Live Coverage of 2004 Pro Tour Seattle

更新日 Event Coverage on 2004年 7月 11日

By 森 慶太

今もって現役で最前線に立ち続けている日本のプレイヤーの中で、石田格はもっとも長くて重いキャリアをクレジットしていることになる。彼がはじめて参戦したのは当時「ジュニア・プロツアー」と呼ばれていたイベントで、そのころは才能ある若手であっても一定の年齢になるまではツー本戦には参加できないという次第だったのだ。

まさしく黎明の時代から戦い続けてきた「日本最強の高校生」もいまでは24歳の若者となり、いくつもの輝かしい戦歴をそのプロフィール欄に書き加えてきた。しかし、そんな石田にも一つだけ足りないものがあった。そう、それこそがまさにプロツアー決勝ラウンドを踏みしめることだったのだ。

しかし、今や石田格は岡本尋(世界選手権準優勝)と池田剛(プロツアー横浜ベスト4)という頼もしい相棒を得て待望のテレビジョンマッチへと勝ち進んだ。そして、夢見続けてきた栄光まであと一つのところまでたどり着いたのだ。

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Player A:石田 格 Ubr/Affinity
Player B:池田 剛 WB
Player C:岡本 尋 GR

Von Dutch
Player A:Jeroen Remie RB
Player B:Jelger Wiegersma WG
Player C:Kamiel Cornelissen UGr

石田 格(青黒赤親和) vs. Jeroen Remie(赤黒)

戦前にこのマッチアップのキーカードについて石田に尋ねてみたところ、2枚の《上位の空護り/Advanced Hoverguard》が即座にあげられた。赤黒のRemieにとって、除去回避能力を誇る2枚の2/2フライヤーは決定打たりうるだろう、という予測である。

はたして、その目論見はうまくいくだろうか。

Game 1

世界一のチームという栄誉をかけた戦いは静かに幕を開けた。

淡々とした数回のドロー・ゴーというゲーム経過を経て、後手Remieが3ターン目に《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》をプレイグラウンドへと。先手の石田はそこに《四足マイア/Myr Quadropod》を加え、Remieは《巨大戦車/Juggernaut》と返す。お前が地上ならこちらは制空権だと、ここで石田は《上位の空護り/Advanced Hoverguard》を召喚した。

Remieは5/3《戦車》と 2/2《喧嘩屋》でアタック宣言。石田は2/2を1/4《四足マイア/Myr Quadropod》で受け止めつつ5点をスルー。この戦闘後に《金のマイア/Gold Myr》と《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》をRemieは展開した。続くターンに石田は《粗石の魔道士/Trinket Mage》を呼び出し、その能力によって《電結の働き手/Arcbound Worker》をサーチして場に展開。石田は航空戦を仕掛けて2点アタックし、戦闘後に《記憶の仮面/Mask of Memory》を場に出した。

Remieは続くターンも5/3と2/2でのアタック。石田は5/3《戦車》を1/1《働き手》でチャンプブロックし、1/4《四足マイア》で2/2《喧嘩屋》をガッチリとガード。この戦闘によって1/4《マイア》は《電結》の接合で+1/+1されて2/5に。この戦闘後に5/4《錆口のオーガ/Rustmouth Ogre》をRemieは追加してきたのだった。

くっきりと、地上戦線のRemie、航空戦の石田…という両者のストラテジーが浮かび当たってきたといえるだろう。ここで石田は《仮面》をまとわせて《上位の空護り/Advanced Hoverguard》でアタック宣言。《仮面》がもたらす《目録/Catalog》然としたアドバンテージを堪能し、ここでは《オパールの腕甲/Opaline Bracers》をディスカードした。

返すターン、地面を攻めたいRemieはフルアタック。ここで石田は《錆口のオーガ/Rustmouth Ogre》を《残響する真実/Echoing Truth》でバウンスし、2/5《四足マイア》で《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》をブロック宣言という対応。Remieは《喧嘩屋》を守るべく《希望の喪失/Lose Hope》をプレイ。戦闘後に《オーガ》が再召喚されてこのターンが終わる。

石田格は《上位の空護り/Advanced Hoverguard》でアタック宣言。ここでもダメージと共にデッキを掘り進め、戦闘後に「親和」デッキの中核戦力である《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を展開した。そして、さらにそこからの《浴びせかけ/Irradiate》が《錆口のオーガ/Rustmouth Ogre》を葬り去る。そう、このターンのアクションによって石田は地上戦線をも制圧してしまったのである。

それでもやはりアタックするしかないRemieの《巨大戦車/Juggernaut》は《マイアの処罰者/Myr Enforcer》で相打ちにとられてしまい、戦闘後に《オキシダのゴーレム/Oxidda Golem》をRemieはブロッカーとして召喚した。

もはや石田格は《上位の空護り/Advanced Hoverguard》だけでなく《四足マイア/Myr Quadropod》をもアタッカーにまわせるようになり、Remieは《オキシダのゴーレム》を《四足マイア/Myr Quadropod》のブロックによって失った。そして、万策尽きたRemieはここで投了したのだった。

回避能力と《記憶の仮面/Mask of Memory》という王道のシナジーがもたらした一勝だ。

石田 1-0 Remie

一方その頃、《大竜巻の精霊/Tornado Elemental》によって岡本尋がKamiel Cornelissenから1勝目を勝ち取ったところだった。しかし、池田剛はマナトラブルを起こしてしまったところを、的確に白いクリーチャーたちの速攻によってつけこまれてしまい、2-0での敗北を迎えてしまっていた。

Game 2

先手Remieは2ターン目に《先陣のマイア/Alpha Myr》、3ターン目にも《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》と好調な滑り出しで巻き返しを誓う。対して石田は《島/Island》、《島/Island》、《伝承の樹/Tree of Tales》とランドをならべるも3ターン目になっても何もできなかった。

Remieはここぞとアタックし、《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》を加える。そして石田は4ターン目にはじめてのノンランドパーマネントとして《四足マイア/Myr Quadropod》を召喚。しかし、もちろんそれでもRemieは3体でアタックを仕掛けてきた。そしてその戦闘で《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》を石田が《四足マイア/Myr Quadropod》でブロックしたところに《急速な衰微/Rapid Decay》が飛んでくる。しかし石田も《チス=ゴリアの鱗/Scale of Chiss-Goria》によってこの《四足マイア/Myr Quadropod》を死守。石田はさらに《迷惑エンジン/Nuisance Engine》を出してなんとかライフを守ろうという方向へとゲームを進める。

ここまでの攻防でライフは石田が10点、Remieは無傷の20点という状態だ。

ここでRemieは《金のマイア/Gold Myr》を加えるが、石田は《上位の空護り/Advanced Hoverguard》を、石田は1/4《四足》で2/2《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》を0/1トークンがチャンプブロックという流れを構築した。

Remieは続く攻撃陣として《巨大戦車/Juggernaut》を召喚してきたのだが、石田格は即座に《本質の吸収/Essence Drain》。ここで石田のライフが13に回復し、ほっと一息。

しかし、ここでRemieもすぐに《頭蓋囲い/Cranial Plating》を引き当て、これを《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》に装着してアタック。石田は《上位の空護り/Advanced Hoverguard》での相打ちによってライフをまもることになった。

続くターンに石田は《ウィザードの模造品/Wizard Replica》をプレイし、Remieは貴重な貴重な航空戦力である《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》を召喚。もちろん、この《コンドル》に《頭蓋囲い/Cranial Plating》が装備される。

しかし、石田もここでSunburst=3の《オパールの腕甲/Opaline Bracers》をプレイし、これを《ウィザードの模造品/Wizard Replica》にまとわせる。頼もしい4/6Flyerだ。Remieは《耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence》を置いてから《頭蓋囲い/Cranial Plating》を1/1《金のマイア/Gold Myr》にうつしかえ、2/1《先陣のマイア/Alpha Myr》と2体でアタック宣言。2/1マイアを石田の《四足マイア/Myr Quadropod》がブロックすると、インスタントスピードで《頭蓋囲い/Cranial Plating》がここに移動し、これが相打ちとなった。石田は《ヴィダルケンの黒幕/Vedalken Mastermind》を展開。

続くターン、今度は《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》に《頭蓋囲い/Cranial Plating》がうつり、呼び出したばかりの《炎歩スリス/Slith Firewalker》と《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》とでRemieはアタック宣言。石田はここでブロック宣言後に《頭蓋囲い/Cranial Plating》へと《残響する真実/Echoing Truth》を炸裂させ、一方的に《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》と《炎歩スリス/Slith Firewalker》を殺すことに成功した。そう、このコンバットトリックで制空権を掌握したのだ。

かくて、地上を固めて空で殴るという王道路線が確立。ここで石田は《電結の暴れ者/Arcbound Bruiser》を追加して地上を磐石としてからアタックを開始したのだった。

さらに石田は《物読み/Thoughtcast》で加速しつつ、3/3《電結の暴れ者/Arcbound Bruiser》も《ウィザードの模造品/Wizard Replica》とすぐにアタックへと繰り出すようになった。そう、《迷惑エンジン/Nuisance Engine》が延々とチャンプブロッカー候補生を生み出してくれる上に《黒幕》がアンタップしているからだ。この3/3《暴れ者》をRemieは《頭蓋囲い/Cranial Plating》つきマナマイアで相打ちにとるが、もちろん、これによって《ウィザードの模造品/Wizard Replica》が7/9というサイズに肥大化した。

そして、Jeroen Remieは最後の抵抗として《等時の王笏/Isochron Scepter》をキャストした。
このとき、Remieの残るハンドは1枚。

…ここで、石田は手をあげてジャッジに質問をぶつけた。

石田:これって、コピーされたスペルをカウンターできますよね?

ジャッジの回答はもちろん「Yes」。
そして石田の手札には《卑下/Condescend》。
かくて解決される《等時の王笏》。

…ここでJeroen Remieは実は刻印するスペルをもっていないことを明かし、右手を石田へとさしだした。手札は《山/Mountain》だったのだ。

石田 2-0 Remie

しかしながら、岡本尋が2-1でKamiel Cornelissenに敗北してしまい、石田格にとってはじめてのプロツアー・サンデーは準優勝という結果に終わった。

Final Results: Von Dutch is the 2004 Pro Tour Seattle Champion !!

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