Limited Review: Green

更新日 Feature

マジックには 4 つの色があって、緑は、他の色にマナを供給するためだけに存在する、なんておもしろくない冗談は聞き飽きたか?
Invasion (以下「 IV 」)単体のブースタードラフトやロチェスタードラフトでは、初期のころから、一番人気の青黒へのメタゲームに基づく選択として、対抗色である緑が選ばれることも多々あった。強力な青黒に対抗するためには、「熊」すなわち 2 マナでパワーが 2 の緑のクリーチャーを大量にドラフトして、カードパワーに勝る対戦相手を、文字通り蹂躙することを狙いに行くという新しい戦略だ。さて、Plainshift (以下「 PS 」)後の状況はといえば、緑使いは一段と減った模様。
まあ、競合を避けて人気薄の色をドラフトすることを好む向きには朗報かもしれんが。さて、緑をドラフトする連中が好んでデッキに入れていた「熊」は、 3 パック目のIV とともに、その 3 分の 1 が失われたし、マナ効率のいい大型クリーチャーやいわゆる Giant Growth 系のカードも同様に、失われてしまった。その代わりに入ってきたのは、緑のカードプールの質を一段と悪化させる「模造品」ときているし、さらに悪いことには、 4 色 / 5 色ドラフターにとっても、効率的なマナサーチャーが 1 パック分減るという悲しい結果になってしまった。もしや、 Barcelona をにらんだ俺の陽動作戦なんじゃないかと勘ぐるやつも中にはいるかもしれないが、そいつは見当違いだ。 Yours Truly (訳注:緑使いで有名なチームの名前。)以外の誰も Forest ベースのデッキをドラフトしないんじゃないかという最悪の状況にでもならない限りは、俺は、たとえどんなヘタレた選択肢であっても、完全に打ち捨ててしまうつもりはない。
ただ正直言って、緑をドラフトするという選択肢が最下位に来ているのは、既定事実になりつつある。

Commons ~コモン~

Amphibious Kavu

amphibious kavu

とまあ、以上の俺の論点を形にしたようなやつだ。セット中の緑のコモンとしてはましな部類だが、 Grey Ogre ごときに喜んでいては先が思いやられると言わざるを得まい。 3 マナ 2 / 2 であることに加えて、対戦相手が青い場合、事実上、「ライフよりクリーチャーが大事であるうちはブロック不能」と同等であることを踏まえれば、それほど弱いわけではないし、当然のことながら tidal visionarydisciple of kangee などの色換え能力との相性は良い。しかし実際のところ、たかだかこの程度のコンボのためだけに対立色をプレイしているようでは、いかんせん苦しい。

Falling Timber

falling timber

土地をサクリファイスするキッカーカードの中では最弱だが、そこそこは使える。確かにメインデッキ用としてはきついが、戦闘中の軸ずれが起こりにくいような対戦においては、かなりいい仕事をする場合もあるだろう。対緑の同系対戦用の強力なサイドボードカードとして、お勧めできる。

gaeas might
Gaea's Might
IV でのカウンターパートである explosive growth や Wax/Wane と比較すると、やはり一段落ちるものの、いい線まで行っていることには間違いない。 Explosive Growth のかわりに、「熊」の 1 枚でもおさえておこうかという気にもなろうというものだ。言い換えれば、 PS に「熊」を期待することはできないが、「 Giant Growth 」の方は何とかなる、となれば、戦闘用のトリックカードは PS まで待つのが吉。

Primal Growth

primal growth

fertile groundharrow の代わりと言うにはあんまりじゃないだろうか。仮に 4 色か 5 色をドラフトしていて、 IV で上位互換のマナフィクサーを全く取れなかったとしたら、こいつを使うこともあるかもしれない。でも 3 ターン目ともなれば、どう考えてもexcludebog down 、そうでなければクリーチャーなんかをプレイしておきたいところではある。

Pygmy Kavu

pygmy kavu

黒には、低コストでインスタントスピードの、擬似 Dark Banishing キャントリップカードがあったが、どうやらこいつが、緑用の対抗馬ということらしい。まあ、「相手に 1 体でも黒いクリーチャーがいればカードアドバンテージ面での損はない」という考え方もあるのかもしれんが、いったん場に出てしまったPygmy Kavu は、あまりにも意味なし野郎だ。
とてつもないカードアドバンテージを得るための何らかの「仕込み」でもない限り、黒相手には、むしろ単なる 4 マナ 3 / 3 を使った方が、まだましだと考えられる。

Quirion Explorer

quirion explorer

これまた IV の下位互換にあたる一枚。さしづめ「必要な色を出すとは限らない「quirion elves 」といったところか。幸いなことに、マナ加速という点では Quirion Explorer と Quirion Elf はほぼ同等品なので、もし 3 マナ圏のカードよりも重めのカードが多いような場合には、序盤の加速用にこいつを使うという手もあるかもしれない。

Root Greevil

root greevil

4 マナ 2 / 3 。
白だったら許すとしても、緑じゃ下の部類。繰り返しになるかもしれんが、何とか頭数を揃える目的ならそれなりに結構だとしても、さすがに、こいつよりはましなカードをドラフトできている場合の方が多いんじゃないだろうか。
hobblearmadillo cloak 満載のデッキに対するサイドボードとしては、全くだめというわけでもないが、そもそも、緑マナが出るんだったら、 Hobble や Armadillo Cloak ぐらい自分で使いたくならんもんかね。

Stone Kavu

stone kavu

やっとのことで、このセットの緑コモンの核となる救世主様のご登場だ。IV のカウンターパートである serpentine kavu ほどの強さではないが、 IV における Serpentine Kavu の相対的地位を低下させるには十分。 PS は IV よりもコモンの種類が少ないため、ドラフト中にこいつに遭遇する機会も多いだろうし、だとすれば、早いうちに大型のクリーチャーをおさえておかなければならない必然性も減る。 赤緑に入れても、白緑に入れても、手堅い。

thornscape familiar
Thornscape Familiar
Familiar は、緑の希望の光だな。同類のなかではベストカードだ。こいつ自身、早いカードであって、なおかつ、デッキの残りのカードまで軽くするわけだから、こいつはまさに、緑のカードの一つのあるべき理想像だとも言えるだろう。たたみかけるような波状攻撃と、荒々しいまでの加速性能。難しい話は抜きにしよう。あるだけデッキにぶち込んでほしい。

Uncommons ~アンコモン~

Alpha Kavu

alpha kavu

意外に手堅い。一見 Grey Ogre にも思えるが、その実、かなり自在に攻撃できる能力を持つ。自分自身だけでなく、ほかの Kavu をも直接ダメージ及び戦闘ダメージの両方から守ることができるということを踏まえると、セット中の緑のカードでも上の部類だと考えられる。さらに、自分の小型 Kavu 軍団を、相手の Merfolk Raiders(訳注: 2 / 3 クリーチャー)に突っ込ませることなども可能だ。その昔、ダメージがスタックにのるようにルールが変更されてからというもの、この手のやつは、はるかに手ごわくなっている。

mirrorwood treefolk
Mirrorwood Treefolk
いったん回りはじめれば、マジで強いというのは認めよう。
一般的に言って、ダメージの移し変え能力というのは、リミテッドでは最強のクリーチャー能力の部類に入るので、 R&D (訳注: WoC のルーリング / 開発部門)の連中が、「ちょっとレアな強目の能力」という感じで出し惜しみするのも理解できる。ただ、一言いっておこう。
こいつはいくらなんでも、やりすぎだ。 4 マナ残すだけでも十分キツイのに、対抗色を含む 4 マナってのはどうよ。俺なら、たとえ起動コストの 4 マナを出せる見通しがあっても、メインでは Root Greevil の方を使うだろう。 4 マナでタフネス 4 あっても、だめなものはだめだからな。

Multani's Harmony

multanis harmony

時間の無駄。本当にこんなのを使うぐらいなら、むしろ、もう 1 枚基本地形をもらっておけば?

Skyshroud Blessing

skyshroud blessing

たった 2 マナのキャントリップだから、簡単にサイクリングできるというのはポイントアップだな。ただ、ポイントダウンの点を挙げていったらきりがないというのも、これまた真実。

thornscape battlemage
Thornscape Battlemage やっと、緑のカードでいい話ができるようだな。プロテクション赤を持ったクリーチャーなどを直接ダメージ能力で除去しつつ、忘れた頃に発生してくるアーティファクトなんかも白の能力で破壊したりして、自分を守ってくれるわけだから、こいつは偉すぎ。緑のゲーティングクリーチャーがなかなか強力だという事実を考慮すると、それらによる再利用まで視野に入ってくる。そもそも 60 枚デッキに 4 枚入るってことは、 40 枚デッキには少し強すぎるのかもしれん。

Rares ~レア~

Gaea's Herald

gaeas herald

相手のクリーチャー対策が exclude の 3,4 枚だけに頼っているのなら、サイドインしてもいいが、そうでなければ、ドラフト卓からトレード用バインダーへ直行。

Magnigoth Treefolk

magnigoth treefolk

PS の 2 体の Treefolk のうちの 1 体。クリーチャーロックに持ち込むまでの間、相手の攻撃をしのいで、その後で仕留めに行きたいわけだが、いかんせん高コスト。まあ理屈は理屈として、現実にはパワー 2 のクリーチャーに 5 マナも払っているわけで、単に 5 マナのコモンクリーチャーの方が、使い勝手がいいに違いない。

nemata grove guardian
Nemata, Grove Guardian
恐らく、セット中で緑最強のカードだ。俺なら、レジェンドつながりの verdeloth the ancient よりは、 Nemata, Grove Guardian の方を高く評価する。
前者は出すタイミングを図らなければならないが、後者の方は6 マナ出るようになれば、いつでも場に出してかまわないし、アンタップするまで生き残っていれば、能力を起動することもできる。いったんこうなってしまえば、こいつらを始末するのには、たいてい 2ターンはかかるだろう。このカードは、まさにデッキの核ともなり得るもので、デッキタイプによっては Thornscape Battlemage の方がいい場合が稀にはあっても、そうでもない限り、このカードをさしおいて取るべき緑のカードなどあるとは思えない。

Planeswalker's Favor

planeswalkers favor

このカードの持つ側面で最も興味深いところは、実際に起動されなくても、起動する可能性自体が脅威になり得るという点にある。すなわち、手札にスペルを抱えている対戦相手が、 Planeswalker's Favor が起動され得る状況でブロックをしなければならないような場合、恐らくブロック不能になるだろうということを意味する。残念ながら、このような状況は 3 , 4 ターンの間しか続かないと思われる、というのも 7, 8 ターン前後になれば、相手の手札は空になってしまう可能性が高いからだ。序盤に使うには重すぎるし、終盤では使い物にならないとあっては、サイドボードに残留もやむなし。

Quirion Dryad

quirion dryad

セットのなかでも俺の一押しクリーチャーだ。 3 ターン目に 2 / 2 として攻撃するのもさほど珍しいことではないが、単なる「熊」だと言うには少々「青天井」すぎる。仮に 2 色しか出ないデッキだったとしても、緑以外のスペルが 12 から 13 枚は入っていても不思議ではないわけだし、ということは、 2 - 3 ターン以内に 4 / 4 になることも十分に考えられることになる。さらに 3 色デッキではこれより強くなるわけで、ゲーティングと組み合わさったりなどすると、いきなりマナの余剰分だけ強化されるクリーチャーになってしまって、もう手がつけられない。
非常に強力なカードだと言えるだろう。

Translation by Moro

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