Round 1: 森田 雅彦(大阪) vs. 鍛冶 友浩(埼玉)

更新日 Event Coverage on 2006年 10月 19日

By Yusuke Yoshikawa

鍛冶(左) vs. 森田(右)

もはや若手と呼ぶべくもない。日本を代表するプレイヤーが、早くも激突する第1回戦となった。

「もっと遅いラウンドで当たったんならねえ…」「ちょっとねえ」

言葉を交わす森田と鍛冶。彼らはドラフトで隣同士に配置されている。森田がいわゆる「上家」、ドラフトではやや優位にある立場なので、デッキの情報に関しても森田の情報量の方が多いことが想定される。

さあ、まずは彼らのデッキとカードに注目しよう。

Game 1

ダイスロールで森田先攻。

森田が《島/Island》、鍛冶が《平地/Plains》を並べる立ち上がりから、ファーストアクションは鍛冶の《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》。森田も《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》で追随する。

鍛冶が攻撃後《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》をプレイして、まずは対応を窺う。森田は少考して、これを《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》の能力で打ち消した。

続く森田の《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》は《絞殺の煤/Strangling Soot》で即応する鍛冶だが、4枚目の土地を置けない。森田は《入念な考慮/Careful Consideration》で手札を増やし、《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》を待機させる。

騎士の後光を背に、一気に押し切ってしまいたい鍛冶だが土地が伸びず、ここは《彩色の星/Chromatic Star》《アムローの偵察兵/Amrou Scout》を追加するのみ。

森田は《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》を出しつつ《時間の渦/Temporal Eddy》で《聖なる後光の騎士》をライブラリトップに追いやり、白青デッキらしく耐えて時間を稼げばこっちのもの、といった様子。

鍛冶が《彩色の星》を使っても土地を引けず、《聖なる後光の騎士》を再プレイするにとどまると、森田は《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》で初めて反撃に出たのち、「変異」を2体、場に送り込む。鍛冶が《アヴナントの癒し手/D'Avenant Healer》を出してターンを返すと、さらに「変異」が1体。

「オンスロート」のときをご存知の方はお分かりと思うが、「変異」は単純な盤面も複雑な、確率的なものに変えてしまう。「時のらせん」に収録されている「変異」クリーチャーの数は当時に比べれば限定的なものの、いわゆる「何択」を強いられることには変わりはない。今回のように、複数体並べばなおさらである。

鍛冶は《茨の騎士ティヴァダール/Tivadar of Thorn》を出すが、ここから、森田がその「変異」を駆使し場の制圧にかかる。

まずは、青マナを2つ出しつつ《島/Island》を2枚戻し、《水深の予見者/Fathom Seer》で2枚引く。引いた《ちらつくスピリット/Flickering Spirit》を出して、ターンを返す。
鍛冶が攻撃できずにターン終了を宣言すると、おもむろに2枚目の《巣立つ大口獣》が目覚めて《アムローの偵察兵/Amrou Scout》を狙撃する。

これは《アヴナントの癒し手》でかわされ、《巣立つ大口獣》こそ《絞殺の煤》で除去されるが、守りが手薄になった隙に《ヴィセリッドの深み歩き》《ちらつくスピリット》《ベナリアの騎兵》が攻撃に転じる。

とどめには、攻撃後《流水の海蛇/Slipstream Serpent》が表になり、さらに《ヴェズーヴァの多相の戦士》がこれをコピー。

Vesuvan Shapeshifter

見えぬところから重い一撃を与えられ、鍛冶は次のゲームに頭を切り替えた。

森田 –1 鍛冶 –0

Game 2

切り替わって鍛冶先攻。《象牙の巨人/Ivory Giant》を待機させつつ、第3ターンに《茨の騎士ティヴァダール/Tivadar of Thorn》という発進となった。これに、森田は《水深の予見者/Fathom Seer》を表で出しつつ《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker》を待機させて応じる。

しかし、ここから鍛冶は《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》を2連打。余剰のマナがないうちは非常に止めにくいこのクリーチャーを主力に攻め立てる。

この間に《トレイリアの歩哨/Tolarian Sentinel》を用意した森田は、待機の切れる《象牙の巨人/Ivory Giant》を目にしつつ《城の猛禽/Castle Raptors》を配備。

鍛冶は考えつつ、これを《正義の凝視/Gaze of Justice》で除去して、待機を終えた《象牙の巨人/Ivory Giant》がレッドゾーンを駆ける。森田は変異を場へ。

鍛冶 友浩

鍛冶は《象牙の巨人》《聖なる後光の騎士》2体で攻撃、《象牙の巨人》が変異と《水深の予見者》でブロックされ、この変異が《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》(《象牙の巨人》をコピー)であることが明らかになって《象牙の巨人》と《水深の予見者/Fathom Seer》の交換になった。サイドインした《極楽の羽飾り/Paradise Plume》がプレイされ、鍛冶の宣言は「赤」。

耐える森田はまたしても変異を場に。鍛冶は《極楽の羽飾り》で5マナに到達したので、ここで《城の猛禽》を。

森田は変異クリーチャーに手をかけると《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》を表にし、場の掌握を図るがこれは《絞殺の煤/Strangling Soot》が飛んでくる。つまり、先ほどの《極楽の羽飾り》宣言「赤」はこのフラッシュバックのためであったのだ。

《ヴェズーヴァの多相の戦士》が裏向きを経て《城の猛禽》をコピーし、攻撃を押しとどめつつある森田。鍛冶は《ヴェク追われの盲信者/Zealot il-Vec》を出しつつ《正義の凝視/Gaze of Justice》で場に残っていた変異を取り除く。これは《流水の海蛇/Slipstream Serpent》であった。

守りは堅くなってきたものの、森田はライフに余裕がなく攻撃に転じられない。《入念な考慮/Careful Consideration》で引き増して策を練るが間に合うか。

《ヴェク追われの侵入者》が攻撃して森田のライフはとうとう3。鍛冶は《疾風衣の騎兵/Gustcloak Cavalier》を追加。

森田は《コーの先導/Outrider en-Kor》を出しつつ変異も並べて耐える。鍛冶はその《コーの先導》を《絞殺の煤》フラッシュバックで除去しつつ、《疾風衣の騎兵》で《城の猛禽》となった《ヴェズーヴァの多相の戦士》を寝かせ、自らの《城の猛禽》のみで攻撃するが、これには《時間の孤立/Temporal Isolation》が。

ちなみに、このとき鍛冶には前述の《聖なる後光の騎士》2体が場にいたが、攻撃しなかった。森田に(《聖なる後光の騎士》を破壊するための)2マナはなく、ここは自爆覚悟での攻撃も問題ないかと思われたが、「第1ゲームでライフを急激に持っていかれて負けたので、一応自分のライフを維持する目的で残した」との考えが鍛冶にはあったという。

森田は《ヴェズーヴァの多相の戦士》を変異に戻しながら待ち受ける。次こそは《聖なる後光の騎士》込みでの総攻撃で襲いかかる鍛冶だが、変異を《巣立つ大口獣》、さらに《ヴェズーヴァの多相の戦士》で《巣立つ大口獣》をコピーして「ダブル砲台」をつくり、《疾風衣の騎兵》を打ち落として耐え切ろうとするが、結局のところ《聖なる後光の騎士》は全てチャンプ・ブロックとなってしまう。

最後には、《彩色の星/Chromatic Star》起動から《突然の死/Sudden Death》を引き当て、《巣立つ大口獣》に叩き込んでみせた鍛冶に軍配が上がった。

この時点で残り6分。

森田 –1 鍛冶 -1

Game 3

森田 雅彦

この時点での引き分けはあまり望ましくない2人は、大急ぎで第3ゲームへ。

森田が先攻第2ターン《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》待機、鍛冶も《彩色の星/Chromatic Star》から《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》で応じるという両者とも理想の立ち上がりである。

ここから、森田が《コーの先導/Outrider en-Kor》《城の猛禽/Castle Raptors》、鍛冶は《絞殺の煤/Strangling Soot》(対象は《トゲ尾の仔ドレイク》)《アヴナントの癒し手/D'Avenant Healer》《騎兵戦の達人/Cavalry Master》という応酬が猛烈な速さで続く。第1、第2ゲームで見せたような緻密な読みもさすがだが、「10秒将棋」ならぬ「5秒マジック」に見られるような回転の速さもまた、彼らの非凡さを表しているのだと思う。

さて勝負の方はというと、《入念な考慮》で弾丸を補充し《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》《遍歴のカゲロウ獣》で殴りかかる森田が攻勢を取り、逆に鍛冶が受けに回る展開が続く。

しかし、受けきるにはマナ基盤がやや不十分だった鍛冶に対し、森田が物量とバウンスで押し切る感じで展開が傾いていった。

これは森田の勝ちか、と思われたその瞬間、無情にもタイムアップのブザー。裏を返せば、鍛冶がよく残したともいえるゲームで、互いに勝ち点1の痛み分けスタートとなった。

このゲームでは決着はつかなかったが、より高いレベルでの再戦を期待しよう。

Draw Game

Morita Masahiko

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Kaji Tomohiro

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