Armored Guardian、Agonizing Demise、それとも Armadillo Cloak ?

更新日 Feature

お久しぶり。 先日、Aaron Forsythe が僕によこしたメールに、ドラフトでのカードの選択のことが書いてあった。ピッツバーグでのドラフトで、彼が最初に出くわしたものだそうだ。このパックの中身がなかなか面白くて、今回の、普段あまり考えることのない戦略の説明に使えそうだと考えた。この戦略は、一般的に言われているドラフトの戦略とは逆をいこうというもの。 僕は最近、この戦略を以前に比べてますます使うようになったが(訳注 1)、今までのところ、使うだけの価値は十分あるように思っている。ともかく、そのパックの中身はこうだったそうだ:

  • Armored Guardian
  • Benalish Heralds
  • Crimson Acolyte
  • Armadillo Cloak
  • Agonizing Demise
  • Repulse
  • Pincer Spider
  • Vicious Kavu
  • 1~2 順目で取るほどのものではないカード 7 枚

これが 1 順目で、しかも最初のパック。君ならどれを取る ?

(30秒あげよう…さあ、カードを 1 枚取って、残りを次のプレイヤーに回せ)

agonizing demise
この場合、ほとんどのプレイヤーが取るカードは Agonizing Demise だ。
確かに Agonizing Demise は優れたカードだ。違う色中心のデッキに混ぜても使えるし、黒はこの環境で最良の色の一つだし、これを取らない理由なんて考えられないように見える。それに、このパック中の、他の黒ないし赤のカードで、それなりに強いカードは Vicious Kavu しかない。
ということは、左側のプレイヤーに渡る黒のカードの数を減らすことで、分かりやすいシグナルを送ることにもなる。しかも、残りのカードの色の組み合わせで強そうなのは、青白、青、白緑だから、黒カードを他のプレイヤーと取りあうことになる危険性が低いのも好都合だ。
そんな訳で、狙うは黒赤デッキと決めて、1 順目で Demise を取れば、あとはすべて順調にいきそうな気がする。

armadillo cloak
もし何らかの理由で、黒デッキは避けたい、としたらどうか ?
右側のプレイヤー 2 人がいつも黒を使う奴だったとか、いつも黒い服を着ていた彼氏や彼女と別れたばっかりで、もう黒は見るのも嫌だとか、右側のプレイヤーが Yawgmoth's Agenda を取るのを「偶然」見てしまったとか、そんな場合は ?
そういう時は、一般には Armadillo Cloak を取るべきだ、とされる。
Cloak は強力なカードだし、これ以外の緑カード、つまり Pincer Spider は、その他のカードよりはだいぶ劣るから、緑中心でいくプレイヤーは他にはいないだろう。
Agonizing Demise を渡せば、左側のプレイヤーは黒に走るだろうし、その次のプレイヤーは青白のカードを取るだろうから、こちらが緑のカードを取れる余地はますます大きくなる。

armored guardian
そしてまた、一般則から言えば、Armored Guardian(1 順目の選択肢はあとはこれぐらいだ)は、この場合は取るべきではないカードの一つだ。 これを取ると、Armadillo Cloak と Benalish Heralds という、白の非常に強いカードを 2 枚も流してしまうことになる。こんなことをすると、白がかぶるプレイヤーが 2 人もいることになる。しかもそのうちの 1 人は自分と同じ白青だ。白青の強いカードはこのブロック全体ではそれほど多くなく、こんな早々から色のかぶる危険を冒してまで決めるほどの色ではない。場合によっては、左側のプレイヤーが青白と黒青と緑白、なんていう最低な事態を招きかねない、というわけだ。

benalish heralds
だが、これから説明するのは、やりようによっちゃもっといいものを手に入れることだってできるぜ、そんな「一般則」なんて放り出しちまえ、ということだ!
このパックから、欲しいカードを 2 枚取ろう・・・それも、ルール違反にならないように、だ!
勿論、この記事は、カードをこっそりと余分に自分の山に突っこむような、イカサマの説明記事じゃない。この後説明する作戦は、今までに述べた一般則とは別のものだ。これを使えば、Demise 1 枚だけを取るよりももっといいこと、つまりいいカード 2 枚を手に入れることが、も しかしたらできるかもしれない。まず Armored Guardian を取って、そしてうまくいけば 9 順目に Heralds か Crimson Acolyte のどっちかを取ろう、というわけだ!
これなら Agonizing Demise 1 枚より上等じゃないか?
上等かもしれないし、あるいは上等じゃないかもしれないが、いずれにしても、この理屈はそんなに悪いものじゃないし、同じような場面で使える可能性があると思う。

上で述べたようにカードを 2 枚取るためには、一つだけ確認しておくことがある。
それは、色がこちらの白青とかぶっている、他のプレイヤーにとっても、このパックにはカードが十分ある、ということだ。もし十分あるなら、1 周した後にも、自分が取りたいカードがまだ残っている可能性がある。例のパックには、他に強いカードが 7 枚あり、またこのパックからカードを取るプレイヤーも他に 7 人いる。ということは、最悪の場合、他のプレイヤーの選んだ色がこのパックのカードとうまい具合に噛み合ってしまって、このパックが戻ってきた時にはカスしか残っていない、ということになる。
例えば、すぐ左のプレイヤーも1順目で Armored Guardian を取っていて、このパックからは Herald を取り、その左のプレイヤーは Smolding Tar を引いていて Demise を取り、という具合だ。
しかしながら、このパックには、赤には 1 枚、黒には 2 枚しか強いカードがない。この場合、Invasion-Planeshift での僕の経験から言えば、プレイヤーとカードとがこんなに完璧に噛み合うことはまずないと思っていい。

これは Invasion-Planeshift のドラフトではなおさらだ。それは、このブロックが友好色指向であること、それと友好色のマルチカラーカードが原因だ。以前のブロックでのドラフトでは、2 色の組み合わせは 10 通りあって、そこから選んでデッキを作った。流したパックの中に白のいいカードが 4 枚あったら、そのカードを使える色の組み合わせは 4 通りあるわけだ。大抵のプレイヤーは 2 色目をなかなか決めないので、白カードが沢山流れてきたら、それは白があまりドラフトされていないというシグナルだと思って、白を取り始める、というのはとてもありそうなことだ。
だから、以前は、強いカードの多い色を取る、というのはあまりいい作戦ではなかった。そうした場合、その色がかぶるプレイヤーが他に 4 人もいる、ということになる可能性が高かったのだ。

vicious kavu
しかし、Invasion-Planeshift では事情が異なる。2 色の組み合わせは事実上 5 通りしかなく、実際どのプレイヤーも、できるだけ友好 2 色をドラフトすることを狙っている。それに、マルチカラーのカードが大変強力なため、その 2 色を、例えば Shivan Emissary や Spinal Embrace を取ってさっさと決めてしまうことがしばしばある。そのうえ、以前のブロックでは、白カードは 2 色の組み合わせ 10 通りのうちの 4 通りで使えたのに対し、このブロックでは、Armored Guardian のようなマルチカラーのカードは、5 通りのうちのたった 1 通り、白青でしか使われない。

・・・といった前提で、最初に挙げた 8 枚が、この 5 通りの組み合わせのどれで使われる可能性があるかを見てみることにしよう

黒青 - Agonizing Demise, Repulse
黒赤 - Agonizing Demise, Vicious Kavu
青白 - Armored Guardian, Benalish Heralds, Repulse, Crimson Acolyte
緑赤 - Pincer Spider
緑白 - Armadillo Cloak, Pincer Spider, Crimson Acolyte

repulse
こうして見てみると、すぐに分かることがいくつかある。
緑赤のプレイヤーがデッキに入れられるカードは 1 枚しかない。ということは、Pincer Spider が戻ってくることはまずないだろう。どのドラフト卓にも、緑赤をドラフトする プレイヤーは 1 人はいるものだ。同様に、黒赤および黒青の組み合わせの人気は大変高いから、万が一 Agonizing Demise が戻ってきたりしたらびっくりだ。
このパックには、黒入りのデッキが使えるカードは 3 枚しかなく、Demise はそれらの中でもとりわけ強力だからだ。同じように考えていくと、Vicious Kavu と Repulse も、黒を含む組み合わせで使えるカードの数が十分でないことを考えれば、戻ってこないものとして外していいだろう。

一方、青白にはいいカードがたくさんある。
それに、色がかぶるプレイヤーにとっても、白青のカード以外で、目移りしそうなものが結構ある。 黒青のプレイヤーは、可能なら Repulse よりは Demise を取るだろう。同じく、緑白のプレイヤーは、Crimson Acolyte よりは Armadillo Cloak や Pincer Spider を取るはずだ。他に青白のプレイヤーがいても、Repulse が残っていたら、ひょっとしてそいつはHeraldsじゃなくそっちを取るかもしれない!

そして、この後ろ 2 つの場合こそがこちらの狙い目だ。
デッキを組むための色の組み合わせが 5 通りあるのに対し、ドラフトするプレイヤーは 8 人いるので、どの色の組み合わせも 1~3 人がプレイすることになる。Invasion-Planeshift ブロックでは、黒以外の色の組み合わせでプレイするプレイヤーはせいぜい各 2 人だろう。 ということは、基本的に以下の 3 通りの可能性があるわけだ

  1. この卓に、他に青白のプレイヤーがいない場合。完璧だ。きっと Benalish Heralds が戻ってくるだろう!
  2. この卓に、他に青白のプレイヤーが 1 人いる場合。そのプレイヤーまで Repulse が回って、そいつが Heralds よりも Repulse を選んだ場合、やはり Heralds は戻ってくるだろう。
    これは、そのプレイヤーよりも前に、黒青のプレイヤーがいるかどうかによる。いなければ問題ないが、もしいた場合には、黒青のプレイヤーは、Demiseが残っていればそちらを優先するだろうから、その時は Demise が本当に残っているかどうかにもよることになる。もし他の白青プレイヤーが Heralds を取ってしまったとしても、まだ Crimson Acolyte を取れるチャンスが残っている。 緑白のプレイヤーが 1 人しかいない場合、そのプレイヤーは Cloak を取って Acolyte を残すだろう。緑白プレイヤーが 2 人いるとか、Repulse も Demise も取られた後に白青プレイヤーに回るとかいった可能性は大変薄い。
  3. この卓に、他に青白のプレイヤーが 2 人以上いる場合。いろいろな意味で、この状況はまずい。理由の一つとして、白青という、強さとしては中程度の色の組み合わせが、他のプレイヤー 2 人とかぶってしまっていては、いいカードはあっという間に切れてしまう。これだけでも十分まずいが、そのうえ、他に 1 人でも緑白のプレイヤーがいたら(2 人以上いたら論外!)、白のカードを卓の半分のプレイヤーが取りあうはめになる !
    こんな状況でも、まだ Acolyte が戻ってくるという期待が持てないこともない。都合よくいけば、他の白青プレイヤーは、一方が Repulse を、次が Heralds を取り、緑白プレイヤーが Cloak を取る、ということもありうる。

crimson acolyte
さて、話がだんだんややこしくなってきたようだ !
可能な組み合わせをたった 30 秒で全部考えた上でカードを選ぶ、なんてことをしなくちゃならないのかって ?
まさか、そんなわけはないだろう !
練習を重ねれば、こういったことはいちいち可能性を考えていくまでもなく、感覚的に分かるようになる。でも、そういうレベルに達するまでの間は、以下の基本的なガイドラインに従うといいだろう
  1. 2 色のカード・・・マルチカラーのカード、または、カードの色とは別の色のキッカー/起動型能力を使った時だけ強い、たとえば Shivan Emissary のようなカード・・・で使いものになるものが 3 枚あり、かつ、その 2 色のどちらかの色のカードが 1~2 枚あるなら、やってみよう。たとえば、Barrin's Spite,Sleeper's Robe, Recoil, Recover, Shoreline Raider がある場合だ。特にうまくいくのは、単色のカードを取って、それと同じ色を含むマルチカラーのカード 3 枚を回した場合だ。たとえば、Breath of Darigaaz を取って、Meteor Storm, Fires of Yavimaya, Yavimaya Barbarianを回すとか。
  2. 使えるカードが 5 枚以上ある色があるなら、やってみよう。プレイヤーが 5 人も同じ色を使うってことはとてもありそうにない。例えば、Atalya, Samite Master, Wayfaring Giant, Spirit Weaver, Glimmering Angel,Benalish Lancer が入っているパックなら、まず間違いなく、9 順目にこのパックで 2 枚目の白カードを取れるだろう。
  3. 優秀なカードが 9 枚以上あって、そのうちの 5 枚が、プレイしようと思っている 2 色のうちのどちらかであるなら、やってみよう。例えば、Yawgmoth's Agenda, Viashino Grappler, Vodalian Serpent, Kavu Climber, Duskwalker,Glimmering Angel, Llanowar Knight, Phyrexian Reaper, Shivan Zombie,Annihilate, Urborg Emissary が入っているパックなら、1 順目で Agenda を取れば、9 順目ではほぼ確実に、黒青か黒赤で使えるカードがおまけで取れるだろう。 使えるカードが 9 枚以上、という条件を満たしている場合、確率論は君の味方だ。 つまり、そのうちの少なくとも1枚は絶対に戻ってくるわけだし、もしその半分以上が希望する色であるなら、戻ってくるカードにその色のものが入っている可能性は高い。

pincer spider
これを読んだプレイヤーがみんな、最初のパック中で一番多い色に飛びつく前に、この戦略のいいところだけでなく、十分注意を要する例外についても説明しておこう。説明を端的にするため、あるいはその逆かもしれないけれど、こちらもリストにするので御容赦を。
  1. 単色のカード。 この作戦は、単色カードが 4 枚以下だとうまくいかない。Crypt Angel を取って Urborg Shambler, Phyrexian Slayer, Exotic Curse を回したらどれも戻ってこなかったじゃないか、と泣きついてこられても困る。選んだ色のカードが 4 枚しかない場合、この作戦がうまくいくのは、前述したように、少なくとも 3 枚がマルチカラーの場合だけだ。たとえば、Reckless Assault を取って Smolding Tar, Plague Spores, Shivan Zombie を回す、なんていう場合が理想的。
  2. 心底強いカードは回してはいけない。 Charging Troll を取って Sabertooth Nishoba と Armadillo Cloak 2 枚(一方はキラ)を回す、なんてことをするのはトラブルを招くだけだ。これらのカードはあまりにも強いため、6 順目や 7 順目であっても(特に、6 順目や 7 順目で取った場合には!)色を変えてくるだろう。このうちの 1 枚が戻ってくることもありえなくはないが、可能性はとても低い。
  3. 緑の友好色。 緑デッキは、他の色の強いカードを入れておける能力が大変高いため、赤(-- 訳注 1 --)、緑、白のカードがたっぷりのパックで、この「 2 枚取り作戦」を使うのはリスクが大きい。最初の例で、Heralds が緑白のプレイヤーに取られてしまうことも十分ありうる。この場合、そのプレイヤーは 3 白で 2/4 というサイズを評価しており、起動型能力はエルフか Harrow によって使おうと考えているわけだ。友好色のマルチカラーカードは散らしにくいため、こういった心配はない。たとえば Galina's Knight や Absorb。
  4. 散らしにくいカードがベスト。
    上で述べたことと重なるが、たとえば青のカードでこの作戦を使った場合、回したうちの 2 枚が Metathran Transport と Undermine の時のほうが、Probe と Rainbow Crow の時よりも成功する可能性が高い。3 色デッキが十分ありうる環境なので、上手なプレイヤーは特定色に偏るのをできるだけ避けようとする。一方、こちらは戻ってくるカードをあらかじめ知っているので、それに合わせて策を立てて、島に強く依存したデッキをドラフトする、ということが可能になるわけだ。
  5. 回したカードがドラフトに与える影響に注意。
    サンプルのパックで、 Agonizing Demise を取らずに Armored Guardian を取ったことで、他の誰かは青白じゃなく黒青でいこうと考えるかもしれない。青と白のカードを既にドラフトしたプレイヤーでも、Agonizing Demise が回ってきたら、それは「黒をプレイしろ」という強いシグナルだと解釈するのが普通だ。Probe と Exotic Curse と Tribal Flames を回したら、黒青でいこうと考えて、赤カードを君の緑赤デッキのために残しておいてくれるプレイヤーもいるかもしれない。
  6. 色対策カードやデッキ対策カード。
    サンプルのパックでは、Crimson Acolyte が赤プレイヤーに取られてしまう可能性も、現実には十分ある。このパックには赤の優秀なカードが1枚しかないためだ。もっとも、こんなことはそれほど多くはない。赤プレイヤーの使う、他の色のカードが何か残っているかもしれないし、平均以下だけど取ってもいいや、という、たとえば Kavu Scout のようなカードが残っている場合もあるからだ。しかし、時には、目をつけていた Simoon が、1/1 のタッパーを 3 体取っているプレイヤーに取られてしまうとか、Marauding Knight が白プレイヤーに、もういいカードが残ってないから、と取られてしまうとかいったこともある。
  7. カードの嗜好。 プレイヤーによってカードの評価は大幅に異なる。君の近辺では緑が大人気だというなら、緑カードを「遠距離で」狙うのは馬鹿げている。君の卓のプレイヤーは、みんな小クリーチャーの頭数で押すデッキが好きだというなら、5マナ 3/3 クリーチャーを 1 周させて取るという作戦はうまくいくかもしれないが、Rage Weaver や Hate Weaver が 1 周するというのはありそうにない。
  8. ドラフトの環境。散らしやすい黒カードを 5 枚回すという作戦はリスクが高い。Invasion-Planeshift 環境では、誰もが黒をプレイするか散らすかしようとするからだ。一方、緑赤のカードを回すのなら、それほど冷汗をかかずにすむだろう。ドラフトしている環境で、どの色の人気が高いかに注意。もし、Apocalypse に緑と赤の強力なカードが山ほどあって、みんな緑赤をプレイしだしたら、Invasion-Planeshift-Apocalypse 環境では緑赤カードを 1 周させる作戦は止めておいたほうがいい。
  9. ぶっ壊れたカードは押さえる。 Nomadic Elf と Serpentine Kavu を取るために Rout を流す、なんてことじゃドラフトでの成功はありえない。 この作戦が有効なのは、同程度のカードが何枚かあって、そこから選ばなくちゃならない場合だけだ! ああ、勿論、僕の隣りに座っている時だったら、好きなだけフィニッシャーを回してくれ…

とまあ、ここまで述べてきたとおり、最高レベルのドラフトとは大変難しいものなのだ。覚えておかなくてはならないこと、考慮に入れなくてはならないことがいろいろとあるからね。しかし、経験を積んでいけば、ここで述べたようなことの大半は直観的に分かるようになる。

皮肉な話だが、僕が上に書いたガイドラインによれば、サンプルのパックは、一番多い色を取るべきパックとしては不合格ということになる! 青白専用のカードは 3 枚以上ないから、戻ってくることは保証できない。青カードも白 カードも 5 枚ないから、9 順目に取れるとは限らない。そして、青カードと白カー ドを合わせると 5 枚以上あるけれども、並以上のカードは 9 枚に満たないから、 (-- 訳注 2 --) 1 枚でも戻ってくるかどうかは確実じゃない。ということは自 動的に、Agonizing Demise を取るべきだ、ということにならないか ?

もし残りの 7 枚が本当に紙クズばっかりだったら、そのとおり、Demise を取るのが正解だ。だが、そこそこのカードが、もしあと 1 枚でもこのパックにあったら、9 順目に、選んだ色のそこそこのカードを取れるという目が結構ある。
いいかい、前述したルールはあくまでもガイドラインでしかない。だから、そのルールに完璧には当てはまらなくても、やってみたって構わない。この卓のプレイヤーはみんな青白が嫌いかもしれないし、君がカスだと考えたカードを、他のプレイヤーは秘密のサイドボードのテクだと考えるかもしれない。 もしかしたら、カードとプレイヤーがうまいこと組み合わされて、望みどおりのカー ドが取れるかも。しかしながら、勿論全然うまくいかない場合だってある。最初のほうで書いたように、すぐ左のプレイヤーは Heralds を、その隣は Demise を、そのまた隣は Repluse か Cloak を、なんていうオチもある。
だけど、こういった予期できないことがある、というリスクが常にあるからこそ、ドラフトはこんなに面白いんじゃないか!

で、我らが Forsythe 君のドラフトは結局どうなったかって ?
Aaron は Agonizing Demise を取った。
で、Benalish Heralds が戻ってきたので、色は黒青白に落ちついたが、取っていた黒赤のカードを沢山無駄にしたし、デッキも(彼に言わせれば!)そこそこにしかならなかった。彼の右にいた Andrew Cuneo (-- 訳注 3 --)が黒赤、左の John Rizzo が黒青赤だったので、カードが両側で絞られてしまったのだ。最初から青白でいっとけば、もしかしたら違う結果になってたかもしれないのにな!

訳注 1: 原文は"blue"だが誤りでは ?
訳注 2: 原文は「8枚以上ないから」だが、条件 3 に合わせた。
訳注 3: Aaron Forsythe とは Car Acrobatic Team (チーム・リミテッド)でのチームメイト。

Translation by Atuo Ouchi

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