Day 2 Blog Archive

更新日 Event Coverage on 2007年 2月 11日

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

  • by Keita Mori
    Blog - 9:35 p.m.: One More Finals - Round 15 : 齋藤 友晴(東京) vs. 森 勝洋(東京)
  • by Keita Mori
    Blog - 8:32 p.m.: Round 15 : 栗原 伸豪(東京) vs. Gulliaume Wafo-Tapa(フランス)
  • by Ted Knutson and Keita Mori
    Blog - 5:01 p.m.: Quick Questions #2
  • by Keita Mori
    Blog - 3:46 p.m.: Round 12 : 齋藤 友晴(東京) vs. 森 勝洋(東京)
  • by Ted Knutson and Keita Mori
    Blog - 2:22 p.m.: Quick Questions #1
  • by Keita Mori
    Blog - 11:44 a.m.: Draft 4 Report―大澤 拓也(神奈川)
  • by Keita Mori
    Blog - 10:17 a.m.: Round 8 : 大澤 拓也(神奈川) vs. 津村 健志(広島)

BLOG


2005年MVP、津村 健志(広島)

ここまでを7連勝で勝ち上がってきたプレイヤーは世界中でもたったの2人だけである。2005シーズンのプレイヤー・オヴ・ジ・イヤーである津村 健志(広島)とプロツアー・プラハ2006チャンピオンの大澤 拓也(神奈川)だ。

初日全勝の栄誉を分かちあった彼らが、世界にたったひとつのポールポジションをかけて刃を交える。

大澤 拓也 : 青白
津村 健志 : 赤黒

Game 1

第1ゲームは広島の若者が赤黒デッキのポテンシャルを存分に見せつける展開となった。大澤の《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》を《乱暴+転落/Rough+Tumble》でなぎ払うや、《フォライアスのトーテム像/Foriysian Totem》でマナ加速を果たし、《石炭焚き/Coal Stoker》からのストーム《巣穴からの総出/Empty the Warrens》を決めたのだ。

一方の大澤も《騎兵戦の達人/Cavalry Master》と《羊術師/Ovinomancer》をプレイして対抗しようとするのだが、ここで津村は鉄槌をふるう。2体目の《石炭焚き》から《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機させ、さらに《絞殺の煤/Strangling Soot》をプレイしたのだ!

苦しみながらも大澤は《時間の孤立/Temporal Isolation》で3/3の片割れを無力化してみるが、続く《監視スリヴァー/Watcher Sliver》を《隷属/Enslave》で奪われてしまうと…デッキを片付けはじめることになった。

津村 1-0 大澤

Game 2

津村の爆発力が印象的だった第1ゲームだが、《象牙の巨人/Ivory Giant》からはじまって3体の《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》と1体の《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》が続くという芸術的マナカーブを描く大澤のデッキ・ポテンシャルもかなりのものである。

8連勝をかけた直接対決

事実、第2ゲームは《象牙の巨人/Ivory Giant》待機、《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》、変異プレイという完璧なスタートで大澤が序盤をリードした。津村のファーストアクションは変異への《揺り籠から墓場まで/Cradle to Grave》プレイで、これは「次元の混乱(Planar Chaos)」を代表する強力なカードの1枚である《模る寄生/Shaper Parasite》を未然に封じることとなった。さらに津村は土地が3枚ならんだところで《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》をマナソースとして使用し、4マナ域の《マナを間引くもの/Mana Skimmer》をいちはやく展開して大澤のというマナベースの《島/Island》を縛るという戦略をとった。

しかしながら、大澤はを縛られながらも2体目の変異を呼び出して騎士とのタッグでのビートを続行し、《時間の孤立/Temporal Isolation》を引き当てて《マナを間引くもの》を無力化する。

戦端に《霊糸の幻/Gossamer Phantasm》を加えた大澤の陣容に待機明けの3/4《巨人》が登場し、一斉突撃。津村は《フォライアスのトーテム像/Foriysian Totem》を出してみるものの、もはや手遅れだった。

大澤 1-1 津村

Game 3

二人の名手がそれぞれのデッキパワーを見せ付けあうという、三本勝負の演目としては最高の展開。そんな中、雌雄を決すべく第3ゲームが開幕した。大澤が《象牙の巨人/Ivory Giant》、津村が《結核/Phthisis》、と、それぞれがビッグスペルを待機しあう立ち上がりである。そこへ先手津村が《放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancer》と《疫病スリヴァー/Plague Sliver》を、後手大澤が《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》と変異による陣立てを行っていった。

津村 健志に一足遅れて4マナ域に到達した大澤 拓也が「ごめん」と断りをいれて長考モードに入る。結核には3つの、巨人には2つの時間カウンターが乗っている状況で、ライフトータルはまだ18対20(大澤リード)である。

しばらくしてから、大澤は《ベナリアの騎兵》1体をレッドゾーンへと送り込むことを決断した。これを津村は《疫病スリヴァー》でブロックし、そこへ大澤は《うつろう突然変異/Erratic Mutation》を使用した。

「ちっ」

舌打ちした大澤がめくりだしたのが2枚目の《うつろう突然変異》。青白デッキにとっては貴重な除去呪文がライブラリーの底へと送り込まれてしまう。相討ちとなった戦闘の後に大澤は変異の2体目をプレイ。津村がこれを《揺り籠から墓場まで/Cradle to Grave》で葬った。

津村が静かにマナを伸ばしてターンを返すと、大澤は《覆われた奇異/Veiling Oddity》を待機し、変異を《水深の予見者/Fathom Seer》にフェイスアップして2枚のカードをドロー。さらに変異をプレイした。

展開力で劣っていた津村がなんとか5/4《炎核の精霊/Flamecore Elemental》を召喚できたところで、大澤の3/4《巨人》が場に出る。そのCIP能力が敵陣ブロッカーをタップアウトさせ、3/4と2/2による5点のアタックが通った。ライフトータル17対13(大澤リード)。しかしながら、続くターンには津村の待機していた《結核/Phthisis》が《巨人》を倒し、大澤のライフを一気に7点削り取る(10対13)。

プロツアー・プラハ2006王者、大澤 拓也

ここで大澤は《時間の孤立》を5/4《精霊》へと貼りつけて変異でアタック宣言。津村は静かにターンエンドステップに《放蕩紅蓮術士》で本体狙撃を続けるという試合運びになる。

そして、津村が後続として《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》と《ベラドンナの暗殺者/Nightshade Assassin》(CIPなし)を出したところで、大澤がとうとうサイドインしたカードを引き当てはじめた。

《ジェディットの竜騎兵/Jedit's Dragoons》である。

これは場に出たときに4点のライフをもたらすというCIP能力をもった2/5の警戒クリーチャーであり、こういったマッチアップのときのためにピックしておいた秘蔵のカード。大澤はサイドインした2体の《竜騎兵》を次々に展開し、ライフ面での大きな優位と攻防に活躍する重要な駒とを同時に獲得していった。

タップアウトした大澤の変異(正体は《流水の海蛇/Slipstream Serpent》)へと《乱暴+転落/Rough+Tumble》を撃ち込んで除去する津村だが、決定的な打開策が見つからない。

そんな中で大澤は《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》と《霊糸の幻/Gossamer Phantasm》を展開して攻勢を維持。津村は3点のマナバーンをともないながら《石炭焚き/Coal Stoker》を呼び出したのは、さながら投了のジェスチャーであるかのようだった。

プラハの快挙を髣髴とさせる力強さが、いまの大澤 拓也にはある。

大澤 2-1 津村


Saturday, Feb 10: 11:44 a.m. - Draft 4 Report―大澤 拓也(神奈川)

by Keita Mori
 

これはふたたび王者の征路となるか。

3回のドラフト、9回戦を終え、ただひとり全勝街道を突き進むのがプロツアー・プラハ2006チャンピオンの大澤 拓也だ。白黒、白青、白青、と白を基調としたアグレッシヴなデッキをドラフトし続け、彼はここまで無敵の存在である。

ここまで無傷の大澤 拓也(神奈川)

いまや、第4、第5ドラフトにおいてよほど失速しない限り、彼がふたたび栄光のプロツアーサンデーへと手を伸ばすことも難しくないだろう。それだけのリードをすでに大澤は築いているのである。ポジティヴな要素としては、彼がすでに「勝ち方」を知っているプレイヤーであるということも挙げておくべきか。

はたして、大澤はどのようなピックで我々を魅せてくれるだろう。 

■Pack 1 : Time Spiral

1st Pick : 《イクシドロン/Ixidron

青白というアーキタイプに明確な手応えを感じている大澤は、第3ドラフトでもMVP級の活躍をはたしてくれたレアをピックした。しかし、ここで気になるのは同梱されていた青いパワーカードたちで、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》、《水深の予見者/Fathom Seer》、少し落ちるが《珊瑚のペテン師/Coral Trickster》といったカードも含まれている。

他の色では緑に《ダークウッドのベイロス/Durkwood Baloth》、黒には《マナを間引くもの/Mana Skimmer》、白には《一瞬の瞬き/Momentary Blink》といったカードがあったわけだが、ここから下のJim Herold(ドイツ)は《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》をピックし、青に参入していくこととなる。

しかし、デッキ構築終了後に大澤はこうも語っている。

「下が同じ色になるリスクっていうのはたしかに感じました。でも、自分の考えとして『下を信用しすぎるな!』っていうのもあるんですね。仮に、《ダークウッドのベイロス》あたりをあそこでとって下に《イクシドロン》を流したとしても、下が必ずそれを取ってくれるとも限らないし、こちらから協力的にカードを送っても、返しではあまり見返りがないっていうことも結構ありえると思っています」

それに、と大澤が続ける。

「《分解/Disintegrate》や《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》みたいなやたらと派手なカードを別として、《イクシドロン》は個人的に一番好きなレアです」

2nd Pick : 《魂の収集家/Soul Collector

大澤が注目していた他候補のカードには《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord》、《闇の萎縮/Dark Withering》、《歪んだ爪の変成者/Crookclaw Transmuter》といったラインナップが揃う。下のHeroldは大澤からこぼれる《歪んだ爪の変成者》をピックし、青路線を色濃くする。

3rd Pick : 《珊瑚のペテン師/Coral Trickster

大澤はここのピックでも下に《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken》を流すことになり、青いカードを3連続でキャッチした下家が青をほぼ確定してしまう。ほかに流したカードは《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer》や《オークの連続砲撃/Orcish Cannonade》など。

4th Pick : 《応じ返し/Snapback

《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》に《監視スリヴァー/Watcher Sliver》といった白いカードを流しつつのピック。下は青白へ。

5th Pick : 《塩水の精霊/Brine Elemental

いまや構築戦でもフィニッシュブローに活用されることが多い「ピクルス」コンボのパーツをピックする大澤。しかしながら、下流に《トゲ尾のドレイク/Spiketail Drake》をリリースしてしまうことになり、当然これがキャッチされる展開に。

6th Pick : 《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel

大澤が第1パックでもっとも悩まされたのがここのピック。他候補に《拭い捨て/Wipe Away》、《取り消し/Cancel》、《秘儀の教示/Arcane Teachings》といったあたりがある中での決断だったわけだが、そのときの思考について後にこう語っている。

「あの段階では青赤系モーフ(変異)デッキっていうのもイメージしていたんですよね。《イクシドロン》もいるし。そうなると、アーキタイプ完成に必要なパーツはこれだなって」

《石炭焚き/Coal Stoker》からの3マナで変異をならべる、というテンポ良い展開を見せることで知られる「時のらせん」を代表するアーキタイプが青赤モーフだ。

決断に迫られたとき、大澤のような名手は最終的に完成するデッキをイメージし、それを補完するパーツをしっかりと集めにかかるものなのだ。

7th Pick : 《トゲ尾のドレイク/Spiketail Drake》
8th Pick : 《基底スリヴァー/Basal Sliver
9th Pick : 《珊瑚のペテン師/Coral Trickster
10th Pick : 《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord
11th Pick : 《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel
12th Pick : 《知恵の蛇の眼/Ophidian Eye
13th Pick : 《双頭スリヴァー/Two-Headed Sliver
14th Pick : 《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees

大澤が第1パックでのドラフティングについて唯一後悔しているのが6枚目のピックだ。

Tolarian Sentinel

「結果論でしかないんですが、《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》がその後にも流れてきていて、合計2枚とれてます。結局、これはデッキに1枚しか入れないカードですから、あそこで《取り消し/Cancel》か《拭い捨て/Wipe Away》のどちらかをとっていればな…というのはありますね。とくに、《死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord》が流れてくるかもしれないことを知っていたわけですから、そこも考慮すべきだったかも」

大澤の上のGundersenが白黒、もうひとつ上の津村が赤緑、下家のHeroldは青白だ。

■Pack 2 : Time Spiral

1st Pick : 《ぶどう弾/Grapeshot

「これはひどいパックでしたよね。下に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》をただトスするだけっていう…」

2nd Pick : 《結核/Phthisis
3rd Pick : 《肥満死体/Corpulent Corpse
4th Pick : 《コー追われの物あさり/Looter il-Kor
5th Pick : 《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage
6th Pick : 《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken
7th Pick : 《虹色のレンズ/Prismatic Lens
8th Pick : 《ジョイラの時虫/Jhoira's Timebug
9th Pick : 《流水の海蛇/Slipstream Serpent
10th Pick : 《心霊スリヴァー/Psionic Sliver
11th Pick : 《病的な出来事/Psychotic Episode

何も取るべき青黒のカードがなかった第1パックのことはさておいて、大澤が印象的なピックとしてあげているのが第10手目だ。

Psionic Sliver

「結構な数のまともなスリヴァーが出ていた中で、あそこまで遅く《心霊スリヴァー/Psionic Sliver》が戻ってきたのは驚きでした。たとえば白緑とか、それまでの色があってなくても余裕でタッチすべきカードですからね。そう言われてみれば、これまでの3回のドラフトに比べてスリヴァー全般の評価が低かったかな」

■Pack 3 : Planar Chaos

1st Pick : 《紅蓮炎血/Pyrohemia

「ほんとにひどい。なにも取るカードがないという(苦笑)」

肩を落とさずにいられなかった大澤。

2nd Pick : 《うつろう突然変異/Erratic Mutation
3rd Pick : 《うつろう突然変異/Erratic Mutation
4th Pick : 《哀愁/Melancholy
5th Pick : 《揺り籠から墓場まで/Cradle to Grave
6th Pick : 《揺り籠から墓場まで/Cradle to Grave

「不足がちな2マナ域にすんなり入る除去って言う意味で、このあたりはうれしいピックでした」

7th Pick : 《マーフォークの秘術師/Merfolk Thaumaturgist
8th Pick : 《原初のプラズマ/Primal Plasma
9th Pick : 《暁の魔除け/Dawn Charm

完成したデッキについて意見をもとめたところ、大澤は以下のようなコメントを残して第10回戦へと向かった。

「正直、2-1できれば…っていう出来でしょうね。パワーカードは入っていますが、シナジーらしいシナジーがないんですよね。《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage》が入っているけどマッドネスっていうわけじゃないし、待機するにしても《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken》とかですからね。あと、早い段階にとったカードが結果としてサイドに眠ってたりっていうのも…」

はたして、大澤がこの第4ドラフトの試合を2勝1敗以上で勝ちあがれるかどうか、今後の展開を見守っていきたい。

※※デッキリストは後ほど掲載されます※※


Saturday, Feb 10: 2:22 p.m. - Quick Questions #1

by Ted Knutson and Keita Mori
 

2007年の殿堂入り投票はこれまででもっと厳しい勝負になりそうですが、あなたは誰に投票しますか?

Osyp Lebedowicz: 中村 修平: Olivier Ruel:

Kai Budde
Zvi Mowshowitz
Randy Buehler
Mike Turian
藤田 剛史

Kai Budde
藤田 剛史
Nicolai Herzog
Randy Buehler
Mike Turian

Kai Budde
藤田 剛史
Zvi Mowshowitz
Nicolai Herzog
Mike Turian

 

次元の混乱」に登場する「カラーシフト」カードでもっと好きなものを教えてください?

Rob Dougherty: Tsuyoshi Fujita: Kenji Tsumura:
"《滅び/Damnation》" 《筋力スリヴァー/Sinew Sliver》と《マナの税収/Mana Tithe 《有り余る無/Null Profusion》と《滅び/Damnation


Saturday, Feb 10: 3:46 p.m. - Round 12 : 齋藤 友晴(東京) vs. 森 勝洋(東京)

by Keita Mori
 

語り継がれる名勝負、その再戦の機会が訪れた。

世界王者とプロツアーチャンピオン。良き友、良きライバルである彼らは2006年度日本選手権の準々決勝で「事実上の決勝戦」とまでいわれた直接対決を行っており、その試合を制した森 勝洋(東京)がそのまま日本王者の栄光に輝いている。

齋藤 友晴と森 勝洋、名勝負ふたたび

こみあげてくる激情を抑えきれないのか、齋藤 友晴(東京)はしきりに自分自身の頬を打ち続けている。二人の因縁を知らないご当地の観客が当惑しきっている中で、二人の魔法使いが戦いに臨むことになった。

森 勝洋 : 白緑赤 (8勝2敗1分)
齋藤 友晴 : 緑赤 (8勝3敗)

期せずして、緒戦はドローの内容が二人の明暗をくっきりと分けた。消耗戦のはてに土地ばかりを引いてしまうこととなった森を尻目に、頭数で完全に上回った齋藤がビートダウンを成し遂げる。

Game 2

こうして黒星先行となってしまった森が先攻を選び、《虹色のレンズ/Prismatic Lens》でタッチカラーであるマナを確保して3ターン目にして《嵐の束縛/Stormbind》を素早く展開。氷河時代からタイムシフトしてきたこのエンチャントメントがゲームに大きなインパクトを与え続けることになる。

嵐はさっそく齋藤の最初のクリーチャーである《スカークのシャーマン/Skirk Shaman》をなぎ払い、《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk》が嵐の代償として手札から捨てられた《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse》を回収する。

対する齋藤 友晴は続けて盤面に《クローサの英雄、ストーンブラウ/Stonebrow, Krosan Hero》を送り込み、それを受けてこの伝説クリーチャーを2発の《嵐の束縛》がすみやかに除去しにかかる。ならば、と齋藤は《針先の蜘蛛/Needlepeak Spider》を戦線に送り込み、さらに森に《嵐の束縛》を起動させた。

Stormbind

《嵐の束縛/Stormbind》。

それはたった1枚でゲームの行方を大きく変えてしまうような支配的な強さを持ったカードである。しかし、その代償として手札を要求する。

齋藤が注目したポイントもまさにそこで、先攻スタートである森の手札を消耗させにかかったのだ。考えようによっては、先ほどの《ストーンブラウ》の除去など、たった1枚のカードへと2発の弾丸を撃たせたというプレイでもあるのだ。

そして、森が見せるわずかな隙を狙ってアクションを起こす齋藤。森が《夜明けのマラク/Malach of the Dawn》を呼び出したところで《スークアタの槍騎兵/Suq'Ata Lancer》を走らせ、さらにそれを「瞬速」の《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager》で強化して6点にパンプアップする。

一連の齋藤のアクションを受け、3枚の手札を持っていた森はそのすべてを弾丸として敵陣を一掃することを決断。《嵐の束縛》が3/4《憤怒獣》と2/2《槍騎兵》を葬った。

一瞬の静けさを取り戻したかに見える戦場へと、森が《オパールの守護者/Opal Guardian》をプレイ。…しようとすると、またしても「レスポンスで」齋藤は《ヴィーアシーノの探り刃/Viashino Bladescout》を盤面に送り込む。瞬速だ。

さらに、齋藤は森のブロッカーである《マラク》を《ユートピアの誓約/Utopia Vow》で無力化し、さっそく《探り刃》アタック宣言。クリーチャー化できずにいるプロテクション赤の《オパールの守護者》を尻目に、「ブロックされないことが決まったところで…」と、このゲームで2体目となる《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager》をプレイ。2点のはずのダメージはまたしても6点に。森のライフは強烈な2発によって残り8点まで削られてしまった。

齋藤の手札は3枚。森には1枚。森の場には《嵐の束縛/Stormbind》とクリーチャー化した2/4《オパールの守護者/Opal Guardian》の姿がある。

続くターン、齋藤 友晴は迷わず2体でのフルアタックを行った。

ここで森 勝洋はしばらく逡巡していたようだが、

「…持たれてたら、あきらめるっきゃないしな…」

と、2/1《探り刃》を《オパールの守護者/Opal Guardian》で討ち取るブロックを宣言。ライフの許す限り、敵陣の脅威を摘み取っていくというのは攻防における鉄則、それも基本中の基本だ。

森は3/4《ボガーダンの憤怒獣/Bogardan Rager》をスルー。
森の残りライフは8点。

「…今回は持ってるぜぇぇ!」

レッドゾーンにたたきつけるかのように、齋藤 友晴は《岩石樹の祈り/Stonewood Invocation》をプレイする。ジャスト8点!

かくて、世界でも指折りの実力者である強敵を相手に、齋藤はリベンジを果たすこととなった。

齋藤 2-0 森


Saturday, Feb 10: 5:01 p.m. - Quick Questions #2

by Ted Knutson and Keita Mori
 

世界で五本の指に入るリミテッドプレイヤーをあげてください(順不同)。

Rich Hoaen: Johan Sadeghpour: Julien Nuijten:

津村 健志
Anton Jonsson
Przemol (Magic Online account name)
八十岡 翔太
中村 修平

Rich Hoaen
津村 健志
Anton Jonsson
Rogier Maaten
Andre Coimbra

Rich Hoaen
Johan Sadeghpour
Florent Jeudon
齋藤 友晴
Tiago Chan

 

プロツアー王者とプレイヤー・オヴ・ジ・イヤーどちらになりたいですか?

Gerard Fabiano: Craig Krempels: David Brucker:
"プロツアー王者" "明らかにプレイヤー・オヴ・ジ・イヤー。間違いなく4万ドル以上の価値が価値があるすばらしい年を過ごしていることになるしね。" "プロツアー王者。プレイヤー・オヴ・ジ・イヤー自体には4万ドルの賞金がついてくるわけでもないからね。"
 

あなたの宿敵は誰?

Randy Buehler: Ben Rubin: Gadiel Szleifer:
"Ben Rubin." "Jon Finkel。僕はKai Buddeにも負けたことがないんだけどね。" "宿敵っていうのはいないね。嫌いなヤツは多いけどさ。"
 
Antonino De Rosa: Rob Dougherty:  
"Matt Linderと藤田 剛史。彼らには勝てたためしがないね。" (一時間ほど考えてから)"うん、宿敵っていうほどのはいないね。"  

Saturday, Feb 10: 8:32 p.m. - Round 15 : 栗原 伸豪(東京) vs. Gulliaume Wafo-Tapa(フランス)

by Keita Mori
 

レポートの前に、しばらく更新が滞ってしまったことをお詫びしたい。筆者のノートPCが原稿執筆中に故障してしまい、数本の記事が失われてしまったという次第である。なんとかバックアップのマシンを調達できたため、予選最終戦となる第15回戦の試合の模様をお届けする。

栗原 伸豪

ちなみに、第14回戦の段階で大澤 拓也(神奈川)と津村 健志(広島)がベストエイト進出を確定させており、栗原 伸豪(東京)、齋藤 友晴(東京)、森 勝洋(東京)の三名がこのラウンドに勝利することでベストエイト確定ないしタイブレイカーラインへと進出することになる。

ここで取り上げるのは「勝てば確定」のライン上にいる栗原。彼は次なるブレイクを期待されている新世代の東京勢で、20体ものクリーチャーを搭載した青白デッキで栄光のプロツアー・サンデーを賭けた勝負に挑む。対するGuilliaume Wafo-Tapa(ギョーム・ワフォタパ)も最近注目を集めるフランスの新鋭である。

勝てばベストエイト、負ければそれまで。単純明快だ。

Guilliaume Wafo-Tapa : 白緑青赤
栗原 伸豪 : 青白

Game 1

ダイスロールに勝利した先攻の栗原が《嵐景学院の使い魔/Stormscape Familiar》からゲームスタート。そのメダリオン効果を活用して《アムローの求道者/Amrou Seekers》と《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》を第3ターンに呼び出すという怒涛の猛攻を見せる。

対するWafo-Tapaは《アナの戦闘魔道士/Ana Battlemage》を呼び出し、諸悪の根源と化しつつある《使い魔》へと《太陽の槍/Sunlance》を使う。…が、栗原は後続として《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》と変異クリーチャーを戦線に追加し、プレッシャーをかけ続ける。

Wafo-Tapaは《増力スリヴァー/Might Sliver》と《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》を展開するものの、「白フィアー」こと《アムローの求道者をの《騎士》で相討ちにとりにいったところで栗原に「救出クリーチャー」《白たてがみのライオン/Whitemane Lion》をプレイされてしまう有様。

結局、クリーチャーの展開数で圧倒した栗原が総攻撃からの《補強/Fortify》をお見舞いし、すばやくゲームを終えた。

栗原 1-0 Wafo-Tapa

Game 2

先手Wafo-Tapaが変異、《トロウケアの影/Shade of Trokair》とクリーチャーを召喚し、後手の栗原が、《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse》、《象牙の巨人/Ivory Giant》「待機」、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》とつなぐ。そして、この《コー追われの物あさり》こそが、栗原 伸豪に栄光をもたらすことになった。

Guilliaume Wafo-Tapa

栗原のデッキは40枚のうち20枚、50%がクリーチャーであるという構成でできている。つまり、往年のターボステイシスを支える理論がそうだったように、1ターンに2枚のカードをドローできるような体制さえ整えれば、驚異を毎ターン(ほぼ)確実に展開し続けることが理論上可能なのだ。

まさしく、栗原はそれを体現した。

栗原はシャドーでライブラリを掘り進みながら戦線に《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を追加し、《塩平原の世捨て》に《五制術の護法印/Pentarch Ward》をまとわせてプロテクション緑を宣言。Wafo-Tapaの《夜明けのマラク/Malach of the Dawn》を《トゲ尾の仔ドレイク》でカウンターし、上空に《ちらつくスピリット/Flickering Spirit》を追加。Wafo-Tapaが希望を託した《城の猛禽/Castle Raptors》にも、すばやく《猿術/Pongify》を見舞った。

栗原はさらに《アムローの求道者/Amrou Seekers》や《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》を陣容に加え、物量で押すというストラテジーを徹底した。飛行とシャドーとで確実なクロックを刻み、毎ターンごとにクリーチャーたちを参陣させ続ける猛攻。

まもなく、4色デッキゆえの手札とマナソースの不整合(※場は緑白赤、手札は真っ青)にも悩まされていたWafo-Tapaは右手を差し出すことになった。

また一人、日本の若者の前に栄光への扉が開いた瞬間だ。

栗原 2-0 Wafo-Tapa

栗原 伸豪、決勝ドラフト進出!


Saturday, Feb 10: 9:35 p.m. - One More Finals - Round 15 : 齋藤 友晴(東京) vs. 森 勝洋(東京)

by Keita Mori
 

栗原 伸豪(東京)が歓喜の涙を流していた頃、日本を、いや世界を代表する二人の名手が注目の対戦エリア(Feature Match)で熾烈な戦いを演じていた。第12回戦に続き、今大会2回目となる戦いである。

Round 15 : 齋藤 友晴(東京) vs. 森 勝洋(東京)

森 勝洋 : 赤黒
齋藤 友晴 : 緑青白

Game 3

残り時間11分。ベストエイト進出をめぐるほとんどの戦いが終わり、会場中の注目を集める中で予選ラウンド最後のゲームがはじまった。

齋藤 友晴

先手の森 勝洋は2ターン目に《霊炎スリヴァー/Ghostflame Sliver》を召喚し、一時的に2枚で土地がストップしてしまいながらも《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》のマナを用いて変異クリーチャーを呼び出した。

対する齋藤 友晴は《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を待機し、《ウークタビー・ドレイク/Uktabi Drake》を召喚するスタート。齋藤が《ドレイク》のエコーを支払ったところで森が《虚弱/Feebleness》を使用する。

さて、一瞬土地が止まってしまった森だったが、さすがの勝負強さであっという間に土地を連続して引き当て、《吸血スリヴァー/Vampiric Sliver》を召喚。齋藤も《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》をキッカーで召喚し、CIP能力とブロックとによって《霊炎スリヴァー》と変異クリーチャーとを葬る。お手本のような2対1交換だ。

攻勢を維持したい森はエンドステップに《蠢く肉裂き/Drudge Reavers》を召喚。メインステップに《荒廃語り/Blightspeaker》を続けてプレッシャーをかけ続けた。みるみるうちに、6対20という大差のリードを森が築き上げる。

何とか守りを固めたい齋藤は《スカーウッドのツリーフォーク/Scarwood Treefolk》に《ユートピアの誓約/Utopia Vow》をエンチャントして白マナを確保し、《テフェリーの濠/Teferi's Moat》をプレイ。このエンチャントで真っ黒な陣容の森のアタッカーたちをけん制し、待機のあけた《遍歴のカゲロウ獣》でアタックを開始した。

もはや地上でのアタッカーを封じ込められてしまった森は《荒廃語り》でのピング狙撃のみがダメージソースに。対する齋藤は4/4《カゲロウ獣》が頼みの綱という展開となった。

ライフレースでの優位を守りたい森は「打ち捨て」で《堕落の触手/Tendrils of Corruption》をプレイしてライフを1点ゲイン。5対13。その上で森は対空防壁の《霊気の皮膜/AEther Membrane》を呼び出す。

しかし、齋藤も《霊気の皮膜》を《ユートピアの誓約》で無力化し、《嵐前線の乗り手/Stormfront Riders》を上空に追加。敵陣の防壁を突き破り、盤上に脅威を追加することに成功した。

森 勝洋

予断を許さないタイトなダメージレース。まもなく齋藤のアタックですべてが決まるかに見えたそのとき、森 勝洋は赤い呪文をプレイマットへ炸裂させた。

《分解/Disintegrate》。

齋藤 友晴の前に立ちはだかるのは、やはり彼なのだった。

森 2-1 齋藤

森 勝洋、9位入賞

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