位につけていた鈴木 貴大(東京)が【受賞資格も失う失格】裁定を受けたために、すべてはライバルたちの活躍次第となったのだ。この件の詳細については、ヘッドジャッジより声明があり次第ということになる。

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