Second Draft Coverage : 中村 修平

更新日 Event Coverage on 2006年 8月 26日

By Daisuke Kawasaki

スノーマスター、中村 修平

コールドスナップ発売後のリミテッドグランプリを連覇し、なおかつコールドスナップドラフト不敗伝説を更新中と、もはや、この環境の第一人者であることは疑う余地のない「スノーマスター」中村 修平。

初日を4-3と崖っぷちの成績で折り返した中村が座るのは、6番卓の5番席。

たしかに、厳しい成績ではあるが、しかし、中村は、GP広島でコールドスナップドラフト不敗と並んでもうひとつ奇跡を我々にみせてくれた。

脚きりラインの64位からの逆転優勝という奇跡を。

■Pack 1 : Coldsnap

1《太陽の一掃/Sunscour
2《突風の漂い/Squall Drifter
3《ロノムの大男/Ronom Hulk
4《熊の守護霊体/Ursine Fylgja
5《アダーカーの風精/Adarkar Windform
6《ボリアルのグリフィン/Boreal Griffin
7《キイェルドーの先導/Kjeldoran Outrider
8《霧氷風の特務魔道士/Rimewind Taskmage
9《霧氷風の特務魔道士/Rimewind Taskmage
10《霧氷風の特務魔道士/Rimewind Taskmage
11《素早い行動/Swift Maneuver
12《うねる霊気/Surging Ather》
13《氷河屠り/Jokulmorder
14《見えざる者の生き残り/Survivor of the Unseen

中村 「やっぱり、まだ練習積んどきたいんですよね」

「スノーマスター」と呼ばれるようになってもまだ練習を積み重ねたいという中村。ターゲットは翌週に行なわれるグランプリ・フェニックス。そういえば、津村も「実戦が一番の練習」といった旨のコメントを残していた。この中村のマジックに対する真摯な姿勢には頭が下がる思いだ。

そんな、中村、初手は文句なしの《太陽の一掃/Sunscour》。続いて同じく白カードである《突風の漂い/Squall Drifter》をピックした中村の3手目。ほかに目立った強力カードがなかったというのもあるが、ここで《ロノムの大男/Ronom Hulk》をピックしたときの心境を中村はこう語る。

中村 「白緑っていうアーキタイプをまだあんまり試した事がなかったので…」

そう、練習。

GP広島で来邦したJulien Nuijten(オランダ)に強く勧められたアーキタイプという白緑。タッパーと枷でブロッカーを排除しつつ、緑の優良クリーチャーでビートするというこのアーキタイプ。赤緑・赤白と非常に構造は近いものの、人気色である赤を避けつつ構築できるというのが魅力らしい。この時点では、白緑を構築する気だったという中村は、上家のファーストピックが《ロノムの大男/Ronom Hulk》であるという事を知らない。

中村が、カードの流れの違和感を感じ取ったのが5手目の《アダーカーの風精/Adarkar Windform》。十分な制圧力を持つこのクリーチャーが自分の前に登場し、そして緑のクリーチャーは自分の前に流れてこない。ここが白緑から青白へとスイッチするターニングポイントだったという。

そして、8~10手目に中村に届けられる《霧氷風の特務魔道士》。

1パック目が終了した時の心境を中村はこう語る。

中村 「もう《霧氷風の特務魔道士》と心中しようと決めましたね」

■Pack 2 : Coldsnap

その真摯な姿勢はプロプレイヤーの範たるもの

1《ヨツンの梟匠/Jotun Owl Keeper
2《ボリアルの氷棚/Boreal Shelf
3《キイェルドーの先導/Kjeldoran Outrider
4《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
5《白き盾の十字軍/White Shield Crusader
6《ボリアルの氷棚/Boreal Shelf
7《冠雪の島/Snow-Covered Island
8《冠雪の森/Snow-Covered Forest
9《凍結/Frozen Solid
10《徴用/Commandeer
11《深火の精霊/Deepfire Elemental
12《瞬間凍結/Flashfreeze
13《呼び声の鳴動/Sound the Call
14《ディープウッドのクズリ/Deepwood Wolverine》

その言葉の通り、うねるように冠雪地形をピックしまくることとなった2パック目。

氷雪パーマネント4個という、リミテッドではかなり厳しい条件を充たす為には、冠雪地形を集めるのがやはり手っ取り早い。特に、青白というアーキタイプの場合、低マナ域での氷雪パーマネントが少ない為、なおさら冠雪地形の重要度が高い。

ここで、《ヨツンの梟匠/Jotun Owl Keeper》といったパワーカードや《キイェルドーの先導/Kjeldoran Outrider》《白き盾の十字軍/White Shield Crusader》といった序盤を支えるパーツをそろえつつ、5枚の冠雪地形(2枚の色の合った2色地形含む)を手に入れ、充実した第2パックだったといえるだろう。

しかし、中村は満足しない。

中村 「焦りすぎました。冠雪地形に目が行き過ぎて、逆に(デックに必要な)枚数が足りなくなっちゃいましたね。せめて、1パック目で1枚でも冠雪地形とってればもう少し落ち着いてピックできたんですけどね…」

たしかに、序盤で冠雪地形を過剰に優先したり、その反動で中盤以降、枚数が足りなくなる事を危惧し、冠雪と他のカードで他のカードを過剰に優先してしまったりする場面があった。

特に顕著なのは、10枚目。ここで中村は《徴用/Commandeer》と《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》で悩んだ結果、《徴用》を選択している。この件に関しての中村はこうコメントしている。

中村 「どうせ《徴用》なんていれないんですよね」

■Pack 3 : Coldsnap

1《霜の猛禽/Frost Raptor
2《白き盾の十字軍/White Shield Crusader
3《キイェルドーの先導/Kjeldoran Outrider
4《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
5《キイェルドーのガーゴイル/Kjeldoran Gargoyle
6《霜の猛禽/Frost Raptor
7《キイェルドーのときの声/Kjeldoran War Cry
8《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
9《ルーンのほつれ/Rune Snag
10《無残な収穫/Grim Harvest
11《発光/Luminesce
12《バルデュヴィアの霜覚師/Balduvian Frostwaker
13《熱風の変転/Thermal Flux
14《ドレルナック/Drelnoch

ピックも精神状態も本人曰く「ぶれまくってしまった」第2パック。常にネガティブな出来事を大きく表現する中村の言うことなので、信憑性に疑問符はつくものの、しかし、本人としてはそう判断されるような状況から、もちなおしたのはさすがは「スノーマスター」である。

第3パックでは、安定したピックを取り戻し、デックをまとめに入っている。

自身のこの環境への自信の表れだろう。

この第3パックに対する感想を聞いてみた。

中村 「まさか、あんなにうねるなんて…」

そう、このパックで中村の前を通り過ぎていった《うねる歩哨/Surging Sentinels》は全部で4枚。当然自身が使用するつもりはなかったのだが、しかし、《うねる歩哨/Surging Sentinels》が大集合した時の圧倒的な爆発力は、他でもない中村がGP広島の「Lifetime Best Deck」で披露したとおりだ。

3-0が絶対条件である中村としては、ある程度カットに走っていてもよかったかな、ということらしい。

Shuuhei Nakamura

Download Arena Decklist

中村に最終的なデックの完成度を聞いてみた。

中村 「正直カードが足りなくてきっついですね…まぁ、マジック楽しいですよ」

と、かなり自信がない様子。いままで自信がない自信がないというデックで不敗神話を築き上げてきた中村ではあるが、今回は本当に自身がない様子である。

ちなみに、3-0できるかという質問に対しては

中村 「まぁ、するしかないんですけど…2-1が限界じゃないですか。かなりの《テヴェシュ・ザットの信奉者/Disciple of Tevesh Szat》を流したんで、もし、固め取りされていると絶対勝てないデックになってるでしょうね…」

そんな中村の初戦はフィーチャリングマッチとして別に記事があるので、参照されたし。

Feature Match Round 8 : 中村 修平(大阪) vs. Oliver Oks(東京)

■集めるのなら…

さて、6番卓での余談のような話。

コールドスナップでのドラフトといえば、《うねる歩哨/Surging Sentinels》に代表されるかき集め戦術がもはや代名詞となっている。

しかし、それがあまりにも有名になりすぎて、《うねる炎/Surging Flame》のような「うねらなくても強力な」カードはもとより、ちょうど中村の第3パックでのコメントにもでてきたように《うねる歩哨/Surging Sentinels》あたりも常に警戒されるようになってきてしまっている。もはや、容易にかき集められるような世界ではないのだ。

だが、もっと弱いカードであれば?

その代表格が《うねる狂気/Surging Dementia》。単体ではただの《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》の下位互換というデックに入らないレベルであるし、3枚4枚と手に入れられたとしても、やはりデックに投入するのは躊躇われるだろう。だけど、8枚9枚と集まったとしたら?2マナでうてる《機知の終わり/Wit's End》をデックに入れないプレイヤーがいるだろうか?

前述のように、単体でのあまりにカードパワーが低い為、集めやすく、場合によってはパックにあった事すら忘れられかねないので警戒されにくい。

そして、この戦略に手をだしたのが、2番卓に座った藤田 剛史。

初手《冷眼のロヴィサ/Lovisa Coldeyes》から、赤緑系のビートダウンを目指したという藤田だが、どうにも緑のカードが回ってこない。ほぼ赤単状態となっていた藤田の目の前に《うねる狂気/Surging Dementia》が。

で、その結果は?

藤田 「まぁ、全然でぇへんかったね」

藤田の手元の《うねる狂気/Surging Dementia》は2枚。どんなに取りやすくてもパックからでなければ仕方がない。

藤田 「まぁ、おかしなドラフトだったよね」

そんな藤田の第3パックの「2手目と3手目」を特別に公開しよう。

2 《アダーカーの戦乙女/Adarkar Valkyrie
3 《アダーカーの戦乙女/Adarkar Valkyrie

藤田 「《織端の石/Thrumming Stone》もあるしね」

そっちを波及させますか?

続いて、Oliver J Oks。

論より証拠、この写真を見てもらいたい。

論より証拠

1枚の《恐怖症の幻/Phobian Phantasm》、そして8枚の《クロヴの霧/Krovikan Mist》。
豪華9枚のイリュージョン軍団。デックのほぼ四分の一がイリュージョンなのだ。

《クロヴの霧/Krovikan Mist》は、1枚だけだと2マナ1/1飛行だが、2枚3枚と集まると馬鹿にできない航空戦力となる。それが、9枚なら?想像するにも恐ろしい…そして恐ろしい想像が現実になった様子はこちら(中村オリバー戦にリンクお願いします)をどうぞ。

1パック目の12手目で1枚目の《クロヴの霧》を手に入れたOliverは続いて14手目で2枚目をゲット。2パック目でも11手目13手目とかなり遅い順目で《クロヴの霧》を追加することに成功したOliverが剥いたパックには、《クロヴの霧》が。《クロヴの霧》に愛されていると言っても過言ではないOliverは喜び勇んで初手でゲット…と舞い上がっちゃわないのがOliverの冷静なところ。

初手はスルー。2手目で流れてきたのもスルー。3手目4手目と4連続で流れてきたのはさすがにピックし、9手目10手目で予定通りに流れてきた2枚をゲット。こうして豪華8枚の《クロヴの霧》が集まったわけである。

すでにかなりやり尽くされて、飽きてきたという声も聞こえてくるコールドスナップドラフト。たまには人とは違ったものを集めてみるのもいいかもしれない。

Oliver Oks

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