
はるか昔、アラーラは一つの次元だった。しかし、マナを失っていったアラーラは砕け散り、五つの断片に分かれた。それから数世紀がたち、それぞれの断片は独自のマナを取り戻したが、そこにはかつての潤沢だった五つの色のうちの三つしか戻らず、その結果、それぞれが独自の個性を持つ五つの別々の世界を生み出していった。
各断片に生きる生物は、母なる世界、アラーラを忘れ去っていた。しかし、アラーラの断片は、久遠の闇の混沌の虚空を漂いながら、互いに再び近づいていっていた。そして長い時を経た今、断片は多大につながりあったのだ。長い時を経た今、五つの断片の運命は、今まさに大融合を成し遂げようとしていた。
それは衝合(コンフラックス)だった。

誰かが遠くからそれを見ていたなら、五つの断片の衝合は、輪を成した五つの小さな宇宙が、色の光の中で互いに重なり合う、奇妙に美しい光景だっただろう。しかし、断片の住人にとっては、それは大災害だった。世界の境界は互いに砕け散り、復活の中で地形は互いに切り裂きあっていった。それはまさに天地創造の絵のようだった。

断片の合流はゆっくり進んでいったが、境界線の現実が互いに歪んでいく様は、まるで建造物が踊り狂っているようだった。世界は他の世界と重なり合い、それぞれの世界はそれまで別々だった新たな二つの世界との境界を有するようになった。ナヤが一方でバントと、もう一方でジャンド溶け合っていた。バントはナヤとエスパーの両方とぶつかり合っていた。エスパーはバントとグリクシスの両方と繋がりあい、グリクシスはエスパーやジャンドと接触し、ジャンドはグリクシスやナヤを切り裂いた。それぞれの世界は、新たな二つの現実と衝突したのだ――それは、新たな二つの敵でもあった。

輪を成す世界となった断片が縮んでいく中、その中央では、五つのすべてのマナが燃え上がり、生命を生み出していた。そして、次元の境界をまたにかけたマナの洪水と、長い間別々だった文明が互いに接触しあったことで、別な生命も生まれつつあった――それは、世界全域にわたる戦争の脅威だった。
