Live Coverage of 2005 Pro Tour Nagoya

更新日 Event Coverage on 2005年 1月 29日

By Kenji Matsui

 本日のアナウンスで、これがビックイベントで行われる最後のロチェスタードラフトと明らかにされた。さまざまな思いを持ってデッキを作り終えたプレイヤー達は、ライトが燦然と輝くフィーチャーエリアに腰を下ろす。

Frank Karsten

 この記事ではオランダの英雄 Karsten と、マレーシアの若き知将 Soh の試合をお送りしようと思う。

 Frank Karstenは、今回のベスト 8 メンバーの中でも最多のプロツアー参加回数、実に 25 回目もの参戦数を誇るベテランプレイヤーである。

 大きな記録こそ立ててはいないが、グランプリベスト 8 入賞回数 8 回など、プロツアーの常連であり続けていた彼の実力は推して測るべきであろう。

 今回彼がドラフトに置いて気をつけていた点だが、彼自身のカード 1 枚 1 枚に対する評価順に、 2 択があれば評価が少しでも高いほうをピックと言ったスタンスをとってここまで上り詰めてきたようだ。つまり、点数表最優先というわけである。

 対する Soh は、昨年の世界選手権でベスト 8 に入ったところからスポットライトに当たり、世界の強豪プレイヤーとしての道を歩み始めたばかりの、若干 18 才。だが、そのドラフティング技術は若さを全く感じさせない、研ぎ澄まされた物を感じる。

 まず、彼の理論では「青と緑は弱いので取らない」と言い切る所からスタート。
 必ず白黒赤の 3 色(直接除去が絡む色)からドラフティングを開始するのが彼の流儀らしい。

 ベスト 8 インタビューの彼のコメントから抜粋すると、《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》は見た目以上に強いカードであり、レアドラゴンシリーズは思ったより弱いよ、とのこと。つまり、アドバンテージを明確に得られるカードは強く、クリーチャーは除去されてしまう以上どれも同じ、という彼らしいカード評価である。

 そんな彼らが作り上げたデッキは、 Karsten が白緑タッチ《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》で、 Soh が赤黒の「除去して殴る」デッキ。互いに自分の理論を信じてくみ上げたデッキを相棒にしている。

Game 1

 Karsten の 1 回のマリガンを経て、一本目が始まる。

 まずは Soh 、後手 2 ターン目に《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》を出し、返すターンに Karsten が《兜蛾/Kabuto Moth》を出せば、即座に《花火破/Hanabi Blast》でそれを除去。ランダムディスカードは《小走りの死神/Scuttling Death》。

 次なるカードをと、 Karsten は《古石の神/Kami of Old Stone》を出し、 Soh の《残酷な詐欺師》をブロック。ここで《残酷な詐欺師》の能力起動で《古石の神》と相打ちに。

 実にゆるやかなゲーム展開の中、次なるアタッカーとして Soh は《粗暴な詐欺師/Brutal Deceiver》を用意するも、これは Karsten の《手の檻/Cage of Hands》に捕らえられる。

 次は《悪逆な大峨/Villainous Ogre》をチョイスした Soh がこれを展開すれば、《手の檻》は《悪逆な大峨》へと移り、そのまま Karsten は《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》を場へ。

 除去して殴る黒赤デッキ。
 その名に恥じず Soh は《残酷な詐欺師》へ《食い込む疫病/Swallowing Plague》を打ち込み、攻勢をゆるめない。

 さて Karsten 。

 土地が順調に並び続けたおかげもあってか、《浄火明神/Myojin of Cleansing Fire》をキャストする事によって、やっと場の優位を保つことに。

 と、ここでライフを確認すると、Karsten 10 に対し、 Soh が 22 。

 圧倒的な差ではないが、Soh の手札には未だに《花火破》がある事も考えると、 Karsten は気を抜くことは出来ない。そしてKarsten のターンエンドを見て、考えを巡らせる Soh 。意を決したのか、《花火破》を Karsten の本体に向けて放つ事を選択し、 6 分の 1 でディスカードされたのは沼。続けてもう一度《花火破》を打ち込むと、またまた沼が墓地へ落ちる。

 Soh のターンへ移り、このターンのドローは山で、詐欺師でライブラリを確認すると、次のドローも山となっているようだ。仕方がないと、腹をくくって Soh はターンエンド。そして、次の Karsten のターンエンドを聞き、もう一度《花火破/Hanabi Blast》を打ち込む。 Soh のディスカードは山。なんと、これによって Karsten の残りライフは 4 となり、次のランダムディスカードをはずすと、 Karsten は敗北が濃厚だ。

 そのままターンは Soh に戻り、ドローすることによって手札は 5 。

 20% の確立に勝たなければいけない Karsten はディスカードするカードを決めるダイスを降る。そして、墓地に落ちてゆく沼を確認し、Soh がラストの《花火破》をヒラヒラさせると、投了を宣言した。

Karsten 0 - 1 Soh

Game 2

 続いて先手は Karsten 。

 2 ターン目に《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》を出し、3 ターン目には《木霊の手の内/Kodama's Reach》と、一気にマナベースを整える。

 その流れから 4 ターン目には Karsten の手に潜む《潮の星、京河》を放つ予定だったが、それを Soh は察知してか、即《花火破》にて《大蛇の支援者》を除去し、ディスカードは沼。

 緑の特徴を上手に生かした Karsten のデッキは Soh の妨害にもめげずに 4 ターン目は《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》と《今田の旗本/Konda's Hatamoto》とブロッカーを配備し、そのまま 5 ターン目には目的の《潮の星、京河》を場へ放つ。

 Karsten の動きを妨害しつつ、 Soh も《かまどの神/Hearth Kami》、《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》と並べ、《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》などのスピリットクリーチャーを出しては攻撃と動くが、 《狐の刃遣い》除去の為の《花火破》のランダムディスカードで、《花火破》事態が墓地へ行ってしまい、Soh の手札には土地が 3 枚だけが寂しく残り、全くどうしようもない状況へ。

 そして、《潮の星、京河》に 4 回殴りきられるまでの Soh のドローは全て土地であった。

Karsten 1 - 1 Soh

Game 3

 変わって先手は Soh 。

 先手 3 ターン目に《鼠の浪人/Nezumi Ronin》を出せば、対抗するように Karsten が《狐の刃遣い》を出し、それを乗り越えるかのように Soh が《火の咆哮の神》をプレイすると、Karsten は更なるブロッカーにと、《残酷な詐欺師》をキャスト。

 ここで Soh はおいしく先手の利を得て、マナフルタップな Karsten の《狐の刃遣い》に対して《食い込む疫病》を打ち込み、おまけに《火の咆哮の神》で《残酷な詐欺師》をブロック不可能にして攻撃を加える。

 《火の咆哮の神》がなかなかに邪魔な Karsten 。
 これ以上はダメージを食らうまいと《過酷な詐欺師/Harsh Deceiver》や《桜族の長老》を出し、ブロッカーにして耐える方法を選択。

 そこからは相打ち合戦。

 《小走りの死神》こそ《手の檻》で不能になるが、あとは出すものがどんどん相打ちとなり、Soh も《火の咆哮の神》までを失って、 Karsten が《古石の神》と《苔の神》を 2 連打した所から膠着が始まる。

 結構なライフを削られている Karsten はなかなか攻撃に移ることもできず、Soh は《悪忌の雪崩使い/Akki Avalanchers》などのクリーチャーを並べて行く。

 膠着状態が長引いたところで、Karsten のターンエンドに Soh は計算を始めて《小走りの死神》を生贄にささげ、《火の咆哮の神》を転生能力によって回収。
 そのまま《火の咆哮の神》を場へ出し、続けて《かまどの神》を出して《苔の神》をブロック不能とする。準備を十分に行って Soh は総攻撃。

 しっかり《悪忌の雪崩使い》の能力も使ってダメージを伸ばし、 Karsten のライフを 2 まで追い込むと、Karsten にとっては忌まわしきカード、《花火破》によって、3 本目を Soh がもぎ取った。
 
Karsten 1 - 2 Soh

Game 4

 4 本目。先手は Karsten に移るも、 Soh は美しいマナカーブを描いて展開。

 《悪忌の雪崩使い》、《残酷な詐欺師》、《粗暴な詐欺師》と連打し、勢いに乗せてゲームセットかと思ったところへ、 Karsten が《兜蛾》、《過酷な詐欺師》とがっちり地上を固めてしまう。

 こんな時に限ってと、言った感じの Soh は、まだまだ手札にクリーチャーが大量にあるにも関わらず、一番欲しい《火の咆哮の神》の姿は見えない。

 攻める事が出来ず、淡々と後続の地上クリーチャーを並べるに至る Soh 。

 そうこうしていると、 Karsten は《苔の神》と《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》と並べ、《苔の神》で攻撃を開始。Soh としても、《刻みを継ぐもの》と《兜蛾》の 2 枚のパンプアップカードをどうする事も出来ずに本体へ通す。

 だが、Soh の場のクリーチャーの数があまりに多く並びすぎ、返しの一撃を考えると危険なラインとなってしまい、《苔の神》は攻撃の手を止めて、再び膠着状態へ。

 互いに頭を抱え、この複雑な状況を前に考えを張り巡らせているが、それを打破するべく Soh が動く。

 4 点の《食い込む疫病》を《兜蛾》へ打ち、 Karsten の様子を伺うと、《刻みを継ぐもの》と、《兜蛾》自身の能力も使い、《兜蛾》は場に残る。この行動を受けて Karsten も、防戦一方ではダメだと思ったのか、《狐の刃遣い》と《苔の神》、《過酷な詐欺師》で再び攻撃を開始。

 ここでじっくり場を見つめた Soh は 1 つ罠を張ってみる。

 Karsten のライフが 9 で、Soh が 8 。
 Karsten の場には、《兜蛾》を含む多少のブロッカーを残してあり、返しのターンに Soh に総攻撃で負けないような配慮はされているが、Soh 側には大量のクリーチャーと《希望の盗人/Thief of Hope》と《霜投げ/Frostwielder》がいる。この 2 体がいつ悪さをしでかすかと、Karsten は気が気でないはずだ。

 このような状況で Soh が選んだ行動は、《狐の刃遣い》をチャンプブロックし、《苔の神》と《過酷な詐欺師》をスルーすると言うものだった。
 
 Soh のライフは 8 で、《苔の神》は 5/5 、《過酷な詐欺師》は 1/4 だが能力起動で 2/5 となる。少しでもブロッカーが欲しい状況で《過酷な詐欺師》が攻撃に参加すると言う事は、確実に 2/5 になるであろう。そこへ《兜蛾》の存在があり、《兜蛾》の能力までつかえば、ちょうど Soh のライフに届いてしまう計算だ。

 ただ、先ほどいったように《希望の盗人》などがおり、 Soh の土地も 2 枚アンタップ状態。はたして、ここで何が起こるのであろうか。ここで《兜蛾》の能力を攻撃に使い、何かの間違いでライフを 1 点でも回復されてしまうと、返すターンの総攻撃で、Karsten はゲームセットとなってしまう。

 Karsten 本人にはこの状況をどう捉えているのだろうか。
 この Soh の行動はかなり怪しくあり、踏み込んではいけないと、 Karsten を一度は踏みとどまる。だが、これほど Karsten が悩んで躊躇するのは、 Karsten も手札に自信ないのだろうか。

Terry Soh

 長い苦悩の末、ここでアクセルを思い切り踏み込んで《過酷な詐欺師》を 2/5 とし、《兜蛾》の能力を《苔の神》に使用。ダメージをスタックに積む。

 このままダメージを解決すればSoh のライフは 0 となって 5 本目にもつれ込む事になるのだが、残念ながら 5 本目は訪れない。

 まず Soh は《魂無き蘇生/Soulless Revival》で墓地にあった《かまどの神》を拾い上げて、《希望の盗人》で 1 点ドレイン。Soh は負けを免れ、Karsten はターンエンドを宣言すると、Soh は Karsten の本体へ《霜投げ》で 1 点。

 カードをドローし、 Soh はメインステップを迎える。《かまどの神》を出して 1 点ドレイン、《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》を出して 1 点ドレイン。その上で Soh は《霜投げ》を残して総攻撃。

 ここでクリーチャーのブロック宣言を行う Karsten だが、 2 体をブロックしきれず 4 点が通ってしまい、最後に《霜投げ/Frostwielder》の一撃が勝敗を決してしまったのだった。

Final Results : Karsten 1 - 3 Soh

Terry Soh

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Frank Karsten

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