一体誰が分解を許可した?

更新日 Feature on 2016年 9月 9日

By Luis Scott-Vargas

Luis Scott-Vargas plays, writes, and makes videos about Magic. He has played on the Pro Tour for almost a decade, and between that and producing content for ChannelFireball, often has his hands full (of cards).

 いよいよ『カラデシュ』が地平線に姿を現し、早くもさまざまな発見が起きている。新セットの登場で最も注目すべき点としては、「どのような除去が登場し、デッキ構築に影響を与えるのか」や「どのようなクリーチャーが採用され、どのような戦略が有効なのか」といったことが挙げられるだろう。そしてクリーチャーが問題として挙げられるなら、その解答は除去呪文ということになる。どうやら『カラデシュ』では、良い解答が得られるようだ。

 「解答」と言えば、真っ先に解答が必要な大事な問題があるね。

「一体誰がこいつの分解を許可した?」

http://media.wizards.com/2016/bVvMNuiu2i_KLD/jp_ZtsvorutNk.png

 素晴らしいカードだ。シンプルながら見事な1枚であり、実にクールな要素が多分に含まれている。早速詳しく見ていこう!

機能するためのコスト

 《無許可の分解》のコストは3マナだ。まあ悪くないだろう。近年の条件のない除去呪文のコストとしては期待通りであり、インスタントであることも加味すれば十分だ。スタンダードでは《殺害》が使われているし、デッキによっては《無許可の分解》の方が唱えやすいだろう。これらがどちらも3マナということは、「殺害」や「無許可の分解」といった違法行為が簡単に至るところで行われ、危険だというテーマを表したいのかもしれない。いいトップダウン・デザインじゃないか。

みんなー、色だよ!

 さほど意識することではないかもしれないが、《無許可の分解》を唱えるのに赤と黒のマナが必要ということは、『カラデシュ』には他にも多色の呪文があるということだろう。それは良い知らせだね。今回も金色の枠のカードが登場することがわかって嬉しいよ。また、2色デッキや3色デッキでは{1}{B}{B}より{1}{B}{R}の方が唱えやすいということも見逃せない。したがって多くのデッキにとって、《殺害》より《無許可の分解》の方が魅力的だろう(それから、「殺害」に比べれば「無許可の分解」の方がまだ罪は軽いはずだ――それも良い点、だろう?)。

無料で3点プレゼント

 なんとこのカードのテキストにはまだ続きがある!《無許可の分解》は、アーティファクトをコントロールしているなら対戦相手に3点のダメージを与える、という決して無視できない能力も持っているのだ。これは胸が高鳴るね。『カラデシュ』がアーティファクトをテーマにしたセットであることはご存知だろう。きっと多くのアーティファクトがあり、それらは簡単に戦場に置くことができ、つまり「アーティファクトをコントロールしているなら」という条件は簡単に満たせると私は想像している。除去に3点のダメージがついてくるというなら、アグレッシブなデッキでは猛威をふるい、コントロール・デッキでも十分に受け入れられるだろう。こういった柔軟性は好ましいところだ。あとはどれだけアーティファクト・テーマに寄せるかが焦点になるだろう。

 《無許可の分解》を用いるデッキを考えるとしたら、全力でアグロに向かう形が思いつくかな。もちろん《無許可の分解》には毎回3点のダメージを与えることを期待したい。大量のアーティファクトと軽量クリーチャー、火力呪文が中心になるだろう。そういうデッキが作れるかどうかは『カラデシュ』で他にも役立つカードが手に入るかによるところが大きいものの、《無許可の分解》のようなものがあるのだから、きっとアグレッシブな戦略にぴったりなアーティファクトがやって来るのだと期待しておこう。

無許可の分解》 アート:Izzy

 新たなメカニズムである「製造」(そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターをX個置くか、無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンをX体生成する能力)は、《無許可の分解》を用いるデッキと相性抜群だ。アグレッシブな戦略に合う軽いコストの「製造」持ちがあれば、多くのものを無許可で分解できるはずだ。

 また、あえて規則を破り、アーティファクトの有無に関わらずコントロール・デッキで使用するというのも楽しいだろう。少量ならアーティファクトも自然に採用するだろうし、《殺害》より唱えやすいという利点もある。十分な活躍が期待できため、私もぜひ試してみたい。

 それから、《無許可の分解》の3点は「ライフを失わせる」のではなく「ダメージを与える」という点にも注目だ。うまくいけば、クリーチャー除去のついでにプレインズウォーカーも退場させられるのだ。これはコントロール・デッキにとって極めて望ましいことであり、きっと多くのプレイヤーがその力を確かめるだろう。

 《無許可の分解》のようなシンプルな除去呪文には多くの可能性がある。このカードをひと目見たときから、私はこれを使う手段についてあらゆるものを考えたよ。君たちもぜひ近くのお店を探して、9月24~25日開催のプレリリースでこのカードを――そして『カラデシュ』のさまざまなカードを使ってみてくれ!

LSV

(Tr. Tetsuya Yabuki)

最新Feature記事

FEATURE

2021年 11月 10日

『イニストラード:真紅の契り』プレリリース入門 by, Gavin Verhey

結婚式に……君は招待された! 伝説の吸血鬼オリヴィア・ヴォルダーレンが、エドガー・マルコフと結婚するのだ。誰もが死ぬほど参列したい一大イベント――きっと君も見逃せないはずだ。 となれば……やっぱりプレリリースは行きたいよね。 さて「プレリリース」とは何だろう?そこでは何が行われ、シールドのデッキはどうやって作ればいいんだろう? 知っておくべきことを動画で観たい方は...

記事を読む

FEATURE

2021年 10月 28日

『イニストラード:真紅の契り』のメカニズム by, Matt Tabak

『イニストラード:真紅の契り』のメカニズムは、話題となっている吸血鬼の結婚式を連想させるものです。新しいもの、古いもの、借りたもの、血まみれのもの。愛は素晴らしいと思いませんか?これからバージンロードを通ってゲーム店に入って来るものを見ていきましょう。 訓練 この恐ろしい世界で生き残るのは、人間にとって簡単なことではありません。常に気を抜けないのです。新規メカニズ...

記事を読む

記事

記事

Feature Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る