
PTチャールストンでKajiharu80で優勝、日本選手権でもトップ8と、今シーズンに入ってからの活躍が特に目立つ斎藤 友晴。先日、今回と同じ「時のらせん」によって行われたGPシドニーでも3位入賞と絶好調である。
対するのは、Andre Coimbra(ポルトガル)。昨年横浜で行われた世界選手権でのトップ8で鍛冶と、そして、夏に行われたGP広島では中村と決勝で対戦しているため、名前に聞き覚えのある方も多いのではないだろうか。ポルトガルを代表するトッププレイヤーである。
このフィーチャリングテーブルに呼ばれた対戦を見学しにきた中村 修平が一言。
中村 「昨日のうちのドラフトやん!」
そう、ふたりとも、Round 5の記事の冒頭で話題にあげた、中村宅で行われていた「ノーボーダー合宿」の参加メンバーなのである。自然、ふたりの間の会話も弾む。
Round 6を全勝という最高の成績で折り返した斎藤。この斎藤のピックを追ったライターの森 慶太曰く「非常に個性的で面白いデッキ」とのこと。
さて、Round 6の浅原の観戦記事でも触れたのだが、本日の最終ドラフトは、大会の進行上は2日目の第1ドラフトである。したがって、ここで構築したデックを使用して、明日も2回戦を戦う事となる。
その関係上、ここで詳しくデックを明かすことは禁止されており、また、件の森の斎藤のピックを追った記事も、明日の朝に掲載される事をご理解いただきたい。
ちなみに、この斎藤のデックは、森の意地悪か筆者に対してもシークレット。全く謎のデックの状態で観戦する事となってしまった。
せめてものヒントを、と斎藤に一言コメントをもらった。
斎藤 「先攻とれなかった瞬間雲行きがあやしくなる」
だが、ダイスロールで先攻はCoimbra。幸先の悪いスタートである。
Game 1

しかし、ここでCoimbraがマリガンスタート。一概に斎藤不利とは言い切れない流れ。
そして、土地が1枚の手札を再度マリガンするCoimbra。
ここはむしろ斎藤に風は向かってきたか。
1ターン目、《緑探し/Greenseeker》というCoimbraに対して、斎藤は、2ターン目に「変異ではなく」《水深の予見者/Fathom Seer》をキャストというかなり意味深なスタート。
この動きに首を傾げつつ、Coimbraは《彩色の星/Chromatic Star》経由でドローを進めつつ、《緑探し/Greenseeker》で足りない色マナである《沼/Swamp》をサーチ。これで、白黒緑と3色揃う。
一方の斎藤は《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》キャストと、盤面の掌握にかかるが、Coimbraの場に登場するのは、帰ってきた《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》こと《円盤の大魔術師/Magus of the Disk》。
しかし、コントロールを掌握しようという相手に対してプレッシャーをかけるのは、斎藤の得意分野である。
《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》を待機させ、未来のプレッシャーをみせつつ、場の《水深の予見者/Fathom Seer》には《不安定性突然変異/Unstable Mutation》。これで、Coimbraに、現在の脅威と将来の脅威の二択を迫る。
ここで、Coimbraは、将来のライフと引き換えに、将来の場の掌握をする事を選択する。
だが、コントロールが待ちに入ってくれれば、むしろ斎藤のペース。
《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》の時計カウンターが残り1個、場の《水深の予見者/Fathom Seer》が2/3にまでちぢんだタイミングで、《円盤の大魔術師/Magus of the Disk》に《拭い捨て/Wipe Away》をキャストする。
ここまで、2/3クリーチャーと《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》を除去するために我慢してダメージを食らっていたわけではないCoimbra。刹那のせいで能力を起動できないのも気にしないかのように、手札に《円盤の大魔術師/Magus of the Disk》を戻す。
ガードが下がったCoimbraに突き刺さったのは、斎藤の2枚目の《不安定性突然変異/Unstable Mutation》。
斎藤 1-0 Coimbra
Game 2

苦手の後手スタートを克服し、そのまま勢いに乗りたい斎藤。
先手はCoimbra。
1ターン目《エピティアの賢者/Sage of Epityr》、2ターン目《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》と、あまり見かけないクリーチャーを駆使しつつもマナを使いきる立ち上がり。
そして、3ターン目にキャストされたのは《獣群の呼び声/Call of the Herd》。完璧なマナカーブ。
これには思わずため息をつくCoimbra。なにせ、Coimbraのファーストアクションは、この次のターンに待機させた《象牙の巨人/Ivory Giant》なのだ。
続いて《騎兵戦の達人/Cavalry Master》をキャストし、なんとか持ちこたえたいCoimbraではあるが、斎藤が続けてキャストする、《獣群のナール/Herd Gnarr》そして、《獣群の呼び声/Call of the Herd》のフラッシュバックの前にライフを7まで削られてしまう。
《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel》が追加された防御網が、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》で崩されると、Coimbraは斎藤に手を差し出した。
斎藤 2-0 Coimbra
そう、斎藤といえばビートダウンプレイヤー。そして、そのキャラクターを最大限に活かすデックを構築した斎藤。そして、デックはその期待に応えた。
もうひとつ、斎藤といえば、自身のデックに「Stompy」の名を冠する事でも有名である。そこでデック名を聞いてみた。
斎藤 「あー…うーん、Lobster Stompy?いや、語呂悪いからやっぱ無しで。リミテッドだし」
何はともあれ、明日の森の記事で明かされる斎藤のデックの全貌が楽しみである。