プロツアーニースで Top 8 に入賞したということの意味合いは、8 人ともそれぞれに異なるわけだ。Kai Budde にとっては、いつもどおりの仕事をこなしただけ、といったあたりだろう。Bram Snepvangers は数年来のツアーにおける苦闘の日々がようやく報われた歓喜の瞬間であるはずだ。それでは、Gary Talim にとってはどのような意味合いを持つのだろうか?
Gary Talim はカリフォルニア州ロスアンゼルスの プレイヤーで、現在 18 歳だ。ニースは彼にとって初参戦のプロツアーであり、初の Top 8 入賞を記録した地でもある。これはビギナーズラックなのか、あるいは新たなる伝説のはじまりの一ページなのだろうか?
Talim の長年の友人である Peter Szigeti に彼について聞いてみた。
「ロスでオレたちがマジックをはじめたのは 3,4 年前になるのかな。Arena や Vanguard を使ったお遊びフォーマットではしゃぐだけの、実に弱っちいジャリだったもんだよ。アイツは《ほとばしる魔力/Manaflare》カード(Sisay)を使ったヤツの《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》デッキは真面目に最強だった...って感じでね。正直、LA のマトモな強さなプロプレイヤーなんていないもんだろうと思ってたんだけど、いつのまにやらアイツも強くなってたみたいだね。何せツアー本戦で 10-3-1 だからな。」
Talim の人間的な面に話が及ぶと、Szigeti は「寡黙だけどいいヤツだよ」と彼を評した。やはり、初挑戦での快挙を成し遂げたことは Talim にとって喜ばしいことだったようだ。
「悪いもなにも、まさに文句のつけようが無いですよ」
こう語る彼は 5 年来のマジックプレイヤーだが、PTQ などに姿をみせるようになったのは Invasion Block からのことだそうだ。彼が今週末に心がけたことは「常にありとあらゆる選択肢が存在しているのだということを忘れないこと」であり、「同卓のプレイヤーが何色に向かおうとしているのか」の把握に全力を注いだようだ。
「僕は流れてくるならどんな色でも文句なし。最初は黒緑だったし、残る 3 回は赤緑をプレイしたんですけど、それも好みがどうこうっていうだけじゃなくて、卓の流れを読んで自然とそうなっただけですね」
彼は 3 回も赤緑をドラフトしたわけだったが、そのときは常に決め手となるコンボをきちんと実装した。
「《ドングリの収穫/Acorn Harvest》と《聖なる儀式/Sacred Rites》で勝ったことが多かったですね」
Talim は明日の決勝に対してはまったく期待していないらしい。
「わかんないですけどね。まあ、何が起こるかは明日実際にポッドについてみあいとね」
Talim に最後に付け加えるべきコメントがあるか尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「Peter Szigeti は地球上でもっともタチの悪いヤツですよ」
PTR (Peter Szigeti)みたいな連中とつるんでいるプレイヤーということで快く思わないものもいるかもしれないが、とにもかくにも初参戦にして決勝ラウンド進出を果たしたということは特筆に値するだろう。Gary Talim の今後に要注目だ。