
皆様ご存知、藤田憲一様のドラフトのお時間です。
他の記事ですでに語られているように、このお方、フィフス・ドーン入りのドラフトが正真正銘、今回で「2回目」です。で、これは日本選手権2回目のドラフトなわけで。
まぁそういうことです。今回ほとんど練習していなかったにも関わらず、本人いわく「何故か」一番卓にいるこのお方のドラフトを実況させていただこうと思います。
1st Pack- Mirrodin
1《手綱取り/Grab the Reins》
他候補:《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》
ミラディン、というより、この環境中最強クラスの1枚からのスタート。他に見るべきものも少なく、迷わずのピック。他者が取るものも少なく、自分があけるパックとしては最高のものだっただろう。
2《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》
他候補:《銀のマイア/Silver Myr》《モリオックのゴミあさり/Moriok Scavenger》
ここからは赤のパートナーにどの色を選ぶかというドラフト。長考の末、白を選択。
3《上昇スリス/Slith Ascendant》
他候補:《鏡のゴーレム/Mirror Golem》《卑劣漢の大鎌/Scythe of the Wretched》
優良アーティファクトクリーチャー及び装備品を前にして悩むが、すでに白を選択していることもあり、先々のことも考えてかスリスを。
4《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》
他候補:《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》《立ちはだかる空護り/Looming Hoverguard》
ここで強力なカード郡が。非常に強力なカードである空護りをじっとにらみつけるも、
充分強いカードがあるのに、ここで方向転換をするわけも無く、優良除去を入手。
5《等時の王笏/Isochron Scepter》
他候補:《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
タリスマンと王笏を見比べる。好みが分かれそうな選択だが、恐らく《静電気の稲妻》がすでにあること。この先も2マナ以下のインスタントが手に入るとふんだことからこちら。
6《選別の秤/Culling Scales》
他候補:《古えの居住地/Ancient Den》《王の咆哮/Roar of the Kha》
白いは白いがあまり取りたくない2枚を無視し、非常に状況を限定するものの強力な1枚を。
7《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》
他候補:《無効/Annul》
ここに至るまでにクリーチャーを2体しか取っていないという、生物の少なさが気になっていたところに嬉しい1枚。
8《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
他候補:《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》
烈日や「回収者」と相性が良く、若干地位が上がったかと思われる1枚。
9《遠見の仮面/Farsight Mask》
他候補:《マラカイトのゴーレム/Malachite Golem》《ワーム皮の鍛冶工/Wurmskin Forger》
緑じゃないしなぁと、使いそうにも無いが一応使えるカードを。
10
《生きている蟻塚/Living Hive》
他候補:《溶接の壺/Welding Jar》
緑じゃ(略)でも他に取るもんもないし。
11《ニューロックの滑空翼/Neurok Hoversail》
12《ひっかき爪/Scrabbling Claws》
13《機械の行進/March of the Machines》
14《純潔の宝球/Sphere of Purity》
15《溶鉄の雨/Molten Rain》
毎度恒例省略の時間です。
入るとしたら爪くらいか。翼も相性のいいカード取ってないし、色的にあまりこの先増えるとも思えず。
ミラディンが終わった時点で非常に気になるのがクリーチャーの数。その数なんと3枚。
一般的にドラフトデッキの標準クリーチャー数は12以上なわけで。このままの計算だと9枚前後と、それを大きく下回ることになる。現状、確かにスペルは強力だが、このままでは非常にバランスの悪いデッキになりかねない。大量のクリーチャー補充は可能なのだろうか。ダークスティール突入である。
2nd Pack - Darksteel
1《精霊のワンド/Wand of the Elements》
他候補:《粛清/Purge》《とげの稲妻/Barbed Lightning》
優良除去が並び、白か赤かと悩むかと思えばレアも優良。クリーチャーが非常に少ないことからか優良レアのほうを選択。
2《ロクソドンの神秘家/Loxodon Mystic》
他候補:《尖塔のゴーレム/Spire Golem》《持ち去り/Carry Away》
青の優良カードが並ぶも無論関係なし。貴重なタッパーを。
3《解体作業/Dismantle》
弱い。とにかく弱いカード郡に顔をしかめるも、良く見たら本当に1枚だけ優良カードが。嬉々としてピック。
4《翼竜の幽霊/Pteron Ghost》
他候補:《ヴァルショクの鉄球/Vulshok Morningstar》《双子エンジン/Gemini Engine》
強力なカードが並ぶも、現在必要なのは基本構成要素としてのクリーチャー。6マナのびっくりクリーチャーでも2マナ装備品でも無く、2マナ1/1飛行なんだよねといったところ。
5《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》
他候補:《ダークスティールのガーゴイル/Darksteel Gargoyle》
2マナ1/1大事。
6《クラーク族の火焚き/Krark-Clan Stoker》
他候補:《電結の暴れ者/Arcbound Bruiser》《電結の槍騎兵/Arcbound Lancer》
2/2、3/3、4/4と嬉しい1セット。順に綺麗に3マナ5マナ7マナだが、最も軽い1枚を。
7《電結の混種/Arcbound Hybrid》
他候補:《ヴィダルケンの技術者/Vedalken Engineer》
かなり遅い順目で回ってきた技術者を前にすこし嫌そうな表情を浮かべるが、そんなものにかまってはいられず、基本電結クリーチャーを。ここでクリーチャー8体。若干枚数が落ち着いてきたところ。
8《絡み森の蜘蛛/Tangle Spider》
他候補:《修復の儀式/Ritual of Restoration》
かなり遅い順目での蜘蛛に嫌そうな表情。他候補が弱すぎたためここでカット。
9《残響する勇気/Echoing Courage》
他候補:《電結の悪鬼/Arcbound Fiend》
カット再び。しかしある程度枚数が安定してきたとはいえ、あるていど好みは分かれそうだが、充分基準点に達していると思われる1枚を無視してのカットには少々疑問が残る。
10《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》
《彩色の宝球》と同じく、この新環境で若干地位が上がったと思われるナイスマナブーストを、かなり美味しい順目で入手。
11《死者の墳墓/Lich's Tomb》
12《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》
13《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
14《マイアの土地刻み/Myr Landshaper》
15《策謀/Machinate》
12順目での外套。これはかなり好みが分かれるものの1つだが、好きなようで大喜び。他は特筆すべきことは無し。
DSが終わった時点でクリーチャー8体。なんとか数は揃ってきたもののまだ微妙に不足である。この先、烈日などを中心とした優良クリーチャーの確保は成るのだろうか。藤田憲一の人生2回目のフィフスドーンのパック開封スタート。
3rd Pack - Fifth Dawn
1《焼炉の仔/Furnace Whelp》
他候補:《乱打されるゴーレム/Battered Golem》《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》
他候補より1ランク上のナイスドラゴン発見。ほぼ迷わずゲット。
2《秘宝の障壁/Relic Barrier》
他候補:《停滞の繭/Stasis Cocoon》
用途もマナも似ている2枚。メリット、デメリット。挙げるならば、障壁のほうが柔軟な運用が可能だが、繭のほうはエンチャントであることから、環境的に破壊されづらいこと。装着前の装備品を沈黙させることが可能といったところか。ここでは柔軟性を選択。
3《焼炉の仔/Furnace Whelp》
他候補:《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》《ヴァルショクの魔術師/Vulshok Sorcerer》
強い。強い。強い。急に襲い来る優良生物軍団。まぁ環境的に今ひとつ且つ相手を選びそうなチャンピオンがまず除外され、じっと2枚の赤カードを見比べ・・・2枚目の龍を。
4《角兜/Horned Helm》
他候補:《空に届くマンタ/Skyreach Manta》《うろつく空狩人/Skyhunter Prowler》
それなりに有用な装備品ではあるが・・・及第点の生物も2体。生物不足が気にかかるなか、微妙に疑問が残る選択。
5《レオニンの従者/Leonin Squire》
他候補:《ゴブリンの喧嘩屋/Goblin Brawler》
これぞ基本といったクリーチャー2体を見比べ、単純にコストパフォーマンスに優れたほうを。
6《錆の雨/Rain of Rust》
他候補:《太陽に触れたマイア/Suntouched Myr》
激重《粉砕/Shatter》を選択。一応これまた及第点のクリーチャーが居たのだが・・・難しいところか。
7《断固/Stand Firm》
他候補:《妖術師のガラクタ/Conjurer's Bauble》
8《極楽のマントル/Paradise Mantle》
他候補:《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》
9《錆の雨/Rain of Rust》
10《断固/Stand Firm》
他候補:《ソラリアン/Solarion》
淡々と、及第点ギリギリのカードを集めていく。一応、《断固》は、忘れされられようとしていた《等時の王笏》の刻印対象でも有り。しかし一向に増えないクリーチャー・・・。
《テル=ジラードの息吹使い/Tel-Jilad Lifebreather》
《火花の精霊/Spark Elemental》
《争いの首輪/Sparring Collar》
《火花の精霊/Spark Elemental》
《早霜/Early Frost》
しょうりゃーく。首輪にかんしては、間違いなく主力である《焼炉の仔》との好相性から、出番があるかもしれない。最後にまわってきた《早霜》だが・・・《等時の王笏》に刻印して毎ターン相手のアップキープに・・・・・・ごめんなさい。
ドラフト終了後、藤田は「オツ」(おつかれ)といった。
そう。やはり最終的に充分な量のクリーチャー確保は成らなかったのである。その数11体。スペルや、クリーチャーの質が非常に高いとはいえ、デックに入るカードの絶対的な枚数が非常に苦しく、本人が失敗だった。もう少し取れると思っていたと語る《等時の王笏》用カードに関しても、《静電気の稲妻》と、2枚の《断固》の合計3枚と、非常に苦しい枚数ながらもデッキに投入せざるを得ない状態となった。
途中、幾度かデッキに入るレベルのカードをスルーした事に関しても、もう少しクリーチャーが取れると考えていてのことだったようで、この環境に不慣れであることのあらわれだったのであろう。それでも、
「クリーチャーのあるところを引く」
との本人の言の通り。
カード1枚1枚の質は高いので、デッキの歯車が噛み合いさえすれば充分な戦闘能力を見せるだろう。現在6勝1敗。ここで勝ち越せば充分にベスト8が見えてくる得点である。なにより、現在、練習不足だというのに6勝と、「ノって」しまっている藤田である。案外3勝とかしてしまうのではないだろうか。是非がんばってもらいたい。