Round 3: 石田 格(東京) vs. Mark Herberholz(アメリカ)

更新日 Event Coverage on 2006年 10月 20日

By Yusuke Yoshikawa

10年選手である。

今大会では「帰ってきた」プレイヤーも多い、ということは先に述べられているとおりであるが、その中にあって石田 格(東京)は、常にトッププレイヤーであり続けている稀有な存在である。

読者諸氏におかれては、90年代、インベイジョン前後、あるいはごく最近など、マジックをはじめた時期は様々であろう。さらに言えば、マジックがどんなゲームであるかも、人によって異なるはずだ。だがその中にあって、「石田 格はトッププレイヤーである」という認識だけはおそらく共通しているに違いない。

そのことは、彼がこのゲームに残してきた足跡の大きさを示しているのだと思う。もちろん、2連勝でスタートした今大会でも、大いに期待される存在である。今回は彼のマッチの模様をお送りしたい。

対するMark Herberholzはアメリカのプレイヤー。今年3月にプロツアー・ホノルルを制しているが、一般的には、まだ新鋭であるという評価になるだろう。しかし、彼のような存在はこれからのアメリカ、ひいては世界のマジック・シーンをつくり上げていく柱になっていくはずだ。

日本の古豪vsアメリカの新星。一昔前では考えられなかった構図で、今静かな戦いが始まる。デッキは石田が黒赤、Herberholzが白青である。

Game 1

先攻の石田が《双頭スリヴァー/Two-Headed Sliver》、後手のHerberholzが《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》の立ち上がりとなった。

速いテンポを予感するオープニングではあったが、Herberholzのプレイした変異(《水深の予見者/Fathom Seer》)に《絞殺の煤/Strangling Soot》しつつ、石田の手から現れたのは《スークアタの槍騎兵/Suq'Ata Lancer》!

Suq'Ata Lancer

オールドライクなビートダウンをしつつ、ここから石田が除去を連打する展開になっていった。つまり、《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》に《暗殺/Assassinate》、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》には《ベラドンナの暗殺者/Nightshade Assassin》。これは《一瞬の瞬き/Momentary Blink》でかわされるものの、攻撃はとどまらない。

Herberholzも《セラの報復者/Serra Avenger》、変異と出して守りを固める。しかし、2枚目の《絞殺の煤》が《セラの報復者》に降りかかり、これも最後の手札から《一瞬の瞬き/Momentary Blink》でよけられるが、これは《スークアタの槍騎兵》との相打ちブロックに消えることとなった。

そして石田の手札からは《オーグ/Orgg》が登場。墓地には2枚の《絞殺の煤》、もちろん6マナが揃う。終演は近いかに見えた。

しかしHerberholzもさるもの、《ダスクライダーの大隼/Duskrider Peregrine》を引き当てて、「パワー3以上のクリーチャーがいると殴れない」《オーグ》への守りを取ると、《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》を利して手札を入れ替えつつ、《アムローの求道者/Amrou Seekers》を追加して攻撃に転ずる。

減速から加速、石田のリズムはHerberholzにいいように書き換えられていく。

石田は大量の除去を持つものの、それに対しプロテクション(黒)の《ダスクライダーの大隼》はまさに最終兵器。それだけならばまだよかったが、続いてHerberholzがトップデッキしたのは《象牙の巨人/Ivory Giant》!

これにて攻守が逆転。石田は怪しげな変異に《絞殺の煤》をフラッシュバックしてみるも、これが《一瞬の瞬き/Momentary Blink》してみると《雨ざらしのボディガード/Weathered Bodyguards》。後一押しに見えるが、除去せねばならぬものが多くて苦しい。

その後は粘るもののチャンスがつかめないまま、最後は《象牙の巨人》が《一瞬の瞬き》したためブロッカーを失い、投了となった。

石田 –0 Herberholz –1

Game 2

除去デッキの石田に対し、受けるデッキのHerberholzという構図が明確になったところで第2ゲーム。

ふたたび先手の石田は《精神攪乱/Mindstab》を待機させる好スタート。枷をはめられた格好のHerberholzだが《象牙の巨人/Ivory Giant》をこちらも待機。

石田の《霊炎スリヴァー/Ghostflame Sliver》に対し、Herberholzは《珊瑚のペテン師/Coral Trickster》を表で出して相打ちの構えだが、ここにテンポよく《双頭スリヴァー/Two-Headed Sliver》で攻撃を続行する石田。

Herberholzは《アムローの求道者/Amrou Seekers》を出して、石田は《ヴェク追われの侵入者/Trespasser il-Vec》と応える。Herberholzは《入念な考慮/Careful Consideration》でドロー、《一瞬の瞬き/Momentary Blink》《熟慮/Think Twice》を捨て、そのまま攻撃せずターンを返した。

石田のターン、待機の解けた《精神攪乱》で捨てられたのは土地2枚に《城の猛禽/Castle Raptors》。最善のカードを残して待ち受けるHerberholzは、石田の攻撃を《双頭スリヴァー》を2体で迎え撃つ形でブロックし、今後のブロックの組み立てを楽にした。

そこで石田は考慮の後、《アーボーグの邪眼/Evil Eye of Urborg》を場に送り出す。非常に強力なクリーチャーだが、総攻撃が利かなくなるため諸刃の剣ではある。

Herberholzは《夢で忍び寄るもの/Dream Stalker》《ベナリアの騎兵/Benalish Cavalry》とプレイ、単騎で攻撃してきた《アーボーグの邪眼》は《夢で忍び寄るもの》でチャンプブロックとさばいてくる。

これで得た時間を利して、アップキープに《象牙の巨人》が待機からプレイされる。これを含めて総攻撃が行われ、石田のライフが一気に動きだす。

そして石田のアップキープに、フラッシュバック《一瞬の瞬き》を《象牙の巨人》に。《象牙の巨人》の効果により、石田のクリーチャーはフルタップとなり攻撃できない。

さらにHerberholzの総攻撃を一発もらうのだが、石田はアンタップするなり
「アップキープ」
と明確に宣言した。

つまりは、「何かする?」とHerberholzに問うているのである。

その言葉通り、Herberholzの手札からは2枚目の《一瞬の瞬き》、もちろん対象は《象牙の巨人》。

負けてなお、巨匠は全てをお見通しなのだった。

石田 –0 Herberholz –2

石田の初手は《堕落の触手/Tendrils of Corruption》だったという。その性質上、「黒が濃い」カードではあるが、除去であり悪いカードではない。すると、

「これしか取るものなくて」

という言葉が続いてきた。これしかなかった、ということはどういうことなのだろうか。

その返答は、示唆あふれるコメントだった。

「除去で勝てない環境ですよ。一番欲しくないのが除去。クリーチャーが優秀な方が勝てるし」

直接的に交換を取れる、クリーチャー除去は高い優先度を持つとされてきた。しかし、「時のらせん」のブースタードラフトではそう短絡的にもいかないのである。

結果的に除去満載の黒赤デッキにはなったが、実際1勝2敗か3連敗まで意識していたらしく、2勝1敗は十分に収穫といえる成績だったようだ。

なかなか示唆のあるコメント、あなたはどう参考にされるだろうか?

Herberholz defeats Itaru Ishida.

Itaru Ishida

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Mark Herberholz

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