バンパーへのボウリング

更新日 Latest Developments on 2012年 9月 14日

By Tom LaPille

Tom LaPille makes things. Some of the things he makes are card sets, like Dark Ascension and Born of the Gods. Sometimes he makes stories, too. Sometimes he makes unexpected things, like 16th-century Japanese clothing. He's probably making something right now.

 君はボウリングに行ったことがあるだろうか?



 行ったことのない人のためにそれがどんなものか説明しようか。10個のピンが君から18メートル向こうに三角形に並んでいる。ピンと君を挟んで、オイルの塗られた幅1メートルのレーンがある。君は約直径23センチ、重さ16ポンドまでのボールを用いる。君の目標はボールを転がして、できる限りたくさんのピンを倒すことだ。

 ここで残念なお知らせ。レーンの両端にはガーターがあるんだ。もし君のボールがガーターに入ってしまうと、君はピンを倒すことができなくなってしまう。しかしここで嬉しいお知らせ。もしガーターにはまっても、多分しばらくすれば君のターンが回ってきて再び挑戦することができる。ボウリングの1ラウンドでは、大体12から20回ぐらい投げることになるだろう。一回の失投は大したことにはならない。


 これは大人にとっては十分だ。しかし一方で子供にとっては、一つでもボールがガーターに入ってしまうのはイライラすることだ。これを修正するためにフィル・キンザー/Phil Kinzerが考案したのが「バンパーボウリング」の概念で、そしてこれは良いことにボールがガーターに落ちるのを防いでくれる。最初のこのシステムは仮ごしらえのボール紙のチューブだったのが、それは完全にガーターを覆う大きな空気注入式のチューブに発展し、そして現代のシステムではレーンに組み込まれた伸縮自在のレールになっている。バンパーにボールが衝突するといくらか威力が削がれるが、しかしボールがピンに向かい続けるので、投球はかろうじて成功できる。君の目的は常にバンパーを回避することだが、しかし経験を積んだボウラーでさえミスし、どうしてもバンパーに当たってしまう。

 マジックのデベロッパーというのは、ボウリングによく似ている。何どんなものが我々が求めるプレイ環境なのかについてとてもいいアイデアを持っていて、それを遠くに眺めている。セットを発売することはボウリングの球をレーンに転がすことに似ている。我々は目標に当てることに全力を尽くすが、完璧ではないので、中心から転がり落ちてしまう。それが起こった時でも、我々はいくつかのピンを倒したい。

 マジックのデベロップとボウリングの間にある大きな違いは――そして、ここに私がどこで比喩から離れ始めるかがある――は我々がレーンがどのようなものか実際に見ることができないということだ。我々はレーンの終わりにあるピンを見ることはできるが、しかしボールが進む道のりは我々がほとんどコントロールしていない様々な障害であふれている。私はスース博士/Dr. Seussが書いたであろうボウリング場のようなものとしてそれを視覚化するが、それは重要ではない。重要なことはこの奇妙な比喩的ボウリング場が不思議な形と三ヶ月間かかる長さで、ガーターは実に恐ろしい場所だということなのだ。


 我々のガーターとは何か? 明らかに一つのデッキが最強である環境や、明らかに一つのカードが他のカードより強力な環境、あるいはデッキ構築の間に支配的な戦略に対してよりよいデッキを作ることができない環境だ。これはリミテッドと構築の両方で問題であり、ドラフト・フォーマットはマジック・オンラインで多くの注目を浴び、構築フォーマットは様々な独立トーナメント・シリーズで多くの注目を浴びる。

 我々にとって良いニュースは、我々が自身のレールを作るようになるということだ。《天界の粛清》、《地の封印》、《反論》そして《墓掘りの檻》のようなカードはそれらが良い対策となるものが使われていない間は構築の外側に適切に使わずに置くことができる。一方で、メタゲームが通常のカードが提供しない具体的な答えを求めて向き直る時、そこにあるそれらがバンパーの役割を果たす。これらの一部はかなり一般的だ。《天界の粛清》が現れるのは大抵、追放される必要がある赤か黒のクリーチャーが走り回っている時だけで、《反論》が望ましいのは青い呪文のデッキが他の青い呪文のデッキに対してより優位に立とうとする時だけだ。いくつかのカードはより狭い相手に効く。《地の封印》と《墓掘りの檻》はそれらが墓地戦略を攻撃する必要があった時にのみ姿を現すことになる。

 私が上に挙げたカードは大抵はサイドボードのカードだ。一方で、時々我々は君がメインデッキでのプレイを考えられるほどの答えとなるカードを求め、そしてベストの方法の一つとして得たのはクリーチャーに面白い能力をつけることだった。君は以前にこいつらを一つ二つは見たことがあるかもしれない。


 これらの各クリーチャーはいくつかの戦略かカードの分類に我々が答えを必要だと感じたものだ。《斑点の殴打者》は相手がライフを得ることを止めさせる。《gt;戦争の報い、禍汰奇》はアーティファクトを滅茶苦茶に蹴散らす。《難問の鎮め屋》は打ち消し呪文をボコボコにする。《裂け目掃き》は待機したカードを追いかける。それは結局のところ、クリーチャーは一般的にとても強力だということだ。なので我々は妥当なサイズに置かれた範囲でそれらのカードを大抵得ることができる。気が狂ったほどに強力なもので溢れた、レガシーやヴィンテージと言った広すぎるフォーマットにおいても、《実物提示教育》や《堕落の触手》を唱えて面倒なことをするのを好まず、代わりに痛いところを突く《翻弄する魔道士》を入れようとするプレイヤーの一団がいる。

 これらのカードはもちろん常に的中するわけではない。《レオニンの裁き人》と《トンネルのイグナス》はほとんどが失敗していて、《ファイレクシアの破棄者》は実際に何かを破棄しているのを見たことがないし、そして《斑点の殴打者》は人々がライフ獲得をぶっ潰すために必要としたものではなかった。それは別にかまわない。時にはこのような対策のために作られたクリーチャーが良い結果を得られないこともある。クリーチャーが問題の正しい解答とならない時もある。《ファイレクシアの破棄者》は《真髄の針》のように見込まれていくつかのサイドボードに入ったが、しかしこのクリーチャーは死にやすく、1点のダメージで目的を果たすことができなくなる。時にはそのカードはそれの役割において有効かもしれないが、クリーチャーとクリーチャーの能力のを同時に用いることのできるデッキというのは存在しない。《レオニンの裁き人》と《トンネルのイグナス》に言えることだ。最後に、時としてクリーチャーが解決しようとしている問題が問題たりえない時もある。私が思うにこれは《斑点の殴打者》がスタンダードにいた時のことだ――誰も大量のライフを得ようとしなかったので、それはいらない子扱いだったのだ。

 君は私のプレビュー・カードがこれらのカードの一つだともう推測してるかもしれない。環境がそれを必要だと指示するかどうかはわからないが、しかしそれは構わず役目を果たすためにここにいる。

Ash Zealot

 多くのマジックのカードはもとより生き生きと動き回る。わずかに、こういった例外のクリーチャーがいて、《ガドック・ティーグ》は私のお気に入りの見本だ――私はどうやって小さなキスキンの男がXを含むコストのカードに注意して、そしてそれが起きないようにするかはわからない、なので私は何がそこで起きているかはたずねないようにする。我々はこのようなカードを我々が求めたことを正確に行うようできるだけだけ重く設計する。それでは何がこのカードの中で行われているかについて話をしよう。


赤赤?

 このマナコストには三つの理由がある。一つ目はラヴニカへの回帰は2色の組み合わせのセットだ。最初のラヴニカで一般的だったように、誰もが多色をプレイするのを好むわけではない。我々は単色デッキをプレイしたい人のためにセットの中にいくつか優良なカードを入れたかった。2番目は、歴史上赤にはこのようなカードが不足しており、我々はそれを一つ与えても良いだろうと考えた。3番目に、赤黒ゾンビはラヴニカへの回帰でとても強力になり、そして我々はこのカードを簡単に《ゲラルフの伝書使》と同じデッキでプレイすることは望まなかった。

2/2?

 これは過去にのカードが競技環境に留まるのに必要としたサイズに関係していて、そして、我々はここでもそれにたどり着いた。


速攻?

 ここが本当に意図したものの始まりだ。孤立していてそれのためのデッキを望まれる面白いカードを作るよりも、こいつはより厳密に赤単色のデッキの一部であることを目指している。赤いデッキは速攻野郎を愛しており、従って〈灰の盲信者〉はデッキに入る任務に援助を受けている。


本体にダメージ?

Speaking of getting a card into red decks, red decks love dealing damage to people. This was a natural fit, especially for a card with a double-red cost.


墓地から呪文を唱える?

 このカードが《瞬唱の魔道士》へのよい対策であることは非常に明らかだが、しかしそれは我々がこのカードを作った本当の理由ではない。我々はフューチャー・フューチャー・リーグの各自のデッキで墓地からフラッシュバック呪文を頻繁に使用している。我々は《禁忌の錬金術》入りの《燃え立つ復讐》デッキとか、そして我々はまた、《堀葬の儀式》、《信仰無き物あさり》、《追跡者の本能》入りの「Frites」系デッキも持っていた。さらには大量の《墓所這い》が這いまわっていた。君がこのカードと共に《瞬唱の魔道士》デッキに対することで得られる限界価値は確かに0ではない、しかしこのカードが注意を払うべき相手が瞬唱だけである場合、それはとてもベストの状態とは言えない。


先制攻撃?

 我々がプレイテストで発見したとても重要なこのカードの意図は、《瞬唱の魔道士》と戦闘して死亡しないことだったので、我々はこれに先制攻撃を与えた。


〈灰の盲信者〉 アート:Eric Deschamps

 私はこのカードが〈戦慄掘り〉や〈突然の衰微〉のようなカードと共に多くのプレイで見られるかについては確かなことは言えない。もし君が赤単をプレイするのが好きなら、もし君が本当に墓地戦略が嫌いなら、こいつは君の軍勢にいるかもしれない。もし君がバランスの取れた新鮮な競技環境のフォーマットが好きならば、〈灰の盲信者〉のようなカードは我々が君が何を求めるかを確認しようとする方法の大部分を占めている。我々は、常に新しい発見を求め、そして我々が環境に入れることができるカードがより多くなることが、フォーマットが異なる場所へ移動するのにバンパーとして役立ち、それどころかさらなる発見の余地となるだろう。

 さて、そろそろマジックのカード作りに戻る時間だ。私は君にプレリリースを楽しんで欲しいと思う、そして数週後に我々はまた語り合うだろう。


(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)



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