Round 11: 射場本 正巳(東京) vs. Mark Herberholz(アメリカ)

更新日 Event Coverage on 2006年 10月 20日

By Koichiro Maki

射場本 正巳

大多数の人は知らないと思うが、日本ではじめてブレイクしたリミテッドプレイヤーが、この射場本である。97年10月に行われたプロツアーマインツで射場本は初日を全勝し、二日目は若干調子を崩したものの18位という当時の日本としては大殊勲な成績を残している。ちなみに、このときのフォーマットはテンペスト×3のロチェスタードラフト。シャドーがぶんぶんぶぶんと走り回っていた環境だ。

対して、Mark は今季のプロツアーハワイ王者。今年度のプレイヤー・オブ・ジ・イヤーでも相当いいポジションに付けているアメリカの猛者だ。神戸の成績では現在トップの八十岡をぶっちぎることも十分あり得るわけで、関係者は心中穏やかではないはずだ。

Game 1

まずは射場本が《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》を何故かメインで。Markはいぶかしみながらもこれを《ゴブリンの空切り/Goblin Skycutter》で撃墜するが、少し合点がいかない様子。そりゃそうだ。《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》は瞬速を持っているので、メインで召喚する必要はない。だとしたら、そこには何か意図があるはずだ。

射場本は変異を《絞殺の煤/Strangling Soot》されると、次に《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を。これに対して、Mark は《マナを間引くもの/Mana Skimmer》を。もし射場本が何かしらコンバットトリックを持っているなら、これを通すかもしれないが、どうなの? とMark はカードで尋ねているわけだ。少し悩んでから、射場本は《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》の能力により相打ちを強制する。

《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra》と《ヴェンセールのスリヴァー/Venser's Sliver》。二人が召喚した同じ5マナアーティファクトながら異なる能力を持った2体が睨みあう。そこに、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》と《マナを間引くもの/Mana Skimmer》が射場本の側に、逆にMark の側には《基底スリヴァー/Basal Sliver》と、《霊炎スリヴァー/Ghostflame Sliver》が。スリヴァーなのでそれぞれ能力は共有しているわけだが、だからといってこれでは何も起こらない。

さらに射場本は《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》を追加し、Mark は《吸血スリヴァー/Vampiric Sliver》を。これにより、Mark のスリヴァー軍団も少し活気づいてきたものの、射場本がネジを巻き続ける《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra》を乗り越えるにはいたらない。そして、地上で停滞が続く間に、射場本は飛行とシャドーによるダメージを重ねていく。Mark のライフは残り10。

だが、ここでようやくMark にも光明が。古き力を引き継いだ《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》の登場! 強さを増し再生を得たスリヴァー軍団が全軍突撃し、射場本のライフを一気に20から10へと減らす。

が、打開策の登場は1ターン遅かった。射場本は全軍を突入させ、《機械仕掛けのハイドラ/Clockwork Hydra》が《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》によってブロックされたのを確認すると、先に出しておいた変異を表に。それは、6/6の《流水の海蛇/Slipstream Serpent》。

1ターン早く、射場本がゴールを駆け抜けたのだった。

射場本 1 – Mark 0

射場本 正巳

Game 2

再びさい先良く射場本は《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》から。だが、今回はMark も負けてはいない。3ターン目には颯爽と《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》を。更にMark は射場本の後続《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》を《絞殺の煤/Strangling Soot》で軽くいなす。これでダメージレース上では1対3、だがカード的にはコーの分だけ射場本が有利だが、既に《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》が出てきてしまった以上、今後の道のりはかなり危険なのは間違いない。

射場本は、何もせずターンを渡すと、Mark が攻撃したところで《フォライアスの介入者/Foriysian Interceptor》を瞬速で出すと《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》をがっちりキャッチ。さすがにタフネス5の壁は固く《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》でも貫通はできない。しかし、ならばとMark は《燃焼/Conflagrate》で《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》を焦がす。

そしてここからは、Mark のワンマンショー。なんと、2体目の《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》を出すと、射場本が必死の思いで出した《ヘイヴンウッドのワーム/Havenwood Wurm》に対して、《燃焼/Conflagrate》のフラッシュバックで《フォライアスの介入者/Foriysian Interceptor》を殺しつつ、そのコストとして捨てた《闇の萎縮/Dark Withering》のマッドネスによってあっさり昇天させる。

こうなってしまっては、射場本も笑顔で「ひぃー」と叫ぶのが精一杯。なんとか《熟慮/Think Twice》を必死に3枚使い切って答えを探すのだが…

射場本 1 – Mark 1

Game 3

このゲームでは先に動いたのはやっぱり射場本。3ターン目に変異を出すと4ターン目には2/2黒飛行を。だが、ここにまたもやMark のゴージャス殺法が突き刺さる。《稲妻の斧/Lightning Axe》を《マナを間引くもの/Mana Skimmer》に使用すると、そこで捨てたカードがまたまた《闇の萎縮/Dark Withering》! 勿論これがマッドネスで使用され、射場本の変異に突き刺さる。

Looter il-Kor

ここからしばらく除去合戦が続く。事態が動いたのは、射場本の《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》が攻撃した後だった。

コーの能力でようやく2枚目の沼を引き当てた射場本は、初手から抱えていた《消えない賛歌/Haunting Hymn》をMark の延髄に叩き込む。Mark の手に残されていた最後のお守りである《虚空/Void》が2枚の土地と共に墓地へと落ちていく。

だが、Mark もさすがはハワイの覇者である。手札0の状態で引いたカードがあっさり《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》という強運を見せつけ、ゲームの行方を混沌とさせ、更に引いてきた《死せざる怒り/Undying Rage》を装着させようとする。

こりゃ堪らん。射場本は《熟慮/Think Twice》をフラッシュバックし、何か回答を探す。と、さすがは射場本も古豪と呼ばれた男、山札トップに隠されていた《呪文の噴出/Spell Burst》を引き当てると、全力却下!

射場本の場には《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》と《トゲ尾の仔ドレイク/Spiketail Drakeling》、Mark の場には《菅草スリヴァー/Sedge Sliver》という状況ですれ違いのダメージレースがスタート。

だが、射場本はコーによってカードを補給し続けるのに対して、Mark はナチュラルなドローのみ。じりじりと差が開いてく。

射場本が、《永遠の罠/Eternity Snare》と《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》で状況をコントロールし終えると、Mark は右手を差し出すほかなかった。

射場本 2 – Mark 0

最後に、気になったのでシャバ(射場本)に聞いてみた。

筆者 「さっきの試合でもそうだったけど、なんで《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》メインに召喚してるの?」

シャバ 「お、そうじゃん!」

あるある。

Mark Herberholz

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Masami Ibamoto

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