『From the Vault: Angels』

更新日 Feature on 2015年 8月 12日

By Trick Jarrett

Patrick "Trick" Jarrett oversees web content and social media for Magic, and acts as the publisher of DailyMTG.com and Magic content on the web. He's an ardent Commander player and lover of the game he's played since Ice Age.

 我々は10年以上にわたり数多くの『From the Vault』を送り出してきました。『From the Vault: Dragons』、『From the Vault: Relics』、『From the Vault: Legends』などなどです。今年、我々がお届けするのはマジックの中で最も人気のあるクリーチャー・タイプの1つである天使――『From the Vault: Angels』です。

 長い年月をかけて、《セラの天使》は4つの異なるアートで印刷されてきました。しかしながら、トーナメントで使用できるのはそれらのアートのうち3つだけでした。『アルファ版』のダグラス・シュラー/Douglas Shulerが描いたアートは初期のマジックの最も象徴的なアートの1つでした。そのアートは『第4版』まで使われ、《セラの天使》は一度基本セットから脱落し、『第7版』でマーク・ザグ/Mark Zugによる新たなアートとともに戻ってきました。その4年後、我々は『第9版』でグレッグ・ステープルズ/Greg Staplesによる新たなアートを導入し、そのアートは現在まで使われています。

 しかし第4のアートはマジックの歴史上かなり初期である1996年まで遡ります。それはレベッカ・ゲイ/Rebecca Guayによるアートであり、《セラの天使》についてのコミックの付録の大判カードにしか使われていませんでした。このアートはこれまで通常のサイズでの印刷はされていませんでした。これまで、つまり『From the Vault: Angels』までは、です。

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 我々はこのカードをプレビューのために、コミュニティの一員であるヘザー・ラファティ/Heather Lafferty (@RevisedAngel on Twitter)にプレゼントしました。ヘザーはコミュニティ中にポジティブな影響力があり、お気づきかも知れませんが熱烈な天使のファンなのです。

 《セラの天使》はマジックの最も象徴的な天使かもしれませんが、見覚えがあって、人気のある、そして愛しい天使たちがいます――それらの多くが『From the Vault: Angels』には収録されているのです。

 マジックの多元宇宙では、天使は造られた存在です。彼女たちは自然には存在せず、再生産されることもありません。《セラの天使》はドミナリアでセラによって造られ、アヴァシンはイニストラードでソリンによって造り出されました。後者はイニストラードの異常な生態系の維持のため、ソリンの吸血鬼の血族が人間を狩り尽くしてしまわないように造り出されました。

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 皆さんが既にご覧になったかもしれない別のカードが《魂を数える者、タリエル》です。このマルドゥ・カラーの天使はマジックの上席ブランド・マネージャー、マーク・パーヴィス/Mark Purvisによって作り出されました。タリエルが最初に現れたとき、彼はその統率者デッキの責任者だったのです。

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 我々が初めてゼンディカーを訪れたとき、マジックのプレイヤーは《エメリアの盾、イオナ》に出会いました。エメリアはゼンディカーで崇拝されていた女神の一柱であり、そして学んだように彼女の名前は本当は恐るべきエルドラージの巨人である《引き裂かれし永劫、エムラクール》に由来しています。イオナはゼンディカーの住人を多くの邪悪から守ってきたにも関わらず、実際のところ、そのカードの能力はエムラクールの無色の全体除去を防ぐことを可能にしません。そして彼女のこの新バージョンのカードには、ジェイソン・チャン/Jason Chanによる、今までに見たことのない新アートが使われています。

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 私が初めてウィザーズに来たのは『イニストラード』ブロックのときで、ウィザーズの社員として初めてプロツアーに行ったのはスペイン・バルセロナのプロツアー『アヴァシンの帰還』でした。それは素晴らしいイベントで、ドラマティックな奇跡デッキを操るアレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayneのおかげで今までのプロツアーの中で最もエキサイティングなマッチをフィーチャーしました。彼のプロツアー優勝デッキの鍵となる奇跡カードの1つが《天使への願い》でした。

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 《悪斬の天使》は『基本セット2010』で最初に印刷され、全くもって強力なカードでした。《セラの天使》と同じマナ・コストで、5/5にたくさんの能力がついてくる本当に強力なカードでした。《悪斬の天使》は、私が新しい白い統率者デッキを作るときにはほとんどいつもプレイするぐらいに強力な定番クリーチャーです。

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 次にご紹介する天使は『ミラディン』に存在しました。《白金の天使》はあなたはゲームに敗北しない(そして完全性のためにあなたの対戦相手はゲームに勝利できない)という独特なゲームを壊すメカニズムで長い間人気を博しました。例えあなたのライブラリーが空でライフがマイナス2000まで落ち込んでいても、ゲームオーバーにはならないのです。少なくとも、対戦相手が《白金の天使》を除去する呪文を引くまでは。

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 素晴らしきアールケー・ポスト/rk postの描いた《稲妻の天使》が『From the Vault: Angels』に収録されています。《稲妻の天使》はアールケー・ポストがマジックのために描いた六天使の1体で、唯一の多色です。これが最初に収録されたのは『インベイジョン』ブロックの最終セット『アポカリプス』でした。そしてこれは最初に印刷された赤白青のカードでした。

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 我々が数年前にラヴニカへ回帰したとき、多くの新顔に出会いました。時は過ぎ勢力争いはランキングの上下とともに続いていました。我々がラヴニカを去ったとき、《ボロスの大天使、ラジア》が秩序を保ちラヴニカを守る軍団を率いていました。我々が回帰したときは《戦導者オレリア》がトップの地位に就いていました。ギデオンがラヴニカを訪れた時に、彼女が彼を助けた様子がアダム・リー/Adam Leeの「より善きこと」に描かれています。以下はその引用です。

 ギデオンは均整の取れた綺麗な無人の模型を見たが、彼は人々が交戦地域にて平和的に生きようとしている真の苦境を想像した。「つまり、抗争中の地域ですか。そこに生きる無辜の人々は大きな犠牲を支払うことになるでしょう」

「その通りです」 オレリアは重々しい声色で言った。彼女はギデオンを見た。「最も大きな犠牲を払うのは、常に無辜の人々です。私はそこに燃えがらの精霊達と共に赴き、ラクドスとグルール、ディミーアの者達を最後の一人まで焼き払いたいと心から思うのです。とはいえギルドに属さないラヴニカ市民達は何世紀にも渡って、比較的平和に生きてきました。以前、その地は全域がアゾリウスの管轄にありました。ですがギルドパクトが破壊された時......」 オレリアの声は次第に小さくなっていった。「ジュラ、歴史の授業であなたを退屈させるつもりはありません。ですがその余波の中、アゾリウスは新プラーフを再建すべく第九地区を放棄する必要にかられました。自然と、ラクドスとグルールが入り込み、厄介者のように喧嘩を始めたのです。第九地区の大半が失われました」

「では、その間ボロスは何処に?」

「当時、私はギルド長ではありませんでした」 オレリアの返答には白刃の感触があった。ギデオンは痛い所を突いたのだった。「私達は不名誉な者に導かれていました。私は第九地区の広範囲が失われるのを見ました。その損失、その他にも許されない失敗がありました。それらのほとんどはギルドの統率へと......変化を強いるものでした。すみません、ジュラ。私はその頃について今も苦い思いを感じているのです。あなたに見て頂きたいものがあります」

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 《賛美されし天使》が最初に印刷されたのは『オンスロート』でした。それは印刷されて以来これまでに印刷された中でも優れた天使の1つと見なされてきました。もしかすると、ジャッジ報償として作られたロブ・アレクサンダー/Rob Alexanderのアートによるプロモが最も有名かもしれません。そして、『From the Vault: Angels』ではタイラー・ヤコブソン/Tyler Jacobsonによる新アートで収録されています。

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 私がマジックで好きなことの1つは、マジックを通して現実世界の新しい言葉を学ぶことです。例えば、アスラはサンスクリット語で神話的存在を意味する言葉です。なので《戦争のアスラ、ジェナーラ》というカードを見た場合、それが彼女の名前と「戦争のアスラ」がバントの神話でどんな存在であるか……ええ、もうあなたはお分かりですね。

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 また別の有名な一対の天使、イクシドールによって作り出されたアクローマはサンディエゴの「Comic Con」で公開されました。イクシドールは妻のニヴィアを殺された後全てを失った男でした。それに応じて、彼は《怒りの天使アクローマ》を妻に似せて造り出し、妻の復讐を使命として与えました。《憤怒の天使アクローマ》はもう1つの現実である『次元の混乱』からやってきて、憤怒を糧とし赤マナを帯びています。したがって、この新しい天使はふさわしい名前と異なる能力を有します。

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 《敵対の大天使》は『マジック:ザ・ギャザリング ― 統率者』に収録され、グレッグ・ステープルズによる美麗なアートが特徴です。私はこのアートが大好きで、それはこのカードのメカニズムを象徴しています――剣と盾はプレイヤーの選択する「戦争」と「平和」にマッチしています。

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 『From the Vault: Angels』最後のカードは、これもやはり全く新しいアートの《玉虫色の天使》です。ライアン・アレクサンダー・リー/Ryan Alexander Leeは戦場を飛び越える天使の華麗なアートを提供してくれました。これはその新しいアートの描写です。

 天使がまばゆい太陽の光の中にいる。彼女は板金鎧を身に纏い輝く斧を携えている。陽光の端には万華鏡のような色の変化が見られる。地面には、光線に包まれているような恐怖の中で大胆にも彼女に攻撃している敵のシルエットを見ることができる。

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玉虫色の天使》 アート:Ryan Alexander Lee

 『From the Vault: Angels』は来週8月21日に発売されます。あなたの地元のお店で予約できるか尋ねてみてください!

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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