Live Coverage of 2005 Pro Tour Nagoya

更新日 Event Coverage on 2005年 1月 27日

By Yusuke Yoshikawa

プレビューでも取り上げられた通り、フランス、オランダ、日本は現在のプロ・マジックにおける三大勢力といわれる国々である。

第1ロチェスター24番ポッド

この第24ポッドは、フランスのOlivier RuelとオランダのJelger Wiegersmaという強豪に、日本の大澤 拓也栗栖 崇が挑むという図式である。

ここでは、Ruel、Wiegersma、大澤に注目してドラフトを追うとともに、ロチェスタードラフトという競技形式のおさらいもしてみたい。

着席順は1番席に栗栖、3番席にWiegersma、続いて4番席に大澤、離れて7番席にRuelとなっている。

赤がキーとなった序盤

まずはドラフト序盤、情報が少ない中で自分の色を決めていく段階となる。この立ち位置によっては、同じパックでも大きな差が生まれる。よほど決め打ちをしているのでなければ、周りの様子も確認しながらドラフトを進めていくことになるだろう。

開幕パックは《山伏の炎/Yamabushi's Flame》、《血の儀式/Blood Rites》と優秀な赤のカードが目立つ。1番席の栗栖は《山伏の炎/Yamabushi's Flame》を選択し、Wiegersmaは1つ飛びの赤を避けて《影の舞い/Dance of Shadows》。大澤は誘導通りに《血の儀式/Blood Rites》、Ruelは《困窮/Distress》《かまどの神/Hearth Kami》で黒赤志向で様子見となった。

《花火破/Hanabi Blast》を譲って《古の法の神/Kami of Ancient Law》、《清められし者、せし郎/Seshiro the Anointed》を渡して《蛾乗りの侍/Mothrider Samurai》、と大澤―Wiegersmaが白黒―緑赤の協調ラインを築いていく中、Ruelは黒こそ弱めのカードで主張できるものの、上から赤を、下から白をかぶせられ厳しい状態に。

ならば、と確保し終わっている黒をあえて取らず赤と白に重点を置いたピックをしていくRuel。黒は手放さないようにしながら、2色目を浮かせた苦心のピックが続く。

一方順調に来ていたWiegersmaも、8パック目で上家に《汚れ/Befoul》をピックされて少し表情が曇る。だが流れてきた《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》《川の海神/River Kaijin》を見るなり、すぐさま青にシフト。ドラフト巧者ぶりがうかがえる。

我慢と望外の中盤

大まかな色が決まれば、そのデッキの方向性にあわせてカードを選択し、デッキを育てていく時間となる。色が同じでも必要なカードはデッキによって異なるため、経験と知識に基づいた構想が必要になる。

さて、我慢のピックを重ねていたRuelだが、8番席に《古の法の神/Kami of Ancient Law》を取られて白を断念。《氷河の光線/Glacial Ray》《かまどの神/Hearth Kami》で黒赤の道へ。

一方大澤は、《清められし者、せし郎/Seshiro the Anointed》との強力なシナジーを見込める《大蛇の孵卵器/Orochi Hatchery》を得るなど順調。Wiegersmaも、左右2人に同じ色がいない理想的な隊形を築く。

興味深い分岐点となったのは大澤の開封パック(通算13パック目)。《山伏の炎/Yamabushi's Flame》、《野太刀/No-Dachi》といったカードを横目に、大澤は《大蛇の野伏/Orochi Ranger》を手にした。クリーチャーの数が少なかったのと、重く強力なカードは既に確保できているとの判断だ。このパックでRuelは《真実を捻じ曲げるもの、逝斬/Seizan, Perverter of Truth》に加えて、思いがけない順目で《血に飢えた大峨/Bloodthirsty Ogre》を入手。思わず顔をほころばせる。その後も地味ながら戦える陣容はできてきたようだ。

デッキをまとめる終盤

残りパックも少なくなってくると、あとはデッキの微調整と(必要であれば)カットの時間となる。そのため、カード選択もここまでの流れと協調に従ったものとは違ってくる。むやみなカットはこの先のドラフトにも影響してくるが、6枚目以降で期待通りのものが手に入るとは思わないほうが良いだろう。

ここまでのデッキの構成上、軽量クリーチャーの確保が至上命題となった大澤は《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》と《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》で前者を選択。しかし、何故か両方入手できてしまい、これは嬉しい誤算。その他もマナ源や軽量クリーチャー中心の補充になった。

Wiegersmaも《手の檻/Cage of Hands》などの除去がないものの、《風見の本殿/Honden of Seeing Winds》などアドバンテージが取れそうなカードを中心に集め好印象。《沈黙の預言者、ウヨウ/Uyo, Silent Prophet》―《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》の贅沢な二択では前者を選んだ。侍は決して多くないため、あくまでムーンフォーク中心のアドバンテージデッキ志向か。

Wiegersmaの開封パックでは《山伏の長、熊野/Kumano, Master Yamabushi》が出現。これはカットされることなく大澤のもとへ。切り札十分、大いに楽しみなデッキになった。他方、Ruelも《氷河の光線/Glacial Ray》を重ね取りし、《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》で押し切れれば面白い。

ほぼ状態の固まったWiegersmaは確実に《強風の力/Gale Force》をカット、大澤は《せし郎の息子、そう介/Sosuke, Son of Seshiro》で《せし郎の娘、さ千/Sachi, Daughter of Seshiro》とあわせて一家勢ぞろい。Ruelも十分量の除去を抱えた。

最終パックで現れた2枚目の《山伏の長、熊野/Kumano, Master Yamabushi》は緑黒のはずの栗栖が入手。これはどう出るか。

Wiegersmaの立ち回りのソツのなさ、Ruelの生き残る工夫が存分に垣間見られた好ドラフトであった。ここに、強力なカードを揃えた大澤がどう挑むか、楽しみである。

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