5人のプレインズウォーカーたちの起源となるストーリーが描かれたセットである『マジック・オリジン』。ストーリーに沿った魅力的なカードや、思わずデッキ構築に着手してしまうようなカードが多く収録されており、皆さんも今、『マジック・オリジン』を楽しまれていることではないでしょうか。
そして、そんな『マジック・オリジン』の熱が日本を暑くする中、ちょっと涼しいバンクーバーにて7月31日(金)~8月2日(日)の3日間、世界最高峰の戦いであるプロツアー『マジック・オリジン』が行われました。

ニコニコ生放送でもご覧になった方も多いでしょうが、見逃した方や、また、タイムシフトで見たいという方のために、今回も見所などを紹介していきたいと思います。
(※編注:各項目がリンクになっているものは、タイムシフト視聴動画内のその場面に直接移動することができます。時刻はタイムシフト動画内の位置(時:分:秒)を表します。タイムシフト視聴画面の左下に入力欄があり、再生中に移動することもできます。)
開催地はバンクーバー
今回のプロツアーの開催地は、カナダはバンクーバー。最高気温は25度程度と日本よりも涼しく、避暑地や観光地としても有名な都市。また、日本からの観光客も多く、日本でもお馴染みのお店も多くみられます。ラーメン屋がたくさんあるのは、ちょっと驚きました。食レポは金子さんがしっかりとやってくれるだろうと思いますので、そちらもご期待ください。そろそろ、金子さんの体重は心配ですけどね。

『マジック・オリジン』のドラフト戦略は?
初日、最初の3回戦はドラフトにて行われました。『マジック・オリジン』は2色の組み合わせを推奨している環境であり、それぞれが特徴的な戦略を持ちます。例えば、有力なアーキタイプの1つに《ナントゥーコの鞘虫》と《反逆の行動》や《心酔させる勝者》などで、相手のクリーチャーのコントロールを一時的に奪いつつダメージを与え、生け贄にすることでそれを返さない、といった赤黒の戦略があります。
最初の中継では世界最高峰のリミテッドプレイヤーである渡辺雄也選手のピックが紹介され、綺麗な赤黒のデッキが作られているので、参考にしてみてはどうでしょうか。
渡辺雄也選手のドラフト(1日目 0:11:14~)
しかし、一方その頃、ウィリアム・ジェンセン選手には強力なレアの1つである《搭載歩行機械》が「?枚」も!?こちらも、録画によるピックを続けてご覧ください。
ドラフトの3回戦のフィーチャーマッチの間は、さまざまなアーキタイプのデッキが登場しますので、そちらも注目ください。
殿堂顕彰者発表!
ドラフト終了後、初日の昼休みには、今年のプロツアー殿堂顕彰者が発表されました。
2015年度 プロツアー殿堂顕彰者発表(1日目 3:57:52~)
今年、選ばれたのは3人、ブラジルのウィリー・エデル/Willy Edel選手、アメリカのエリック・フローリッヒ/Eric Froehlich選手、そして、日本の八十岡翔太選手。ヤソこと、八十岡選手は後1つ結果を残せれば、と言われていただけにプロツアー『タルキール龍紀伝』で準優勝できたことはベストタイミングだったのではないでしょうか、ついに、あのヤソが!ということで、個人的にも喜んでおります。顕彰セレモニーは次に行われるプロツアー『戦乱のゼンディカー』で予定され、自分もバッチリ参加しにいく予定です。おいしいご飯が食べられそうなんで!

直前生放送ではこんな姿も
『マジック・オリジン』の注目カードは?
そして、気になるスタンダード・ラウンドへ。スタンダードでは、『マジック・オリジン』発売から本戦まで2週間というスケジュールではあるものの、前哨戦となったトーナメントでいくつかのデッキが浮上していました。
特に新しい組み合わせとして注目されていたのは、《ヴリンの神童、ジェイス》を中心とした各種デッキと、《ナントゥーコの鞘虫》を加えたことで、コンボデッキとして浮上した《先祖の結集》デッキでしょう。こうした、新しい形のデッキと、今ままにあった有力デッキとの間で、プレイヤーはどういった選択をするのかというのが今回のメタゲームの焦点の1つと言えました。
第5回戦:ズヴィ・モーショヴィッツ/Zvi Mowshowitz選手(アブザン「先祖の結集」) vs. サミュエル・ブラック/Samuel Black選手(赤単アグロ)(1日目 5:47:58~)
そして、蓋を開けてみると、最大勢力となったのは「緑赤信心」、『マジック・オリジン』以前から活躍するデッキで、『タルキール龍紀伝』で《龍王アタルカ》を加え、クリーチャーの展開力はもちろん、一気に盤面を制圧できるようになったのが魅力的なこのデッキ。対応するよりも、対応させるタイプなため、メタゲームにパフォーマンスが大きく左右されにくいのが多くのプレイヤーが選択した理由かもしれません。
さらに、「アブザン・コントロール」や、「青黒コントロール」といったデッキが居る中、存在感を示したのは、極端なアグロデッキである、2つのデッキ。
1つは「赤単アグロ」。『マジック・オリジン』からは新しい4点火力である《極上の炎技》、そして、強力なアタッカーでありながら、アドバンテージ能力を持つ《ケラル砦の修道院長》が、プロツアー『タルキール龍紀伝』でも優勝した赤いアグロをさらに押し上げることとなりました。
そして、もう1つは「青赤アーティファクト」。《アーティファクトの魂込め》はモダンでも活躍できる、大きなポテンシャルを秘めたカードでしたが、それが『マジック・オリジン』の飛行機械を中心としたシナジーを加えて、一気にトーナメントレベルへと浮上したのです。こちらは、もっとも『マジック・オリジン』の恩恵を受けたデッキと言ってもいいかもしれません。
この2つのデッキに共通する点は、とてつもない速さ。2ターン目に5点という打点は、この両者にとっては普通のことと言えるでしょう。そして、環境最速を決める戦いは、プロツアー決勝でも行われました。
決勝:ヨエル・ラーション/Joel Larsson選手(赤アグロ) vs. マイク・シグリスト/Mike Sigrist選手(青赤「アーティファクトの魂込め」)(3日目 4:54:23~)

「赤単アグロ」を使用するヨエル・ラーション選手と、「青赤アーティファクト」を使用する、マイク・シグリスト選手、フルセットにもつれ込む熱戦ながら、その試合時間は1時間足らず。最後の試合では、赤単アグロを使用するヨエル・ラーション選手が《大歓楽の幻霊》を2体並べ、勝利をものにしました! 今大会の高速環境を象徴するトップ8、その一瞬も見逃せない戦いもぜひご覧ください。

今大会、最速の男(かつ、イケメン)
日本勢の活躍も
そして、日本勢の活躍も忘れてはいけません、トップ8でこそ、敗れてしまいましたが、予選ラウンドをひたすらぶっちぎりで勝ち続け、最速で日曜への切符を手にしたのは山本賢太郎選手。これで、プラチナ・レベルとなり、世界選手権への出場権も得られたため、大きな週末となったのではないでしょうか。ぜひ、世界選手権では今度こそ頂点を期待したいと思います!
トップ8を決めた山本賢太郎選手インタビュー(2日目 9:25:39~)

『マジック・オリジン』のこれからの可能性は?
プロツアーでは他にもさまざまなデッキが見られました。『マジック・オリジン』のカードを中心にした、ロマン溢れるデッキなども見逃すわけにはいきません。
その中から、1つをご紹介したいと思います。それは、《悪魔の契約》を使ったデッキ。《悪魔の契約》はリリアナの悪魔との契約を表したエンチャントで、3回までは大きなアドバンテージを与えてくれますが、4回目は自身の敗北を選ばされてしまうというもの。その契約をいかにして、破棄していくかというのがこのカードを使う上でテーマとなっていましたが……アントニオ・デル・モラル・レオン/Antonio Del Moral Leon選手のとったアプローチは?
アントニオ・デル・モラル・レオン - 黒緑「悪魔の契約」
プロツアー『マジック・オリジン』 / スタンダード
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第12回戦のフィーチャーマッチに登場しており、存分にその活躍を見られますので、お見逃しなく!
第12回戦:ラファエル・レヴィ/Raphael Levy選手(緑赤信心) vs. アントニオ・デル・モラル・レオン/Antoni Del Moral Leon選手(緑黒「悪魔の契約」)(2日目 4:39:03~)
次回は世界選手権!
次のイベントは8月27日(木)・28日(金)・30日(日)、シアトルで開催される「世界選手権2015」となります(現地時間)。選ばれし24人の戦いには、日本からは渡辺雄也選手と、山本賢太郎選手が参加します。もちろん、ニコニコ生放送での中継もありますので、そちらもお楽しみに! それでは、また、世界選手権でお会いしましょう!