多元宇宙(マルチバース)侵犯

更新日 Latest Developments on 2013年 4月 15日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 ここ数ヶ月、Latest Developmentsは様々なデベロッパーが毎週のコラムに取り組んできました。今週から私がこのコラムのメイン執筆者の座を引き継ぎ、他の人達は言いたいことができたときに割り込んできます。この絶好の機会にとても興奮するとともに、あなたに奈落のデベロップ側で起こっていることの舞台裏をお見せするのを楽しみにしております。これを読んで皆さんが見てみたいものがあれば、メールを送ってください。将来記事で取り上げるかもしれません。

 あいさつはこれくらいで、そろそろ本題に入りましょうか。

 マルチバースは開発部の内部でセット内のカードの足跡を記録するために使われているデータベースです。デザイナーとデベロッパーは、大体週に1回はデータベースを読むことと何かコメントを残すことが奨励されています。時には彼らはカードパワーについて議論し、またある時にはリミテッドでの評価を残し、そして時には気の利いたコメントを残していきます。これらはギルド門侵犯で寄せられた楽しいいくつかのコメントです。

 コメンテーターの顔ぶれはこちら!

DEL—デル・ロージェル/Del Laugel
MJ—モンス・ジョンソン/Mons Johnson

 ではご覧ください!

シュラバザメ

ZH 10/20:これは太っ腹なコモンだね。
AF 1/18:美しい。
KEN 2/21/2012:俺のカニ魚ビーストデッキに是非!
DH 2/22:2/2→2/1にしてブロックしやすく、そして多分より進化しやすく。
Del 6/7:瞬速をつけました。

 あなたは最後の変更が我々の頼れる編集者、デル・ロージェルによって行われたことにお気づきでしょう。このセットの完成が近づくと、彼女はマルチバースファイルを「所有」し、デイブ・ハンフリーがリード・デベロッパーとしてファイルの中で行われるのを望んだ変更を実際に加えることを担当しています。最後に追加された瞬速はシミックにリミテッドでの追加のちょっとした活力を与えました。

旧き道の信奉者

Mago 10/11/11: 3/3、:先制攻撃から 2/2、:先制攻撃に変更。

EVL 12/9:にゃあ!

ZH 2/14:何故名前がZan Zan the Clan Manじゃないのかわけが分からないよ。

 ザックにデベロップ中のカードにピッタリのニックネームをつける能力が無いことだけは実に悔やまれます。

突撃するグリフィン

DH 12/6:Hook(訳注:ラヴニカへの回帰の開発コード名)にの2/3飛行があります。3/2に変更します。

KEN 12/12/2011:新世界秩序と単純さを尊重するとそうなるだろうね。

DH 1/3:《突撃するグリフィン》にまた改名します、「Assault/突撃」が「突撃」という名前にならないことを希望します。

DB 1/9/2011: 見ましたよー :)

 名前は時として混乱の原因となります。大隊は「Assault/突撃」と言う名前だったので、この能力を持った何枚かのカードは一般的に「突撃する何とか」と呼ばれました。これらのような命名方法は《突撃するグリフィン》がプレイテストで混乱を引き起こすようなことになりかねませんでした。

両生鰐

GSV 1/14:クリエイティブは我々のセットのファイルを手に入れ、そして蜘蛛から蛙・アリゲーターへと変更を行った。Line(訳注:ギルド門侵犯の開発コード名)はある種奇妙な世界のようだ!

DH 2/6:もっとアリゲーター・ビーストが欲しいね。

TML 2/8/2012:同意。

 ギルド門侵犯に取り組む中で最も楽しい部分のひとつは、シミック連合のクリーチャー・タイプの大きな変更を見ることです。それらのうちいくつかはそのままに、いくつかは変更されました。普通は、クリーチャーが時間をかけてまともになっていくという意味ですが、しかし《両生鰐》は違い、そしてそれは地味な蜘蛛からアリゲーター・カエル・ビーストへと進化して、最終的に今のところアリゲーターがマジックのクリーチャー・タイプには存在しないのでクロコダイル・カエルになりました。

前線の衛生兵

MJG 10/28/11:いいね。

GSV 12/9: ドラフトでボロスを組んだときにこれを入れたら面白かったし上手く機能したよ。 キチガイになることなくいい感じのレアで、これはナイスだな。

Del 2/7: この効果が後から戦場に出たクリーチャーにも効いていることに注意しましょう。

DH 3/9: 3/2→3/3に変更します。

Del 6/22:能力を追加しました。

 能力を追加しました、確かに。日付を見ればお分かりのように、これは比較的遅い時期の変更です。我々は既に《スフィンクスの啓示》がどれぐらい強くなるかについては良い考えを持っていましたが、しかし《忌むべき者のかがり火》デッキが現実世界に大きな勢力を築いていました。FFLの代表エリック・ラウアーはスタンダードの強力な全てのX呪文にいくらか圧力をかけるために少し調節するカードを探していました。《前線の衛生兵》は既に構築向けに十分優れていて、そしてそれらのX呪文に立ち向かう意味を持ったテキストを収めるのが一番簡単だと決定されました。

神秘的発生

DH 1/16:1/1をX体出すかわりにX/Xへ変更します。

DH 1/18:シミックの同胞たちが「X」の文字が好きであることを切に望みます。

Max 1/20/12: セット全体がその目印をつけている。

ZH 2/14: 本当に《吸収するウェルク》に似ているね、《神秘的発生》は多分実際にイケてるだろう。

KEN 3/27/2012:これは同じことをするクリーチャー・カードであるべきじゃないかな?

Del 4/17:アートは発注された後なので、駄目です。

 最初期のバージョンのこのカードはトークンの群を生み出していましたが、それはシミックのテーマを上手くプレイするのには不十分でした。今や、このカードは十分の大きさのカードをカウンターした時に進化を誘発することができ、そしてまた図らずも居住とも上手く作用します。

夜帷の死霊

Del 5/10:2/3→3/3に変更。

Del 5/17:3/3→3/2に変更。

Del 5/31:3/2→2/3に変更。

MJ 6/7:生命は巡りゆく…

 開発部での自明の理のひとつは、あなたがカードの正確な価値が分からない場合、他のものを試してそれがどこへあなたを導くかを見ることです。時には元のところへ戻ってきますが、しかし少なくとも我々はそのカードがそれを求めていた場所にあることを理解できたのです。

宝庫のスラル

(最初の名前は〈オルゾフの櫃獣/Orzhov Vaultbeast〉)

 Max 2/20/12:〈valuebeast/お得獣〉と読み違えられるのは残念なことじゃないね。

 適切なコメントは適切ですね。

天駆ける進撃

Del 1/24:+1/+1が《果敢な跳躍》の青い部分だとは思ってもみなかったわ。

DH 2/1:見ての通り《果敢な跳躍》は今や青マナを必要としないように改良されました。

TML 2/8/2012:この呪文で待ち伏せするのが楽しみだ。

 この呪文の最初のバージョンは単にクリーチャーに先制攻撃と飛行を与えるだけで、デルのコメントはそこから来ています。改良されたバージョンのカードを作ることは開発部で絶えず議論されていますが、我々は自身の行いを受け入れなければなりません。マジックは約20年間存続していて、今までの範囲内で済ませようとするのは、楽しくエキサイティングなフォーマットを作る上で必要以上の制約になります。時々、我々は《天駆ける進撃》のようなカードを作り、そしてそれは総合的に《果敢な跳躍》を上回っています。そして時々、我々は既存のカードの劣ったバージョンのカードを作ります。我々はその全てを最小限に留めようとしますが、しかしもしセットに合った呪文が以前に印刷されたマジックのカードより良くても悪くても、我々は古いカードに勝らないように自制することはないでしょう。

冠角獣

KEN 9/21/2011:もっと「人間・大鹿・ウィザード」をください。

 あなたが人間・大鹿・ウィザードを欲しがるのは分かります。私にはサイを出すのが精一杯です。

空隠しの杖

(プレイテスト名:雨傘/Umbrella)

Mago 10/26/11:新しいカードだ。《ニューロックの滑空翼》だったけど、イニストラードに《継ぎ当ての翼》があった。コモンじゃないかも知れない。

TML 10/28/2011: アンブレラ 吹きすさぶ アンブレラ 風の中

EVL 12/11: :-)

DH 1/10:プロテクションからブロックされないに変更します。

EEF 1/17/12:プロテクションじゃなくなるとフレイバーが失われると思うな。

ZH 2/14:これは可愛らしすぎるように感じるな。これが文字通り雨傘じゃないなら、我々はこれを掘り下げるのだろうかね?

 しばしばセットがデザインとデベロップの間にある時、ミニ・チームはいくつかの作業が必要なそのセットの側面、例えばプレインズウォーカーのデザイン、トップダウンのテーマ、いくらか細部を詰める必要があるメカニズム、などのために召集されます。ギルド門侵犯では、そのようなミニ・チームのひとつは、「都市」らしさをもっと出すためにより多くのカードをセットに入れることを中心に活動しました。《破滅小径の仲介人》や《空隠しの杖》、《派手な投光》のようなカードはこのミニ・チームからもたらされています。しばしば、これらのチームが生産するカードは紙の上で効果を発揮しますが、最終的な名前が決まるとその存在意義を失ってしまう危険もあります。

グルールの憤怒獣

DH 1/23:「対戦相手のコントロールする」を追加。

DH 2/29:効果があるか分からないけど、意図的に選べないようにしています。

Max 3/30/12:大混乱だね。

 マックスはまたもや簡潔な説明の才能があることを示しています。

実験体

Del 5/8:再生を追加。

Del 5/17:起動コストをからへ。

Del 6/7:起動コストをから+1/+1カウンターを1つ取り除くへ。

Del 6/14:起動コストの取り除く+1/+1カウンターを2つに変更。

 後期に変更がなされたもう1枚のカード、《実験体》は最初1/1バニラに進化がついたものでしたが、それはフューチャー・フューチャー・リーグで多少プレイされているのが見られました。我々は、クリーチャーを進化させようとするデッキの楽しくない部分は、《神の怒り》の類にとても弱いことであると発見しました。我々は《実験体》の再生のバージョンをいじくり回し、それがマナ・コストでは助けにならないことを早期に発見しました。その理由は《実験体》を使いたいデッキが青白コントロールに何か圧力をかけたいならば、タップアウトすることを強いられるからです。起動コストをカウンターを取り除くことにしたのは、このカードを最も楽しい方向へ押し上げましたが、それは全く適切ではありませんでした。《実験体》を入れたデッキのほとんどは、それを3/3か4/4にするのが得意でした。一旦そこまでいけば、《実験体》と同じサイズのクリーチャー呪文を唱えてから再生し、進化してカウンターを乗せ、それから攻撃するという手を使えました。それは厄介で、我々がこれらのデッキに望んだプレイのパターンではなかったのです。我々はカウンターを2つ取り除くようにすることで我々の狙った強さに設定できることを発見し、再生が除去から生き残る助けにはなるが単に戦闘を制圧するものにはならないようにしました。

巨大オサムシ

GSV 1/23:これ好き。《クロノゾア》っぽくてケン・ネーグル向けだね。

 他に何か実際に言う必要がありますか?

 おまけコーナーとして、いかにいくつかプレイテスト名をリストにしておきました。決定稿のカード名が何か当ててみてください。

〈夜回り/Neighborhood Watch〉 -

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門の維持

〈友好的な悪魔/Friendly Demon〉 -

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慈善獣

〈遺志と遺書/Last Will and Testament〉 -

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死に際の願い

〈権力への反抗/Stick It to the Man〉 -

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誘導稲妻

〈屋根が火事だ/The Roof Is on Fire〉 -

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五連火災

〈バーム・ライトニング/Balm Lightning〉 -

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火花の強兵

〈お、お、お、お化け!/G-G-G-Ghost!〉 -

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虚無渡り

〈墓所の開放/Open the Tombs〉 -

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不死の隷従

〈たまげたなあ/Surprise Me〉 -

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予想外の結果

〈ヴィーアシーノのキックボクサー/Kickboxing Viashino〉 -

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ゴーア族の暴行者

〈優秀な尉官/Good Lieutenant〉 -

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ボロスの精鋭

〈通りの切れ者/Street Smarts〉 -

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盗賊の道

〈太陽に向かって投げろ/Hurl into the Sun〉 -

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破壊的一撃

〈科学!/Science!〉 -

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都の進化

〈小さい奴だらけだ/I'm Full of Tinier Men〉 -

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殺人の捜査

〈熊の供給/Bear Supply〉 -

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軟泥の変転

〈徴兵委員会/Draft Board〉 -

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軍勢の集結

〈ペットを飼う喜び/The Joys of Pet Ownership〉 -

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捕食者の関係

〈ザックの尻でかミュータント/Zac's Steatopygous Mutant〉 -

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神出鬼没の混成体

〈上座怨馬/Elder Spitemare〉 -

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ボロスの反攻者

〈予想外のイタチの群れ/Unexpected Swarm of Weasels〉 -

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深みのマーフォーク

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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