Round 9 : 有田 隆一(東京) vs. Kamiel Cornelissen(オランダ)

更新日 Event Coverage on 2006年 10月 20日

By Daisuke Kawasaki

有田 vs. Cornelissen

有田 「なんで勝ったフィーチャーはこんのに、勝てそうにないときだけくんのー」

そう、こうして日本語版の観戦記事に登場するのは初めてだが、有田はなんと3回目のフィーチャリングマッチなのである。

有田 「日本じゃあんま知られてへんけど、一応マジックそれなりにうまいのよ」

と、本人も自嘲気味に語るように、有田のプロツアーにおいての戦績は日本、いや世界でも屈指である。特に2日目の活躍には定評がある。なんとトップ8入りを4回果たしている。

今回も、「ブラフマスター」Terry Soh、「アメリカチャンピオン」Poal Cheonをフィーチャリングマッチで打ち倒している。

国内のプレミアイベントでは、最近ちょっと不調気味の有田だけに、この神戸ではぜひとも、との思いも強いだろう。

そんな有田の前に立ちはだかるのは、Kamiel Cornelissen。こちらもプロツアー2日目に強いと評判の強豪。なんと、プロツアー準優勝2回という「世界規模のシルバーコレクター」である。

Game 1

先手は有田。

有田が《サリッドの発芽者/Thallid Germinator》、Kamielが《流動石の媒介者/Flowstone Channeler》と、お互いにちょっと気の利いた《灰色オーガ/Gray Ogre》をプレイするところからゲームがスタート。

有田が、《雷のトーテム像/Thunder Totem》を出してマナ加速する一方で、Kamielは《巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor》をキャストし、盤面的には一時的に優位にたつ。なんせ、有田の場に出ている土地はすべて《森/Forest》なのだ。この状況ではただの「置物」でしかない。

しかし、この一時的な優位も、有田のキャストした、緑の「注目株」によって崩される。

そのカードとは、《獣群のナール/Herd Gnarr》。

《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider》をキャストしつつ、苗木トークンを出すことで、一気に8点を削り、Kamielのライフは10。ターンエンドに《歪んだ爪の変成者/Crookclaw Transmuter》を瞬速で場に出しクロックを用意するものの、こちらは《暗影の蜘蛛》が邪魔で思うように攻めに転じられない。

《暗影の蜘蛛》を《流動石の媒介者》と変異でブロックし、でてきたトークンは《応じ返し/Snapback》で処理し、続くターンに表返る《流水の海蛇/Slipstream Serpent》で《獣群のナール》を除去するものの、《コーの先導/Outrider en-Kor》《ダスクライダー/Duskrider Falcon》と続く有田の攻勢の前にライフを削り続けられてしまう。

しかし、前述の《流水の海蛇》、そして《玄武岩のガーゴイル/Basalt Gargoyle》となんとか防御網を確立するのが間に合ったKamiel。有田も《サリッドの殻住まい/Thallid Shell-Dweller》を盤面に追加するものの、完全ににらみ合いの状況になってしまう。

この状況を打開したのが、序盤は「置物」だった《雷のトーテム像》。

そう、長引いたゲームは、有田のビートを緩めたかわりに、2つの白マナを与えていたのだ。

この時点で、Kamielの場の飛行クリーチャーは《玄武岩のガーゴイル》と《歪んだ爪の変成者》《巣立つ大口獣》。有田の場に《サリッドの発芽者》がいる事を考えると、この先制攻撃持ちのクリーチャーを有効にブロックする事が難しい。Kamielは《歪んだ爪の変成者》をチャンプブロックにまわす。

Kamielは、《塩水の精霊/Brine Elemental》を表返し、必死に時間を稼ぐ。有田は《ヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryad》を場にだし、「Kamielの場に」《森》をだす。しかし、このクロック自体は《巣立つ大口獣》の前には風前の灯である。

そうして、確かに稼いだ時間がKamielに盤面のアドバンテージをもたらす。

アタックした《玄武岩のガーゴイル》が《ダスクライダーの大隼》と相打ち、《地の底のシャンブラー/Subterranean Shambler》《ぶどう弾/Grapeshot》を続けざまにキャストして、有田の場を一掃する。

Kamielの場には、《流水の海蛇》《塩水の精霊》《巣立つ大口獣》。有田の場に残るのは、《コーの先導》と《サリッドの殻住まい》、そして《雷のトーテム像》。

場にあるカードだけを見れば、Kamielが完全に優位を築きはじめている。

しかし、これは有田のマナを使わせる戦略だった。有田にはまだアドバンテージが残っている。

それは、序盤のダメージレースの優位による、ライフアドバンテージ。

Kamielのライフは残り4。

アタックする《雷のトーテム像》。場に叩きつけられる《補強/Fortify》。

有田のダメージレースのうまさが光るマッチであった。

有田 1-0 Kamiel

有田 隆一

Game 2

先攻は、Kamiel。

お互いに2ターン目に《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》《ダスクライダーの大隼》と待機させるスタート。

そして、Kamielが《トゲ尾の仔ドレイクg》をだせば、有田も《ちらつくスピリット/Flickering Spirit》を場に出すというお互い一歩も譲らない展開。

しかし、この均衡も、Kamielが4ターン目に変異を出し、5ターン目に《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》を出すことで崩れていく。

そして、《遍歴のカゲロウ獣》の待機があけたターンに表返ったKamielの変異は、《変容するドッペルゲンガー/Shifty Doppelganger》。

目の前で繰り広げられる信じられない虐殺劇。有田は思わず観戦する三田村に漏らす。

有田 「こんなんありかー」

有田 1-1 Kamiel

Game 3

先攻の有田は、Game 2の虐殺劇から立ち直れないのか1マリガン。

とはいえ、2ターン目には《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》をキャストというまずまずの立ち上がり。4ターン目には《ちらつくスピリット》を場に追加する。

一方のKamielも、《霊気炎の壁/AEtherflame Wall》変異と展開するものの、土地が《山/Mountain》3枚でストップ。ここでKamielがキャストしたカードが《オークの司書/Orcish Librarian》。もともと、スライのキーカードとなっていたこのカード。この話は長くなるので省略するが、現在ではあまりメジャーとはいえないカードである。これには思わず有田もカードを確認する。

Kamielは続くアップキープに《オークの司書》を起動。リムーブされたトップのうちの4枚はすべてKamielが欲しい土地ではあったが、残りの4枚の中にも土地があったようで、Kamielは無事に《島/Island》をセットする。この動きには有田も思わず舌打ち。土地を2枚引いたところで更に起動。

ここで、限定的とはいえライブラリーを操作できるのは、圧倒的な優位である。Kamielは3枚の変異と《巣立つ大口獣》《トゲ尾の仔ドレイク》と場に送り出し、《遍歴のカゲロウ獣》を待機させる。

Kamiel Cornelissen

ここで有田はため息をつく。

有田 「マジックやないで、これはもう」

そんな言葉が漏れるのも仕方ない。Kamielがこれだけの軍勢を場に並べている間に、有田がキャストしたスペルは《紡績スリヴァー/Spinneret Sliver》1枚なのだ。

それでは、有田が何を引いていたかというと、場に並んでいるのは2桁に届こうかという《平地》と《森》。

一方のKamielの場には、必要十分な7枚の土地。

そして、ライブラリーからリムーブされた8枚の土地。

有田 1-2 Kamiel

Ryuuichi Arita

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Kamiel Cornelissen

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