プレインズウォーカーであり優れた技量を持つ騎士でもあるエルズペスの望みはただ一つ、その剣を鞘から二度と抜くことを必要としない、自分が故郷と呼べる次元を見つけることでした。しかし、暴力と破壊は彼女の後を付きまとうかのようにその身の回りで発生し、彼女は常にその加護を必要とする者たちのために武器を手に取り、防御魔法を駆使することを強いられてきました。
エルズペスは実現しない願いである平和を求め、戦乱に荒れ果てた次元からここテーロスにやってきました。神々の手厚い庇護の下にあるこのテーロスならば、彼女のような守護者は必要ないであろうと考えたのです。しかし、この地に到達して間もなく、彼女がテーロスの者ならざる力と技量を持つよそ者であることが露見してしまいました。2つの都市国家の間に位置する荒野において、エルズペスはこれまで数々の英雄たちを屠ってきた巨大なハイドラに襲われたのです。エルズペスはハイドラと単身で対峙し、激しい戦いの末にハイドラを討ち、勝利しました。その後に彼女が望んだのは、このまま人知れず平穏無事に過ごす生活でした。
しかし、テーロスでは定命の者の願いなど、神々の意図の前では何の意味も持ちません。彼女が披露した英雄的行為は、太陽の神、ヘリオッドの注目を集めました。そして彼はエルズペスを自分の勇者にしようと画策しています。