「Latest Developments」
一問一答

更新日 Latest Developments on 2013年 9月 2日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 今週の「Latest Developments」は一問一答をやろうと思います。皆さんからたくさんの質問をいただきました! 紙面の許す限りお答えしていこうと思います。私はこれを定期的に取り上げたいと思っていますので、質問を送っていただければそれらの質問を定期的に取り上げていきます。

 ではまず、私の信頼する編集者の1人であるマイクから一問。

マイク・マカトール/Mike McArtor:デベロッパーは常時違う種類のセット/製品をいくつ手がけているのか?

 シンプルな答え:いっぱい。長い答え:我々は1つから3つのセットを常時デザインしており(各セットにつき1人中核デベロッパーを必要とします)、そして2つから4つのセットをデベロップしています(これには2〜3人の中核デベロッパーが必要です)。そしてこれはメインである基本セットと3つのエキスパンションだけの話で、我々の生み出している様々な副次的な製品は除きます。私は現在1つのセットのデザイン・チームにいて(そのためそれのデベロップ・チームにもやはり属することになるでしょう)、他のセットのデベロップの仕上げ中で、3つの副次的な製品のリーダーで、うまく行けば数ヶ月で私が最初にリーダーとなるエキスパンションの準備をしています。つまり、ええ、かなり忙しくなるかもしれません。来る日も来る日も、私は2年以上は開発中のマジックの製品の仕事をすることができるわけです。

 もちろん積極的にセットに取り組んでいないときでも、デベロッパーには他のセットのデベロップに行って時間を費やしたり、マルチバース・ファイルにコメントを書いたり、同じようにFFLに参加することが求められるので、従って直接セットに取り組んでいないときでさえ、直接関わっている人に入力を与えていることになります。

来週の「Latest Developments」では一問一答をやります。質問を私宛のツイートかメールで送ってください。
@samstod デベロップで変更を加えられないカードは何%ぐらい?

 最も基本的なレベルで、ほとんど全てのカードはわずかに変更されていますが、変更の多くは深い意味はないと思われるかもしれません。クリーチャー・タイプの変更はそのタイプが重要ではない場合に可能で、また、ある言い回しはある種の奇妙なルールの抜け穴を防ぐために、または「Magic Online」のクリックを減らすために改定されもします。我々はカードのコストをからに変更して、残りの部分はそのままにしておくかもしれません――あなたはこれを変更だと思いますか? 私はそう思いますが、それはあなたの期待するような種類の変更ではないかもしれません。

 私の見立てでは、デザインから渡されたファイルのカードの約60%から80%が没になるか、パワーやタフネス、能力、マナ・コストなどの重要な種類の変更を加えられます。マジックのあらゆるカードには、その他大勢に戻らないために極めて多くのノブが存在します。デベロップはリミテッドのプレイテストで、青白のデッキがそれらの優良コモンが全て同じマナ域にあるので機能しないことを発見するかもしれません。そうすると我々は、そのデッキがより良く機能するための必然的な変更として1〜2枚のカードのマナ・コストを上下させるでしょう。我々がそうするのはそのカード単体として間違いがあるからではなく、そのセットが改良されるために通過するべき繰り返しの中で、時間と共に変化することが必要になるからというだけなのです。

 デベロップはデザインがセットでやりたいことを成就させようと試みますが、それは多くの変更を加えるということでもあります。私はこれをデザインが原作を書き、デベロップが映画を作ると考えるとピッタリだと思います。我々はデザインからプロット、キャラクター、骨組みを渡され、そして我々は機能していると信じるものに集中し、そうでないものを焦点から外そうと(または取り除こうと)します。時にそれは新たなキャラクターを加えたり、他のものと組み合わせたり、本筋ではないプロットを取り除くことを意味していますが、我々がそうするのは2時間の上映時間内に全てを詰め込むためです。この場合の上映時間とはスタンダードのことです。ええ、まあ、はい…ある意味では壊すことの隠喩ですが、セットを生産する共同作業の過程は全体として我々がより良いと信じているものを作り出しています。

@samstod すげえ企画の復活だ。早速質問:デベロップは例えば「2マナ以上生み出す」や「マナ・コストを払わずに唱える」のような要注意リストを持っているのか?

 我々は多くのものに注意しますが、テストしなければならないと知っている主なものはこれらです。

  • 軽量ドロー呪文
  • フリースペル
  • マナを生み出す呪文
  • マナを使わずに繰り返し使える効果をもつ呪文
  • 戦場に出たときの能力を持つ重いカード

 深刻で大きな間違いの大部分は『ウルザズ・サーガ』時代にあり、例えば上記の基準を用いるだけで解決され、そしてそれらすべてのカードにいくつかの愛ある批評を与えました。またあなたがカードに「あなたがこれを手札からプレイした場合」という一文を見つけたなら、誰かが狂った出来事を防ぐためにその一文を加えたのだとわかるでしょう。

来週の「Latest Developments」では一問一答をやります。質問を私宛のツイートかメールで送ってください。
@samstod デベロップが色んな理由でメカニズムを丸々没にすることはどれぐらいの頻度でありますか?

 デベロップの時にも時折起こりますが、より頻繁に起こるのはデザイン中、あるいはデザインとデベロップの間にある「デヴァイン」の時期です。普通の質問は「このメカニズムはデベロップが機能すると考えるだろうか?」というものになりがちですが、いくつかのメカニズムはそうではありません。それはデザインの上では機能しているかもしれませんが、そのメカニズムが十分な数のカードに結びつかないものであるか(しばしばそのカードは構築において興味深いものです)、その問題を調整する上手い方法がないものです。もしメカニズムが、私が上に挙げた要注意リストのうち1要素を本質的に保持している場合、その後我々がそのカードを調整する素晴らしい方法を思いつかない限り、それは薄氷を渡るような危険な状態にあることになります。

 我々がメカニズムを没にするかもしれない最後の理由は、コストの必要条件がそのカードを魅力的でなくしてしまうからです。それはバランスは取れているかもしれませんが、我々の目標はバランスと魅力の両立しているカードを作ることです。バランスの取れたカードを作ることが魅力を損なうようなら、それは新たなメカニズムを捜し求める時なのかもしれません。

来週の「Latest Developments」では一問一答をやります。質問を私宛のツイートかメールで送ってください。
@samstod ストームは調整可能だと思いますか?

 これは前の質問と非常に関係がある質問です。我々がスタンダードやモダン、あるいはレガシーさえ壊さないストームを持つカードを印刷できるかという意味ではストームは調整可能だと言えますが、それらのカードは多分エキサイティングなカードにはならないでしょう。ストームは、そのカードをプレイされるということがすなわち悪用するデッキを使うことだという先天的な問題を抱えています。構築向けの興味深いストームを持つカードを、それらを壊すリスクなしに作ることは信じられないほど難しいことです。それはまたその前年や来年に印刷できる軽い呪文に多くの制限を与えるでしょう。

 我々は《鋼の霊体》や《妨害の接触》のようなストームを持ったカードを作ることができますが、私はそれらが、あるブロックでストームが戻ってくると発表したときに人々が望んでいるもの、であるかは疑問に思います。複製や超過、多重キッカーのようなキーワード能力を使って、ストームのできることの大部分が可能であり、それらにはそのカードをデベロッパーがもっと満足のいくように調整できる余地があると思います。

 

 

来週の「Latest Developments」では一問一答をやります。質問を私宛のツイートかメールで送ってください。
@samstod 皆さんは2色土地を将来のセットのためにあらかじめ考えてあるのか、それともその時になって考えてるのでしょうか。

  我々は将来印刷するためにいくつか大まかなアイデアは持っていますが、確定していることはほとんどありません。我々が完成させたいサイクルがあり、そして様々な興味深くバランスの取れた2色土地の作り方についての力強いアイデアがありますが、それらが発売される適正な時をある程度待つ必要があります。あなたがショックランドを我々がスタンダードで印刷する2色土地にふさわしい強さだと思い、『オデッセイ』のフィルターランドがスタンダードで弱すぎると思うのなら、あなたはカードパワーを幅広く見ていません――そして我々は多くのより良いデザインを発掘しました。

 我々は可能ならば印刷するカードに何かそのブロックのテーマを使おうとします。その例は『ローウィン』のクリーチャー・タイプを参照する2色土地です。それらはそのセットがスタンダードにある間機能するでしょうし、また残りの時間ずっと部族デッキのための選択肢を与え、そして他の2色土地のデザインをそれらが必要になる時が来るか、あるいは『イニストラード』のM10ランドが『ラヴニカへの回帰』の年のマナ基盤を供給したように、それらの明白なデザインが将来助けになるまで温存することができます。

来週の「Latest Developments」では一問一答をやります。質問を私宛のツイートかメールで送ってください。 @samstod あなた達は「ローウィンのパワー・レベル」のプレインズウォーカーに懸命でしたが、最近の数セットはその通りにしていますか? もしくはちょっと弱すぎると思いますか?

 最初に『ローウィン』で現れたプレインズウォーカーのパワーレベルは、我々が新たなプレインズウォーカーをデザインするときに何を狙っているかに関係しています。最初の5人のうち、ジェイスとガラクは我々が現在プレインズウォーカーの狙っているものより恐らくちょっとだけ強く、リリアナとチャンドラは恐らくちょっと弱すぎるでしょう。これは我々がプレインズウォーカーをジェイスやガラクよりも強く、またはリリアナやチャンドラよりも弱くしないという意味ではありませんが、我々のプレインズウォーカーのカードパワーの判断基準はそれらの間のどこかにあるでしょう。我々は常に強すぎるか弱すぎる方向に行きそうになり、そしてプレインズウォーカーの適正なレベルがその両端の上でいくつかの余地があるようにします。

 ジェイスとガラクにある唯一の深刻な問題を正確に言うと、彼らがカードとして強すぎることではなく、デッキにとらわれず力を提供するところがちょっと考え物なところです。それはプレインズウォーカーの目指すところかもしれませんが、もう一手間かかる場合もっとずっと興味深いカードになると思います。少なくともサイドボードにも《ジェイス・ベレレン》を積みたくない青いデッキや、《野生語りのガラク》が合わない緑のデッキを見つけることは困難です。我々が今行おうとしていることは、素のカードパワーから来る汎用性を減らし、もう少しとがったデッキが求められるプレインズウォーカーを作ることです。

 現在のスタンダードで機能している良い例は《ドムリ・ラーデ》(デッキの中に大量のクリーチャーを要求します)、《イニストラードの君主、ソリン》(彼の能力を最大限に発揮するには本当にトークンが必要です)そして《記憶の熟達者、ジェイス》(コントロールのフィニッシャーとして素晴らしいのですが自分自身を守れません)です。過去数年で使われなかったプレインズウォーカーがありますが、そのうちいくつかはそれ自身の強さよりも、そのカードが入ったデッキが十分に強くないことが原因です。

ドムリ・ラーデイニストラードの君主、ソリン

 

 

 今週はここまでです。もし今後の一問一答で聞きたい質問がある方は、メールでお送りくだされば今後の記事で取り上げるようにします。

 

 

 ではまた次回お会いしましょう。

 サムより

 

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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