Planeshift リミテッドレヴュー:青

更新日 Feature

さて、かの青黒赤のうちの青黒の部分は、 Planeshift (以下、「 PS 」という。)の導入で、多少の打撃を受けている。これまで excludeprobefaerie squadronrepulse といったパワーカードがざくざく回ってきていた第 3 パックが、 Hunting Drake 、 Confound や Raging River といった、強いことは強いが、はるかに用途が限定されるカード群に取ってかわられたわけだから、無理もない。

ただ、幸運なことに、青黒が少し落ちた分だけ白青には得るところがあった。
PS 以前は全く勝負にならなかったところだが、 Confound と pollen remedy というセットの2大トリックカードを得て、地上を膠着させて空中戦を制することができる可能性が、突然開花したと考えられる。
果たしてこれは何を意味するのか?

言ってしまえば、黒と組み合わせるためだけに存在していた青という色を、両方の友好色と組み合わせることが可能たらしめるものであったし、その結果、序盤の青のピックからの待ちを広く構えることができるようになったということでもある。
これらは PS が環境に導入される以前には存在しなかった選択肢だ。

青をドラフトする時には、デッキ中に、十分な数のアタッカーをそろえるように注意しなければならない。黒青と青白には高度なコントロールを可能とする操作系のスペルがあまりにも多いため、これにどっぷりはまってしまうと相手を殴るための手段が乏しくなってしまって、そのうち相手のトップデックで状況をひっくり返されてしまうのではないかと常にびくびくしていなければいけなくなる。
17 回戦のトーナメントでは言うに及ばず、 5 回戦のトーナメントでも、こいつはきつい。

Commons ~コモン~

Arctic Merfolk

arctic merfolk

それなりのメリットはあるが、デッキに入れたくなるようなカードではない。ただし、Hunting Drake のような強力な CIP 効果(訳注:「場に出たとき」の効果)をもつクリーチャーを複数ドラフトできた場合は例外で、こうなってはじめて、Arctic Merfolk にもそれなりの仕事が期待できるようになる。
例えば、(これはあまり効果的だとはいえないが、)「熊」(訳注: 2 マナ 2 / 2 )と相打ちを取ったり、 Hunting Drake や flametongue kavu がらみのトリックでアドバンテージを得ることも可能だが、何かしら他に取るべきものがある場合には、こいつをドラフトすべきではない。

confound
Confound
このカードはなかなかの好感触だ。
PS のプレビュー(訳注: ”Planeshift Preview: Confound” 翻訳予定なし。英語版サイドボードを参照。)で、俺はこのカードについていろいろと書いたが、どうやらこいつの強さを過小評価していたらしい。
その時点では 5 から 7 順目のドラフトかと思っていたんだが、このセットのほかの青いカードを基準にして再検討した結果、おおむねそれよりも早い順目で拾うべきだという結論になった。
Pollen Remedy やら barrins spite やら何から何まで、それなりに効果的なコストでカウンターした挙句にカードアドバンテージまで取るわけだから、青いデッキには、ぜひとも Confound の 1 枚はほしいところだ。
3 枚以上はやりすぎだろうが。

Escape Routes

escape routes

手札に戻して再利用したくなるような CIP 効果をもつクリーチャーは多いが、残念なことに、 Escape Routes は、中でも最強のクリーチャーである Flametongue Kavuと Hunting Drake をターゲットにとることができない。
興味深いカードではあるのだが、起動コストが高すぎるというのも問題だ。場の優位を固めるにはいいカードだと思うし、 ravenous ratstidal visionary とのコンボが決まると爽快だが、最初の起動までに 6 マナもかかるのはやはり重すぎで、早い2 マナ 2 / 2 デッキ相手だと全然間に合わない。よっぽどの場合でなければ、デッキに入れるカードではないだろう。

Hunting Drake

hunting drake

このリストの中で、 2 番目に強いコモンだ。時には単なる 5 マナ 2 / 2 のことも あるが、事実上、 2 / 2 飛行付きの time walk になることの方が多い。
armadillo cloak のようなクリーチャーエンチャントメントをも同時に処理することができるのはポイントが高いが、逆に青白、白黒や青黒白デッキと対戦した時など、 5 マナも払って自分のクリーチャーを戻しながら 2 / 2 飛行を出すはめにもなりかねないと いう点では、ポイントダウンだという意見もある。
幸いなことに、この環境には Tidal Visionary や sway of illusion のようなカードもあるので、そういった問題は何とか解決できるだろう。
必ずメインデッキに入れるべきカードだというわけではないが、極めて早い順目でのピックに値するカードではある。特に青黒デッキにとっては、 llanowar knight と相打ちを取れるという点でも重要だし、また cavern harpy とのコンボの強さときたら、常軌を逸していると言わざるを得ない。

rushing river
Rushing River
恐らく PS 全体で 3 番目に強いコモンだろう。 2 青というそれなりのコスト(と、 必要に応じてランド 1 枚のサクリファイス)で、インスタントスピードでのとてつ もないタイムアドバンテージを得ることができる。
Rushing River の有用性は枚挙にいとまがないところだが、例えばクリーチャーエンチャントメント対策にもなり、ブロッカーを 2 体排除したり、相手の攻撃を遅らせたり、除去からクリーチャーを保護したり、 Exclude 待ちに使ったり、はたまたエンチャントメントやアーティファクト対策として使えたりもする。
つまり一言でいうと、取れるだけ取って構わないし、取れたら取れただけのことはある、ということ。

Sea Snidd

sea snidd

回避能力のない 5 マナ 3 / 3 クリーチャーは俺の好みではない、ということだけは 最初に言っておこう。
Sea Snidd をデッキに必要とする理由があるとすれば、それは少なくとも、決してほめられたものではないにせよ、最悪の事態を意味しているわけではない。こいつをデッキに必要とする第 1 のわかりやすい理由としては、大型のクリーチャーに乏しい色である青の 3 / 3 であるという点があげられるだろうが、それに加えて色拘束が弱く、またいったん場に出たあとはマナの多様性を確保する助けになることや、さらに、対戦相手に色事故を起こさせることができたり、また vodalian serpent に攻撃させたりするなんてことも、まあ、理由にはなり得る。
デッキには入れるとしても、早い順目で取るようなカードではない。

Sisay's Ingenuity

sisays ingenuity

「色換え」は、このフォーマットでは重要な能力だ。
非常に脆くて戦闘ではほとんど使い物にならない 1 マナ 1 / 1 の Tidal Visionary でさえ、かなり手堅いカードとして認知されており、ありとあらゆる青いデッキに入ると一般的には考えられている。
Sisay's Ingenuity は Tidal Visionary とは違って、 1 / 1 クリーチャーを出す代わりにカードを引くわけだから、これは恐らく 1 / 1 よりもましだろう。
ただ実際の問題は、起動コストの高さにある。これが災いして、

1) デッキに入れるカードが不足していて、かつ、デッキ中の最強カードをできるだけ早く引くためのマナ効率のいいキャントリップカードが必要であるとき 

か、

2) Sisay's Ingenuityの色操作能力を濫用するべく、デッキ中に大量の色関連の能力を仕込んでいるとき 

…ぐらいにしかプレイすべきではないという結論になるだろう。

Sleeping Potion

sleeping potion

一般的に考えられているよりは、強い。基本形の緑白デッキとの対戦では Apprentice か何かで即死だが、赤黒相手では事実上、 10 順目ピックの 2 マナ除去だ。
つまり、赤黒や青黒のデッキで、カードを消費せずにターゲットを取ることのできる手段は限られていることから、 Sleeping Potion は、邪魔なクリーチャーを除去したり、より早い順目にピックされたカードと 1 対 1 交換したりできるというわけだ。
メインに入れるのは避けた方がいいが、攻撃的な青デッキをドラフトした場合には、鍵となるブロッカーを除去するのに全く使えないというわけでもない。

Strormscape Familiar

stormscape familiar

少しくどいかもしれないが、このカードの重要性は、他の Familiar シリーズと同様、デッキの中のほかのカードにのみ依存する。
ただ Strormscape Familiar が他のFamiliar にくらべて優れているのは、白や黒のクリーチャーとの相性に加えて、飛んでいるという点にある。
他に手堅いクリーチャーや除去が見えているのにあえて取りに行くほどではないにせよ、大抵の場合、そこそこの働きはするだろう。

Uncommons ~アンコモン~

allied strategies
Allied Strategies
ある特定のカードのポテンシャルは、状況次第で驚くほど異なる場合がある。
カード を 2 枚引くために 5 マナのソーサリーを使うやつはいないだろうが、引くのが 1 枚増えるだけで、話は全く違ってくる。
5 色デッキで強いのは見たまんまだが、時に Allied Strategies は、タイムマネジメント対カードアドバンテージという変換関係のキーカードにもなり得る。
安定して基本地形が 3 種類並ぶようなデッキでは、考慮に値するカードだ。

Ertai's Trickery

ertais trickery

自分のターンに重いスペルを使った返しのターンで、相手の重いスペルをカウンターできるという点では評価できる。たった 1 マナのスペルだが、どのような相手に対しても、間違いなく使い道はある。
問題は、こちらの手札に Ertai's Trickery があるときに、相手がキッカーカードを引いてくれるかどうか、あるいは、その逆があるかどうかという点にある。メイン向きではないが、環境に氾濫する pouncing kavumagma burst や Probe などへの有効な対抗策だ。メインに入れるカードが 1 枚足りない場合などにも、弱いカードを入れるよりはましだろう。

Gainsay

gainsay

こいつは単純だ。青いスペルが入っているどんなデッキに対しても強力であることは自明。逆に、入っていなければ単なる紙。あり得ないことだが、blind seerを 5 枚ほど持っているのでない限り、普通はサイドボードカードだ。
取れれば、同系対決ではいい仕事をするだろう。

Shifting Sky

shifting sky

なかなか興味深いカードだ。ゲーティングクリーチャーをゲーティングなしで場に出せるようにしたり、黒くないクリーチャーを Dark Banishing の対象にならなくしたり、また、相手の 2 種の Acolyte を無力化したりすることもできる。
相手のキーカードをピンポイントで完全に封じることができる Shifting Sky のようなカードは、サイドボード用として確保しにいく価値が十分にある。

stormscape battlemage
Stormscape Battlemage
Cavern Harpy で使いまわしができて obsidian acolyte を殺すこともできる、 2 /2 dark banishing 野郎がこいつだ。
俺自身は、実にいい感じだと思うんだが、白の能力が物足りないという話もあるにはある。まあ、白青のプレイヤーはこいつをドラフトしないだろうから、青黒プレイヤーにとっての価値も上がろうというもんだ。もちろん、両方のキッカーを払って、 Cavern Harpy で使いまわしてライフを獲得しつつ、相手のクリーチャーを除去することもできるのだが、何事もやりすぎは良くない。
nekrataal だけでも良しとすべきだろう。

Rares ~レア~

Dralnu's Pet

dralnus pet

最初見たときにはかなりいけるかとも思ったものだが、すぐに、ダメだということに気がついた。
キャスティングコストの青青とキッカーの黒のせいで出しにくい割には、 Dark Banishing されるはバウンスされるは重いはで、ろくなことがない。
そもそも、相手に対処される可能性そのものが非常にリスキーだ。時に飛行がついて大型化する Grey Ogre だと考えれば、全くデッキに入らないわけではないが、キッカーを払って場に出すということ自体が運ゲーを意味するので、やはりここは技術で勝負しておきたい。

Planar Overlay

planar overlay

リミテッドでは使い物にならないように見えるかもしれないが、実は非常に興味深いカードだ。基本地形を各 1 枚だけ並べていくような harrow デッキに対しては、良いサイドボードになり得るとも考えられるが、それ以外の場合には、山ほど warped devotion を持っていない限りは、紙同然だろう。

Planeswalker's Mischief

planeswalkers mischief

このカードをプレイする理由があるとすれば、くそ長いカードテキストを読んだ対戦相手に頭痛をおこさせるために使うぐらいだろう。
そんな下らないコンボを試してどうする。

sunken hope
Sunken Hope
こいつも、「用途が限定されているが強力なカード」の部類に属する。
CIP 効果をもつクリーチャーがかなりの枚数ある場合には非常に有用だが、それよりも、デッキに入れて試してみようとすら考えないことの方が多いだろう。 Ravenous Rats をはじめとして、 Hunting Drake や Flametongue Kavu の類をバウンスできれば、それはすばらしいに違いないので、なにも考えずにサイドボードに入れ込む前に一度試してみてはどうだろうか。

Waterspout Elemental

waterspout elemental

どのセットにも、 1 枚は、壊れた青のレアがあるらしい。3 / 4 飛行ではまだ不足だと見えて、一般的に考えられているよりもはるかに使い勝手がいいキッカー能力が、 このWaterspout Elemental には与えられている。
俺がはじめてこのカードをプレイしたのは、 voice of all が出ていて、ライフが 4 の相手の 8 体のクリーチャーを一手に止めているという場の状況の時だったが、まずは 2 点の攻撃を通した後、 Waterspout Elemental のキッカー付きとVoice of All を出してエンドして、相手に 2 ターン渡したものの、そのまま勝ってしまった。
常にキッカーを払おうとは思わないだろうが、 wash out 能力が勝負を決める状況も必ずあるに違いない。

最新Feature記事

FEATURE

2021年 9月 16日

『イニストラード:真夜中の狩り』プレリリース入門 by, Gavin Verhey

マジック・プレイヤーのみんなが大好きな次元の1つ、「イニストラード」を再訪するときがきた。 このゴシック・ホラーをテーマにした(吸血鬼に人狼、ゾンビ、スピリット、そしてもちろんそれらに対抗する人間がたくさんいる)不気味な次元は、楽しさとフレイバーに満ちている。私たちは今回、そんなイニストラードの真髄へ回帰する。早くみんなに体験してもらいたくて仕方がないよ。 君たち...

記事を読む

FEATURE

2021年 9月 2日

『イニストラード:真夜中の狩り』メカニズム by, Matt Tabak

多元宇宙の中でも、イニストラードほどその次元の住人たちの恐怖をかき立てるものはありません。私達も怖れるべきでしょうか?もちろん、その必要はありません。なにせ、カードゲームだから。ここは素晴らしい舞台です。だから、『イニストラード:真夜中の狩り』で再び訪れるのです。では、一体どんな能力やメカニズムやキーワードが我々を待ち構えているのでしょうか?その答えを知るただひとつの方法...

記事を読む

記事

記事

Feature Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る