Interview:真木 孝一郎

更新日 Event Coverage on 2003年 11月 9日

By Keita Mori

プレイヤーとして真木孝一郎という人物にスポットライトがあたるのは久々のことで、これは実に多くの人々を喜ばせた。彼の最近の活動はゲームぎゃざ誌のマジックライター筆頭格として、われらがサイドボード日本語版の編集長として、そしてCheap Magicの主催者として…つまり、どちらかというとコミュニティを支える側の人物としての活躍ばかりが目立っていたかもしれない。いま我々が皆さんにお届けしているイベント取材でも、真木は取材対象というよりは黒いシャツを着てノートパソコンを抱えて走り回る側である事が多かった。

そんな真木がこのグランプリでみせつけたパフォーマンスは…最近の「ミスター引き分け」というニックネームからは程遠いものだった。鮮やかな7戦連勝。これまではいつもひどいパックとハードラックとによって何度も初日落ちという憂き目に会っていた真木が、追い風とともに初日を勝ち上がり・・・1st Podという栄光の位置から二日目のロチェスターを戦うこととなったのだ。

戦う機会を得た真木孝一郎は、まるで水を得た魚であるかのようにしてそのポッドを席巻し、栄光の一番卓を3戦全勝という圧倒的な強さで制圧して見せたのだった。ちなみに、真木は今回のフォーマットに関して次のような話をしてくれている。

「今回のフォーマットは明らかに計算が自分にとってやりやすくなった。装備品というのがとにかく大きなインパクトで、これがソーサリースピードであることも大きい。これまではコンバットトリックのあらゆる可能性を考えて必然的に思考時間はながくなっちゃったけど、今回は目に見えるリソースで場をいかに構築して支配するかだから」

そして、それゆえに真木は

「とにかくロチェでは白を主張。装備品をからめた戦闘がとにかく好きで、その前提で装備品によってもっともコモンで強くなるのは白だから。タッチカラーはいくらかぶってくれようと構わないけど、白はオレだぞという主張をともかく。で、それをわかってくれるポッドだったからこそ勝てたのかも知れないな。そういう卓につけたっていうことが勝因なのかも」

とも語った。

ところで、DCIトーナメントセンターという「我が家」を失った真木の練習環境は彼に言わせると悪化の一途を辿っていっているらしい。

「DCIがなくなった今、たとえば我が家でもしゃば(射場本)の家でもアキバの溜まり場にしても…練習場所はあるにはあるけど、人がやっぱり増えないからね。」

彼の古くからの仲間たちの多くは人生の転機を迎えたそうで、たとえば安藤兄弟が第一線を退いてしまったことを例にあげているときの真木は…淡々と煙草の灰を落としながらもどこか遠いところに思いをはせているかのようだった。

「それにしても、マジックというもの自体とのかかわり方はだいぶ変わった。以前はCheapにしても純粋にプレイヤーとして好き勝手にやってたけど、いまは『もうちょっとこんな風にしたらマジックもりあがるんじゃないかな』っていう手心が加わっちゃう感じ。まあ、そもそも純粋なプレイヤーだったら自分たちが必死こいて考えた得点表をさらしたりしないか。まあ、それで食わせてもらってるって言うのももちろんあるんだけど、今はマジックをサポートする側にまわりたいと思ってる。こっち側って人が少ないからね。個人的には長く、上手くマジックとつきあいたいよ」

いまや日本のマジック・コミュニティを支える大きな大きな柱である真木孝一郎の言葉は重い。しかし、今回の久々のスポットライトは彼のプレイヤーとしての魂を再び燃え上がらせるのではないだろうか? 実際に真木はサイドボードのために働きながらも「プレイヤーとしてマジックのイベントに出続けられるスタンス」をWizards社との契約条件に特記してもらっているくらいだからだ。

「んー。やっぱりはじめて数ヶ月とか数年の子たちみたいなモチベーションはなかなか戻らないんじゃないかな。若くないって。昔は好きな映画も見なかったし、ともかくストイックだった。でも、いまはそういった自分のほかの興味を犠牲にしようとは思っていない。逆に趣味でしかなかった頃はある時期マジックを完全にシャットアウトしてたときがあるけど、そういうことにもならないと思う」

いつものようにブラックのコーヒーを飲みながら、真木は微笑んだ。

「もしもマスターズの賞金を狙う気になったら・・・構築もはじめるかな」

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