フューチャー・フューチャーの日々『戦乱のゼンディカー』編

更新日 Latest Developments on 2015年 10月 30日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

 またまたフューチャー・フューチャーの日々の時間がやってまいりました。この企画ではフューチャー・フューチャー・リーグのスタンダードのプレイテストを再訪して、『戦乱のゼンディカー』のカードに注目します。

 いつものように「フューチャー・フューチャーの日々」の記事で覚えておいてほしいことは、ご紹介するこれらのデッキの多くは調整されたものではないということです。これらのデッキには今のバージョンよりも強力なカードが満載されていたり、デベロップの後期に変更された現実世界のカードが入っていなかったりします。またこれらは現実世界が考え出したものとは少し異なったメタゲームへの反応をしているので、あなたの地元のトーナメントにこれらを持ち込んで勝てるとは思わないでください。これら全てのデッキの目標は、環境最強のデッキになることではなく、何かを試して学ぶことです。我々は時々最強のデッキのアイデアを与えてくれるトーナメントを開くこともありますが、我々はそこで何が可能であるかについて、そして個別のカードがスタンダード環境をより良くする方法についての正しい感触を掴みます。

 これらのデッキをご紹介することで、我々が何を考えていたかについての洞察を得る助けになるでしょう。もしかしたら、現実世界にはまだないクールなカードが見られるかもしれません。これは我々がプレイしている完全なリストではなく、むしろ私が言いたい興味深いことがあるデッキを少しお見せするものです。


 では最初のデッキは、古典的ながら素晴らしい初代『ゼンディカー』からの、しかし色が赤白から赤緑にシフトしたものです。

赤緑上陸

スタンダード
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 『タルキール覇王譚』にフェッチランドが入ることと『戦乱のゼンディカー』に上陸があることは事前に分かっていたので、このデッキは真っ先にテストされました。我々の望みは「上陸」デッキを作るのに必要なだけの上陸クリーチャーがあり、しかし「上陸クリーチャーを全部入れて、土地と除去を加える」デッキのパターンにはならないくらいにすることでした。『タルキール龍紀伝』のデベロップ中に《アタルカの命令》の最後のモードを探していたとき、我々は最終的にこのデッキに適応させることができるようにするためだけに、土地を手札から出すモードを選びました。


赤黒欠色アグロ

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 2番目に我々が機能させたいことが分かっていたのは、とにかくエルドラージが入ったアグロ・デッキでした。これは《幽霊火の刃》のような我々が種を蒔いておいたカードが芽を出し、我々が無色のエルドラージを許される限界まで推せると分かっていたものです。


赤緑ランプ

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 エルドラージ・ランプ・デッキなくして何がゼンディカーでしょうか? 《書かれざるものの視認》と《ニッサの天啓》はどちらもランプ・デッキに入れると強力な呪文ですし、《爪鳴らしの神秘家》や《ニッサの巡礼》、《面晶体の記録庫》のようなかなり素晴らしいマナ加速が存在します。


エスパー・ドラゴン

スタンダード
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 もちろん、我々は前のスタンダードからの強力なデッキを選び、それを新しいカードでアップデートすることも求めました。エスパー・ドラゴンはその最も強力なカードの多くを維持しており、《乱脈な気孔》、フェッチランド、バトルランドの強力なマナ基盤を手に入れました。


アブザン・ミッドレンジ

スタンダード
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 前環境を通して強力だったもう1つのデッキがアブザンです。加えて、我々は強力なデッキを取り上げて『戦乱のゼンディカー』のカードでどうアップデートできるかを見たいと考えていました。注目すべきは、このバージョンはエルドラージの昇華者を《先頭に立つもの、アナフェンザ》や《アブザンの魔除け》(スタンダードで最も強力なカードの2つです)と一緒に使って、《不毛の地の絞殺者》をとても強力で信頼性の高い除去にしようとしています。


青緑タイムウォーク

スタンダード
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 新デッキに話を戻すと、『戦乱のゼンディカー』でとてもリスクの高いカードの1つであるとすぐに意見が一致したのが《水の帳の分離》でした。このカードが2枚と十分な数の土地が戦場にあれば2回の攻撃で簡単にゲームを決めてしまうので、覚醒6ともう1枚の覚醒6、合計18点のダメージとして簡単に勝てないような数字にしました。このフォーマットの多くのフェッチランドがあるとはいえ、頻繁に対戦相手を倒すことはできません。しかし、それは少なくとも当然の結果ではありません。


 黒赤欠色アグロだけでなく、我々は少しマナカーブを重めにして、妨害手段を少し用いた青黒嚥下アグロも作りました。

青黒昇華者

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 『マジック・オリジン』には多くのエルフがいましたが、『テーロス』にも『タルキール覇王譚』にもエルフはいなかったので、『マジック・オリジン』以前の2つのブロックから得られる支援はごくわずかでした。しかしながら『戦乱のゼンディカー』にはかなりの数がいるので、我々はエルフデッキが新しいおもちゃを得られるチャンスがあるようにしたいと思いました――具体的には《獣呼びの学者》と《タジュールの戦呼び》です。

エルフ!

スタンダード
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 様々なことが試されましたが、我々が最終的にデッキそのものを抹殺してしまうようなある大きな変更を行いました。下のリストでは、《墓所からの行進》は全ての同盟者を墓地から戻していましたが、もっと重いコストでした。つまりこれを最大限に活かす方法は、できる限り多くの同盟者を墓地に送り、それから《墓所からの行進》を唱えることでした。

挙兵コンボ

スタンダード
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 《墓所からの行進》の狙いは同盟者デッキに全体除去に対抗する手段を与えることでした――コンボ・カードとしてではなく。このカードはこのデッキをコンボデッキに変えてしまいました。我々は最終的に、このカードが同盟者デッキに除去からの復帰を可能にするレベルを望みました。


 また我々は《白日の下に》で色々なことを試しました。我々が本当にこのカードが好きだということにもかかわらず、残りの収斂カードを適正なものにすることは困難でした。私が特に取り上げたいカードは《プリズム結界》です。

「プリズム結界」

スタンダード
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 このバージョンのこのデッキでは、《プリズム結界》は{W}{U}{B}{R}{G}で手札に戻る起動型能力を持っていました。《白日の下に》デッキが簡単にひっくり返し、そして《プリズム結界》を1ターンに2体以上のクリーチャーを食い止め、その後《プリズム結界》を乗り越えるのに十分な数のクリーチャーが並んだら全体除去を唱えるので、クリーチャー・デッキがこのデッキを倒すことをほぼ不可能にしてしまいました。

 今週はここまでです。来週は『統率者(2015年版)』についてお話しします!

 それではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" kaoru)

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