あなたに挑戦!

更新日 Feature on 2012年 7月 10日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 あなたはこのゲームに勝利する。

 これよりも強力なマジックのカードテキストというのはあったためしがないし、ありそうもない。かつて印刷された中で最もぶっ壊れてて、悪質で、不条理なカードについて考えてみよう。《修繕》。《頭蓋骨絞め》。《ヨーグモスの意志》。それらのカードですら実際に印刷されている「あなたはこのゲームに勝利する」というテキストと比べると見劣りする。

機知の戦い》 アート:Jason Chan

 カード・アドバンテージ? テンポ・アドバンテージ? ライフ・アドバンテージ? そういったたぐいのものはゲーム・アドバンテージの前では何の意味もないね。

 もちろん、言うは易く行うは難しである。記されている1つの劇的で、力強く、そう、まさにゲームを終わらせる効果を得るためには、いくつかの輪をジャンプでくぐり抜けなければならない。で、その火の輪ってのは翼を持つコブラが回転しててピラニアの歯がついてる。

 今回の場合は、あなたはを支払って次のあなたのアップキープを待つだけでいい。

 ......あとは200枚以上のカードがあなたのライブラリーにあれば。

機知の戦い

 私は今週多くのデッキリストを受け取った。後ほど見ることができるが、2つ3つ例を挙げると――プレインズウォーカー・コントロール、《ぬいぐるみ人形》+《ボーラスの工作員、テゼレット》、そして多種多様な《怨恨》デッキにお目にかかった。

 それでも《機知の戦い》をやるのか? 陛下のために命を賭して!?

 よろしい、その挑戦を受けよう。

 《機知の戦い》デッキは、多くの異なるカードをプレイするうまい口実を与えてくれる、面白さ満載のデッキだ。そしてそうだな、時々たった5ターンで勝てる。新たに殿堂入りする可能性があるウィリアム・ジェンセン/William "Huey" Jensenは、グランプリ・ミルウォーキーで《機知の戦い》デッキをプレイしてなんとTOP8に残ったとき、今までプレイしたなかで最も楽しいデッキの1つだと言ったぐらいだ!

 マジック2013の再録枠に《機知の戦い》が入ったので、プレイヤーはもう一度そのプレイ体験を追体験する機会を得ている!

 このカードはこの時期においては強力だろうか? そうだな、シャッフルするだけでこんなに時間がかかるデッキは、身内でのプレイテストだけでも私の休み時間が無くなってしまう。だからまあ何ともいえないが、たぶんこいつはぶっ壊れてるよ。確認する時機だと思うな!

 勇敢な3人の読者が、私に《機知の戦い》デッキのリストを送ってきた。今週はそれらをざっと眺めてから、詳細に入ろうと思う。

 最初はジャック・シャンパーニュのアーキタイプから行こう。

ジャック・シャンパーニュの機知の戦い

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 みごとなことに、ジャックはどうにか青のカードのみでやってのけた! スタンダードのカードプールを考えれば、それはまさに快挙だ。

 次に来るのはルーク・ポールソンによるエスパーバージョンだ。

ルーク・ポールソンの機知の戦い

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 ルークのリストでは機知の戦いをサポートするために同様の青の呪文の多くが見て取れるが、他の2色には安定したコントロール呪文が豊富にある。

 最後は、「ホード・オブ・ノーション」氏がポッドキャストで選択した武装だ。

「ホード・オブ・ノーション」の機知の戦い

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エンチャント (11)
4 機知の戦い 4 死の支配の呪い 3 決断の手綱
252 カード

 ポッドキャスト利用者の「ホード・オブ・ノーション」氏はReConstructedに関心を持ち、デッキを提出するためのライブを行ってくれた。そしてそれはいくつかの緑のマナ加速とクリーチャーに基づいた戦術を選択していた。《出産の殻》が1つの主要なカードで、そして除去はたっぷり、ドロー呪文もあるし、「教示者」――あなたのデッキからカードを探して手札に加えるようなカード――がこのデッキを助けるために付け加えられている。

出産の殻
高まる野心

機知の戦い》は始まった!

 ところで、誰が正しくて誰が間違っているだろうか? どの構築がより優れているだろうか?

 その話の前に、私はこのアーキタイプに関していくつかと、およびそれに基づく制限についていくつか話しておきたい。

一貫性と冗長性

 ライブラリーの厚さのせいで、現実にあなたが引くカードはそれぞれ一貫性を保てないだろう。このデッキではゲーム中に4枚入っている《審判の日》のうち1枚を見つけることも難しい。そのうえ、優先して一貫的に入れられるカードの多く――例えば教示者――は、機知の名を持つあのエンチャントを探してきて、ただそのゲームに勝つために使われるだろう。しかしながら、冗長性を持つカードでそれを補うことができる。

 《審判の日》と《黒の太陽の頂点》と《終末》は全く同じではないが、同じようなそれらの呪文をそういった効果のバージョン違いとして豊富にデッキに加えられるし、大体1枚は十分に引ける。さまざまな分類で多くの冗長性を持つそのようなカードとそうではないカードがあり、《機知の戦い》デッキではそういった冗長性を持つもので周りのほとんどを固める必要がある。

黒の太陽の頂点
終末

 アグレッシブ・ビートダウン方面に焦点を当てた《機知の戦い》デッキが実際には実現不可能なのはこれが理由となる。アグレッシブ・デッキはそのマナカーブ上の各マナ域で最良のカードを利用するのだが、スタンダードではそれらのスロット上にそれほど多くの冗長性のあるカードは存在しない。確かに、《流城の貴族》と《トゲ撃ちの古老》から始めることはできるが、あなたが安定して1マナを確保したいならば――このスタンダードではすぐに《ソンバーワルドの自警団》に至ってしまうほど質が落ちる。

 言うまでもなく、機知の戦いに捧げるにはコントロールベースの戦略がより似合う。そのゲームを長引かせて多くの強力な、高コストなカードを使いたい。となれば、機知の戦いデッキをよりコントロール向きにしておくべきだ。

 そういうことを実行しようと思うなら、別々のデッキを構築するのが最も簡単な近道と言える。《機知の戦い》デッキ(およそ240枚)のサイズは通常サイズ・デッキの4倍で、また4という数は都合のよいことに任意のカードを入れられる最大の数だ。その手法はおおむね60枚デッキにおいて4枚あるカードを――機知の戦いデッキにおいては1枚のカードを――引くような感じになる。

機知の戦い無しで勝てるよう良いものを最大限に

 さらに、機知の戦い無しで勝つ覚悟をすべきだ。そのエンチャントを探し出す多くの方法を実行することができるが、だからといって普段のゲームで機知の戦いを見つけられる保証があるわけではない。ほかの勝ち手段を多くそろえておきたいところだろう。幸いにも、タイタン達のようなコントロール向けの最強カード群はゲームを単体で終わらせるには十分だろう。

霜のタイタン
墓所のタイタン

 要は、最上ではないカードをいくつか含んだコントロール・デッキをプレイするってのが基本だと言える。こいつの利点は時々5マナでそのゲームに勝てるってところだ。

 デッキを構築するときに、良い物は入れられるだけ入れていきたい。その場合、機知の戦いを見つける様々な手段をより多く取り入れたい。この点についてだが、より多くの教示者系カードを用いられることから黒をプレイするのが必須だと私は考えている。よって、それを考慮するなら、黒で構築することを選ぶことになる。可能な限り教示しさらなるカードを引くのがきわめて重要だ。

色について

 したがって、少なくとも青と黒が必要なのは明らかだ。特に、マジック2013とイニストラードが提供する友好色と敵対色の"バディ"ランドと、ミラディンの傷跡の友好色ファストランドで色を補佐できるので、2色ランドを追加することを考えるなら、このデッキにもう1色を足していくつかの強力なカードを利用することもできるだろう。

 しかしながら、プレイしたいと思うカードを並べてみると、青と黒で十分すぎる。そんな馬鹿なと思うかもしれないが、2つの色だけで非常に多くの強力なカードがあるので、240枚のデッキになるよう削っていくという難しい作業が求められるんだ。さらに、多少雑なのは確かだが、マナバランスもうまくいくだろう。

破滅の刃》 アート:Chippy

 このデッキを3色にするのは、5枚の2色ランドとその他のマナ生成アーティファクト2つで3色60枚デッキを回そうとするようなものだ。回すだけならできるが、もちろん誰も文句を言わずにはいられない。

 と、いうことは先に挙げた3つのデッキとは異なる手段を取らなくてはいけないということだ! いや--むしろこの3つのデッキの方が好みではあるのだが! 私は素直な青黒2色デッキで挑戦してみよう。

 機知の戦いデッキを精査する準備は整ったか? よし行こう!

デッキ分類

 了解、ならば上のリストで出てきた様々なカードを見てまわり、それがデッキに入れるに値するか検討していこう。

 ......オーケイ、こんな多くちゃ無理だな。私はまともじゃないかもしれないが、バットマンに敵対する犯罪者ほどいかれちゃいない。上記の提出されたデッキリストはサンプルにするとして――代わりにゼロから始めていき、各分野ごとにリストアップされたカードがうまくはまるかどうかを詳しく調べていきたい。

 まず最初はコントロール要素となるリストからやってみよう。

デッキ分類

 青黒コントロールは盤面をコントロールするために多くの除去を必要とする。また、スタンダードには除去がたくさんあるので、絞り込んでいこう。

 《喉首狙い》と《破滅の刃》は2マナのみ、かつ対象に取れる範囲が非常に広いというだけでこのデッキではおそらく最上の選択だろう。次いで、念のために単体除去をさらに――思い出して欲しい。このデッキでの同じカード4枚は、通常の60枚デッキにおいては1枚であることとほぼ等しいのだ――入れる必要があり、呪禁クリーチャーと中量級クリーチャーの群れ、両方への解答も欲しい。

喉首狙い
破滅の刃

 呪禁や大群と戦うには、全体除去が定番だ。《もぎとり》、《血のやりとり》、《死の支配の呪い》、《漸増爆弾》、それに《黒の太陽の頂点》と、その役割をうまく果たせるカードは多い。《ヴェールのリリアナ》と《飢えへの貢ぎ物》もまた呪禁を持つ敵をあしらう助けになる。

 《ゲスの評決》は呪禁に対する別の選択肢だが、《幻影の像》が《聖トラフトの霊》と戦う可能性も加えた5つの選択肢から、私はメタゲームのために別の単体除去を選択した。《闇の掌握》、《闇の領域のリリアナ》、そして《夜の犠牲》といった除去のセットで仕上げることとし、これで除去を序盤に引ける高い可能性が見込める。

闇の領域のリリアナ
夜の犠牲

 除去に含めようとしなかったカードとしては《悲劇的な過ち》が顕著な1枚だ。ゲーム序盤に特定のカードを引ける見込みは低いので私はゲーム中いつ引いても強い除去を望むのだが、《悲劇的な過ち》は常に陰鬱の恩恵を受けていなければその条件を満たせない。

打ち消し呪文

 スタンダードには十分な数の打ち消し呪文がある――《取り消し》と同質なら上等だ。しかしながら、このデッキは除去ったり、カードを引いたり、あるいは脅威となるカードを出すためにほとんどの場面で土地をタップアウトしたい。というわけで、何かしらの打ち消し呪文には頼りすぎないようにし、どちらかといえば代わりに《強迫》のようなもので先手を打とうと思う。

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マナ漏出

 私は様々なパーツから始めて少しずつ数を減らしていった。最後に残った2つのパーツは《マナ漏出》と《雲散霧消》だ。《マナ漏出》をプレイしないなんてありえないし、多数のドロー呪文や《瞬唱の魔道士》があること、そして勝利条件を保護するためにも確定打ち消し呪文を加えておくことは必須だ。

 もしあなたがもっと打ち消し呪文寄りのプレイスタイルだとすれば、《否認》が最後に切り捨てられた打ち消し呪文だということは伝えておく。少なくとも、《否認》はサイドボードには収まる。

ドローカード

 このデッキは機知の戦いを見つけ出すために掘り、掘り、掘り進めたい。カードを1枚引きつつライブラリーを掘り進められるそういった助けがある――《ギタクシア派の調査》、《思案》、そして《禁忌の錬金術》はこのデッキにおいてはすべて優秀だ――が、もっと抜きん出た確実な方法が欲しい。幸運なことに、今なら驚くほどの安定感を持つ高品質なカードドローを利用できる。

 選んだカードをすべてリストに入れるとは限らないのだが、それでも私は、おそらくこれが幾人かを驚かせるとわかっているので、他では見かけないようなユニークなカードについてしばらく語りたい。そのカードとは? 《遥かなる記憶》だ!

遥かなる記憶》 アート:Karl Kopinski

 他に比べて話題になることの無いこのドローカードは普通は面白くない。対戦相手に効果の選択権を与えるというのは、めったに良くはならない。しかしこのデッキにおいては、ほぼ常に《集中》となる。もし機知の戦いを探し出したのであれば、対戦相手はそれに対応せざるを得なくなる。機知の戦いを与えてやりたいと相手が思ってくれるのは極稀だ。《集中》は最近印刷されているものと同じマナ域を考慮すれば、手堅い取引だ。

遥かなる記憶

 そうだな、これは機知の戦いデッキのライブラリーを薄くする――けれども、非常に多くの安定したコントロールでのフィニッシャーや教示者で周りを固めているので、大した問題ではない。次は教示者について話すとしよう......

教示者

 私は《機知の戦い》デッキとは、《機知の戦い》自身とそれを単体で呼び出すことのできるカードを組み合わせることが一番だと理解している。そんなふうに、教示者かドロー呪文で満ちている手札でターンを終えたり無為に過ごしたりはしない。けれども、その部分で私は入れられるすべての教示者からやり始めたいのは間違いない。

 《魔性の教示者》、《魔性の天啓》、《高まる野心》、そして《ルーン傷の悪魔》がこのアーキタイプで用意されている教示者の盛り合わせだ。ああ、高コストなやつらで機知の戦いを持ってきて出すには2ターンかかる――だがその結果ゲームに勝てるんだから悪いターンの使い方じゃない。

クリーチャーと脅威となるカード

 最後に、このデッキが扱えるクリーチャーと脅威となるカードを見ていこう。これは実際同じようにやれるものが非常に多いので、絞り込んでいくのが最も難しいデッキパーツだった。

 1つの方向性としては、各種タイタン、《聖別されたスフィンクス》、《ワームとぐろエンジン》、《殴打頭蓋》のような数多くの魅力的な最上級のフィニッシャーが大量にある。強烈なパンチで対戦相手を打ち負かせるやつらをいっぱいになるほどにデッキに詰め込めるんだ。

 別の道として、超お買い得なクリーチャーというのも同様に多い。《粗石の魔道士》は《キマイラ的大群》、《旅行者の護符》、《墓掘りの檻》、《虚無の呪文爆弾》といった様々なカードを見つけられるし、十分な数の呪文をデッキに含めれば、《ボーラスの占い師》もいけてるな。

 《真面目な身代わり》はそれらとはまた別の付加価値を提案してくれる。

 それで、唐突なんだが、それらのカテゴリーから望める素晴らしいクリーチャーを全て抜き出したらそれは76枚に達した。その後だが、どうやればそれ以上切り詰められるのか途方にくれてしまった。

 いくつかの痛ましい切除を加えた後、私は最終的に双方を混ぜ合わせて採用することに決めた。

 《瞬唱の魔道士》と《真面目な身代わり》は私がこれでプレイしたいのは分かっていたカードだ。《魔性の天啓》のような教示者カードを使いたいならそのマナ加速の重要性は計り知れないし、瞬唱は試すまでもなく上出来だ。《幻影の像》もまた最高で、《聖トラフトの霊》を除去ったり、ゲーム序盤においてクリーチャーをコピーしてブロックできる上、戦場に《ルーン傷の悪魔》が登場してるときならその後に5/5の《戦隊の鷹》としても機能する。


 もちろん、ゲームを終わらせてくれるデカブツも同様に必要だ。《墓所のタイタン》と《聖別されたスフィンクス》はうまくやってくれるし、前述した《ルーン傷の悪魔》は機知の戦いを探し出すかあるいは単に攻撃することでゲームを終わらせてくれる。

 最後に、《解放された者、カーン》という素晴らしい豪腕のプレインズウォーカーを加えよう。彼はあなたが対応に困っているあらゆるパーマネントに対処することができ、さらに次の解答を対戦相手からもぎとることができる。ルイス・スコット=ヴァルガス/Luis Scott-Vargasの言葉を借りれば、「カーンは優秀なパーマネント対策だ」。

(訳注:ルイス・スコット=ヴァルガスは世界最高峰のマジックチーム、Channel Fireballの総帥。通称LSV)

 そして、それが常に起こるとは思えないが、200作者ポイントで勝てるように戦場に機知の戦いを備えた状態でゲームをリスタートできるなら、その筋書きを実行にうつすのは何もおかしくない。

 いくつかのアーティファクトマナと適切な数の土地を入れて仕上げとし、終わりとする。

青黒機知の戦い

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 このデッキリストにはサイドボードがない――最初はサイドボードに入れてみようと思ったカードはメインで使ってみてはどうかと思っているのだが――取り掛かるとすれば打ち消し呪文と除去から入れる。機知の戦いをぶっ壊そうとする相手から身を守りたいし、ビートダウン・デッキに対しさらなる除去を望むだろう。追加の《闇の掌握》や《夜の犠牲》や《否認》のようなカード、《血統の切断》、《生命の終焉》、《墓掘りの檻》、《虚無の呪文爆弾》、そして《粗石の魔道士》などを前もって考えている。

墓掘りの檻
否認

 このデッキを作る多くの方法と調整できる様々なカードの選択があるので、その進化を導き出す最良の方法は家から出て実際に対戦してみることだ! 私はこのデッキが他のデッキと渡り合えると本気で思っているし、これがスタンダードでどのようにやっていけるかを確かめられるのはワクワクする。5マナで「あなたはこのゲームに勝利する」カードを備えた青黒コントロール? 私にもやらせてくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 機知の戦いは構築する楽しさがあちこちに山積みということで選ばれたが、今週は様々な素晴らしい提案を受け取った。それらのうちいくつかを見ようじゃないか!

Robert Dentonの信仰の見返りコンボ

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Jackのボーラス・コントロール

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Noah Staffordの緑赤ビートダウン

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