Round 7: 平山 大輔(千葉) vs. 塩津 龍馬(愛知)

更新日 Event Coverage on 2006年 8月 25日

By Yusuke Yoshikawa

平山 大輔

11連勝の男がいる。

ご存知のとおり、招待制トーナメントである日本選手権に参加する道としては、大きく分けて2つの道がある。実績を重ねて各種招待を受けるか、その年の予選を突破するか、である。

地区予選は全国各地で開催されていて、開催場所・回数が整備されてきたとはいえ、予選シーズンを通して1人が1度しか挑戦できない、狭き門である。涙を呑むプレイヤーも少なからずいるのである。

そうして道が閉ざされても、なお選手権を渇望するプレイヤーのために、日本選手権には、前日オープン予選というもうひとつのルートが存在する。2004年には、津村 健志がこの予選から本戦準優勝に輝いたことも記憶に新しい。

開かれたラストチャンス。もうひとつのルート。言うのは簡単ではあるが、出場権を得るためには5連勝が必要であるというこれも狭き門なのは、やはり間違いないのだ。

平山 大輔はそのオープン予選を駆け抜けてきたプレイヤーの1人である。普段は千葉でプレイし、プロツアー・チャールストンTop4の三田村 和弥らと練習をしているという。

Daisuke Hirayama

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サイドボード (15)
2 Spell Snare 2 Sundering Vitae 1 Quash 1 Life from the Loam 1 Gifts Ungiven 1 Pithing Needle 3 Ghost Quarter 1 Loxodon Hierarch 1 Sakashima the Imposter 1 Trigon Predator 1 Complete Research

昨日オープン予選を抜けてきたということは、5連勝したということである。そして、本日の彼の成績はというと…6連勝なのである。

都合、ここまで11連勝。そして、このマッチに12連勝と初日全勝の栄誉を賭けて臨む。対するは塩津 龍馬、プロツアー・名古屋などリミテッドで鳴らす愛知の静かな強豪である。
相手に不足はない。平山は最後の階段を駆け上がれるか。

Game 1

互いに《島/Island》《島》《沼/Swamp》を並べあう、構築戦のコントロールと見まがうような静かな立ち上がり。

塩津は第3ターンに《思考訓練/Train of Thought》で1枚引き、手札を整えれば、平山の《悪魔の道化師/Demon's Jester》が実質的なファーストアクションとなった。

続く《破滅の印章/Seal of Doom》を《妄想の誘導/Induce Paranoia》で打ち消した塩津が見たものは、《連弾炎/Pyromatics》《強迫的な研究/Compulsive Research》《破壊の宴/Wrecking Ball》という強力なスペル群。安堵するとともに、第2ゲーム以降の展開に気を引き締める。

《潮水の下僕/Tidewater Minion》を守りにつかせた塩津に対し、平山は《奇声の悪魔/Squealing Devil》で《悪魔の道化師》を+3/+0強化、展開するとともに攻撃を重ねていく。
ようやく《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》を出せた塩津は、平山にディスカードを迫る。ここで、2枚あった《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》の片方をディスカード。

平山は《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》で空の突破を図る。塩津は慌てず騒がず《ごみ引きずり/Junktroller》を配備、《島》を1枚立ててターンを返した。

平山が当然とばかりに《ウォジェクの燃えさし魔道士》で《金切り声の混種》を狙撃するが、対応して《平地》を《潮水の下僕》で起こし、狙い済ました《玉突き衝突》!

1点のダメージが《金切り声の混種》から《奇声の悪魔/Squealing Devil》に移し変えられ、《奇声の悪魔》は墓地へ。

《小柄な竜装者》を追加して攻撃続行を図る平山は、これへの《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》を《試行+錯誤/Trial+Error》でカウンター。だが、再びの《ウォジェクの燃えさし魔道士》起動に対して、またしても《金切り声の混種》への《現実からの剥離/Peel from Reality》でかわされてしまい、ついでに《悪魔の道化師》を戻されて攻撃を大幅に減速されてしまう。

塩津はのらりくらりと攻撃をかわしていく。《ごみ引きずり》《標の鷹/Beacon Hawk》を使いこなして身を守りながらコツコツとダメージを重ね、《真空溶/Vacuumelt》で《ウォジェクの燃えさし魔道士》《悪魔の道化師》を戻して時間を稼ぐ。

しかし、平山が《死の円舞曲/Macabre Waltz》をプレイ(対象は、墓地の《奇声の悪魔》《小柄な竜装者》))したときに手拍子でこれを通してしまい、直後に《ごみ引きずり》と《潮水の下僕》で平山の意図を完全に阻めていたことに気づいて苦笑い。

一気呵成とばかりは行かなかった平山だが、徐々にペースを取り戻していく。《ウォジェクの燃えさし魔道士》起動からの《オルゾフの安死術士/Orzhov Euthanist》で《ごみ引きずり》を除去。問題になるのは《潮水の下僕》ではなくこちら、という判断だ。

塩津は《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》を出して攻撃を牽制しながら、少しずつライフを削り取っていこうとするのだが、いかんせんダメージクロックが遅い。

そうこうしている間に、平山は《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》で《連弾炎/Pyromatics》を回収しながら、《ウォジェクの燃えさし魔道士》が次々と《金切り声の混種》《標の鷹》を打ち落としていく。

《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》《ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage》と《潮水の下僕》でのアンタップ効果をからめて罠を仕掛けてはみるが、冷静に《連弾炎》と《ウォジェクの燃えさし魔道士》で場を片付けた平山が、次なる連続突撃で勝利をものにした。

平山 –1 塩津 –0

「ミスをしていなければ、勝ててはいないまでも何とかなったのに、ちょっとお粗末過ぎたなあ…」と塩津がこぼす。

Game 2

塩津 龍馬

気を取り直して塩津先攻。

《ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage》が軽快に先陣を刻み、平山のファーストアクションである《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》はすぐさま《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》してビートを刻む。

平山もさるもの、《破滅の印章/Seal of Doom》がすぐさま《ボロスのギルド魔道士》を退場させ、《悪魔の道化師/Demon's Jester》を出す。しかしこれには塩津の《叫び回るバンシー/Keening Banshee》が待っていた。

平山は《ギルドパクトの敵/Enemy of the Guildpact》を続け、さらに《オーガの学者/Ogre Savant》で《不眠の晒し台》つきの《小柄な竜装者》を戻して再利用。塩津はこれを受け入れ、ダメージクロックはひとまずカウントをやめた。

《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》で攻撃しつつインスタント・トリックを抱えて機をうかがう塩津は、続いて出てきた《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》に狙いを定める。

《現実からの剥離/Peel from Reality》で《叫び回るバンシー》を回収しつつ、邪魔な《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》を戻して、舞い戻った《叫び回るバンシー》は《ウォジェクの燃えさし魔道士》を葬る。平山が道をこじ開けるべく放った《破壊の宴/Wrecking Ball》には、《照らす光/Bathe in Light》できっちり対応。ここまでは互角のやりとり。

しかし、これらのトリックを持ってして「互角」であってはいけなかったのかもしれない。その後のドローが土地ばかりで全く振るわない塩津に対し、平山は《小柄な竜装者》を2枚並べて態勢完了、再攻撃に移っていく。

そうなってしまえば、試合の趨勢は速やかに決まっていった。

11連勝の男は、12連勝となって、明日のトーナメントを引っ張っていく。

平山 –2 塩津 -0

試合が終わるやいなや、平山・塩津双方に、観戦していた仲間からプレイングの指摘が飛ぶ。つい前まで試合が繰り広げられた場は、数人入り乱れた感想戦の場になった。

敗れた塩津は自分のプレイングを丁寧に反省し、勝った平山も周りの指摘に真剣に耳を傾けている。

何度も取り上げていることではあるけれど、そういった真摯さが強くなる鍵であることは、このような光景から実感されることなのだ。

平山 大輔、初日全勝!

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