フューチャー・フューチャーの日々 『神々の軍勢』編

更新日 Latest Developments on 2014年 3月 24日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 今回は宿命的特集ということで、どのように我々が宿命を操作しているか――フューチャー・フューチャー・リーグでのスタンダードのデッキの戦いについて少しお話しようと思います。フューチャー・フューチャー・リーグは我々がこれから発売されるカードをブロック構築やスタンダードでテストする社内のリーグです。我々の目標はメタゲームを壊すことではなく――そのセットがFFLにある間に少数のデベロッパーで答えが出せるようなメタゲームでは、現実世界の人々の前には数週間しかもたないでしょう――多くの戦略を同じぐらいのパワー・レベルで供給し、そしていくつかのデッキが流行ったり廃れたりすることでメタゲームが変化する余地を持たせるようにすることです。これはつまり、我々の主な仕事が全てのバランスを正確に取ることではなく、できるだけ多くのカードとその組み合わせを試し、全ての戦略に十分な面白さを与えることだということです。我々はこれをデッキを作ってお互いに対戦し、(あるならば)変更したいものを見つけ、そしてまたプレイすることで行っています。


 『神々の軍勢』がFFLに導入されたときには、『基本セット2014』は内容が固定されていましたが、『テーロス』はまだ変更を加える時間がいくらか残されていました。我々は、『神々の軍勢』で新しい事柄を行うことと、『テーロス』のカードとのスタンダードでの強力な相互作用を避けなくてもいいようにすることの両方を『神々の軍勢』に取りかかったときに可能にするため、変更を加えるべきカードが『テーロス』にあった場合に変更できるようにしたわけです。

 我々はFFLで多くのことを見つけ出します。我々はそのフォーマットを解明しようとはしませんが、願わくばそれが楽しく、バランスが取れていて、そして何百万のプレイヤー達が次のセットが来る前に解明できない深さを持つという、正しい位置にあってほしいと思います。

 我々が作ったデッキの多くは興味深いのですが、結局のところはスタンダードで十分強いものではありません。我々はそれらのデッキが十分楽しいものであれば、どこかを調整してスタンダードで通用するようにできないかを知るために、十分な強さがないものでも試す必要があります。また、楽しくなさそうなものやスタンダードでは危険なものを、このフォーマットの最強のデッキにすることを防ぐために試す必要もあります。この記事のデッキのほとんどは1番目の方向に向かっていますが、実際に強すぎると判明した場合の対処が困難なため我々が阻止した危険なコンボがいくつか存在します。『神々の軍勢』と『ニクスへの旅』の両方のデベロップ中に多数の変更が行われたので、この記事のデッキリストの多くは最終バージョンと一致しないカードを含んでいます。というわけで、ちょっと場違いに見えるカードがあるなら、それは古いバージョンが最終的にカードパワーを調整されたか、他のデッキでより適切な能力を得ただけかもしれません。

 なにはともあれ、ご覧いただきましょう。

 新しいフォーマットを始めるとき、我々が最初にすることの1つは、前環境のトップメタのデッキに新たなカードを加えてアップデートすることであり、下記のデッキはその一例です。

トム・ラピルの「エファラ・波使い」

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 ですがそのようなデッキについて多く書くことはできません。既存のデッキをアップデートしたものは他にも黒単、赤緑などがあります。我々はまた、根本的に新しい事柄も試しています。

ベン・ヘイズの「赤黒モーギス」

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 『神々の軍勢』の中で調整が最も難しいカードといえば神々です。『テーロス』の神々はもう少し汎用性が高く、我々には『神々の軍勢』の小神達はよりニッチで限定された戦略に適応するものが求められていることが分かっていました。上記のリストは《殺戮の神、モーギス》をテストするために使った赤黒の全力アグロのサンプルです。

殺戮の神、モーギス

サム・ストッダートの「ジャンド・リアニメイト・コンボ」

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 我々が初期バージョンの神(この時点では自分のクリーチャーが死亡したときにダメージを誘発していました)をテストするために使ったもう1つのデッキがこれです。副産物としてこのデッキは《死の国のケルベロス》に戦場に帰さない、少し違った「戻す」能力が必要だと確信させました。

イアン・デュークの「キオーラ・コントロール」

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 『神々の軍勢』で神々の次に正確に調整しなければならない重要な存在はキオーラです。彼女に定められた目標は、ランプやコントロールに入るが、強くしすぎてクリーチャー・デッキの使用が悪いことにならないようにすることです。我々は上記のようなデッキを彼女がどれぐらいスタンダードで良いかの感触を掴むためにプレイしました。その結果このカードには多くの変更が加えられました。それに関する記事を過去に書いていますので、気になる方はこちらをご覧ください。

荒ぶる波濤、キオーラ

イアン・デュークの「ターボ・フォグ」

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Planeswalker (4)
4 荒ぶる波濤、キオーラ
ソーサリー (9)
1 静寂なる想起 4 予言 4 都の進化
アーティファクト (1)
1 ナイレアの弓
60 カード

 これは我々がFFLでとても注意しているデッキのアーキタイプです。ターボ・フォグがローグデッキとしてスタンダードの片隅に存在して、メタゲームの結果トーナメントで勝つのは構わないのですが、我々はこれがメタゲームに関係なく最強のデッキの1つになることは望んでいません。ターボ・フォグのミラーマッチばかりの環境はトーナメントを誰にとっても楽しくなく、時間のかかったものにしてしまいます。幸運にも、このバージョンは「ビートダウンには強いがコントロールには勝てない」位置に当てはまり、我々はバランス調整のために何も変更を加える必要はありませんでした。

濃霧
静寂なる想起

トム・ラピルの「オーラ」

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 我々が強く注意しているもう1つの要素は、クリーチャーにオーラをつけるデッキが強くなりすぎないようにすることでした。『神々の軍勢』に取り組んでいたとき、すでにスタンダードとモダンの両方でその戦略を用いたデッキが勝利を収めていました――これは多くのオーラがあるセットの前年に理想的とは言えません。なぜならば、我々はこれらのデッキをプレイするために相当な時間を費やすからです。それが強いことは構いませんが、強すぎた場合にも十分な答えがあるようにしたいと考えました。オーラ・デッキがスタンダードでどれだけの間活躍するかは我々には分かりませんが、1年以上スタンダードの中心にあることを望まないでしょう。

ビリー・モレノの「WUBRGの市長とその選対委員長」

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 我々のデッキの全てが真面目なものとは限りません――いくつかはそれが楽しいかどうかを確認するために際物戦略に見えるものをテストします。元デベロッパーであるビリー・モレノ/Billy Morenoはデッキを考えるときに枠にとらわれない発想をすることで有名でした。一例を挙げると、彼は我々の中で《波使い》を見出した最初の1人でした。

イアン・デュークの「赤白バーン」

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 カードに変更を加えるとき、我々はカードを興味深い方向に推すことができるかどうか考え出せるよう、しばしば現実世界にあってほしくないような極端なバージョンのデッキを試します。上記のデッキの場合は、我々は《サテュロスの火踊り》をフルバーン・デッキにおいてより効果的なクリーチャーとして推そうと試しました。我々が発見したことは、一般的にこうしたバーン・デッキのより面白い部分は相手を焼くか相手のクリーチャーを焼くかの選択であるのに、両方を兼ねているカードが多すぎる場合そのゲームは楽しくないということでした。というわけで、我々は《サテュロスの火踊り》を現在のマナ・コストへと移しました。

サテュロスの火踊り

ジョシュ・ジェリンの「波使いコントロール」

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 《波使い》と言えば、フューチャー・フューチャー・リーグの主要なメンバーはマジックのデベロッパーですが、時折社内の他の部署の人たちもやってきてゲームに参加しています。我々のビジネス・アナリストであるジョシュ・ジェリン/JoshJelinは、修士号を得るために復学しました。しかし、彼がここにいた間、彼は確かに《波使い》の素となるカードを穴埋めとして提出しました。彼はこのカードをとても誇りに思っているので、時々それがスタンダードでどのようなことをしているかチェックしていました。私は、それがかなり上手くいっていると認めることができると思います。

波使い

ガヴィン・ヴァーヘイの「ジャンド・カウンターズ」

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 誰しも愛着がありそれを中心にデッキを作るカードがあります。《ラクドスの血魔女、イクサヴァ》はガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyにとってのそれらのうち1枚であり、それを彼は当然『神々の軍勢』で貢納の形で与えられるあらゆる+1/+1カウンターと一緒に使いました。

ラクドスの血魔女、イクサヴァ

 さて、『神々の軍勢』のフューチャー・フューチャー・リーグの概要は以上になります。この記事が皆さんに我々がこのセットに取り組んでいたときに考えていたことについての洞察を与えることになることを願っています。

 ではまた来週お会いしましょう。

 サム(@samstod) より


(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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