Gateway Cool Decks

更新日 Event Coverage on 2002年 5月 2日

By Toby Wachter<break /> Translated By Keita Mori

ほんの数ヶ月前までのことだが、Pro Tour New Orleans からはじまった Pro Tour 大阪への 予選シーズンにおいて、Extended というフォーマットのメタゲームはかなり深くまで掘り下げられてきた。結果として、Masters Gateway に参加したプレイヤーのデッキセレクトは既に確立されたアーキタイプの中からのチョイスとなったようだ。「オース」、「スライ」、「Donate-Illusions」、「ジャンク」、「Miracle(Super) Grow」といったデッキがその典型例だ。
 
もっとも、プロプレイヤーたちはNice(ニース)にむけてドラフト三昧にならざるを得なかったわけだから、Extended に時間をかけられなかったとしても仕方ないことだろう。
しかし、注目に値する二つのデッキをご紹介しておきたい。

■Welder

まず、Christian Luhrs による赤単色の《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》デッキから。

Pro Tour Nice Masters Gateway: Welder Red

Download Arena Decklist
クリーチャー (8)
4 Goblin Welder 4 Masticore
他 (12)
4 Mindstone 4 Tsabo’s Web 4 Urza’s Bauble
60 カード
サイドボード (15)
4 Bottle Gnomes 4 Mogg Salvage 3 Rejuvenation Chamber 4 Pyroblast

 ウルザズ・サーガの登場以来、アーティファクトをベースにデッキがデザインされる機会は実に多くなったものだ。「Deep Blue Academy」(訳注:日本でいう「MoMA」)からJon Finkel が 2000 年世界選手権を制した《修繕/Tinker》デッキにいたるまで、異常なマナ加速と壊れたアーティファクトとのコンビネーションは強すぎて無視したいくらいのものだった。現在の Extended 環境でほとんど見かけない存在だが、Luhrs が「茶単」ともいうべきほとんどがアーティファクトで構成されているデッキを今日プレイしている、というわけだ。

彼は《修繕/Tinker》のための青ではなく《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》の赤を選択しており、その《溶接工》だけがメインデッキで唯一有色マナを要求するカードとなっている。《修繕/Tinker》デッキ(訳注:日本で言う「青茶単)系)は《厳かなモノリス/Grim Monolith》や《スランのダイナモ/Thran Dynamo》を《通電式キー/Voltaic Key》によって有効活用して大量のマナを供給することに主眼をおいているわけなのだが、Luhrs のデッキでは《溶接工》によって《からみつく鉄線/Tangle Wire》や《煙突/Smokestack》を活用することをテーマとしている。この二枚と《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》の存在によって対戦相手はリソースを締め上げられ、スペルをプレイすることもままならなくなるだろう。

 とにもかくにもこのデッキは《溶接工》ありき、である。すべてのデッキに投入されたアーティファクトが最大の効果を発揮するために、《溶接工》は欠かせない存在なのだ。《サーボの網/Tsabo's Web》や《Urza's Bauble》とのシナジーによってカードドローのエンジンともなるし、《煙突/Smokestack》や《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》を対戦相手のエンドステップあたりに溶かしてやってもいい。《解呪/Disenchant》のようなスペルにレスポンスしてカードアドバンテージを獲得するもよし、《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnance》や《Urza's Bauble》のような「安い」アーティファクトを《マスティコア/Masticore》や《煙突/Smokestack》に役立ててもいい。こういった複雑な機能ゆえに、この《溶接工》デッキのプレイはとても難しい。Luhrs のデッキはアーティファクト同士の組みあわせが織り成すシナジーを活用し、対戦相手がスペルをプレイを使用できないような状況においこもうと(つまり、《煙突/Smokestack》などでボードコントロール)するわけだから、このカテゴリーの中でも特に扱いにくいものだろう。

Luhrs はこの手のデッキが大好きらしく、ここ 2 年間ずっと様々なバージョンを試してきたそうだ。実際、彼は Toronto での世界選手権や一年前の欧州選手権にもこのデッキタイプで出場している。「プレイしててすごく面白いデッキで、特に《溶接工》と《煙突》の組み合わせがね。」と語る Luhrs はこの Gateway を 2-0 で勝ち上がっており、「オース」デッキに連勝している。「実際にオースとの相性はそんなによくないかな。僕のドローが実に恵まれていたのと、対戦相手のドローが対照的に悲惨だったからだよ。...どんな対戦相手に強いかっていわれれば、それはこのデッキに複雑な動きに『ついてこれない人たち』に、かな。何がキツイかって言われたら、オース(笑)。高速展開するスライなんかも嫌だけどね。」

 ただ、実のところ Luhrs はこのデッキで Gateway を勝ち抜けるとは思っていないようだ。「まあ、しょせんファンデッキだしね(笑)」

■Oath of Trix

 そして、続いて取り上げるのは「Donate-Illusions」に《ドルイドの誓い/Oath of Druids》エンジンを投入した日本のデッキだ。

Pro Tour Nice Masters Gateway: Oath of Trix

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クリーチャー (2)
2 Cognivore
ソーサリー (3)
3 Donate
アーティファクト (4)
4 Sapphire Medallion
エンチャント (7)
3 Illusions of Grandeur 4 Oath of Druids
60 カード

Pro Tour Nice Masters Gateway: Oath of Trix Fireball Special

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クリーチャー (3)
1 Aboshan, Cephalid Emperor 1 Morphling 1 Spike Weaver
ソーサリー (6)
3 Donate 3 Merchant Scroll
アーティファクト (4)
4 Sapphire Medallion
エンチャント (6)
3 Illusions of Grandeur 3 Oath of Druids
他 (2)
2 Gaea’s Blessing
60 カード

 一見、嘘っぽいカードがいくつかデッキリストに隠れているわけだが、実際にデッキ製作者の意図を聞けば納得のいくものばかりだ。筆頭が《Aboshan, Cephalid Emperor》で、これは「Miracle Grow」の《冬の宝珠/Winter Orb》の機能をタップして Off にできる代物で、《ドルイドの誓い》から展開されることを前提にすればコストは関係ないだろう。《Illusions of Grandeur (IA)》・《寄付/Donate》のコンボは追加の勝ち手段としては申し分ない。墓地のコンボパーツも《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》がどうにかしてくれるというわけだ。

デザイナーの池田にコメントをもとめてみよう。「グランプリ仙台以降、Trix 、The Rock and his Millions 、Miracle Grow といったデッキがポピュラーでした。Trix は 1 コンボで 20 ライフしか削れないわけですから、《スパイクの飼育係/Spike Feeder》をはじめとしたゲインライフを多用されると困ったことになるわけです。オリジナルの青赤では《火+氷/Fire,Ice》が残りライフを削りきるための手段だったわけですが、日本ではメインボード《変異種/Morphling》という方向に Trix 自体がシフトしていきました。普通の Trix は Miracle Grow の台頭で以前ほど有力なデッキとはいえなくなったわけですから、Grow に耐性のある Oath デッキと融合させてみることを思いついたんです。Super Grow の現れる前の話ですけどね」

 それに、《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》はコンボパーツを回収すること以外にも、素晴らしい利益を生み出してくれることがあるようだ。「オリジナルの青赤バージョンで《回想/Recall》をプレイテストしたわけですが、今は《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》に上位互換されていますね。コンボパーツの回収はもちろん、《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》エンジンを複数回再利用できますから。実際にPTQでも優勝していますし、このデッキにはかなり自信があります。それに、今回の Gateway でのこのデッキ最大の強みはほとんどのプロプレイヤーに『知られていないこと』でしょうね。たとえば、2 ターン目の《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》や《Merchat Scroll (HL)》をこっちがプレイした場合、誰もこれを Oath デックだとは思わないでしょう?」ちなみにこのデッキの名前「Firebal Special」は池田の経営するショップに由来するらしい。

 また、石田格のバージョンはさらに工夫がなされていて、Oath されるのが《変異種/Morphling》ではなく《認識を食うもの/Cognivore》となっている。これは《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》を採用していないためだそうで、たしかに、 10/10 前後のファッティとして君臨しうるカードだけにバカにできないだろう。それに、《変異種/Morphling》以外のクリーチャーによって「Oath」デッキに殴り殺されることなんて、誰にも想像できないことだろうし。

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