Round 14: 鈴木 貴大(東京) vs. Brian Hegstad

更新日 Event Coverage on 2006年 10月 21日

By Koichiro Maki

Brian Hegstad

もはや余裕無し。斎藤の九連勝をはじめ、最初こそ景気の良かった日本勢だが、いつのまにやら負けが込みはじめ、気がつけば最前線にいる全員がもはや一切の余裕なし。残り二戦を勝ち勝ち縛りという有様だ。鈴木もそんなプレイヤーの一人。既に三敗を喫しており、とにかく勝たなければ明日には繋がらない。

対するHegstad だが、おそらく大多数の読者は彼の名前を知らないのではないだろうか? 彼は00~02年頃に最も活躍したプレイヤーで複数のグランプリでトップ8入りを果たしている。

Game 1

後手の鈴木が《アイケイシアの触れ役/Icatian Crier》を召喚するところからスタート。

先手のHegstad だが、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》二枚の連打という滑り出し。おかげでマナ基盤には全く何の問題もないのだが、展開では少し出遅れる形となってしまった。逆に、後手の鈴木は、《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》から《コーの先導/Outrider en-Kor》と完全な流れ。しかも、この《コーの先導/Outrider en-Kor》がHegstad の最初に召喚した《アムローの求道者/Amrou Seekers》を完全に封じ込んでいる。

地上には未来がないHegstad 、《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》を召喚し活路を空中に求める。だが、それも僅か5秒で終わった。鈴木が出した《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver》と《アムローの偵察兵/Amrou Scout》の合わせ技を見てしまっては、もはや明るい未来は見えません。

Hegstad "Strong…"

ぼそりと呟き、そそくさとシャッフルを開始。

鈴木 1 – Hegstad 0

鈴木 貴大

Game 2

鈴木がいきなり正念場を迎える。Hegstad がキープした後に手札を確認すると、そこには《古きクローサの力/Might of Old Krosa》が2枚に、《時間の孤立/Temporal Isolation》が1枚、で残りは全て土地と未来予想図が描けないカード達。鈴木は残念そうにマリガンを選択すると、新たな6枚に夢をかける。

うん、悪くない。こうして第二ゲームがスタート。

ファーストアクションはまたもや鈴木。《遍歴の宿命語り/Errant Doomsayers》を召喚し、Hegstadが召喚した《騎兵戦の達人/Cavalry Master》には《時間の孤立/Temporal Isolation》を装着とマリガンを感じさせない展開。ただし、場には若干の不安要素も。

それは非常にかすかな部分であり、おそらく決して問題にはならないのだろうが頭の隅っこに少しひっかかったので一応記しておく。それは、マナの残し方だ。

鈴木はこの時《平地/Plains》x3《森/Forest》x1という状況で平地と森をタップして《時間の孤立/Temporal Isolation》を使用した。だが、白緑というデッキの特性上、トリックの多くは巨大化系呪文なのは明白。だったら残すマナは平地2枚じゃなく平地と森になるべきだ。手札にあろうとなかろうとも。それとも、敢えてそこで持っていないらしいという意識を相手に植え付けておきたかったのだろうか。

その後、感じた不安とは全くの無関係であるが、微妙に不ヅキな展開が鈴木を待っていた。まずは、スリヴァーの罠だ。手札に《増力スリヴァー/Might Sliver》を抱えているのだが、Hegstadに先に《ヴェンセールのスリヴァー/Venser's Sliver》を出されてしまい、出すに出せない状況になってしまう。なにしろ、出してしまえば相手の《ヴェンセールのスリヴァー/Venser's Sliver》がでかくなってしまうからだ。そんな鈴木の不運を知らないHegstad は気にせず《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver》を追加。

そして、その後の鈴木を襲ったのは、驚異的な土地引き地獄。引けども引けども土地ばかり…。

鈴木 1 – Hegstad 1

Game 3

互いに元気よく初手をキープ。まずは鈴木が《アムローの求道者/Amrou Seekers》を召喚し、Hegstad は《コーの先導/Outrider en-Kor》という流れ。単純にここまでで考えると、Hegstad が一点先取だ。

鈴木は4マナ目を置いたところで《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver》を召喚。だが平地x3森x1という場から再び平地と森を使用しての召喚だ。Hegstad はここで《精油スリヴァー/Essence Sliver》を投入。《精油スリヴァー/Essence Sliver》+《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver》の組み合わせにより、仮に何か2/2で攻撃しようと1点を打たれ1点を回復される場になってしまった。今後のゲーム展開が大きくスローダウンすることが予測される。そして、今後投入されるスリヴァーの数次第では、一方的な展開になることすらも。

鈴木もここで《コーの先導/Outrider en-Kor》を追加。今度は平地と森を残した。

Hegstad、《雷のトーテム像/Thunder Totem》をセットし、《コーの先導/Outrider en-Kor》で攻撃。ここで、鈴木は《コーの先導/Outrider en-Kor》によるブロックを宣言。

状況を整理しよう。

Hegstad
・《精油スリヴァー/Essence Sliver
・《コーの先導/Outrider en-Kor》(攻撃中)
・《雷のトーテム像/Thunder Totem
残りマナ:平地、島

鈴木
・《コーの先導/Outrider en-Kor》(ブロック中)
・《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver
・《アムローの求道者/Amrou Seekers》(タップ)
残りマナ:平地、森

このままだと《精油スリヴァー/Essence Sliver》が一点撃つことにより、鈴木の《コーの先導/Outrider en-Kor》は全員が生き残るようにダメージを割り振ることが不可能になる。なので、鈴木は何かアクションをするはずだ。

Thrill of the Hunt

鈴木が選んだオプションは《狩りの興奮/Thrill of the Hunt》の表裏。これにより、今度は逆にHegstadが何かしなければならなくなった。そこで、Hegstad は《補強/Fortify》を使用。これにより呪文が相殺する形になったのでこの戦闘は何事もなく終わった。互いに《羽軸スリヴァー/Quilled Sliver》の能力を使用しライフを1点ずつ増やす。鈴木19、Hegstad17。

鈴木はここを狙っていた。相手クリーチャーが全てタップする瞬間を。《増力スリヴァー/Might Sliver》を出すと、総攻撃で一気に7点のダメージを叩き出す。鈴木22、Hegstad 10。

だが、ターンが経過しクリーチャーがアンタップしてしまえば、再びうかつには動けない場に戻ってしまう。互いに攻撃を出来ぬまま、Hegstadは《騎兵戦の達人/Cavalry Master》を、鈴木は《ちらつくスピリット/Flickering Spirit》を。

そして、Hegstadが《アヴナントの癒し手/D'Avenant Healer》を追加したことで、更に事態は混迷を増していく。これ、何かまだ殴れるクリーチャーがいるのだろうか? 

先に、決め手を引いたのはHegstadだった。三体の白クリーチャーをタップすると《正義の凝視/Gaze of Justice》でおもむろに鈴木の《コーの先導/Outrider en-Kor》をゲーム外へと送り込む。これで、無敵の壁が消えた。そして、少し先の未来では確実にフラッシュバックが待ち構えている。

しかも、少しちっぽけな不運も鈴木を直撃。このエンドに相手の《騎兵戦の達人/Cavalry Master》に《時間の孤立/Temporal Isolation》を付けたのだが、次のドローがなんと《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》だ。場にあるエンチャントは当然の如く《時間の孤立/Temporal Isolation》のみ… 出すに出せない状況となってしまった。

もはや時間の猶予無し。鈴木は意を決し、《アムローの求道者/Amrou Seekers》以外での全軍突撃を敢行する。Hegstad が《戸惑い/Bewilder》を使うも、鈴木も《古きクローサの力/Might of Old Krosa》を使用。これで《増力スリヴァー/Might Sliver》と《精油スリヴァー/Essence Sliver》の2体が去り、場的にはHegstad が有利な状況となる。ただし、ここまでの攻防でHegstad のライフも半減しているので、チャンスが無いわけじゃない。

そして数ターンが経過した。鈴木は非常にか細い道ではあったが、なんとか上手く状況をコントロールし、相手の飛行クリーチャーが全てタップする状況を作りあげた。

ワンチャンス、成就せず

相手が《雷のトーテム像/Thunder Totem》を起動するために必要なマナを使い切った瞬間鈴木は叫んだ。

「ワンチャンスキター!!」

そう、確かに僅かではあるが勝機が見えたのだ。相手のライフは残り6。相手に飛行クリーチャーはいないので《ちらつくスピリット/Flickering Spirit》の攻撃は必ず通る。墓地にはフラッシュバック可能な《狩りの興奮/Thrill of the Hunt》が一枚。山札の中には《古きクローサの力/Might of Old Krosa》が眠っているはずであり、それさえ引ければ! 次のターンになれば確実に相手の軍勢は鈴木の残りライフを奪い取る。だが、相手は勝ちに急ぐあまり、ブロッカーを一体残すのを怠ったのだ。

ここで引ければ! これまで耐えに耐えた鈴木は、力強く叩き付けるかのようにカードを引いた。

だが、それは土地だった。

鈴木 1 – Hegstad 2

Takahiro Suzuki

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Brian Hegstad

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