第一印象

更新日 Latest Developments on 2013年 2月 4日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 私がウィザーズ・オブ・ザ・コーストでインターンとして働き始めた時、ギルド門侵犯のデベロップはあと数日を残すのみでした。私が予想できる未来において、その最終的な形で最初に体験することになるのはギルド門侵犯で最後です。それは依然フューチャー・フューチャー・リーグ(リンク先は英語)でプレイされていましたが、ほとんどの名前も最終形になっていて、そして私の始めた後にはごく小さな微調整がいくつかあっただけでした。今後は、プレイテスト時の名前、古い能力、そしてカードがどのように書かれていたかを全て覚えていることになるでしょう。

 今日、私は常勤のデベロッパーであり、そしてギルド門侵犯のプレリリースは明日(日本語でこの記事を読んでいる人は先々週末ですが)です。かつては実際にイベントでプレイして得ていた興奮は、他の人がそのセットを初めて経験するのを見る興奮へと替わりました。ここ数年そうしてきたのと同じように、新しいプレビューが来たときに私は毎夜ツイッターやそのほかのインターネットのフォーラムに突進し、どのカードがプレビューされたか、そして数ヶ月間プレイしてきたカードが今世間にどのように理解されているかを見て興奮していました。私はデベロッパーとして、セットのカードの作成に関わったり、あるいは単にプレイを楽しんだりという思い入れがあり、そして人々が私が始めてそれを読んだ時と同じような流れで反応しているのを見るのは素晴らしいことです。

向こう見ずな技術》 アート:Anthony Palumbo

 今現在、ギルド門侵犯の第一印象をラヴニカへの回帰と切り分けて考える(特に私がそれらそれぞれをリミテッドでプレイしたのはブロック全部になってからでした)のは難しいことですが、このセットに、私のリミテッドでのお気に入りのメカニズム二つが入っているのは知っています。湧血と強請です。それらは対極に位置する種類のリミテッドのデッキを奨励しますが、その対極に座するどちらの種類のリミテッドのデッキも私は楽しんでプレイします。私がウィザーズ社内のプレリリースでプレイする時(この記事を提出した後に行われます)がそのセット単独でプレイする最初の機会になるので、期待通りにデッキの構築に私の意向が出るか、またはそこに変化球が見つかるかどうかを見るのを楽しみにしています。個人的に、本当に楽しみです。

 マジックは難しいゲームになりがちで、単にカードを読んだだけではどんな良いカードや戦略であるかが十分理解できません。もし簡単に理解できるものなら、私の仕事はかなり不必要ということになるでしょう。実際のところ、全体的に見て過去にあったことよりも直接的になっているのは事実です。我々は過去何年か開発部の中で強力なカードが読んだ通り強力であるように力を尽くし、そしてそれらは人々が楽しめるカードになる傾向がありますが(多分あなたがスタンダードですぐに《停滞》を見るようなことはないでしょう)、しかし依然として、実際にプレイしてみることは何が良いか悪いかを理解する最も良い方法です。そしてプレリリースはあなたがそのカードをプレイする初めての機会と、そして現実とあなたの期待を比べるという経験を得ます。もちろん私はソーシャルメディアを見ることと、これが全体として人々にどう取られるかを期待しています。

 ビジネスにおいても、あなた個人の人生においてもそうですが、企業としての我々にも第一印象は重要なことです。我々はマジックが楽しいものであると信じており、セットを始めて手に取る人全てにとって良い経験になることを確実にしたいと思っています。それはさらなる経験をするための最良の方法です。これはそれについてあなたが何度もこのコラムとマーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterの週刊記事の両方で読んだ新世界秩序の過程の一部です。個々のカードはより芳醇に、分かりやすく、そして楽しめるものであるべきで、またあなたのマジック:ザ・ギャザリングの個々のイベントの経験も良いものになるべきです。もしアーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが年末に書いたマジックの総括記事を読んでいるなら、あなたはLatest Developmentsのライターの一人でもあるデイブ・ガスキン/Dave Guskinが今マジック:ザ・ギャザリング公式イベント体験デザイナーであることを知っているでしょう。彼によって今後もたらされるより新しく、エキサイティングで、ギルドを選ぶような形や何かより抽象的で、しかしくつろいで楽しめるものを準備することを期待しています。

    プレリリースでの経験

 私の初めてのプレリリースは1997年5月のウェザーライトでした。それ以来、私が逃したプレリリースはプロフェシーだけでした。私のプレリリースの履歴が世界で最も良いとは言いませんが(開発部の我らがデイブ・ハンフリー/Dave Humphreysは超レアなアイスエイジとホームランドのプレリリースに参加しただけでなく、アイスエイジのプレリリースで優勝した栄誉を持っています)、それに誇りを持っています。私は全てのレベルのゲームでマジックをプレイし、そしてプレイヤーとして最も楽しみにしていたイベントはいつでもプレリリースでした。マジック:ザ・ギャザリングが私にとって最もエキサイティングな部分は常に発見と、そして間違いなくプレリリースです。

予想外の結果》 アート:Mike Bierek

 私は深夜に行われたエクソダスのプレリリースに参加して、物事をどう運ぶべきではないかについて多くを学びました。多くの新しくエキサイティングなカードを開けた後、私はシールドデッキのカードプールの登録を終え、それを無作為に配り直すために主催者に渡しました。戻ってきたカードプールはエキサイティングなカードが少なく、見慣れないカードを何度も読み直してデッキを構築して1ラウンド目の席に座り、ヘッドジャッジのアナウンスを聞くために会場は静まりました。彼はデッキリストの登録に問題のあったプレイヤーのリストを読み上げ、ジャッジが警告を与えやすいように手を上げるよう言いました。そしてもちろん、私の名前はリストにありました。ヘッドジャッジはそれからカードプールとデッキリストが一致しなかったのでそのカードを受け取ったプレイヤーはプレイできないと説明し、つまり私たちは彼らが賞品を得るチャンスをなくさせてしまったわけです。

 その交換のために部屋にいたどの新しいプレイヤーにとっても、それは競技マジックへの導入にはかなり悪い方法でした。プレリリースでの不正を防ぐために多くの手段が講じられましたが、結局プレリリースを上位のレベルの競技イベントとして処理することになりました。ルール上どのように働くかを知らない、あるいはどのようにデッキを構築するかを確信していない、あるいはトーナメントの手続きに不慣れ。いろいろな理由から、多くの新しいプレイヤーのトーナメント生命を早期に終わらせてしまいました。彼らのうち何人かは自身の失敗から学んでとどまり続けましたが、また何人かは単純に競技マジックに戻りませんでした。

 私は当時と今の組織化プレイの風景が全く違うと言えて幸せです。ここ数年に渡って、我々ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはプレリリースを全ての人が楽しめて新しいプレイヤーが(多くの場合初めての)組織化プレイを経験する素晴らしい場所にするために多くのことを成し遂げてきました。プレリリースは高額な賞品のウィナー・テイクス・オールのトーナメントではなくなりました。私達はプレイヤーがどのカードが楽しいか、楽しくないかを発見しながら、一日かけて自分のデッキを調整していくことを奨励します。

    ギルドパックの祝祭

 ギルド門侵犯はギルド固有のプレリリース・キットを使用した2度目のイベントです。ラヴニカへの回帰のキットと、ギルドを選べることはプレイヤーの圧倒的な支持を得ました。確かに通常のシールドと違うことに対する批判はありましたが、私はそれでも構わないと考えています。プレリリースの日の我々の目標は、多くの人々がそのセットの中で可能な限り最も楽しい方法で可能な限り経験することで、そしてギルドパックはそれを成し遂げると信じています。あなたには強力なレアのクリーチャーがプレリリース・カードとして与えられ、それをあなたがデッキに入れても良いのはまだ今回で2回目で、そしてギルドパックは恐らくあなたが自分のギルドをプレイすることを確実にしてくれるでしょう。


 総じてこの設定は、そのセットや一般的なシールドに慣れていないプレイヤーに、最適でないデッキ構築の明確な指針を与えてしまうかもしれませんが、しかし少なくとも当惑させるようなものではありません。我々は意思決定の過程を取り去る方法を求めているのではなく、ただプレイヤーがプレイしたいものに近づけるという望みをかなえるのです。例えばディミーアをプレイしたいプレイヤーが自身の青と黒のカードを全て入れ、それから23枚の呪文と17枚の土地が残るまでカードを取り除いたとしたら、そのプレイヤーは実際のデッキに近い何かを持っているはずです。決してそれが最適でなくても、ギルドパックからの追加の後押しが無い場合より、楽しめるマジックのゲームプレイにそのプレイヤーを近づけてくれることでしょう。

 プレイヤーはメタゲーム上での単純な力関係を考慮してギルドを選ぶ必要はありません。ギルドをお互いにバランスを取るために多大な労力が払われ、どのギルドもその他に対して圧倒的ではないように仕上がっています。あなたのプレリリース・キットの他の5つのレアがそのギルドに沿っているかは保証できませんが、どのギルドを選んだとしてもあなたのギルド・パックはそのギルドをプレイするためのリソースと、そして楽しい時を過ごすために十分な強さのプールを与えてくれるでしょう。

 もしあなたがギルド門侵犯のプレリリースに行くのなら、私はそのセットと共に楽しんでプレイしてくれることを願っています。多くの人がこれのために驚くべき量の仕事をしており、私はこれはラヴニカへの回帰の素晴らしい続編だと思っています。私はあなたがいくつかリスクを冒して、デッキを切り替えられないとしても普段なら使わないだろうカードを試し、そしてさらには新しいプレイヤーがデッキを改善することを助けてあげることを望んでいます。時間をかけてプレリリースと新しいカードを楽しんで、周りの他の人たちもそうであるようにしてください。


(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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