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更新日 Event Coverage on 2003年 1月 9日

By 平林和哉

■ビートダウンの隆盛

Anurid Brushhopper
とにもかくも《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》が飛び交う光景がよく見られたものだった。

OBC での白緑はそれほど目立たなかったものの、やはり《極楽鳥/Birds of Paradise》などのマナブーストからの展開力は大きかったということなのだろう。

そう初日全勝を成し遂げたのは、ゴブリンスライの中野圭貴と白緑ビートダウンの小栗文明。 数あるスタンダードデッキを押しのけてポールポジションを獲得したのはいずれもクリーチャーデッキだったのだ。

-Day 1 Top 8

1 中野圭貴-ゴブリンスライ"/>
2 小栗文明-白緑ビートダウン"/>
3 宝輪修-白赤緑サイクリング"/>
4 西村徳仁-白赤緑サイクリング"/>
5 尹 壽漢-黒赤緑リアニメイトビートダウン"/>
6 山下徹也-白赤緑ビートダウン"/>
7 森田雅彦-クレリック"/>
8 八朔人平-サイカトグ

●ビートダウン

Oguri Fumiaki

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ソーサリー (7)
3 Living Wish 4 Call of the Herd
エンチャント (2)
2 Worship
他 (3)
3 Revenous Baloth
60 カード

Yamashita Tetsuya

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ソーサリー (8)
4 Firebolt 4 Living Wish
エンチャント (2)
2 Elephant Guide
他 (4)
4 Revenous Beloth
60 カード

日本は青い。

《水位の上昇/Rising Waters》《サイカトグ/Psychatog》という時代を経てよく言われたものだが、今年の Finals は《野生の雑種犬/Wild Mongrel》《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》などの異様なコストパフォーマンスを誇るクリーチャー群が全てを変えてしまった。

いったんカウンターや除去をくぐりぬけてしまえば、どのクリーチャーもゲームを決定付けるパワーを持つ。
ましてや《栄光/Glory》での突進は誰にも止められないのだ。

緑系ビートダウンといえば OBC 最強だった青緑もあるが、 クリーチャーメタの昨今では共鳴者が潰されやすいのが厳しいところではある。

Living Wish
それに白緑は《賛美されし天使/Exalted Angel》《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》(最近流行の《争乱の崖地/Contested Cliffs》との組み合わせは最悪だ)とビートダウン対決に有利なクリーチャーを用意できるというのも大きなポイントだろう。

また白緑というある意味不器用なアーキタイプを助けているのが《生ける願い/Living Wish》。

テンポを失うとはいえ、手札を減らさない《教示者/Tutor》が弱いわけも無い。 《起源/Genesis》《栄光/Glory》《雲を追うエイヴン/Aven Cloudchaser》《豪胆な勇士/Intrepid Hero》と十分な状況対応力を持つ。

Nakano Yoshitaka

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ソーサリー (11)
4 Reckless Charge 4 Firebolt 3 Volcanic Hammer
インスタント (3)
3 Lava Dart
60 カード

何だかんだで少数派になりながらも全勝を達成したゴブリンスライ。

確かに緑系ビートダウンが擁するクリーチャー群に比べるとゴブリンたちはあまりにか細い。 しかしそのゴブリンを強烈なサポートするのは《無謀なる突進/Reckless Charge》《焦熱の火猫/Blistering Firecat》の突進力と、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》《火花鍛冶/Sparksmith》というシステムクリーチャー。

Goblin Sharpshooter
今の赤単は乱暴な突進力だけでなく、クリーチャーを虐殺する砲台をも駆使して登りつめてきたのだ。

そしてその戦略はサイドボードで加速される。

《罠の橋/Ensnaring Bridge》と《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》。

《帰化/Naturalize》で対策されやすいとはいえ《罠の橋/Ensnaring Bridge》は赤単の得意な火力以外を無効化し、《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》と《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》とのシナジーは除去の少ない緑系デッキには致命的と言える。

●サイカトグ

Hassaku Jinpei

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クリーチャー (3)
3 Psychatog
ソーサリー (10)
2 Upheaval 4 Concentrate 4 Chainer's Edict
エンチャント (2)
2 Future Sight
他 (7)
3 Cicular Logic 4 Lonely Sandber
60 カード

予選では一大勢力を誇ったサイカトグだが、 Finals 本戦では思ったほどの数にはならなかった。

実際問題としてクリーチャーデッキが多くなってきてしまったため、《恐ろしい死/Ghastly Demise》などの除去を多く積まざるを得なくなってしまいサイカトグもかなり方向性の変更を余儀なくされている。

だがそんな中でもこのサイカトグにはクリーチャーの多い現在のスタンダードに対応した工夫がある。

Future Sight
まずドローサポートには《綿密な分析/Deep Analysis》ではなく《集中/Concentrate》。
確かにフラッシュバックまで含めればカウンターされづらい《綿密な分析/Deep Analysis》の方が上だが(もちろんサイドボードにはきちんと準備されている)、ビートダウン相手にはとてもフラッシュバックするライフもマナも無い。

加えて《未来予知/Future Sight》 。

ミラーマッチではとてもメインで 5 マナのカードを使う余裕は無いのだが、除去が多いコントロールの増えた現在ではこの恒常的なアドバンテージエンチャントをセットする隙は十分にあるわけで、サイカトグの新たな切り札となるだろう。

●サイクリング

Howa Osamu

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クリーチャー (8)
3 Krosan Tusker 2 Cartographer 3 Exalted Angel
ソーサリー (10)
4 Slice and Dice 3 Living Wish 3 Wrath of God
インスタント (7)
4 Renewed Faith 3 Moment's Peace
エンチャント (8)
4 Lightning Rift 4 Astral Slide
60 カード

Nishimura Norihito

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クリーチャー (10)
4 Exalted Angel 4 Krosan Tusker 2 Cartographer
ソーサリー (7)
4 Wrath of God 3 Slice and Dice
エンチャント (8)
4 Lightning Rift 4 Astral Slide
他 (4)
4 Remewed Faith
60 カード

Astral Slide
オンスロートのメカニズムがもたらしたサイクリング。
他にエンチャントが使われていない今(とはいえこのデッキの存在がサイドボードのエンチャント対策を必須にしているのだが)、一度場に出てしまえば際限無くアドバンテージを稼ぎ出す《稲妻の裂け目/Lightning Rift》と《霊体の地滑り/Astral Slide》はまさに脅威的な存在だ。

何よりほぼノンクリーチャーという構成、それに《神の怒り/Wrath of God》《賛美されし天使/Exalted Angel》というアンチビートダウンなセットを有していることがメタゲームに合致していると言える。

しかしサイクリングというデッキは構成上個人差があまり出ないものだが、この両者のデッキは驚くほど違ったものになっている。

宝輪のものは《生ける願い/Living Wish》が入っていて比較的スタンダードなものだが(それでも《一瞬の平和/Moment's Peace》が入っている強烈なクリーチャーメタ)、西村のものは何と土地が 31 枚。
それにサイドボードからは《獣群の呼び声/Call of the Herd》《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》と一風変わったサイクリングの形を見せてくれた。

●新型デッキ

Yun Suhan

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ソーサリー (7)
3 Buried Alive 4 Burning Wish
エンチャント (3)
3 Oversold Cemetery
他 (3)
1 Llawanowar Elves 2 Ciry of Brass
60 カード
サイドボード (15)
1 Buried Alive 1 Oversold Cemetery 1 Druid Lylist 1 Scavenger Folk 1 Living Wish 1 Firebolt 1 Duress 3 Cabal Therapy 1 Stitch Together 1 Zombify 1 Haunting Echoes 1 Silent Spector 1 Dwell on the Past

正直この手のアーキタイプが結果を残せるとは意外だったといわざるを得ない。

Doomed Necromancer
だがフェッチランドによって確実に調達できるようになった《憤怒/Anger》と《宿命のネクロマンサー/Doomed Necromancer》のシナジーは実に驚異的で、また《生き埋め/Buried Alive》&《起源/Genesis》 or 《定員過剰の墓地/Oversold Cemetery》により NWO を彷彿とさせる融通性まで持つ。

《燃え立つ願い/Burning Wish》による器用さなど語るところも多いデッキだが、このリアニメイトがここまで勝ち上がったのは《野生の雑種犬/Wild Mongrel》によるところが大きいだろう。

手札に来てしまったインカネーションや大型クリーチャーをディスカードできることも便利ではあるが、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》と《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》という早期のダメージクロックの存在は一本釣り戦略以外の勝ち筋となる。

Morita Masahiko

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インスタント (4)
4 Smother
エンチャント (1)
1 Oversold Cemetery
土地 (24)
14 Plains 6 Swamp 3 City of Brass 1 Starlit Sanctum
他 (4)
4 Rotlung Reanimater
60 カード

Master Apothecary
一見ファンデッキ・・・・なのだが。

とはいえクリーチャー全盛の時代においてはこれもまた有りなのだ。
《賛美されし天使/Exalted Angel》というエースに、《鞭縄使い/Whipcorder》《熟練の薬剤師/Master Apothecary》。
何だかんだ言って白緑や青緑など除去の薄いビートダウンが横行する中で、タッパ-やクレリックマスターが弱いわけも無い。

特に見慣れないクリーチャーだらけのこのクレリックデッキ、判断を見誤ると不思議ワールドに絡め取られてしまうだろう。

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