Planeshift リミテッドレヴュー:赤

更新日 Feature

terminate
どのブロックでも一度は、赤がものすごく強くなる瞬間があるというのは、興味深い事実なのではないだろうか。とにかく、ここにきて火力が充実してきたところで、軽いクリーチャーと効果的な除去、そして大量の壊れたレアと、ついに三拍子そろってしまった。「歴史は繰り返す」というわけで、別に驚くにはあたらない。
Plainshift (以下「 PS 」)の赤は強くて、かつ単純明快だ。セット最強のコモン 2 枚( Magma Burst と Terminate )は赤、最強のコモンクリーチャーも何かと赤く、そして、crimson acolytegalinas knight が出てくる可能性があるパックは 1 つ減った。 hunting drake の存在は確かにうざいが、全体でみれば、 PS 最強色と言っても過言ではなかろう。
さて、今の環境で赤を強くしているカード群を順に見ていこう。ここには shriek of dreadheroic defiance のような紙くずが 1 枚もないことに注意。
絶対ドラフトすべき色だとまでは言いきれないが、シールド戦で赤なしというのは、あり得ない。

Commons ~コモン~

caldera kavu
Caldera Kavu
こいつの殴り値は、かなり高い。たったの 3 マナで、マナ拘束のない andradite leech プラス緑のボーナス能力というのはどうだ。黒なしの赤緑でも悪くないぐらいだ。中盤用として十分なスピードと、終盤でも通用するパワーを兼ね備えているので、デッキに何枚入っていても邪魔にならない。

Insolence

insolence

赤のコモンの中では最弱だが、タッパー中心のデッキ相手のサイドボードとして使えないわけではない。

Kavu Recluse

kavu recluse

常に、初手級のカードを 23 枚揃えられるというわけでもなければ、いまいちのカードだってデッキに入れることもあるだろう。そんな時には Kavu Recluse はとても重宝する。自分のマナベースを安定させたり、相手のマナベースを撹乱したりできるので、 Grey Ogre (訳注: 3 マナ 2 / 2 クリーチャー)よりは若干まし。決して早い順目に押さえるようなカードではないが、遅い順目で 2 , 3 枚拾っておくと、後で寒い思いをしなくてすむかもしれない。

Keldon Mantle

keldon mantle

俺自身はあまり好きではないが、全く使えないと言うつもりもない。このカードは、プレイした次のターンにアンタップするまでは大した役には立たないので、黒や青(バウンスや Dark Banishing )に対しては、このクリーチャーエンチャントメントをプレイするということそのものが、カードアドバンテージを失うということにつながりかねない。その一方で、それ以外の 3 色に対しては、回避能力があるクリーチャーに付けるだけでダメージレースを制することもできるだろう。

magma burst
Magma Burst
セット最強のカードではないが、赤以外のどのカードにも見劣りすることはない。
簡単に使えて、応用が利き、しかも強い。この 1 枚だけで、いいプレイヤーが十人並のプレイヤーにイワされたりもするわけで、このカードの存在そのものが間違っているのではないかとさえ思えてくる。
本体に入れて良し、強めの 2 体をまとめて始末して良しで、 MVP はほぼ確定。おおむね例外なく、 2 色デッキに 3 色目として入れる価値があるカードだと考えられる。

Mire Kavu

mire kavu

前にも言ったが、赤の利点は、強力な直接ダメージにあるだけではなく、良質なクリーチャーにもある。こいつは赤緑でもそこそこ使えるが、赤黒だとかなりのものだ。 Swamp さえ出していれば、4 点殴れるのみならずタフネス面でもそれほど見劣りしないクリーチャーの出来上がり、という安直さなので、クリーチャーのマナ効率としては、恐らくセット最強の部類に入るだろう。赤黒が有する多彩な除去を駆使して、レールを敷いてやりさえすれば、相手を倒すのは時間の問題だ。

Singe

singe

Singe には 2 種類の使い方があるので、プレイ可能なレベルのカードであることに間違いはない。まず、一見してわかりやすい使い方は、Apprentice や Weaver のような、鬱陶しいタフネス 1 のクリーチャーを処理するというところにある。 1 マナのインスタントなので、効率は良い。一方、あまり見かけない使い方だが、色換えに使うという手もある。クリーチャーを Dark Banishing 効果から守るというだけでなく、プロテクション赤や Hunting Drake などから保護するのにも使えるが、言うまでもなく、どのクリーチャーでもこいつで守れるというわけではないので、そこのところは臨機応変に。どちらかというと zap の方がいいと思われるが、 cursed flesh よりは強いだろう。

Slingshot Goblin

slingshot goblin

東京マスターズの結果速報の文章の中で、俺は「 Invasion のチームロチェスターでは、 Slingshot Goblin こそが、最も重要なキーカードだ」と書いたが、その考えは今でも同じ。相も変わらず、この得体の知れない Grey Ogre にしてやられる青の強力デッキは後を絶たない。こいつに加えて disciple of kangeetidal visionary を場に出すことができれば、次のターンからカウントダウンが始まるわけだが、 「ゲームバランスを破壊するパワーを秘めた頭数合わせクリーチャー」という意味では、単体でも使えないわけではない。

Thunderscape Familiar

thunderscape familiar

Familiar 中の最弱クリーチャーだと考えられるが、それでも悪くはない。他の連中と同様に、こいつの強さはデッキの中のスペル次第ではあるものの、スピード+先制攻撃がなかなかいい感じのコンビネーションとなるため、 sinister strengthmaniacal rage と組み合わさると、かなり強くなる。また、ひそかに Kavu だったりもする。あまりたくさんデッキに入れても仕方がないが、絶対だめだと決め付けるべきでもなかろう。

Uncommons ~アンコモン~

flametongue kavu
Flametongue Kavu
このマルチカラー全盛のフォーマットで、出しやすい単色のクリーチャーが最強カードだってのはどうよ。 なんでこいつがレアじゃないのか俺にはさっぱり理解できんが、レアリティーはどうあれ、ぶっ壊れているのは事実。 4 マナでパワー 4 もあるだけではなく、相手の最強クリーチャーも殺しがち、とあれば、早い / でかい / やばい / 効率がいい、の 4 拍子そろった評価もできようというもの。 lava zombierepulserecover などでの、こいつのCIP能力(訳注:「場に出たとき」の能力。)の再利用を考慮に入れれば、レアクリーチャー以外ではリミテッド史上最強と言ってしまってもいいんじゃないだろうか。

Implode

implode

ドラフトよりもシールドの方が、はるかにやりおる。 keldon necropolis 用のサイドボードカードとしては申し分ないが、それ以外の状況では重すぎるだろう。

Mogg Jailer

mogg jailer

さて、ここまで読み進んできた読者なら、「 Grizzly Bears 」が 2 マナ 2 / 2 のことを意味していて、このセットの中の大概のクリーチャーを評価する際のものさしになる、というのはすでに基本知識だと思うが、こいつはさすがに役不足だ。確かに早いことは早いが、 vodalian merchant が立っているだけで止まってしまう早さというのは、さすがにどうだろうか。「熊」デッキにスピードで対抗するためのサイドボードカードとしては悪くないが、 Mogg Jailer がメインというのは、普通は厳しい。

strafe
Strafe
マナ効率のいい除去というのはなかなかないもんだが、こいつは一味違う。 rooting kavu から対戦相手のレーティングまで、ありとあらゆるものを除去してもたったの 1 マナ。この際、ソーサリースピードだということには目をつぶろう。 Tidal Visionary で無効化されてしまうのはいたしかたないところだが、自分のクリーチャーを出したその同じターンに、相手の手ごわいクリーチャーを除去できるというのは、 Strafe の一番の強みだと考えられる。大抵の除去は、序盤では 1 ターン分のマナを使い切ってしまうが、このカードは非常に軽いので、そんな心配もない。このタイムアドバンテージの差が勝負を左右することも、珍しくはないだろう。

Thunderscape Battlemage

thunderscape battlemage

俺の東京でのデッキリストを見たやつなら、このカードが俺のお気に入りだということはすぐにわかっただろう。Battlemage のベースは Grey Ogre ではあるものの、 5マナでの 2 枚ディスカード能力に加えて 4 マナでのエンチャントメント処理能力により、他の Battlemage と同様、黙っていてもカードアドバンテージが転がり込んでくる仕組みになっている。 Cloak その他のやばいエンチャントメントを破壊することもできれば、対戦相手を Unnerve してみたりもし、さらに、早いデッキ相手の時には序盤の相打ち要員としても使えるようなカードが、弱いはずもなかろう。

Rares ~レア~

Deadapult

deadapult

shivan zombie が 3 枚に Lava Zombie と nightscape familiar を各 1 枚、加えて Deadapult 、というデッキを作ったこともあったが、それでもいまいち使えなかった。というわけで、おすすめはできない。まあ、俺のデッキよりもずっとたくさんの zombie をプレイすれば、 Necropolis のような感じで回るのだろうが、それでもプロテクション赤はどうにもならない。

Goblin Game

goblin game

運に左右されるも同然のゲームに 7 マナというのは、誰が見ても辛かろう。楽しいんだったらしょうがないが、勝ちに行くなら使わない。

Mogg Sentry

mogg sentry

David Price (訳注:テンペスト限定構築の赤単で名をあげたプロプレイヤー。)なら、このカードのいい使い道を見つけそうなもんだが、一般人には到底無理。起動コストを伴う能力を持たない 1 マナ 1 / 1 クリーチャーにろくなやつはいないが、こいつもその例外ではない。

Planeswalker's Fury

planeswalkers fury

このカードをプレイしているやつをよく見かけるが、俺にはさっぱり意味がわからない。最初の起動までに 7 マナかかるわけだし、ダメージは本体にしか入らない、というか、入る可能性があるだけ。応用も利かなければ、効率も悪いときている。序盤に使うには重すぎで、終盤になると相手の手札も空になっているはずなので、このカードを使う積極的な理由は全く見当たらない。

tahngarth talruum hero alt
Tahngarth, Talruum Hero
Flametogue Kavu が PS 限定構築で最強だという意見には賛成できないかもしれんが、まあ、俺の話を聞くといい。 Tahngarth, Talruum Hero は確かにセット最強のレアなんだが、例のやつと比較すると、場に出すにも能力を起動するにも重いので、やはりここは 2 番手の評価もやむなし。ちなみに、もし暇だったら armadillo cloak をこの化け物に貼りつけてみるとよくわかるが、なかなか投了してもらえんよ。

Translation by Moro

最新Feature記事

FEATURE

2021年 9月 16日

『イニストラード:真夜中の狩り』プレリリース入門 by, Gavin Verhey

マジック・プレイヤーのみんなが大好きな次元の1つ、「イニストラード」を再訪するときがきた。 このゴシック・ホラーをテーマにした(吸血鬼に人狼、ゾンビ、スピリット、そしてもちろんそれらに対抗する人間がたくさんいる)不気味な次元は、楽しさとフレイバーに満ちている。私たちは今回、そんなイニストラードの真髄へ回帰する。早くみんなに体験してもらいたくて仕方がないよ。 君たち...

記事を読む

FEATURE

2021年 9月 2日

『イニストラード:真夜中の狩り』メカニズム by, Matt Tabak

多元宇宙の中でも、イニストラードほどその次元の住人たちの恐怖をかき立てるものはありません。私達も怖れるべきでしょうか?もちろん、その必要はありません。なにせ、カードゲームだから。ここは素晴らしい舞台です。だから、『イニストラード:真夜中の狩り』で再び訪れるのです。では、一体どんな能力やメカニズムやキーワードが我々を待ち構えているのでしょうか?その答えを知るただひとつの方法...

記事を読む

記事

記事

Feature Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る