Live Coverage of 2005 Pro Tour Nagoya

更新日 Event Coverage on 2005年 1月 28日

By Yusuke Yoshikawa

どこかで見た光景。

プロツアーシアトル王者、チームVon Dutchのイェルガー・ヴィーガーズマ

あの歓喜の神戸から、まだ1年も経っていない。その再現に向け走る黒田が相対するは、神戸2日目の緒戦と同じJelger Wiegersma。オランダの強豪プレイヤーである。

あの時は敗れてしまい、苦闘の土曜日を過ごすこととなった黒田。今日は強力な白青を携えて戦いに挑む。

Game 1

Wiegersma先攻、すぐさまキープの宣言を。

土地3枚だがやや重さを感じさせる初手に考えをめぐらせながら、静かにうなずいた黒田。
お互いに力強く土地を置いて、2日目のゲームがスタートする。ファーストアクションは黒田の《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》。Wiegersmaは黒赤だが、土地を並べ続けるだけで動きがない。なぜか黒田が《川の水神/River Kaijin》で先行する展開となった。

第6ターンまでストレートに土地を並べたWiegersmaは《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》をプレイ。ライブラリに手をかける…が、装備品は現れず、お互い笑みをもらす。これ折り込み済みか。

手札で《嵐の種父/Sire of the Storm》《伝承の語り部/Teller of Tales》がうなっているものの青マナが2つ用意できず、わずかに苦しい黒田であるが、《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》で耐える構え。一方、Wiegersmaは堰を切ったように《悪逆な大峨/Villainous Ogre》《血の信徒/Initiate of Blood》を追加した。

次のターン、《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》の連続攻撃が振り下ろされる。《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》のおかげでずいぶん減速してはいるが、さすがに馬鹿にもできない。《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》でチャンプブロックし、迎撃の準備を急ぐ。ここで《島/Island》ドロー。

《島/Island》が2枚そろったなら、お目覚めの時間だ。まず《嵐の種父/Sire of the Storm》を送り出し、Wiegersmaの《霊魂の奪取/Rend Spirit》は《祝福の息吹/Blessed Breath》でドローしつつ首尾よくかわす。《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》は止められず、3点×2のダメージをこうむる。

さらに《伝承の語り部/Teller of Tales》をも配備して万全に近づいた黒田だが、それを見やりながらWiegersmaは《悪逆な大峨/Villainous Ogre》だけで攻撃宣言。

手札には《砂の逆流/Reverse the Sands》、ライフは8、場には飛行クリーチャーが6点分だが、ここは残りマナも多いため万が一を考え《川の水神/River Kaijin》でブロック。ダメージ前に《消耗の渦/Consuming Vortex》で《血の信徒/Initiate of Blood》をタップ、《嵐の種父/Sire of the Storm》でドローと秘儀・スピリットトリックを存分に使う。

それに対し、あれだけ静かだったWiegersmaに何もないわけがない。《氷河の光線/Glacial Ray》が《嵐の種父/Sire of the Storm》に撃ち込まれ、《血の信徒/Initiate of Blood》の能力で退場。戦闘のほうは何事もなく解決される。《血の信徒/Initiate of Blood》は反転して《無法者の剛火/Goka the Unjust》に。

黒田は攻撃せず、《空民の学者/Soratami Savant》を出して終了。Wiegersmaは《汚れ/Befoul》をすぐさま撃ち込み、黒田は考慮しつつこれを墓地へ送る。続いて《悪逆な大峨/Villainous Ogre》で攻撃、マナの残りは2だ。

黒田のプランは固まっている。あとは確実にそれを実行すべく、慎重にかつ大胆にノーブロックを選択した。Wiegersmaは《かまどの神/Hearth Kami》を追加、フルタップに。
終了フェイズ、黒田が《平地/Plains》2枚に手をかける。

思い出す。
そういえば、あのときも。
マナバーンでライフを調節していたと。

もちろん、《砂の逆流/Reverse the Sands》が放たれ、予定通りの逆転劇がそこにあった。

黒田 –1 Wiegersma -0

Game 2

"Good Luck."と始まる第2ゲーム。しかしWiegersmaはマリガン、6枚からとなる。

黒田は《平地/Plains》のない初手だが、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を信じてスタート。第1ターンに設置し、第2ターンに見た未来には《平地/Plains》と《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》が。最高の形でWiegersmaを迎え撃てる。

さてWiegersmaは《鼠の浪人/Nezumi Ronin》がファーストアクション。これに2度殴られる黒田だが、《兜蛾/Kabuto Moth》がガッチリと場をガード。止まっているWiegersmaを尻目に、《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》が攻撃を開始する。Jelgerはしばらく黒単だったが程なく脱却し、《粗暴な詐欺師/Brutal Deceiver》などを展開。

ライフがお互い14となったところで、Wiegersmaに《呪われた浪人/Cursed Ronin》が登場。これで黒田の戦線はひとまずの膠着を見ることに。
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》の恩恵で《砂の逆流/Reverse the Sands》を発見するが、これは後の切り札に。《呪われた浪人》を一度は《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》でチャンプした上で、《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》という新たなクロックを追加する。手札のトリックを活かすべく、あくまで展開は慎重に。

再び《呪われた浪人》がやってくる。使用可能な黒マナは5つ、潜在サイズは7/7である。これを、《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》《川の水神/River Kaijin》の連隊で迎え撃つ。さらに、《狐の刃遣い》を《兜蛾/Kabuto Moth》で3/4(武士道で4/5)に。

適度に《呪われた浪人》をパンプアップして先制攻撃ダメージをやり過ごしたWiegersmaは、黒田をちらりと見やるともう一つ起動し、6/6に。残るマナは赤、黒だ。
《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》に1点、《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》に5点のダメージが割り振られるのを見届けると、黒田は落ち着いて最も効果的な対処を考え、《蝋燭の輝き/Candles' Glow》(→《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》)に連繋で《祝福の息吹/Blessed Breath》(→《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》)。落ち着いた切り返しで優位を保つ。

プロツアー神戸王者、黒田 正城

脅威が去ればあとは黒田の時間だ。《粗暴な詐欺師/Brutal Deceiver》でライブラリを確認するくらいしかすることのないWiegersmaに対し、2体に増えた《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》が文字通りクロックを刻んでくれる。

ほどなく、逆転の目無しと見たWiegersmaは静かに右手を差し出した。

《影の舞い/Dance of Shadows》《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》《山伏の炎/Yamabushi's Flame》を公開して、「14点分はあったんだけど」とはWiegersmaの言葉。しかし、黒田の手札の《消耗の渦/Consuming Vortex》《祝福の息吹/Blessed Breath》が、状況が磐石であったことを物語っていた。

黒田の快勝譜。

黒田 –2 Wiegersma –0

まだ道半ばを過ぎたばかりだが、今の黒田からは気合とも計算ともつかぬ、「勝てる」エネルギーを感じる。例えるなら、「オーラ」とでもいうべきものだろうか。
歓喜の再現を信じずにはいられない。

Masashiro Kuroda defeats Wiegersma Wiegersma.

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